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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009XTU

有価証券報告書抜粋 サッポロホールディングス株式会社 研究開発活動 (2016年12月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

2016年3月、グループ横断型研究開発をさらに進化させるため、「サッポロホールディングス社」にグループR&D本部、およびその中核をなす価値創造フロンティア研究所を設立しました。この組織改編は、新規事業開発につながる中長期視点での基盤研究の推進、グループシナジーを活かしたコア技術の深化と価値化の加速、分析機能の集約・高度化による品質保証力および知財対応力強化の3つを目的としております。
グループR&Dのコア技術については、「お客様を知る」、「おいしさを探す」、「おいしさを造る」、「おいしさを保証する」の4つを設定しております。
「お客様に食を通じた幸せをお届けするために、『創り』、『造り』続けます」という研究開発ビジョンを実現すべく、さらにはその先にあるお客様の笑顔を実現するため、この新たな研究開発体制の下、サッポログループは挑戦を続けてまいります。
価値創造フロンティア研究所では、上に掲げたコア技術に基づき研究ドメインを設定し、それぞれ、感性・情報科学研究、素材・機能探索研究、食品製造・加工技術研究、品質保証研究を担っております。
感性・情報科学研究では、レモン飲料ユーザーの大規模な嗜好調査から、嗜好性に影響する味覚因子と、嗜好特長と属性の関連性を明らかにし、第12回東北心理学会・北海道心理学会合同大会(東北心理学会第70回大会)において報告するとともに、レモン飲料やレモンテイストRTDの商品開発に貢献しました。このほか、炭酸飲料を飲んだ時のお客様の心理変化を、脳血流量計測から理解することに取り組み、研究成果を第6回NU-Brainシンポジウム及び第49回知覚コロキウムにおいて報告しました。さらに、脳科学を用いてお客様の心理を詳細に解明する目的で、2016年4月より、文部科学省「革新的イノベーション創出プログラム」広島大学COI中核拠点のKANSEIコンソーシアムに加入し、産学連携のオープンイノベーションを推進しています。
素材・機能研究では、レモンに含まれるポリフェノールが抗老化作用を有することを新たに発見しました。この研究成果は「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」と「広島県立大学」の共同研究である「レモンとカルシウム摂取による骨密度改善」とともに、2017年3月の日本薬学会および日本農芸化学会での発表につながりました。
食品製造・加工技術研究では、サッポログループの食品価値創造の柱となるべく、これまで各事業会社が培ってきた食品製造技術に新たな発想を加えて、レモン、大豆等を原料とした全く新しい食品・飲料製造技術開発に挑戦しております。
品質保証研究では、各事業会社が独自に行っていた分析機能を価値創造フロンティア研究所に集約いたしました。これによりさらなる専門化、高度化を図り、お客様の安全・安心志向や健康意識にこれまで以上にお応えするべく、原料・製品の安全性分析及びそれを支える分析新技術の研究に取り組んでいます。
また、サッポログループでは、これまで酒類製造で培った発酵技術を応用した環境バイオエネルギー研究における実証試験を国内外で進めてきましたが、タイでのキャッサバパルプからのバイオエタノール生産技術実証(NEDO:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、からの受託事業)が2015年11月に終了し、本実証成果を元にタイ国企業側から事業化の提案がなされました。当社は本事業においてバイオエタノール生産工場の設備設計、発酵技術、設備運転など各段階で技術支援という形で参画することで2017年1月の契約締結に向けて準備を進めました。これまで廃棄するしかなかったキャッサバパルプからのエネルギー生産は、食糧需給の併存と廃棄物の削減、タイ国エネルギー問題の解決、さらには地球温暖化防止にも大きく貢献することが期待されます。なおこのバイオエタノール生産工場の規模は年産6万klで計画しており、二酸化炭素削減量は約12万トンと試算されます。この量はサッポロビール社酒類事業(製造・販売・事務などすべての業務)の1年間で排出する二酸化炭素量に匹敵します。
国内の水素・メタン発酵技術開発では、「タカキベーカリー社」、「広島大学」、「広島ガス社」と共同で実施した製パン工場廃棄物からのメタン製造の試験について、タカキベーカリー社千代田工場での試験を計画通りに完了いたしました。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は27億円です。

