有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009Z4L
 アサヒグループホールディングス株式会社 研究開発活動 (2016年12月期)
アサヒグループホールディングス株式会社 研究開発活動 (2016年12月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
アサヒグループでは、第6次中期経営計画の達成に向けて、酒類、飲料、食品の各事業において革新的で差別化された商品の開発、及びそのベースとなる技術開発を行っています。また、アサヒグループの次世代を担う新たな事業の創出のための研究開発も行っています。さらに、国内外の社外研究機関を活用し、研究開発のスピードアップを図っています。
当年度におけるグループ全体の研究開発費は、9,550百万円です。なお、研究開発費については、研究開発にかかわる費用をセグメント別に関連づけることが困難であるため、その総額を記載しています。
[酒類事業]
(商品開発関連)
アサヒビール㈱は、“究極のコクキレ”(※1)に加え“糖質50%オフ”(※2)を実現した本格生ビール『アサヒ ザ・ドリーム』を発売しました。『アサヒ ザ・ドリーム』は、麦芽使用比率を通常の1.2倍に高め、しっかりとしたコクのある味わいをお楽しみいただけるとともに、高度な酵母管理技術を採用し発酵度を極限まで高めることで、爽快なキレ味を実現し、合わせて“糖質50%オフ”の機能を備えました。
「スーパードライ」ブランドからは、超辛口の「スーパードライ」、『アサヒスーパードライ エクストラシャープ』を発売しました。ブレミアム商品である「ドライプレミアム」については、クオリティアップを行い、コク・香り・アルコール分のすべてにおいて深みを追求した『アサヒドライプレミアム豊醸』を発売しました。『アサヒドライプレミアム豊醸』は、濃厚で深みのある味わいと広がりのある華やかな香りを実現するため、麦芽量を1.2倍に高めるとともに、希少素材であるアマリロホップとファインアロマホップを採用したプレミアムビールです。また、濃厚な味わいと華やかな香りに合わせてアルコール度数を6.5%に高めることで、しっかりとした飲みごたえを実現しました。また、ベルギービール「ヒューガルデン」ブランドから、『ヒューガルデンホワイト』、『ヒューガルデンロゼ』を発売しました。台湾においては、台湾限定で販売しているアサヒブランド『朝日乾杯』をリニューアルしました。
発泡酒市場においては、糖質ゼロ(※3)発泡酒のパイオニアである『アサヒスタイルフリー』をクオリティアップしました。また、プリン体0(※4)、糖質ゼロ、人工甘味料0、食物繊維入りが特長の『アサヒスタイルフリー パーフェクト』を発売し、期間限定フレーバーとして、『アサヒスタイルフリー フルーツビアカクテル キウイ』、『アサヒスタイルフリー フルーツビアカクテル ベリーミックス』をそれぞれ発売しました。また、甘酸っぱさが特長のカシスリキュールを使用したビアカクテル『アサヒ カシスビアカクテル』を、期間限定で発売しました。また、オリオンビール㈱との共同開発商品『アサヒオリオン シークァーサーのビアカクテル』のクオリティアップを行いました。
新ジャンル市場においては、「クリアアサヒ」ブランド3商品、『クリアアサヒ』、『クリアアサヒ プライムリッチ』、『クリアアサヒ 糖質0(※3)』のクオリティアップを行いました。『クリアアサヒ プライムリッチ』では、「国産ゴールデン麦芽」を新たに一部使用、「アロマホップ」100%使用により、「プライムリッチ」ならではの“最高級のコク(※5)”と“最高級の香り(※6)”を強化しました。また、関西エリア限定、数量限定で『クリアアサヒ 関西仕立て』、期間限定で『クリアアサヒ 桜の宴』、『クリアアサヒ クリスタルクリア』、『クリアアサヒ 秋の琥珀』、『クリアアサヒ 吟醸』、『クリアアサヒ 初摘みの贅沢』をそれぞれ発売しました。また、プリン体0、糖質0の『アサヒ オフ』はクオリティアップを行い、新たに人工甘味料0を実現し、さらに厳選した麦芽を使用したことで、『アサヒ オフ』ならではの麦本来の飲みごたえを実現しました。また、リオデジャネイロ2016オリンピック日本代表選手団応援商品として、『アサヒ ヴィクトリーロード(VICTORY ROAD)』、『アサヒ ゴールドラッシュ(GOLD RUSH)』をそれぞれ発売しました。また、オリオンビール㈱との共同開発商品『アサヒオリオン 沖縄だより』を発売しました。
ビールテイスト清涼飲料市場においては、『アサヒドライゼロ』のクオリティアップを実施しました。今回のクオリティアップでは、ビールに近い味わいはそのままにホップによる苦みのバランスを調整することで、「より食事に合うすっきりとした後味」を実現しました。また、特定保健用食品のビールテイスト清涼飲料として、『アサヒ ヘルシースタイル』を発売しました。『アサヒ ヘルシースタイル』は、「食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにするビールテイスト清涼飲料」として、初めて消費者庁長官に許可された特定保健用食品です。ビールらしいコクと、食事に合うすっきりとした味わいを両立した“カロリーゼロ(※3)”“糖質ゼロ”のビールテイスト清涼飲料です。
