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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AHQF

有価証券報告書抜粋 ヤマハ株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、「感動を・ともに・創る」をコーポレートスローガンに掲げ、「私たちは、音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづける」を企業理念に掲げています。これを支えるために、これまでに蓄積してきた「音と人が関わる技術」をコア技術と定め、更なる高度化と拡張のための研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、素材・解析、センシング、メカトロニクス、音源、信号処理、ネットワーク、感性評価等、音そのものに留まらず、基礎から応用まで、音の活用を支える技術分野に大きく広がっています。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク・デバイス」を強化分野とし、特に「良い音」を科学的に理解し、実際の楽器・音響機器設計に適用できるよう研究開発を進めました。また、物理モデル、音楽解析、歌唱合成などの技術の高度化と、ネットワーク時代に対応した高音質の伝送技術や無線接続に関連する技術開発も進めています。
当社グループの研究開発体制は、楽器・音響機器事業については当社楽器・音響開発本部、及び当社の連結子会社であるLine 6,Inc.、NEXO S.A.、Revolabs,Inc.、Steinberg Media Technologies GmbHの開発部門、その他の事業については当社電子デバイス事業部、ゴルフHS事業推進部及び当社の連結子会社であるヤマハファインテック(株)の開発部門、全社横断的R&D、新規事業については当社技術本部研究開発統括部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は244億15百万円であります。

1 楽器事業
アコースティック楽器関連では、自動演奏機能付きアコースティックピアノの新製品として、「Disklavier ENSPIRE」を開発しました。「Disklavier」は、アコースティックピアノとして演奏できるだけでなく、当社独自の高精度デジタル制御システムで、鍵盤やペダルの動きを正確に再現する自動演奏機能を搭載した、ハイブリッドピアノです。500曲のバラエティ豊かな自動演奏のピアノ曲データを内蔵し、従来のアンサンブル伴奏データに加えて、今回、オーディオ音源も再生できる機能を初搭載しました。プロモデルでは、弱いタッチの連打を高精度に再生できる世界初の技術「ハンマーセンサーフィードバック」により、より繊細な音の表現も可能となりました。また、斬新で美しく立体的なデザインを採用したエレクトリックバイオリン「YEV104」「YEV105」を開発しました。当社ならではの高い木材加工技術により、表と裏に連続性のあるメビウスの輪のようなフレームラインが特徴的なデザイン性の高い造形を実現しました。どの角度からでも美しく見える立体的な形状で、ステージ映えするデザインとなっています。なお、バイオマス由来樹脂製リコーダー「YRE-401/402B、YRA-48B、YRSA-402B」は、「2016年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を受賞しました。また、エレクトリックバイオリン「YEVシリーズ」は、「2016年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)と「iFデザインアワード」の最高賞「iFゴールドアワード」(主催:インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファー(iF))を受賞しました。「iFゴールドアワード」の受賞は、当社では初めてとなります。
ギター関連では、ギターの生音に、アンプを使わずにリバーブなどのエフェクトを直接かけられる「トランスアコースティックギター」を開発しました。2015年3月に発売開始した「トランスアコースティックピアノ」に搭載している、電気信号を振動に変換してアコースティック楽器と同じ発音方式で響かせる当社独自の技術「TransAcoustic」を応用した新しいギターです。弦などの振動を電気信号に変換してエフェクト処理し、ギター内部に搭載した「加振器」に伝え、ギターのボディを振動させることによってエフェクト音が生まれます。実音とエフェクト音が一体となってギター全体で響くことで、自然で心地よい響きを得られます。これにより、当社のエレクトロニクス分野とアコースティック分野のノウハウを掛け合わせた、新しい演奏体験を実現しました。また、新たな発想で開発した個性的なエレキギター「REVSTARシリーズ」を開発しました。ヤマハエレキギターの代表的モデルである「SGシリーズ」の面影を残しつつ、カスタムバイクを連想させる個性的なデザインになっています。さらに、独自開発のピックアップを搭載したことで、粘りのある骨太のサウンドを持ちながらキレのあるエッジ感も実現したほか、新設計のネックジョイント形状とボディ形状により、高い演奏性を持ち合わせています。なお、エレキギター「REVSTARシリーズ」は、「iFデザインアワード」(主催:インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファー(iF))を受賞しました。
電子楽器関連では、新音源システムにより高い表現力を実現したミュージックシンセサイザー「モンタージュ」を開発しました。「モンタージュ」は、画期的な音色コントロールにより今までにない新しい音楽表現を可能とする、次世代のフラッグシップシンセサイザーです。新しい音源システム「Motion Control Synthesis Engine」を搭載し、滑らかでダイナミックな演奏表現を実現しました。またプレイヤーのニュアンスを繊細に表現する高品位な鍵盤や最大128種類のパラメーターを一気に変化させることができる、革新的なコントローラー「Super Knob」を含む高い操作性を実現するユーザーインターフェースなどが、プレイヤーの創造性を引き出します。また、グランドピアノの音とタッチにこだわった電子ピアノのベーシックモデル「ARIUS YDP-163/YDP-143」を開発しました。「YDP-163/YDP-143」は、ヤマハのコンサートグランドピアノからサンプリングした「リアル・グランド・エクスプレッション(RGE)スタンダードII音源」や、グランドピアノのタッチ感に近づいた「グレードハンマー3(GH3)鍵盤」(「YDP-163」のみ)の採用により、さらに本格的な音と弾き心地をお楽しみいただけるようになりました。また、ヘッドフォン着用時でも、自然な聴き心地で演奏ができる「ステレオフォニックオプティマイザー」や、スマートフォンやタブレットの画面で楽器の機能を簡単に操作できるアプリケーション「Digital Piano Controller」との連携により、演奏時の快適性や利便性が向上しました。なお、電子ピアノクラビノーバ「CLP-585」は、「German Design Award 2017」(主催:ドイツデザイン評議会)において「Special Mention」に選出されました。
新規事業関連では、当社の技術とノウハウを凝縮したICT音楽教育ソリューション「Smart Education System」を開発しました。「ボーカロイド教育版」は、当社が開発した歌声合成技術「VOCALOID」(ボーカロイド)を小中学校の音楽授業を想定し改良したもので、思い浮かんだ歌詞やメロディーを入力して、試行錯誤を重ねながら直感的な操作で曲をつくることができる音楽ソフト形式のデジタル教材です。なお、「おもてなしガイド」は、「2016年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)のグッドデザイン・ベスト100に選出され、さらに「IAUDアウォード2016」(主催:一般財団法人 国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD))において金賞を受賞しました。本アウォードの受賞は、当社としては今回が初めてとなります。
研究開発費は87億28百万円であります。

