有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AN35
株式会社JBイレブン 事業等のリスク (2017年3月期)
生産、受注及び販売の状況メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
以下において、当社グループの事業展開上のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる主な事項を記載しています。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載をしています。
また、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存ですが、当社株式に関する投資判断は、本項記載事項および本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、下記の記載は当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、その点も併せてご留意願います。
なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、様々な要因によって実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 当社グループの事業展開について
① 経営成績の変動について
当社グループは、「一刻魁堂」(「一刻魁堂/真一刻」を含む)、「ロンフーダイニング」(「ロンフービストロ」を含む)の2業態に経営資源を集中し、商品を中心とした業態力を磨き上げることで、お客様から優先的に選択される業態競争力の確立に努めるとともに、両業態の新規出店に取り組む計画です。
しかしながら、この戦略が事業環境の変化により思いどおりの成果をあげることができなかった場合や、より付加価値の高い品質・サービス・価格を提供する競合店舗が出現した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、それら既存事業の補完および相乗効果、成長性を高めるための投資案件(「M&A」「グローバル化」
を含む)に取り組んでいくことによる、新たなリスク発生の可能性もあります。
② 事業用定期借地契約および定期借家契約の満了による退店について
当社グループは、店舗出店用地確保およびテナント入居時において、通常、賃貸人との間でそれぞれ事業用定期借地契約、定期借家契約を締結しています。これらの契約は、契約期間の満了時に、当社グループ側の継続契約意志の有無にかかわらず、賃貸人から一方的に当初契約期間の満了とともに契約が打ち切られることもあります。
当社グループは、当初の契約時に契約期間内に投資額を回収できるかどうかの事前検証を実施し適切な投資を実行するとともに、契約後も適法適切な早期の資産償却を進めていますが、当初の契約期間内に全ての資産償却を完了するものではありません。
また、契約期間満了後も店舗営業を継続すべく賃貸人とのコミュニケーションを図り友好関係を構築していますが、賃貸人の都合により契約の継続が出来なかった場合には、移転利用等の出来ない資産の残存簿価に対する損失が発生することとなり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 営業不振による退店および減損会計の適用について
当社グループは、経営の健全性を保つためスクラップアンドビルドを重要な経営戦略の一つと考えており、新規出店を進める一方で、収益性の低い店舗の撤退を進めています。
新規出店物件の選定に当たっては、商圏人口・交通量・競合店状況等の立地条件や賃借料・敷金(保証金)等の経済条件を基に、売上および利益等の業績予想を勘案し出店を決定していますが、出店した店舗が当初の計画通りの収益を計上できず、販売促進等による売上の拡大、また、経費の削減に努めても業績の回復が図れない場合には、業態転換、店舗転貸または退店等撤退(スクラップ)する方針としています。
このような場合には、店舗撤退に伴う損失が発生することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、同様の問題で減損会計の適用により減損損失を計上した場合も、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ エネルギーコストの高騰について
当社グループは、各拠店において省エネ対策とエネルギーコスト削減に随時施策を講じていますが、原油価格の高騰等の影響により、電気料金、ガス料金等のエネルギーコストが大幅に上昇した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 中華料理と中国産食材・加工食品との関連について
中国産食材・加工食品において、残留農薬、抗菌剤など使用禁止物質の混入等の事実が発覚し、更には衛生管理など「安心・安全」に関する諸問題の多発で中国製品の信頼性が問われています。近年でも、大手ファストフードチェーンに関係する中国の食品工場での食品安全管理の報道もあり、現時点においては中国産食材の信頼性が大幅に改善した状況にはなく、日本の消費者からは敬遠される傾向にあります。