RTD(※7)市場においては、新ブランド「アサヒもぎたて」を発売しました。「アサヒもぎたて」は、収穫後24時間以内に搾汁された果汁のみを使用し、独自技術の「アサヒフレッシュキープ製法」(※8)を採用することで、果実本来の香味成分の劣化を抑制し、作りたてのおいしさと新鮮な果実の味わいを実現した缶チューハイです。「アサヒもぎたて」は、この“新鮮”という価値にこだわり、約3年かけて開発した新ブランドです。「プリン体ゼロ(※4)・糖類ゼロ(※3)・着色料ゼロ」という機能性に加え、ウオッカをベースとした「アルコール度数9%」のしっかりとした飲みごたえも特長です。基幹フレーバーとして『新鮮レモン』、『新鮮グレープフルーツ』、『新鮮ぶどう』、『新鮮オレンジライム』、期間限定フレーバーとして『新鮮白桃』、『新鮮シークァーサー』をそれぞれ発売しました。
「ウィルキンソンRTD」ブランドでは、『トニック+ウオッカ』、『ジンジャエール+ウオッカ』をそれぞれリニューアルしました。また、新フレーバーとして『ウィルキンソンジントニック+レモンライム』を発売しました。「アサヒカクテルパートナー」ブランドからは、期間限定フレーバーとして『ラムカイピリーニャ』、『ラムオレンジカーニバル』、『デビルブルーカクテル』、『エンジェルレッドカクテル』、『ベリーベリースパークリング』、『シャルドネスパークリング』をそれぞれ発売しました。「アサヒカクテルパートナー」からは、新フレーバーとして『はちみつビターオレンジ』、期間限定フレーバーとして『はちみつ日向夏&甘夏』、『はちみつ林檎』、『はちみつ柚子みかん』をそれぞれ発売しました。「ニッカハイボール」ブランドでは、「ニッカハイボール」の商品名を新たに『レモン味のニッカハイボール爽やかレモン』と変更し、期間限定フレーバーとして『ゆずみつ』を発売しました。「ブラックニッカ」ブラントでは、『ブラックニッカ クリアハイボール』をリニューアルしました。「カルピスサワー」ブランドからは、新フレーバーとして『手摘み白桃』、期間限定フレーバーとして『マスカットオブアレキサンドリア』、『濃い贅沢』、『濃い贅沢フルーツミックス』、『濃い贅沢完熟いちご』をそれぞれ発売しました。「アサヒ辛口焼酎ハイボール」ブランドでは、基幹4フレーバーの『プレーン』、『ドライクリア』、『ドライレモン』、『ドライシークァーサー』をそれぞれリニューアルしました。また、新フレーバーとして『ドライグレープフルーツ』、期間限定フレーバーとして『ドライ梅』、『ドライ夏みかん』、『ドライ緑茶』をそれぞれ発売しました。「アサヒハイリキザ・スペシャル」ブランドからは、新フレーバーとして『ソルティライチサワー』、期間限定フレーバーとして『チェリーパンチサワー』、『トロピカルひんやりマンゴー』、『ブルーハワイサワー』をそれぞれ発売しました。「アサヒSlat(すらっと)」ブランドでは、基幹6フレーバー『レモンスカッシュサワー』、『グレープフルーツサワー』、『シャルドネサワー』、『白桃サワー』、『アロエ&ホワイトサワー』、『シークァーサーサワー』をそれぞれリニューアルしました。また、期間限定フレーバーとして『さくら&さくらんぼサワー』、『アサイー&ブルーベリーサワー』、『塩レモンサワー』、『塩グレープフルーツサワー』、『ブラッドオレンジ&アプリコットサワー』、『ゆずれもんサワー』をそれぞれ発売しました。「アサヒチューハイ果実の瞬間」ブランドからは、期間限定フレーバーとして『国産桃とさくらんぼ』、『愛媛産いよかん』、『瀬戸内春かんきつ贅沢ミックス』、『山梨産完熟ピオーネ』、『薫る秋国産和梨』をそれぞれ発売しました。
サワーテイスト清涼飲料市場においては、食事の脂肪や糖分が気になる方に適した機能性表示食品のサワーテイスト清涼飲料「アサヒスタイルバランス」から、新フレーバーとして『ゆずサワーテイスト』、『コーラサワーテイスト』、『梅サワーテイスト』、『ジンジャーサワーテイスト』をそれぞれ発売しました。
カクテルテイスト清涼飲料市場においては、「アサヒゼロカク」ブランドから、期間限定フレーバーとして『チェリー香るピンクサングリアテイスト』、『パイン&ライムスパークリング』、『ピーチロゼスパークリング』、『完熟みかんスパークリング』、『いちごスパークリング』をそれぞれ発売しました。
焼酎市場においては、「かのか」ブランドから、自然由来の香りにこだわった氷を入れて注ぐだけで楽しめるRTS新商品として『季節香るかのか 大人のカシス』と『季節香るかのか 和みのゆず』を発売しました。また、『季節香る かのか ホットハニージンジャー』を期間限定で発売しました。
