ジーエルサイエンス株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)

当社グループは、研究開発については、事業展開上の重要課題として積極的な研究開発活動を進めております。その分野は分析機器事業、半導体事業、自動認識事業のセグメントに分かれ、多様化、高度化、複雑化する顧客ニーズに対し、質の高い製品を提供するため、それぞれの分野ごとに独自性のある技術力を高めながら新技術の習得、導入及び品質、生産性の向上を目指して新製品の開発に努めております。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は、830百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。

(分析機器事業)
当事業では、主力消耗品ブランドの「イナートファミリー」の製品ラインアップの充実を継続して図っております。この中で液体クロマトグラフ用カラムは、高速化、多様化するニーズに応え、微粒子充填カラム、コアシェル型充填カラム、モノリス型カラムの開発を行っており、特に微粒子充填カラムにおいては毎期数種の新製品を発売しております。この3種類すべてをラインアップしているのは当社だけであります。前処理固相に関しては、新たにポリマー型固相「InertSep HLB」を中国市場の強化の為に投入いたしました。装置関連では、香粧品、食品市場に向け濃縮した成分を簡便にガスクロマトグラフに導入できる「HandyTD」の開発を行いました。成分を濃縮するツール「MonoTrap」との相乗効果を期待しております。ライフサイエンス分野では抗体医薬品に対応する抗体精製カラム及び前処理製品の開発を行いラインアップの充実を進めております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、689百万円であります。

(半導体事業)
当事業では、独自開発した低反射製品の需要が増加しており、生産体制を整備する一方で、さらなる要素技術の高度化による応用製品を開発しております。この他にも、多孔質セラミックス等の脆性材料を薄い肉厚で製造する技術を開発し、微細パタン形成や各種立体構造の試作・サンプル出荷を進めております。コーティング等による表面処理技術の開発においては、多岐にわたる顧客要求に応えるため、表面処理技術のラインアップの拡充を図っております。石英ガラスを用いた微細加工技術の開発として、直接接合技術及び表面処理技術を融合した微小高機能部品の開発を進めております。いずれも半導体事業だけでなく、他分野への応用を視野に入れて開発しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、14百万円であります。

(自動認識事業)
当事業では、RFIDに特化した製品開発技術の活用に加え、新しい技術の導入を進めております。中でもBluetooth Low Energy(以下BLE)については昨年度より基礎開発を実施、本年度は当事業製品群への応用と、新たな市場に向けBLE I/F製品開発を実施いたしました。引合い先のアクセスコントロール機器製品として、東京ビックサイトでの展示会に3機種の試作品の出展を実現し、次年度より生産の段取りとなっております。この他に従来のRFID機器として、FeliCa、MIFARE、ISO14443 type B、ISO15693の規格に対応した1枚基板構成の新モジュール(シリーズ)の開発を実施しております。本機は新機能を搭載したRFICを採用したことにより、高いアクセス性能と使用環境でのノイズ等に強い製品として完成いたしました。今後、本機を基に各種新規モジュール開発を展開し、市場での高い優位性を訴求してまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、125百万円であります。