当社グループは、ラーメン、ギョーザ、チャーハンを主力商品とする中華料理の分野で事業展開していますが、今後新たな中国産食材の問題発生があった場合には、中国産食材に対して不安と風評が広がり、中華料理を敬遠する傾向が強まることで、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 食材の安全性および安定供給について
食品の不正表示・偽装表示等、消費者の信頼を損なう不祥事が相次ぎ、食の安全に対する関心が一段と高まり、以前にも増して安全な食材の確保が重要になってきました。
当社グループは、仕入先から各食材の製品規格書の提出を求め、原産地・アレルギー物質・添加物などの確認を行うとともに、常に安全な食事を提供するために衛生管理マニュアル等に基づく教育・管理の徹底、衛生監査の実施および食品安全委員会の設置により、お客様の信頼に応えるべく努力をしています。
しかしながら、食材の安全性に関わる不安・風評などにより、お客様に不安感を持たれた場合等には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 原材料価格の高騰について
当社グループは、豚肉・小麦等の主要原材料に輸入品を使用しており、その価格は国際商品市場等の影響を受けて変動しています。為替相場の大幅な円安や政府のインフレターゲット政策等の影響により、輸入原材料の価格が高騰した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定取引先への依存について
当社グループは、2003年8月より主要食材の仕入れに関して、発注業務合理化および食材の安定供給を目的として、尾家産業株式会社に仕入先を集約したことにより、同社からの仕入高割合が2015年3月期76.7%、2016年3月期79.9%、当連結会計年度79.3%と非常に高くなっています。
従いまして、同社からの仕入れが何らかの要因により継続できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 当社グループの名古屋センターおよび有松工場の運営について
当社グループの店舗が使用する食材の内、当社グループ会社の生産拠点である名古屋センターおよび有松工場への内製加工食材の比率が上昇し、当期においては店舗仕入額の45.0%を占めています。当社グループは、今後においても売上原価の低減を図るため、名古屋センターおよび有松工場での内製化を積極的に拡大する計画です。
しかしながら、名古屋センターおよび有松工場において、地震等の大規模災害に罹災する等、また加工設備の停止など何らかの事故が発生し、店舗への供給遅れあるいは供給停止が生じた場合に、特定商品の販売中止や、回復に時間を要して店舗休業などに至ったときは、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 人件費について
当社グループは、従業員の短時間労働者が多くを占めており、出店エリアにおいて同業他社等の増加により労働需給が逼迫している地域があります。そのため、従業員の時間給を引き上げることで確保せざるを得ない地域があり、人件費の増加要因となっています。
当社グループは、既存の従業員の業務処理能力を高めるために必要な教育を行い、定着率を高めるため労働環境の改善に取り組んでいますが、人員の確保ができなくなった場合、時間給の引き上げが必要となり、給与や保険料の負担の増加等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 人材の確保と育成について
当社グループは、今後も事業展開を積極的に行う方針であり、事業展開に必要な人材を確保していく必要があります。そのため、当社グループは中期経営計画に基づいた人員計画を策定し、さまざまな雇用形態の社員を採用する等の人事制度を導入し、より効果的に人材を確保し、早期戦力化を実現するための採用ならびに育成を行っています。
しかしながら、人材の確保および育成が計画どおりに進まない場合には、一部営業の休止をせざるを得なかったりする等、当社グループの事業展開が制約される可能性があり経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ ショッピングセンターへの出店について
近年、ショッピングセンター等の大規模な商業施設が全国的に多数展開され、多くの集客をする一方で、商業施設同士の競合が激しさを増しショッピングセンターを取り巻く環境は年々厳しくなっています。
当社グループは、今後においても郊外店の出店と同時にショッピングセンター等へも出店する計画ですが、ショッピングセンター等商業施設に出店を検討する場合は、他の商業施設との競合状態等の把握に努め、優位にあると認められる物件を選定し出店する方針です。
しかしながら、出店先のショッピングセンター等が他の商業施設との競合により集客力が低下した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 敷金・保証金について