ワイン市場においては、「サントネージュ リラ」ブランドから『サントネージュ リラ フルーツ いちごとロゼワイン』、『サントネージュ リラ ぶどう香る酸化防止剤無添加ワイン(赤・白)』をそれぞれ発売しました。また、サントネージュワイン㈱が山梨県に所有する自社畑「牧丘 倉科畑」で収穫したぶどうを100%使用した日本ワイン『サントネージュ エクセラント 牧丘 倉科畑収穫』ブランドから、新ヴィンテージとして『サントネージュ エクセラント 牧丘 倉科畑収穫カベルネ・ソーヴィニヨン2014』、『サントネージュ エクセラント 牧丘 倉科畑収穫シャルドネ2015』をそれぞれ発売しました。
焼酎市場においては、「かのか」ブランドから、RTS(※9)の新商品『季節香るかのか 太陽のライチ』を発売しました。発売60周年を迎えた国産リンゴ100%のスパークリングワイン「ニッカ シードル」ブランドにおいては、『ニッカ シードルスイート』、『ニッカ シードルドライ』、『ニッカ シードルロゼ』をそれぞれリニューアルし、期間限定で『ニッカ シードル紅玉リンゴ』、『ニッカ シードルトキりんご』、『ニッカ シードルヌーヴォスパークリング2016』をそれぞれ発売しました。
※1:「コクキレ」とは、当社が目指すコクとキレの最適なバランスのことです。
※2:日本食品標準成分表2015年版(七訂)による。
※3:栄養表示基準による。以下同じ
※4:100ml当たりプリン体0.5mg未満を「プリン体0」または「プリン体ゼロ」と表示しています。以下同じ
※5:発泡酒をベースとした当社「リキュール(発泡性)①」(限定商品を除く)における原麦汁エキス濃度の比較において。
※6:発泡酒をベースとした当社「リキュール(発泡性)①」(限定商品を除く)における複数の香気成分バランスの比較において。
※7:「Ready to Drink」の略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。
※8:果実本来の香味成分の劣化を抑制し、果実のフレッシュな味わいをキープする製法。特許出願中の独自技
術を掛け合わせています。以下同じ。
※9:Ready to Serveの略で、氷を入れて注ぐだけで楽しめるスピリッツやリキュールのことです。
(技術開発関連)
アサヒビール㈱の『アサヒ ザ・ドリーム』は、アメリカの国際的ビールコンテストである「ワールドビアカップ2016」(以下、「WBC2016」)のライトラガー部門において、シルバーメダルを獲得しました。「WBC2016」では、55カ国、1,907ヶ所の醸造所から6,596品のエントリーがあり、31カ国から選ばれた253名の審査員によって審査されました。「WBC」はブリュワーズアソシエイションによって、ビール醸造における優れた技術を賞賛するために、1996年から2年に1度開催されています。
また、『アサヒ ザ・ドリーム』は、ベルギーの国際的なビールコンテストである「ブリュッセルビアチャレンジ2016(以下、「BBC2016」)」のラガー・ライトラガー部門において、ゴールドメダルを獲得しました。「WBC2016」でのシルバーメダル受賞に続き、『アサヒ ザ・ドリーム』の品質の高さが世界的に評価されたことになります。「BBC2016」においては、36ヶ国から1,250ブランドのエントリーがあり、国際的に著名な審査員80名によって厳正なる審査のうえ、それぞれの賞が決定されました。「BBC2016」は国際的なビールコンテストであり、世界中のビール生産者が、最高の品質を競い合う機会を提供することを目的に、2012年から毎年開催されています。
『クリアアサヒ プライムリッチ』は、iTQi(※1)の世界的な食品・飲料品のコンテストにおいて、“極めて優秀”と認められた製品に贈られる、最高レベルの優秀味覚賞3ツ星を受賞しました。ニッカウヰスキー㈱が製造する『竹鶴ピュアモルト』・『フロム・ザ・バレル』・『カフェグレーン』の全3アイテムは、世界的な酒類品評会である「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2016」において金賞を受賞しました。ニッカブランドのウイスキーが金賞を受賞するのは9年連続となります。ISCは、毎年イギリスの酒類専門出版社「ドリンクス・インターナショナル」が主催している酒類品評会です。ウイスキー部門のほか、ブランデー、テキーラ、ジン、ウォッカなどの部門があり、審査はブラインド・テイスティングによって行われます。各部門のカテゴリーから、金賞、銀賞、銅賞などが選ばれます。ウイスキー部門については、世界の著名なウイスキー蒸溜所のブレンダーやディスティラーなどが審査員となっています。
※1:iTQi(International Taste & Quality Institute、国際味覚審査機構)とは、ベルギーブリュッセルに本部を置き、世界中の食品や飲料品の味覚と品質を審査し、優れた製品を表彰・プロモーションする機構です。審査員はヨーロッパで最も権威ある15の調理師協会および国際ソムリエ協会(ASI)に属する一流シェフやソムリエで構成されています。
[飲料事業]
(商品開発関連)
