有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009YUY
東京建物株式会社 業績等の概要 (2016年12月期)
(1) 業績
当連結会計年度のわが国経済は、景気の一部に改善の遅れも見られましたが、政府の経済政策を下支えとして企業収益や雇用環境等が改善するなど、一年を通じた経済全体の基調としては緩やかな回復が継続いたしました。
当不動産業界におきましては、賃貸オフィス市場については、空室率の更なる低下や賃料水準の上昇傾向が継続するなど、引き続き堅調に推移いたしました。分譲住宅市場については、エリア等による二極化が一層鮮明になりつつありますが、低金利や税制面での後押しもあり、都心部を中心に需要は底堅く推移いたしました。また、不動産投資市場については、オフィスの他ホテルや物流施設についても取引が活発に行われ、特に都心部では取得競争の過熱から価格高騰が継続いたしました。
このような事業環境のもと、当連結会計年度における当社グループの連結業績につきましては、住宅事業における分譲マンションの売上計上戸数が前連結会計年度に比べて減少した一方、ビル事業及びアセットサービス事業における販売用不動産売上の計上等により営業収益は2,544億9千8百万円(前期2,600億1千2百万円、前期比2.1%減)、営業利益は363億6千3百万円(前期344億3千9百万円、前期比5.6%増)と前連結会計年度比で減収増益となりました。また、海外事業における持分法投資利益の増加及び金融収支の改善等により、経常利益は306億3千5百万円(前期247億9千6百万円、前期比23.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は197億4千2百万円(前期163億5千9百万円、前期比20.7%増)となりました。
なお、当連結会計年度から報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度の実績値については新セグメントに組み替えて表示しております。
各セグメントの業績の概況は以下の通りであります。
① ビル事業
ビル事業においては、「HUMAN BUILDING ~いつも、真ん中に人。~」を掲げ、引き続き現場力の強化・お客様満足度の向上、グループシナジーを発揮した収益機会の創出などに取り組むとともに、「豊島区旧庁舎跡地再開発プロジェクト」(東京都豊島区)や「東京駅前八重洲一丁目東地区市街地再開発事業」(東京都中央区)など、新たな成長に向けたプロジェクトを着実に進めてまいりました。
当連結会計年度においては、販売用不動産の売却による不動産売上の増加に加え、「東京建物日本橋ビル」(東京都中央区)が通期稼働し、都市型コンパクト商業施設「FUNDES(ファンデス)神保町」(東京都千代田区)が新規稼働するなど、ビル賃貸において堅調に推移したほか、管理受託等収益の増加等により前連結会計年度比で増収増益となりました。
この結果、営業収益は1,034億1千9百万円(前期969億4千2百万円、前期比6.7%増)、営業利益は310億9千4百万円(前期272億2千2百万円、前期比14.2%増)となりました。
② 住宅事業
住宅事業においては、お客様評価NO.1を目指して、「製・販・管」の一体化による「Brillia(ブリリア)」のトータルコミュニケーションブランド化に引き続き注力し、品質・サービスの向上、収益力強化に取り組んでまいりました。
当連結会計年度においては、住宅分譲で「Brillia 早稲田 諏訪通り」(東京都新宿区)、「ベイズ タワー&ガーデン」(東京都江東区)、「Brillia 文京江戸川橋」(東京都文京区)等を売上に計上しましたが、分譲マンションの竣工戸数が前連結会計年度に比べて少なく、売上計上戸数が大幅に減少した影響等により、前連結会計年度比で減収減益となりました。
この結果、営業収益は798億5千8百万円(前期980億7千6百万円、前期比18.6%減)、営業利益は62億7千1百万円(前期104億6千5百万円、前期比40.1%減)となりました。
③ アセットサービス事業
アセットサービス事業においては、不動産流通事業においてアセットソリューション機能を活かしたCRE営業(企業が利用・保有する不動産に対する有効活用の提案営業)の更なる強化を図るとともに、買取再販事業による収益力の強化に注力いたしました。また、駐車場事業においては、引き続きM&Aを活用するなど、業容の拡大に取り組みました。
当連結会計年度においては、アセットソリューションにおける買取再販の売上高の増加に加え、駐車場事業においてM&Aを実施し、車室数が増加したこと等により前連結会計年度比で増収増益となりました。
これらの結果、営業収益は526億6千8百万円(前期477億8千9百万円、前期比10.2%増)、営業利益は53億8千3百万円(前期44億1千7百万円、前期比21.9%増)となりました。
(注)取得した不動産の付加価値を向上させて再販する買取再販業務を主に行っております。
④ その他
その他においては、ホテル・ゴルフ・温浴施設等の余暇事業において、お客様満足度の向上を図るとともに、愛犬同伴型リゾート施設「レジーナリゾート伊豆無鄰」(静岡県伊東市)、「レジーナリゾート軽井沢御影用水」(長野県北佐久郡)を開業するなど、独自のノウハウを活かした事業に注力いたしました。また、シニア事業においては、引き続き良質なサービスの拡充と向上に努めるとともに、サービス付き高齢者向け住宅「グレイプス辻堂西海岸」(神奈川県藤沢市)を新たに開業するなど、事業規模の拡大を図りました。