当社グループは、土地・建物等の賃貸借契約による出店を方針としており、当連結会計年度末の営業店舗83店舗中、23店につき土地を賃借りし、57店(内、40店はビルイン)は土地建物を賃借しています。当連結会計年度末現在の差入保証金および建設協力金の合計は566,237千円となっており、資産合計に占める割合は、13.2%となっています。当該差入保証金は賃貸借契約の終了をもって返還されますが、賃貸先の状況によっては、当該店舗に係る差入保証金返還や建設協力金回収、店舗営業継続に支障が生じる可能性があります。
また、店舗の不採算等により賃貸借契約満了前に契約解除を行った場合には、当該契約に基づく差入保証金の一部または全部が返還されないこと等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 危機管理体制について
当社グループは、以下の事項に対し、危機管理体制の確立により体系的なリスク管理を行い、経営の安定を図る必要があると考えております。
・自然災害リスク
地震、台風、津波、噴火、異常気象、感染症の流行(パンデミック)等
・法務リスク
知的財産権等に関する紛争、各種訴訟など
・サービス・製造物・販売物等の責任リスク
食中毒事故、サービス上のミス・トラブル・クレーム、商品上の不良・欠陥、返品・リコールなど
・システムリスク
コンピュータなどの管理システムの故障・誤動作・停止、システム不備など
・社会的リスク
情報の漏洩、報道、風評、反社会的組織対応、社員の不正・犯罪行為、各種ハラスメントなど
・政治・カントリーリスク
海外を含む法律の制定・改正、税制の改正、通商問題、戦争・争乱など
以上の危機問題に対して、食品安全委員会等委員会の設置やプロジェクトチームを編成する等、発生防止の訓練や具体的対策を含む危機管理体制の構築を進めています。
しかしながら、当社グループの現時点における対策は必ずしも万全なものではなく、今後更に検討を加え各対策の充実に向けて努力を継続しますが、その対策にもかかわらず実際に予測不可能な危機問題が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 重要な訴訟事件等について
現時点では会社の経営成績に重要な影響を与える訴訟は発生していません。当社グループではコンプライアンスを重視し、リスク管理体制を強化していますが、今後、事業を遂行していくうえで取引先・お客様等から事業に重要な影響を与える訴訟を起こされた場合、これらの訴訟の帰趨によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 従業員の悪質なイタズラ行為について
外食店やコンビニ店で働く店員等による、店内での悪ふざけ行為や悪質なイタズラ画像のツイッターやフェイスブックへの投稿により、顧客からの苦情が殺到するといった不祥事が相次ぎ、食品の安全管理が問われています。
当社グループは、常に安全な食事を提供するために衛生管理マニュアル等に基づく教育・指導を実施するとともに、従業員による悪質なイタズラ行為等については、賞罰委員会を通じて懲戒処分とする等、従業員の規律を高め、顧客の信頼に応えるべく努力をしていますが、不祥事が発生した場合には、企業ブランドの失墜、当該店舗の閉店へと派生する場合もあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制等について
① 食品衛生法について
当社グループの主な法的規制として、工場および店舗での営業全般に関して、食品衛生法の規制を受けています。当社グループでは、食品衛生法に基づき、所轄保健所から営業許可を取得し、名古屋センター、有松工場および直営店舗に食品衛生責任者を配置しています。また、衛生管理マニュアル、スタッフハンドブック等で全従業員に対し、衛生管理について周知徹底させていますが、当社グループ営業活動において、当該法令に抵触した場合は営業停止等の行政処分を受けることになります。
現在のところ、会社設立以来行政処分の対象となる事由は発生していませんが、衛生管理諸施策にもかかわらず、行政処分がなされた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)について
2001年5月に施行された「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」(以下「食品リサイクル法」という)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食事業者は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、排出する食品残渣物の20%を削減することが義務付けられています。2007年6月には食品関連事業者(特に食品小売業、外食事業)に対する指導監督の強化と取組みの円滑化を目的として改正され、定期報告などの措置が創設されました。
当社グループは、食品リサイクル法の対象となる外食事業者であり、同法に基づき食品廃棄物の減量等に努めています。しかしながら、再生利用等の目標が達成できず当局の指導を受けた場合や自社で処理を行うための設備を新たに購入する等の必要性が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 産業廃棄物について