アサヒ飲料㈱は成長戦略として「確固たるブランドの育成」を掲げ、「重点6ブランドの育成」と「健康を軸とした商品開発」の2軸にて商品開発を行って参りました。
「重点6ブランドの育成」については、「ワンダ」、「三ツ矢」、「カルピス」、「十六茶」、「おいしい水」、「ウィルキンソン」の6ブランドを重点ブランドと位置付け、積極的なマーケティング投資を行う事で、より強固なブランドへの成長を目指して参りました。
「ワンダ」ブランドでは、『モーニングショット』、『金の微糖』などを中心とした主力商品の継続育成に加え、伸長するボトル缶市場に対して新商品の展開を行いました。『ワンダ モーニングショット』は、香り高く風味豊かなアラビカ種の新豆を100%使用し、コーヒー抽出時や充填時の酸化を防止する抗酸化製法で仕上げることで、“焼きたて、挽きたて、淹れたて”の目覚めるおいしさを実現しています。本年は新たに、コーヒー豆の焼き方を4種類→5種類に増やすことで、「コーヒー感」を強化しました。
ボトル缶市場に向けては、創業80年を超える老舗珈琲店「丸福珈琲店」監修のボトル缶コーヒー「ワンダ 極」シリーズを4月より展開しました。当社の調べでは、コーヒー飲用機会の拡大に伴い、コーヒーに「品質の良さ」を求めるお客様が増えてきています。本商品は老舗珈琲店「丸福珈琲店」監修という「品質」をお客様にご提案する商品です。中味は、「深煎りの極み」と呼ばれる「丸福珈琲店」独自の焙煎方法を参考にコーヒー豆を種類ごとに焙煎し、深煎り豆を中心に最適なバランスでブレンドしています。
「三ツ矢」ブランドにおいては、最重点商品である『三ツ矢サイダー』、ならびに従来の『三ツ矢サイダー ゼロ』から炭酸感をアップさせ刷新した『三ツ矢サイダー ゼロストロング』をはじめ、透明果汁を使用し着色料を不使用とした透明な果汁炭酸「三ツ矢澄みきるサイダー」シリーズを発売し、透明炭酸の商品力強化と新たな魅力のご提案に取り組みました。また果汁本来のおいしさを追求しご好評いただいております「ぜいたく三ツ矢」シリーズは、従来の「産地・品種指定」に加え新たに「国産果汁」を約束とし、日本の果実の新たな魅力をご提案し、果汁炭酸市場での「三ツ矢」ブランドの存在感の拡大を目指して参りました。
「カルピス」ブランドにおいては、コンクタイプの「カルピス」の果汁入りバリエーションとして、通年販売の『巨峰』、に加え、半年毎に『「カルピス」マンゴー』と『「カルピス」みかん』を開発するとともに、季節限定の『キウイ』『白桃』『ラ・フランス』『メロン』および歳暮向けの『はちみつレモン』『苺リッチ』を開発しました。新しい試みとしては300ml容量の牛乳で割って飲む「カルピス」スムージー2品(『アサイー&バナナ』『ヨーグルト&ベリーミックス』)を開発しました。
果汁入りの「カルピス」RTDとしては『とけあうレモン&「カルピス」』『とけあうりんご&「カルピス」』『とけあう葡萄&「カルピス」』『ミルク&「カルピス」いちご』『とけあう白桃&「カルピス」』を開発いたしました。新しい提案としては、ゼリー飲料にナタデココの粒を加え、食感を楽しめる『ふるぷる「カルピスゼリー」』『ふるぷる「カルピスゼリー」オレンジ』を開発致しました(セブン&アイ・ホールディングス様限定発売)。また 「カルピス」そのものの美味しさをお楽しみいただく『濃いめの「カルピス」 』を開発し、お客様の高い評価をいただきました。
「カルピスソーダ」のバリエーションとしては、『爽やかライチ』『夏の爽やかパイン』『マスカット』『白桃』を開発しました。また濃いめに炭酸で割った「カルピス」の美味しさをお楽しみいただく『「カルピスソーダ」濃いめ』も『濃いめの「カルピス」』同様にご好評いただきました。これら数多くの「カルピス」ブランド製品を開発し、「カルピス」ブランドの拡大と価値向上に努めて参りましたが、これからも乳酸菌、乳酸菌飲料、乳性飲料の新しい価値を提案し続けて参ります。
「十六茶」ブランドにおいては、『アサヒ 十六茶』が2005年から「カフェインゼロ」として生まれ変わり、2016年で12年目をむかえました。無糖茶市場の流れをとらえるとともに、「健康的な水分補給」、「明るく元気」というブランドコンセプトの浸透が進み、2010年から7年連続で成長を続け、2015年までで5年連続2,000万箱を突破しました。 2016年は、「十六茶」の健康価値の更なる強化に向け、中味・パッケージともに変更し、ブランド価値に磨きをかけました。 中味は、近年注目の健康素材「たんぽぽの根」「ヒマワリの種」を新たに採用し、「カフェインゼロ」というこだわりのもと、すっきりゴクゴク飲めるおいしさに仕上げました。
また、新たな取り組みとして『アサヒ 十六茶 ご当地素材ブレンド』を発売しました。全国を7地域(北海道、東北、関東・甲信越、中部・北陸、関西、中国・四国、九州・沖縄)に分けて、当社が分析した各地域の味の嗜好性を参考に、その地域で採れた素材をブレンドしたご当地商品です。ご当地ならではの素材は、その地域で親しまれている素材であること、お茶としておいしく飲める素材であること、東洋健康思想に基づいて体の健康に役立つ素材であることを重視して選定しました。「十六茶」ならではのすっきりとした味わいはそのままに、選定した素材の特長を活かしつつ、地域の嗜好性に合った味わいに仕立てました。