2 音響機器事業
オーディオ関連では、当社のスピーカー技術を集大成したフラッグシップモデルのブックシェルフスピーカー「NS-5000」を開発しました。「NS-5000」は、従来のスピーカー設計の枠に捉われない新概念の技術と素材に挑戦し、これからのHiFiスピーカーの理想を指し示す新たな標準器として開発したフラッグシップ3ウェイブックシェルフスピーカーです。ベリリウムに匹敵する音速(音の伝播速度)を実現する新開発の振動板素材をツィーター/ミッドレンジ/ウーファーのすべてに採用して全帯域の音色を統一するとともに、筐体にも最新の研究成果を投入することで定在波の解消と無共振化を徹底しました。音のカラーレーション(色付け)や特定のサウンドキャラクターを排除した心地良さとリアリティ、そして究極的なS/N感を備えた次世代のナチュラルサウンドを実現しました。また、ハイレゾ音源をはじめとするネットワーク音源やアナログ音源など、さまざまな音楽コンテンツを高音質で快適に楽しめる「MusicCast」対応のネットワークオーディオコンポ「WXA-50/WXC-50」を開発しました。「WXA-50/WXC-50」は、ネットワークオーディオ再生やWi-Fi及びBluetoothを利用したワイヤレス音楽再生、対応機器間での音楽コンテンツの配信・共有・リンク再生をひとつのアプリで行える当社独自の「MusicCast」などに対応したネットワークオーディオコンポです。当社のHiFiオーディオやハイグレードAVレシーバー「AVENTAGE」シリーズの開発で培った高音質技術を横幅214mm×パネル高さ42mm(脚部除く)のコンパクトなボディに凝縮するとともに、圧縮音源を魅力的なサウンドで再現するミュージックエンハンサー、小音量再生時にも正確なサウンドバランスが得られるボリュームアダプティブEQなども採用し、ハイレゾ音源を含むさまざまな音楽コンテンツを高音質かつ快適に楽しむことができます。なお、ブックシェルフスピーカー「NS-5000」とデジタル・サウンド・プロジェクター「YSP-2700」は、「2016年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を受賞しました。
業務用音響機器関連では、高い出力性能と優れた信号処理能力を備えたDSP搭載型高音質パワーアンプ「PXシリーズ」を開発しました。カスタムLSIを使用した新規設計のクラスDエンジンを搭載、1チップに必要な機能を凝縮したシンプルな構成にすることで軽量化と高信頼性を両立しました。また、高性能DSPと信号処理におけるノウハウの融合による柔軟なプロセッシングにより、使用するスピーカーに最適な設定を施すコンフィグウィザードやヤマハスピーカーに最適なチューニングのプリセット群など、簡易な操作でスピーカーを保護しながら最大限のパワーをスピーカーに提供します。また、コンパクトなラックマウントタイプのデジタルミキサー「TF-RACK」を開発しました。「TF-RACK」は、2015年6月に発売した「TFシリーズ」(TF5/TF3/TF1)に追加となるコンパクトなラックマウント型モデルです。革新的な操作性で熟練のエンジニアからミキシングを学び始めたオペレーターまで幅広いユーザー層から好評を得ている「TFシリーズ」の特長を継承しながら、EIA規格19インチ標準ラックにマウントできるコンパクトな3Uサイズを実現しました。タッチパネルによる直感的なユーザーインターフェース「TouchFlow Operation」などにより、スペースに制限がある会場や演目においても直感的かつスムーズな操作性を提供し、可搬性にも優れるため素早いセッティングと快適なオペレーションを行うことが可能です。また、Steinberg Media Technologies GmbHは、 オーケストラなどの楽譜を効率よく快適に作成でき、美しい印刷が可能なソフトウェア「Dorico」を開発しました。「Dorico」は、Steinberg社で初となる本格的な楽譜作成ソフトウェアです。直感的なワークフローと美しい楽譜印刷により、作曲・編曲・演奏に集中することができます。シンプルで無駄のないユーザーインターフェース、ショートカットキーによる入力と編集、強力なページレイアウト機能、複数の楽曲・楽章を一元管理できる「フロー」により、効率よく快適に楽譜を作成できます。なお、商業空間向け音響機器「MA/PAシリーズ」「VXSシリーズ/VXSシリーズFモデル」「VXCシリーズ/VXCシリーズFモデル」は、「2016年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を受賞しました。
情報通信機器関連では、クラウド型のネットワーク統合管理サービス「Yamaha Network Organizer(YNO)」を開発しました。YNOは、当社が発売したネットワーク機器をクラウドから監視・管理することのできる統合管理環境を提供するサービスです。中小規模ネットワークを中心に展開してきたヤマハネットワーク機器製品では、管理する機器が広範囲に広がっているなどの理由から、監視・管理のシステム構築に踏み出せなかったケースも多く存在しています。YNOをご利用いただくことで、これらの機器の監視・管理の負担を少なくし、より効率よく、さらにはトラブルにも強い機器管理を実現いたします。YNOは、ネットワーク機器の情報を、すべてクラウド上で管理します。これにより、設定情報を持ち歩くことなく、安全に一元管理できます。さらに、複数の機器設定を変更するなどの作業も、YNOのWeb管理画面上で簡単に行えますので、ネットワーク機器を管理される方の負担を大きく軽減いたします。また、管理負荷を軽減する「ネットワークの見える化」に対応したスイッチ「SWX2100-24G」「SWX2100-5PoE」「SWX2100-10PoE」を開発しました。「SWX2100-24G」は、基本機能に特化したスイッチでありながら*SFPポートを搭載し、階層や建屋をまたがるLANを構成できるモデルとして、安定したネットワークを構築できるコストメリットの高いL2スイッチです。「SWX2100-5PoE」「SWX2100-10PoE」はVLAN機能などを必要としないIPカメラ専用ネットワークでPoE給電を可能にするモデルとして、安定したネットワークを構築できるコストメリットの高いL2スイッチです。
研究開発費は114億47百万円であります。
*SFP:Small Form Factor Pluggableの略。光ファイバーを通信機器に接続する光トランシーバーの規格。