当社グループの店舗、名古屋センターおよび有松工場にて排出される事業系産業廃棄物は、認可を受けた産業廃棄物業者に収集運搬および処理を委託していますが、委託した業者が認可取り消しになり当社グループが知らずに委託していた場合、または委託した業者が不法投棄した場合、あるいは委託した業者が無認可の下請け業者を使用していた場合等、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の違反行為をしたとき、当社グループも排出事業者責任があるとして罰則を受けた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)について
当社グループの店舗、本社、名古屋センターおよび有松工場は、当該施設で使用するエネルギー使用量を正確に計測集計し、各種届出書ならびに報告書を提出していますが、届出を失念した場合や錯誤により正確な届出が出来なかった場合等により、社名が公表されたときは社会的に信用を失い、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 個人情報について
当社グループは、事業の過程において顧客、株主、取引先および従業員等の個人情報を保有しています。当社グループは、個人情報の漏洩および個人情報への不正なアクセスを重大なリスクと認識し、情報セキュリティに最善の対策を講じ、周知徹底しています。しかしながら、個人情報が外部へ漏洩するような事態が発生した場合には、信用低下による売上の減少や損害賠償による費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)有利子負債への依存について
当社グループの新規出店および業態転換等による改装の設備投資資金は、主に金融機関からの借入金により調達しており、総資産に対する有利子負債比率は下表のとおり高水準です。今後は、資金効率の改善と自己資本の充実により、財務体質の強化に努める方針ですが、店舗収益悪化により借入金の返済額負担の増加、また、金融情勢の変化による借入金に対する金利負担の増大により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
最近における当社グループの総資産に占める有利子負債比率等は、下表のとおりで推移しています。
また、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存ですが、当社株式に関する投資判断は、本項記載事項および本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、下記の記載は当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、その点も併せてご留意願います。
なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、様々な要因によって実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 当社グループの事業展開について
① 経営成績の変動について
当社グループは、「一刻魁堂」(「一刻魁堂/真一刻」を含む)、「ロンフーダイニング」(「ロンフービストロ」を含む)の2業態に経営資源を集中し、商品を中心とした業態力を磨き上げることで、お客様から優先的に選択される業態競争力の確立に努めるとともに、両業態の新規出店に取り組む計画です。
しかしながら、この戦略が事業環境の変化により思いどおりの成果をあげることができなかった場合や、より付加価値の高い品質・サービス・価格を提供する競合店舗が出現した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、それら既存事業の補完および相乗効果、成長性を高めるための投資案件(「M&A」「グローバル化」
を含む)に取り組んでいくことによる、新たなリスク発生の可能性もあります。
② 事業用定期借地契約および定期借家契約の満了による退店について
当社グループは、店舗出店用地確保およびテナント入居時において、通常、賃貸人との間でそれぞれ事業用定期借地契約、定期借家契約を締結しています。これらの契約は、契約期間の満了時に、当社グループ側の継続契約意志の有無にかかわらず、賃貸人から一方的に当初契約期間の満了とともに契約が打ち切られることもあります。
当社グループは、当初の契約時に契約期間内に投資額を回収できるかどうかの事前検証を実施し適切な投資を実行するとともに、契約後も適法適切な早期の資産償却を進めていますが、当初の契約期間内に全ての資産償却を完了するものではありません。
また、契約期間満了後も店舗営業を継続すべく賃貸人とのコミュニケーションを図り友好関係を構築していますが、賃貸人の都合により契約の継続が出来なかった場合には、移転利用等の出来ない資産の残存簿価に対する損失が発生することとなり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 営業不振による退店および減損会計の適用について
当社グループは、経営の健全性を保つためスクラップアンドビルドを重要な経営戦略の一つと考えており、新規出店を進める一方で、収益性の低い店舗の撤退を進めています。