「おいしい水」ブランドにおいては「人はもっと、自然に。健康に。」を新ブランドスローガンに、お客様がミネラルウォーターに求める「自然」「健康」両方のニーズを満たすブランドにリニューアルしました。定番商品である『アサヒ おいしい水六甲』『アサヒ おいしい水富士山』は「自然のおいしさがそのまま生きている水」をコンセプトに、独自のろ過製法にて、加熱殺菌せずにボトルに詰めた自然のおいしさを訴求して参りました。それ加え、既存商品『アサヒ 富士山のバナジウム天然水』も2016年より「おいしい水」ブランドとして展開することで、「おいしい水」ブランドのブランド価値向上を図りました。また「健康」ニーズを満たす商品として、「おいしい水」ブランド初の新商品となる『アサヒ おいしい水プラス』を発売しました。『アサヒ おいしい水プラス』は東洋の健康思想に基づいた7種類の素材を選定し、伸長するウォーター系飲料市場に向け「健康水」という新たな価値を提案しました。また、「おいしい水プラス」シリーズ第二弾商品として、当社独自の素材である「カルピス」の乳酸菌を加えた『アサヒ おいしい水プラス「カルピス」の乳酸菌』を発売しました。本商品では特許出願中である「クリアウォーター製法」という当社独自の技術で透明な液色を実現しました。
「ウィルキンソン」ブランドにおいては、炭酸水の直接飲用という新しいスタイルを提案し、炭酸水市場で売上No.1を記録、独自のポジションを確立した『ウィルキンソン タンサン』は、「シャープな爽快感」という固有の価値をさらに磨き上げるためガス圧を強化し、ブランド価値の強化を目指して参りました。あわせて『ウィルキンソン タンサン レモン』についてもガス圧を強化し、商品の魅力度向上を目指しました。また「ウィルキンソン タンサン」シリーズラインナップに「炭酸水なのにコーラ!」という新感覚の刺激、『ウィルキンソン タンサン ドライコーラ』を加え、炭酸水市場に新たな価値の提案を行い、「ウィルキンソン」ブランドの成長に貢献いたしました。
「健康を軸とした商品開発」については、確かなエビデンスに裏付けされた価値を有する「特定保健用食品」「機能性表示食品」の製品だけでなく、「安全」「安心」といった各ブランドがもつベーシックな「健康」価値を強化することで、『アサヒ飲料=健康に強みを持つ会社』というイメージの醸成を目指してきました。
具体的な商品としては、炭酸飲料初となる2つのヘルスクレームを持つWトクホ炭酸『三ツ矢サイダーW』を発売。食物繊維(難消化性デキストリン)の働きにより、「食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする」、「食後の血糖値の上昇をおだやかにする」2つの保健用途を持つ特定保健用食品として、既存のトクホ炭酸ユーザーとは異なる新規ユーザー層の開拓にチャレンジしました。「三ツ矢サイダー」ならではの強めの炭酸の刺激、爽やかな甘さとすっきりとした後味はそのままに、長年培った当社の甘味料使用技術によりカロリーゼロを実現することで、炭酸飲料は好きだけどカロリーが気になるお客様にも安心して手に取っていただけるWトクホ炭酸を目指しました。
さらに、「カルピス」由来の乳酸菌科学に基づく乳酸菌「プレミアガセリ菌CP2305」を配合した乳性飲料『届く強さの乳酸菌』を発売。本製品は2014年に一般の清涼飲料水として発売し、ご好評をいただいておりましたが、本年、機能性表示食品としてリニューアル発売致しました。機能性表示食品の届出が受理され、『本品には「プレミアガセリ菌CP2305」(L. gasseri CP2305)が含まれるので、腸内環境の改善に役立つ機能があります。』と製品に表示する事で、お客様の乳酸菌に対する機能期待の高い、腸内環境の改善にお応えできる製品となっております。こうした新たな制度を活用しながら、乳酸菌の持つ機能を分かりやすくお客様に伝え、新しい価値の提案を引き続き行って参ります。
㈱エルビーにおけるデイリーチルド及びロングライフ(LL)紙容器飲料では、基幹カテゴリーであるデイリーチルド無糖茶とLL飲料の宅配向け商品に、新たな提案として機能性表示食品の開発に取組みました。デイリーチルド無糖茶には、食事の糖と脂肪の吸収を抑える『食事のおともに緑茶(1L)』を、宅配向け商品では『ヒザ関節の動きの悩みを緩和 グルコサミン乳酸菌飲料風味』と『肌の潤いに役立つ ヒアルロン酸ヨーグルト風味』の2品を発売し、お客様の健康ニーズに応える商品として定着を目指します。
カロリーゼロのデイリーチルド紅茶飲料として好評を得ている「大人の紅茶」シリーズでは、新たに「糖質0」も訴求に加えた「ダブル0」の商品を投入し、お客様のより高い健康志向に対応すると共に、競合他社製品との差別化を図りました。
デイリーチルド果汁飲料では、こだわりの果汁をみずみずしいおいしさに仕上げ、健康成分が手軽に摂取できる「潤う果実」シリーズを500ml容器で新たに展開しました。