セグメントの状況は次のとおりです。

[国内酒類事業]
1.商品開発について
酒類の商品開発については、経営ビジョン「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を実現すべく、サッポロビール社の強みである原料へのこだわりや、永年培ってきた商品開発力、技術開発力を活かして、引き続き、新たな価値創造に取り組んでまいりました。
ビールテイストについては、3月に「ヱビスビール」をクオリティアップ。より深いコクを実現し、また、パッケージも洗練されたデザインにリニューアルしました。5月にはヱビスの最高峰である「ヱビス マイスター」を発売。ヱビス計で前年比102%を達成しました。好調の黒ラベルからは、4月に初の全国型エクステンション商品「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」を発売しました。当社独自の「旨さ長持ち麦芽」を贅沢に100%使用し、喉ごしのうまさと爽快な後味を追求。黒ラベル計で前年比102.8%を達成しました。2月には「麦とホップ The gold」をリニューアル。麦とホップ史上最大の麦芽量による最高のコクを実現しました。また、5月には通年型エクステンション商品「麦とホップ Platinum Clear」を発売、キャンペーン商品として「麦とホップ Space Barley」を開発するなど、新たな価値提案により、麦とホップ計で前年比104.2%を達成しました。
伸長するRTD市場に対しては、基軸ブランドの「男梅サワー」、「キレートレモンサワー」の強化を図りました。「男梅サワー」では、1月にしょっぱい旨さをさらに進化させたリニューアルを行い、5月には超濃厚なしょっぱい旨さでアルコール9%が特長の「超男梅サワー」を限定発売。男梅ブランド計で前年比133%を達成しました。「キレートレモンサワー」では、6月にキレートブランドで初のエクステンションとなる「キレートレモンサワーソルティ」を限定発売。キレートブランド計で前年比126%と伸長しました。さらに、「ネクターサワー」では11月に桃果汁50%で濃厚な味わいが特長の「桃すごいネクターサワー特濃ピーチ」を限定発売し、ネクターブランドの魅力を高めました。また、ワイン市場に対しては、3月に日本初となる糖質ゼロワイン「ボンヌサンテ」を発売。オンリーワンの価値提案により新たなワイン需要を開拓しました。

2.研究開発について
酒類技術の研究においては、2016年3月、サッポログループ基幹ドメインの一つである国内酒類事業をさらに大きく成長させるために、中長期視点での研究・開発組織として価値創造フロンティア研究所の醸造部門を酒類技術研究所、として分離・独立させました。
長年培った経験と先端技術とを駆使して、酒類基盤技術の研究とその応用、全ての生産拠点における課題解決を図る役割を担っております。
酒類事業においては、酒類技術研究所の他、バイオ研究開発部、価値創造フロンティア研究所、商品・技術イノベーション部等が協働・協創のもと研究開発を行っております。
2016年には、個性的な香りから欧米のクラフトビールを中心に人気が高い稀少ホップ品種ソラチエースの特長を示す香り成分を発見し、その成果を8月米国コロラド州デンバーで開催された世界醸造大会「World Brewing Congress」にて発表しました。ソラチエースには他のホップと比べゲラン酸が多く含まれておりゲラン酸と別のホップの香気成分が共存することで、ビールの香りが、花のような香りやレモンのような柑橘的な香りに変化することが明らかになりました。
また、ブドウ果汁に含まれるポリフェノールの一種であり、ブドウの紫から赤色の色素でもあるアントシアニンが酵母に作用して、赤ワインの特長的なアロマ成分であるジアセチルの量を高めていることを明らかにし、その成果を2016年度日本醸造学会大会にて発表しました。同じ赤ワインでもアントシアニンが多く含まれるブドウ果汁を用いてアロマ成分のジアセチルが高く、味のボディ感が増したワインを造れる可能性等が示唆されました。
カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ及び国内で品種開発を進めているLOXレス大麦については、栽培特性を改良した新品種「SakuraStar」をオーストラリアで品種登録出願しました。現在も国内外でLOXレス品種の開発を進めており、“旨さ長持ち麦芽”のより安定した供給を可能とし、ビールテイスト商品の一層の高品質化を目指して取り組んでいます。こうした一連の研究成果により日本育種学会賞を受賞しました。
ホップについても、海外での高品質品種の安定生産を目指し、ユニークな香りをもつ3品種をアメリカで植物特許出願(国内の品種登録出願に相当)しました。また、ホップ成分の活用技術に関する特許を国内で出願するなど、技術基盤の拡充にも努めています。
国内酒類事業の研究開発費の金額は13億円です。