新規出店物件の選定に当たっては、商圏人口・交通量・競合店状況等の立地条件や賃借料・敷金(保証金)等の経済条件を基に、売上および利益等の業績予想を勘案し出店を決定していますが、出店した店舗が当初の計画通りの収益を計上できず、販売促進等による売上の拡大、また、経費の削減に努めても業績の回復が図れない場合には、業態転換、店舗転貸または退店等撤退(スクラップ)する方針としています。
このような場合には、店舗撤退に伴う損失が発生することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、同様の問題で減損会計の適用により減損損失を計上した場合も、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ エネルギーコストの高騰について
当社グループは、各拠店において省エネ対策とエネルギーコスト削減に随時施策を講じていますが、原油価格の高騰等の影響により、電気料金、ガス料金等のエネルギーコストが大幅に上昇した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 中華料理と中国産食材・加工食品との関連について
中国産食材・加工食品において、残留農薬、抗菌剤など使用禁止物質の混入等の事実が発覚し、更には衛生管理など「安心・安全」に関する諸問題の多発で中国製品の信頼性が問われています。近年でも、大手ファストフードチェーンに関係する中国の食品工場での食品安全管理の報道もあり、現時点においては中国産食材の信頼性が大幅に改善した状況にはなく、日本の消費者からは敬遠される傾向にあります。
当社グループは、ラーメン、ギョーザ、チャーハンを主力商品とする中華料理の分野で事業展開していますが、今後新たな中国産食材の問題発生があった場合には、中国産食材に対して不安と風評が広がり、中華料理を敬遠する傾向が強まることで、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 食材の安全性および安定供給について
食品の不正表示・偽装表示等、消費者の信頼を損なう不祥事が相次ぎ、食の安全に対する関心が一段と高まり、以前にも増して安全な食材の確保が重要になってきました。
当社グループは、仕入先から各食材の製品規格書の提出を求め、原産地・アレルギー物質・添加物などの確認を行うとともに、常に安全な食事を提供するために衛生管理マニュアル等に基づく教育・管理の徹底、衛生監査の実施および食品安全委員会の設置により、お客様の信頼に応えるべく努力をしています。
しかしながら、食材の安全性に関わる不安・風評などにより、お客様に不安感を持たれた場合等には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 原材料価格の高騰について
当社グループは、豚肉・小麦等の主要原材料に輸入品を使用しており、その価格は国際商品市場等の影響を受けて変動しています。為替相場の大幅な円安や政府のインフレターゲット政策等の影響により、輸入原材料の価格が高騰した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定取引先への依存について
当社グループは、2003年8月より主要食材の仕入れに関して、発注業務合理化および食材の安定供給を目的として、尾家産業株式会社に仕入先を集約したことにより、同社からの仕入高割合が2015年3月期76.7%、2016年3月期79.9%、当連結会計年度79.3%と非常に高くなっています。
従いまして、同社からの仕入れが何らかの要因により継続できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 当社グループの名古屋センターおよび有松工場の運営について
当社グループの店舗が使用する食材の内、当社グループ会社の生産拠点である名古屋センターおよび有松工場への内製加工食材の比率が上昇し、当期においては店舗仕入額の45.0%を占めています。当社グループは、今後においても売上原価の低減を図るため、名古屋センターおよび有松工場での内製化を積極的に拡大する計画です。
しかしながら、名古屋センターおよび有松工場において、地震等の大規模災害に罹災する等、また加工設備の停止など何らかの事故が発生し、店舗への供給遅れあるいは供給停止が生じた場合に、特定商品の販売中止や、回復に時間を要して店舗休業などに至ったときは、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 人件費について
当社グループは、従業員の短時間労働者が多くを占めており、出店エリアにおいて同業他社等の増加により労働需給が逼迫している地域があります。そのため、従業員の時間給を引き上げることで確保せざるを得ない地域があり、人件費の増加要因となっています。
当社グループは、既存の従業員の業務処理能力を高めるために必要な教育を行い、定着率を高めるため労働環境の改善に取り組んでいますが、人員の確保ができなくなった場合、時間給の引き上げが必要となり、給与や保険料の負担の増加等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 人材の確保と育成について