グループシナジーとしては、「カルピス」ブランドにて基幹商品となる「味わいカルピス」1Lシリーズの強化策として、『味わいカルピス』のリニューアル及び『国産白桃』、『ぶどう』の発売に加え、最盛期に『マンゴー』を投入、定番商品としての基盤をさらに増強しました。その他、タピオカ、ナタデココ、アロエ入りの「食感」シリーズ、クリームやミルクが入り、濃厚な味わいが楽しめる500ml商品の充実を図りました。LL商品においては、健康ニーズにお応えするビタミンやコラーゲン入りの「カルピス」商品、『メロン&「カルピス」』、『信州産巨峰&「カルピス」』を新たに発売いたしました。その他、カップ飲料にて『「カルピス」ゼリー』、『タピオカ&「カルピス」』を展開しました。
デイリーチルド乳飲料では、アジアで親しまれている飲料をヒントにして日本人向けにアレンジした『スイカオレ』と『パパイヤオレ』を「一度は飲んでほしい」シリーズとして発売し、これまでにない新しいおいしさを提案しました。
グループシナジーとしては、「カルピス」ブランドにて基幹商品となる「味わいカルピス」シリーズにおいて、製品のリニューアル、季節の催事に合わせた「世界名作劇場」パッケージの投入、夏季の新品種『パイナップル』の500ml容量の追加発売など、強化策を積極的に実施し、販売数量を大きく伸ばしました。「カルピス」ブランド以外では、新たに「なだ万」と共同で『甘酒・南高梅仕立て』の開発に取組み、東日本エリアにて発売し好評を得ました。
また、グループ外の企業とのアライアンス強化にも取組み、ヘアケア商品を販売する「アンファー社」と共同開発でLL飲料の『AGAプロテインドリンク カフェオレ味』を発売し、新たな顧客獲得を図りました。
(技術開発関連)
アサヒ飲料㈱では「強靭な収益構造の確立」を目指し、生産効率の最大化と操業度向上に向けた技術開発を行って参りました。具体的には、お茶用アセプティックHOT/COLD兼用350mlボトルの開発を行い、軽量化を実現しPET使用量の削減、ならびに同一金型を使用することにより、型替時間を削減しPET成型工程の省力化と効率化を可能にしました。また、製品、工程、苦情品解析に必要な安全・安心技術(新規分析技術、解析技術)の拡充と有害微生物の検出技術、同定技術、静菌技術の研究についても継続して取り組んで参りました。それに加え、アセプティックライン(無菌充填製造ライン)重点整備における無菌性検証期間短縮技術の開発により、本年、富士山工場における工場稼働日数を年間で2日間増加させ順次他工場にも展開予定です。
また、美粧性を追求した容器開発として江戸切子伝統工芸士と共同で「六条麦茶」用として、江戸切子デザインの660mlPETボトルを開発、市場展開を実施し、(公社)日本包装技術協会 2016年日本パッケージングコンテスト ジャパンスター賞・第54 回全日本包装技術研究大会 優秀発表者、アジア包装連盟アジアスター賞、(公財)日本デザイン振興会2016年度グッドデザイン賞を受賞しました。
また、お茶用アセプティックHOT/COLD兼用ボトルの開発を行い、それぞれに高温販売適性と自販機適性を持たせるとともに、軽量化を実現しPET使用量の削減、ならびに同一金型を使用することにより、型替時間を削減しPET成型工程の省力化と効率化を可能にしました。
さらに、環境配慮型の資材開発においては、循環型社会に繋がる環境負荷低減として、植物由来原料を使用した資材開発を行い、『三ツ矢サイダ―』1.5L製品に使用するボトル、キャップ、ラベルの全資材に植物由来原料を一部採用する商品の展開を業界で初めて実現いたしました。
[食品事業]
(商品開発関連)
アサヒグループ食品㈱の食品菓子事業では、錠菓市場シェアNo.1ブランド「ミンティア」のさらなる成長のため、サブカテゴリーである「ミントのおいしさが味わえて、強い清涼感が持続する大粒タイプのミントタブレット」の「ミンティアブリーズ」シリーズに新製品『クリスタルシルバー』を投入しました。この商品は、甘さを抑えたクリアな味わいと強い清涼感が両立した新しい味感を実現したものです。また、キャンディ、グミの両カテゴリーでは、これまで発売している「三ツ矢サイダー」、「バヤリース」、「カルピス」というアサヒ飲料ブランド商品に加え、アメリカの国民的果汁飲料「ウェルチ」ブランドの新製品を投入しました。この「ウェルチ」ブランドの商品にはジュースで使用しているコンコードグレープ果汁を配合し、ブランド特有の芳醇なグレープ風味を再現しています。2016年に食品菓子事業で発売した製品は、新製品90アイテム、リニューアル品32アイテムの合計122アイテムとなりました。
一方、アサヒヘルスケア事業におきましては、「スリムアップスリム」ブランドの主力商品であるダイエットシェイクに話題の酵素と日本由来のスーパーフードである抹茶を配合した新製品『酵素+スーパーフード抹茶ラテ』を発売し、市場から高い評価を受けています。また、昨年4月からスタートした機能性表示食品制度の新製品として、「血圧が高めの方の血圧低下サポート」を訴求した『サーデンペプチド』を発売しました。