3 その他の事業
電子デバイス事業関連では、補聴器向けの磁気スイッチ「YAS540(MSW2)」を開発しました。高感度、高S/N比の磁気センサー素子を採用し、0.9Vでの動作を実現しました。補聴器では、携帯電話使用モードへの自動切り替え機能が増加しており、小型、低電圧駆動、低消費電力で携帯電話スピーカーの接近検知が可能です。また、ヤマハファインテック株式会社では、水素トレースガス生成装置「YMHN-500」を開発しました。純水から4%のトレースガスを生成します。ボンベ交換が不要になり、より手軽に安全に、水素を用いたリークテストを行う事ができ、低コスト化にも貢献します。
ゴルフ事業関連では、プラス2番手テクノロジーを搭載したゴルフクラブ「inpres UD+2」と女性専用設計のやさしさをプラスした「inpres UD+2 LADIES」を開発しました。「inpres UD+2」は、2014年の発売以来、アイアンの常識を超える飛距離でご好評をいただいている「inpres RMX UD+2アイアン」の革新的な技術、プラス2番手テクノロジーをさらに進化させ、シリーズとして生まれ変わった、新生「inpres」シリーズの最初のモデルとなるゴルフクラブです。ドライバー・フェアウェイウッド・ユーティリティ・アイアンのすべてのクラブにおいて、プラス2番手テクノロジーの3要素である「ルール限界に迫る反発性能」「スーパー重心設計」「高初速ロフト設計」を搭載しています。新生「inpres」は、合理的に飛距離を伸ばしたいスマートゴルファーに向けて、明らかな飛びを提供することをコンセプトとして生まれたシリーズです。
研究開発費は42億40百万円であります。

当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は4,681件であります。

(注)
・ iPhone、iPadは、Apple Inc.の商標です。
・ Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの商標です。
・ Bluetoothは、Bluetooth SIG, Inc.の商標です。
・ Disklavier、Disklavier ENSPIRE、TransAcoustic、REVSTAR、Montage、ARIUS、VOCALOID、MusicCast、AVENTAGE、Yamaha Network Organizer(YNO)、inpres、RMX、UD+2は、当社の商標です。
・ Doricoは、Steinberg Media Technologies GmbHの商標です。

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