当社グループは、今後も事業展開を積極的に行う方針であり、事業展開に必要な人材を確保していく必要があります。そのため、当社グループは中期経営計画に基づいた人員計画を策定し、さまざまな雇用形態の社員を採用する等の人事制度を導入し、より効果的に人材を確保し、早期戦力化を実現するための採用ならびに育成を行っています。
しかしながら、人材の確保および育成が計画どおりに進まない場合には、一部営業の休止をせざるを得なかったりする等、当社グループの事業展開が制約される可能性があり経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ ショッピングセンターへの出店について
近年、ショッピングセンター等の大規模な商業施設が全国的に多数展開され、多くの集客をする一方で、商業施設同士の競合が激しさを増しショッピングセンターを取り巻く環境は年々厳しくなっています。
当社グループは、今後においても郊外店の出店と同時にショッピングセンター等へも出店する計画ですが、ショッピングセンター等商業施設に出店を検討する場合は、他の商業施設との競合状態等の把握に努め、優位にあると認められる物件を選定し出店する方針です。
しかしながら、出店先のショッピングセンター等が他の商業施設との競合により集客力が低下した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 敷金・保証金について
当社グループは、土地・建物等の賃貸借契約による出店を方針としており、当連結会計年度末の営業店舗83店舗中、23店につき土地を賃借りし、57店(内、40店はビルイン)は土地建物を賃借しています。当連結会計年度末現在の差入保証金および建設協力金の合計は566,237千円となっており、資産合計に占める割合は、13.2%となっています。当該差入保証金は賃貸借契約の終了をもって返還されますが、賃貸先の状況によっては、当該店舗に係る差入保証金返還や建設協力金回収、店舗営業継続に支障が生じる可能性があります。
また、店舗の不採算等により賃貸借契約満了前に契約解除を行った場合には、当該契約に基づく差入保証金の一部または全部が返還されないこと等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 危機管理体制について
当社グループは、以下の事項に対し、危機管理体制の確立により体系的なリスク管理を行い、経営の安定を図る必要があると考えております。
・自然災害リスク
地震、台風、津波、噴火、異常気象、感染症の流行(パンデミック)等
・法務リスク
知的財産権等に関する紛争、各種訴訟など
・サービス・製造物・販売物等の責任リスク
食中毒事故、サービス上のミス・トラブル・クレーム、商品上の不良・欠陥、返品・リコールなど
・システムリスク
コンピュータなどの管理システムの故障・誤動作・停止、システム不備など
・社会的リスク
情報の漏洩、報道、風評、反社会的組織対応、社員の不正・犯罪行為、各種ハラスメントなど
・政治・カントリーリスク
海外を含む法律の制定・改正、税制の改正、通商問題、戦争・争乱など
以上の危機問題に対して、食品安全委員会等委員会の設置やプロジェクトチームを編成する等、発生防止の訓練や具体的対策を含む危機管理体制の構築を進めています。
しかしながら、当社グループの現時点における対策は必ずしも万全なものではなく、今後更に検討を加え各対策の充実に向けて努力を継続しますが、その対策にもかかわらず実際に予測不可能な危機問題が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 重要な訴訟事件等について
現時点では会社の経営成績に重要な影響を与える訴訟は発生していません。当社グループではコンプライアンスを重視し、リスク管理体制を強化していますが、今後、事業を遂行していくうえで取引先・お客様等から事業に重要な影響を与える訴訟を起こされた場合、これらの訴訟の帰趨によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 従業員の悪質なイタズラ行為について
外食店やコンビニ店で働く店員等による、店内での悪ふざけ行為や悪質なイタズラ画像のツイッターやフェイスブックへの投稿により、顧客からの苦情が殺到するといった不祥事が相次ぎ、食品の安全管理が問われています。
当社グループは、常に安全な食事を提供するために衛生管理マニュアル等に基づく教育・指導を実施するとともに、従業員による悪質なイタズラ行為等については、賞罰委員会を通じて懲戒処分とする等、従業員の規律を高め、顧客の信頼に応えるべく努力をしていますが、不祥事が発生した場合には、企業ブランドの失墜、当該店舗の閉店へと派生する場合もあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制等について
① 食品衛生法について
当社グループの主な法的規制として、工場および店舗での営業全般に関して、食品衛生法の規制を受けています。当社グループでは、食品衛生法に基づき、所轄保健所から営業許可を取得し、名古屋センター、有松工場および直営店舗に食品衛生責任者を配置しています。また、衛生管理マニュアル、スタッフハンドブック等で全従業員に対し、衛生管理について周知徹底させていますが、当社グループ営業活動において、当該法令に抵触した場合は営業停止等の行政処分を受けることになります。