和光堂事業では、和光堂ベビーフード「グーグーキッチン」のシリーズ40品をリニューアルしました。豊富なラインナップとし、7大アレルゲン不使用商品を増やし、より魅力ある商品の拡充を図りました。和光堂ブランドを早期に認知いただくため、妊娠中・授乳中のママ向け商品「ママスタイル」として、キャンディ、粉末飲料、サプリメントの各形態にて2品の追加を含めリニューアルしました。『和光堂レーベンスミルクはいはい』、『和光堂フォローアップミルクぐんぐん』のリニューアルを8年ぶりに行い、赤ちゃんとお子さまの成長に寄与するミルクとして商品価値を高めました。ベビーフード粉末飲料「飲みたいぶんだけ」6品のリニューアルを行うことにより商品特長を分かりやすく伝える販売促進活動に取組み中です。また、おやつシリーズ「スマイルポケット」、「食育ランド」ブランドを見直し、「赤ちゃんのおやつ+Ca」18品、「1歳からのおやつ+DHA」18品として、カルシウムやDHAを配合した新たな付加価値商品として上市しました。簡単に手作りできるおやつ分野では、「赤ちゃんのやさしいホットケーキミックス」3品を発売しました。お子さまの成長に合わせた乳歯ケア用品「にこピカ」シリーズでは、のど突き防止歯ブラシや歯みがきジェルなど2品の追加を含めリニューアルしました。粉末飲料「牛乳屋さん」シリーズは、カフェインレス飲料市場の拡大傾向を受け、ノンカフェインの『牛乳屋さんのルイボスミルクティー キャラメル風味』を発売しました。
和光堂海外事業では、東南アジア(主にベトナム、カンボジア、シンガポール)に向けて、粉ミルク「レーベンス」ブランドの販売拡大をめざし、妊産婦・授乳婦向け粉ミルク、幼児(3歳以降)向け粉ミルクの2品を追加発売しました。
アマノ事業では、2016年もフリーズドライ食品を「より多くのお客様に、より多くの場所で、より購入しやすい価格で、よりおいしく食べていただき驚いていただく」を事業方針とし、商品開発に取り組みました。具体的には、主力である「みそ汁」カテゴリーの主力ブランドを強化、フリーズドライの優位性が発揮できる新価値の提案に取り組みました。また、フリーズドライ食品の魅力を情報発信するための開発にも取り組みました。
流通向け「いつものおみそ汁」ブランドは『あおさ』を追加で発売、「味わうおみそ汁」ブランドは『みぞれ汁』を、「うちのおみそ汁」ブランドは『野菜(減塩)』、『とろみ汁』を追加で発売しました。また、「いつものみそ汁」では『まとめ売り形態マルチパック』も発売し、主要みそ汁3ブランドの活性化を図りました。一方、新たな試みとして、適正な湯量でおいしく食べてもらうことと、容器があることでの喫食シーンの拡大を狙い湯量線付容器で、野菜のスムージーで煮込んだ『畑のカレー』3種類を発売しました。その他では、次の柱とするカテゴリー商品の開発にも取り組み、「三ツ星キッチンパスタ」ブランドでは『枝豆とサーモンのクリームパスタ』を追加発売、「にゅうめん」ブランドでは『揚げなすと青じそ』を、「お茶椀どんぶり」ブランドでは『牛すき丼』を追加発売しました。
通販向けでは、主に新価値の提案に取り組みました。昨年好評だったお湯をかけるだけで揚げ物カツの食感を味わえる「カツ」シリーズの追加として『とんかつの玉子とじ』、『チキンカツのおろしポン酢』を発売しました。「おみそ汁」では、これまで培ってきた技を盛り込んだ、ひと手間かけたおみそ汁『技ありのおいしさうまみ椀(焼きなす、炒め野菜、豚汁、とうふ、きのこ、酒蒸しあさり、みぞれ汁、桜えび、炙り鶏団子、里芋の10種類)』の上級なギフトセットを発売し好評でした。その他、通販ならではの季節を楽しんでいただける「お惣菜シリーズ」、「四季のみそ汁シリーズ」、「炊き込みご飯シリーズ」、「まるごと素材シリーズ」などを発売しました。また、「健康軸商品」では、グループ会社であるアサヒカルピスウェルネス社の乳酸菌研究より発見されたトクホ関与成分ラクトトリペプチド(LTP)を配合した塩分1%未満の『LTP入り減塩みそ汁』が、10月に「機能性表示食品」として受理されましたので、2017年2月より新しいパッケージで発売します。
フリーズドライ食品の魅力の情報発信は、3月にアンテナショップ3店目となる横浜店を立ち上げ、テストマーケッティングや先行発売により、定性・定量の情報収集を行いながら知名度向上に取り組みました。
(技術開発関連)
アサヒグループ食品㈱では、新規分野への参入・新規商品の開発をにらみ、シニア嚥下補助分野・口腔保湿分野で2件の特許出願を行いました。また、フリーズドライ『とんかつの玉子とじ』が、日本食糧新聞社制定、2016年度「第30回新技術・食品開発賞」を受賞しました。お湯を注ぐだけで豚カツの卵とじが出来上がる革新的な取り組み成果を評価されました。
[新規素材]