[食品・飲料事業]
1.商品開発について
「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」として、飲料カテゴリーにおいては、市場で注目を集めている特定保健用食品および機能性表示食品について上市しました。特定保健用食品は、缶入りさんぴん茶の元祖としておなじみの沖縄ポッカの「さんぴん茶」において、糖の吸収をおだやかにする食物繊維(難消化性デキストリン)を加えた「沖縄ポッカさんぴん茶(特製)500mlPET」を開発、また、後者は主力ブランド「キレートレモン」より、肌の潤いを守るのを助ける機能がある米由来のグルコシルセラミドが入った「キレートレモンMoisture(モイスチャー)」と、ストレス緩和素材GABAを使用したレモンティー「FREE Tea(フリーティー)」を開発し、それぞれ発売しました。
また、当社は近年、国産の希少素材にこだわった無糖茶の開発を進めており、前期に発売した「にっぽん烏龍」や「加賀棒ほうじ茶」は好評を得ました。これに続き、今期は北海道上富良野町との共同企画で「富良野ラベンダーティー」や、土づくりからこだわり、大分県産の有機栽培をしたオーガニック烏龍茶葉を100%使用した「有機にっぽん烏龍」、さらには東京都産茶葉を100%使用した東京都地域特産品認証食品「東京緑茶」などを開発しました。
さらに、全米No.1(※)アサイーブランド「SAMBAZON(サンバゾン)」と日本の飲料分野におけるライセンス製造・販売について契約を結び、昨今話題の“スーパーフード”の一つとして注目され、健康イメージのある素材アサイーを手軽においしく飲んでいただける飲料「サンバゾンアサイーアマゾンエナジー」「サンバゾンアサイーミックスビューティー100%」などを発売しました。
また、長年レモンにこだわった商品開発を行ってきた当社ならではの商品として、世界の様々な素材を組み合わせたおいしさと驚きのあるレモネードをお届けするブランド「ワールドレモネード」を新たに展開し、その第一弾として「ワールドレモネード 緑茶レモネード」を発売しました。
食品カテゴリーにおいては、主力ブランド「じっくりコトコト」が2016年で20周年を迎え、新たに「UPGRADE YOUR LIFE」をブランドメッセージとして掲げ、「お客様の毎日をUPGRADEする濃厚とろ~りなコク深スープ」として、さらなるおいしさの追求を図りました。そのおいしさを追求した商品として、働く女性へのちょっと贅沢な夕食シーンを提供する電子レンジ対応パウチの「じっくりコトコト ご褒美Dining(ダイニング)」を新たに発売しました。簡便で時短もでき、素材感があり、濃厚な味わいをお楽しみいただけると好評をいただいています。
また、主力の洋風スープに加え、和風、中華風、エスニックなど、スープのバリエーションを広げており、たっぷりの具材にこだわった「素材屋スープ」や辛いおいしさを追及した「辛王(からおう)」の展開を図りました。
新規事業として参入した大豆・チルド事業の豆乳飲料においては、ポッカサッポロとして初の新商品「ソヤファーム おいしさスッキリずんだ豆乳飲料」をはじめ計3品を開発、発売し、ポッカサッポロの豆乳飲料ブランドとして市場の拡大を目指しました。
※ SPINS社 Category Overview Report 2014/10/05-2015/10/04 FRUIT JUICES (NON-ORANGE),RF FUNCTIONAL JUICES & BEVERAGES, FROZEN FRUITS & VEGETABLES 調査結果より(上記カテゴリにおいてアサイーを含むドリンクおよび冷凍パックの売り上げ(金額)をNo.1としています。)

2.研究開発について
食品・飲料の技術開発を担う組織として、研究開発本部の傘下に「商品開発研究所」と「新規基盤開発研究所」の2つの研究所で研究活動に取り組んでおります。
商品開発研究所の飲料分野では、独自素材の活用や加工技術研究により、当社ならではの“おいしさ”や“健康価値”を訴求できる商品開発を進めております。また、2016年はキレートレモンモイスチャー始めとして多種類の機能性表示食品を開発しました。
スープにつきましては、従来の粉末スープを中心とした商品開発から開発の領域を広げ、8月には当社として初めてレトルトスープの商品開発と上市をすることができました。
このように商品開発研究所では、飲料・レモン・スープを中心として新たなお客様価値を提供できるように独自の商品開発を次々と進めております。
「新規基盤開発研究所」では、「サッポロホールディングス社」のグループR&D本部とも協力しながら、将来に向けて新たなお客様価値を提供する素材の探索、加工技術、機能性研究など幅広い領域の研究活動に取り組みました。
特にレモンの研究には力を入れ、世界各地のレモン素材を探索しながら、当社ならではのレモンのおいしさを引き出す加工技術やレモンの機能研究を進めております。2016年5月には、「レモンとカルシウム摂取による骨密度改善」の研究について、県立広島大学との共同研究、対外発表を行いました。また、9月には県立広島大学と共催で県立広島大学広島キャンパス内にてレモンシンポジウムを開催し、レモンの新たな価値をお客様にお伝えする取組みも行いました。
このように「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の研究開発本部では、レモンを中心としてスープ、特定カテゴリーの飲料に研究資源を集中して研究開発活動を行っています。
食品・飲料事業の研究開発費の金額は10億円です。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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