現在のところ、会社設立以来行政処分の対象となる事由は発生していませんが、衛生管理諸施策にもかかわらず、行政処分がなされた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
許認可等 | 営業許可証 |
有効期間 | 5~8年 |
関連法令 | 食品衛生法 |
関連諸官庁等 | 厚生労働省・各保健所 |
② 食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)について
2001年5月に施行された「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」(以下「食品リサイクル法」という)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食事業者は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、排出する食品残渣物の20%を削減することが義務付けられています。2007年6月には食品関連事業者(特に食品小売業、外食事業)に対する指導監督の強化と取組みの円滑化を目的として改正され、定期報告などの措置が創設されました。
当社グループは、食品リサイクル法の対象となる外食事業者であり、同法に基づき食品廃棄物の減量等に努めています。しかしながら、再生利用等の目標が達成できず当局の指導を受けた場合や自社で処理を行うための設備を新たに購入する等の必要性が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 産業廃棄物について
当社グループの店舗、名古屋センターおよび有松工場にて排出される事業系産業廃棄物は、認可を受けた産業廃棄物業者に収集運搬および処理を委託していますが、委託した業者が認可取り消しになり当社グループが知らずに委託していた場合、または委託した業者が不法投棄した場合、あるいは委託した業者が無認可の下請け業者を使用していた場合等、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の違反行為をしたとき、当社グループも排出事業者責任があるとして罰則を受けた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)について
当社グループの店舗、本社、名古屋センターおよび有松工場は、当該施設で使用するエネルギー使用量を正確に計測集計し、各種届出書ならびに報告書を提出していますが、届出を失念した場合や錯誤により正確な届出が出来なかった場合等により、社名が公表されたときは社会的に信用を失い、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 個人情報について
当社グループは、事業の過程において顧客、株主、取引先および従業員等の個人情報を保有しています。当社グループは、個人情報の漏洩および個人情報への不正なアクセスを重大なリスクと認識し、情報セキュリティに最善の対策を講じ、周知徹底しています。しかしながら、個人情報が外部へ漏洩するような事態が発生した場合には、信用低下による売上の減少や損害賠償による費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)有利子負債への依存について
当社グループの新規出店および業態転換等による改装の設備投資資金は、主に金融機関からの借入金により調達しており、総資産に対する有利子負債比率は下表のとおり高水準です。今後は、資金効率の改善と自己資本の充実により、財務体質の強化に努める方針ですが、店舗収益悪化により借入金の返済額負担の増加、また、金融情勢の変化による借入金に対する金利負担の増大により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
最近における当社グループの総資産に占める有利子負債比率等は、下表のとおりで推移しています。
2013年3月期 | 2014年3月期 | 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | |
有利子負債残高(千円) | 2,192,051 | 2,212,437 | 2,408,168 | 2,303,203 | 2,148,088 |
(対総資産比率) | 55.6% | 55.3% | 55.0% | 53.3% | 50.2% |
純資産額(千円) | 1,000,243 | 1,080,052 | 1,119,952 | 1,150,141 | 1,183,650 |
(自己資本比率) | 25.4% | 27.0% | 25.6% | 26.6% | 27.6% |
総資産額(千円) | 3,940,544 | 3,999,453 | 4,377,958 | 4,322,293 | 4,280,353 |
支払利息(千円) | 30,233 | 26,199 | 23,093 | 20,821 | 15,882 |
生産、受注及び販売の状況財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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