アサヒグループホールディングス㈱では、酵母、乳酸菌、フローラ、独自素材をコアとした研究開発を通して人々の心とからだの健康に役立つ商品・技術を提供することを目指しています。その中で、これまでに、グループ独自の微生物「L-92乳酸菌」については、人の免疫にはたらきかけ、風邪などの感染症の予防やアレルギーの改善に役立つことを明らかにしてきました。しかし、“乳酸菌と免疫”の関係は、未だに謎が多く、乳酸菌が生体内にどのように取り込まれ、免疫細胞にアプローチするのか解明されていませんでした。この謎を解くべく、国立研究開発法人理化学研究所との共同研究をすすめた結果、「L-92乳酸菌」が小腸のM細胞から取り込まれ免疫細胞に渡される様子の顕微鏡撮影に成功しました。さらに、そのメカニズムのひとつとして「L-92乳酸菌」の菌体成分が関与することを明らかにしました。この研究成果を、日本乳酸菌学会2016年度大会で発表したところ、高い評価を受け優秀発表賞を受賞しました。
高齢化が加速的に進む日本では、健康寿命の延伸を阻む要因のひとつとして認知症が挙げられ、その対策が望まれています。コアテクノロジー研究所では、発酵乳由来成分「ラクトノナデカペプチド*」に記憶力改善効果があることを見出し、ヒトにおける有用性を検証する試験を実施しました。その結果、「ラクトノナデカペプチド」を含む発酵乳の摂取により、物忘れを自覚する中高齢者の認知機能が改善する可能性を確認しました。さらに、疾病モデルマウスを用いた実験で「ラクトノナデカペプチド」の摂取により、アルツハイマー型認知症を予防する可能性があることを確認し、これらの研究成果を第6回日本認知症予防学会学術集会にて発表しました。
乳酸菌、ペプチド素材に加え、枯草菌C-3102株(納豆菌と同種に分類されます)がおなかの健康へ与える効果についても研究しており、軟便者にC-3102を継続摂取させた試験では、腸内フローラを構成する菌種の多様性が高まり軟便の自覚症状が改善すること、また、特に軟便傾向の強い人において下痢などの自覚症状が改善することを確認しました。本研究成果を第19回日本補完代替医療学会学術集会にて発表しました。近年、肥満や糖尿病などの患者は、健康な人に比べて腸内フローラの多様性が低いことが報告されており、健康の維持には腸内フローラの多様性が高いことが重要であると考えられています。今後、さらにC-3102株の健康への関わりを調べると共に、腸内フローラを介した健康施策についても提案して参ります。
※1 アミノ酸が数個つながった状態のものをペプチドといいます。「ラクトノナデカペプチド」は、アサヒグループ独自の発酵乳の中から見つかったアミノ酸が19個つながったペプチドです。
[食の安心安全]
食品の安全性に対するお客様の期待が高まる中、高分子界面活性剤などの分析を得意とする最新装置MALDI-TOF-MSを導入しました。本分析機器を活用することで、製品に洗剤や市販農薬を混入された際に、これら成分の迅速な検出が可能となり、分析面からフードディフェンスの強化を実現しました。また、水・原料・製品の安全性を正確かつ迅速に評価するために、最先端の分析技術を駆使し、微生物、残留農薬、残留動物用医薬品、カビ毒、有害金属、その他食品リスクの高感度・高精度そして高速分析が可能な分析法を新規開発・改良し、品質確認のための分析体制を常に最先端のものに更新しています。各種学会や公的研究機関と密な情報交流を行うことで食品リスクに関する情報をいちはやく入手し、新規リスクの迅速な分析技術確立や新規技術導入に役立てています。また、海外も含めたグループ各社の品質保証部門と連携し、アサヒグループ全体の品質保証体制の充実に貢献しました。
[新規事業]
バイオエタノールに関する研究開発では、砂糖とエタノールの同時増産を実現する新プロセス“逆転生産プロセス”を開発しました。サトウキビは、ショ糖(砂糖原料)と還元糖(砂糖生産を阻害するブドウ糖,果糖)の2種類の糖分を含有しています。多くの収穫量が期待できる高バイオマス量サトウキビや収穫期間外のサトウキビなどは、還元糖の含有率が高いため、砂糖の生産効率を低下させるという課題がありました。今回開発した“逆転生産プロセス”は、従来の砂糖・エタノールという製造順序を逆転させ、砂糖生産効率を下げる原因となる還元糖のみを先に選択的にエタノールに変換した後に、砂糖を生産するという画期的な同時生産プロセスです。バイオエタノールを生産することによって、砂糖生産効率を大幅に向上させ、これまでの収穫期間(工場稼働期間)を延長することができる革新的な技術で、国内外で特許登録が進んでいます。本技術は2013年度に地球環境大賞(グランプリ)を受賞し、地球規模で懸念される食料・エネルギー問題の解決に貢献する技術として、砂糖産業など多くの関係者から関心を集めています。また、2016年12月の国際サトウキビ技術学会(ISSCT2016)において、豪州クイーンズランド工科大学との共同実証試験について、最高優秀論文賞を受賞するなど、国際的にも最高の評価をいただきました。
一方、副産物としての酵母を活用した新規事業開発についても実用化を目指して技術開発を推進しています。酵母細胞壁を活用した農業資材については、2016年4月に地球環境大賞・農林水産大臣賞を受賞いたしました。
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