当連結会計年度においては、余暇事業における販売用不動産評価損の減少等により前連結会計年度比で営業損失が減少いたしました。
これらの結果、営業収益は185億5千2百万円(前期172億2百万円、前期比7.8%増)、営業損失は1億4千6百万円(前期 営業損失13億9千2百万円)となりました。
(注)余暇事業及びシニア事業を統合した事業となります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により387億8千3百万円増加、投資活動により530億2千4百万円減少、財務活動により90億5百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比で51億6千4百万円減少し、420億5千3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、387億8千3百万円(前期比170億2千万円増加)となりました。これは主に、長期前払費用の増加による資金の減少があった一方、税金等調整前当期純利益、減価償却費、たな卸資産の減少による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、530億2千4百万円(前期比317億7千3百万円減少)となりました。これは主に、固定資産の売却収入による資金の増加があった一方、固定資産の取得による資金の減少及び不動産特定共同事業出資受入金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、90億5百万円(前期比491億8千2百万円増加)となりました。これは主に、社債の償還による資金の減少があった一方、借入金の増加及び社債の発行による資金の増加があったことによるものであります。
当連結会計年度のわが国経済は、景気の一部に改善の遅れも見られましたが、政府の経済政策を下支えとして企業収益や雇用環境等が改善するなど、一年を通じた経済全体の基調としては緩やかな回復が継続いたしました。
当不動産業界におきましては、賃貸オフィス市場については、空室率の更なる低下や賃料水準の上昇傾向が継続するなど、引き続き堅調に推移いたしました。分譲住宅市場については、エリア等による二極化が一層鮮明になりつつありますが、低金利や税制面での後押しもあり、都心部を中心に需要は底堅く推移いたしました。また、不動産投資市場については、オフィスの他ホテルや物流施設についても取引が活発に行われ、特に都心部では取得競争の過熱から価格高騰が継続いたしました。
このような事業環境のもと、当連結会計年度における当社グループの連結業績につきましては、住宅事業における分譲マンションの売上計上戸数が前連結会計年度に比べて減少した一方、ビル事業及びアセットサービス事業における販売用不動産売上の計上等により営業収益は2,544億9千8百万円(前期2,600億1千2百万円、前期比2.1%減)、営業利益は363億6千3百万円(前期344億3千9百万円、前期比5.6%増)と前連結会計年度比で減収増益となりました。また、海外事業における持分法投資利益の増加及び金融収支の改善等により、経常利益は306億3千5百万円(前期247億9千6百万円、前期比23.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は197億4千2百万円(前期163億5千9百万円、前期比20.7%増)となりました。
なお、当連結会計年度から報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度の実績値については新セグメントに組み替えて表示しております。
各セグメントの業績の概況は以下の通りであります。
① ビル事業
ビル事業においては、「HUMAN BUILDING ~いつも、真ん中に人。~」を掲げ、引き続き現場力の強化・お客様満足度の向上、グループシナジーを発揮した収益機会の創出などに取り組むとともに、「豊島区旧庁舎跡地再開発プロジェクト」(東京都豊島区)や「東京駅前八重洲一丁目東地区市街地再開発事業」(東京都中央区)など、新たな成長に向けたプロジェクトを着実に進めてまいりました。
当連結会計年度においては、販売用不動産の売却による不動産売上の増加に加え、「東京建物日本橋ビル」(東京都中央区)が通期稼働し、都市型コンパクト商業施設「FUNDES(ファンデス)神保町」(東京都千代田区)が新規稼働するなど、ビル賃貸において堅調に推移したほか、管理受託等収益の増加等により前連結会計年度比で増収増益となりました。
この結果、営業収益は1,034億1千9百万円(前期969億4千2百万円、前期比6.7%増)、営業利益は310億9千4百万円(前期272億2千2百万円、前期比14.2%増)となりました。
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||
数量等 | 営業収益 (百万円) | 数量等 | 営業収益 (百万円) | |||
ビル賃貸 | 建物賃貸面積 | 694,437㎡ | 63,542 | 建物賃貸面積 | 699,923㎡ | 64,600 |
(うち転貸面積 | 107,539㎡) | (うち転貸面積 | 107,218㎡) | |||
不動産売上 | 2件 | 8,902 | 2件 | 13,350 | ||
管理受託等 | - | 24,497 | - | 25,469 | ||
営業収益計 | - | 96,942 | - | 103,419 | ||
営業利益 | - | 27,222 | - | 31,094 |
② 住宅事業
住宅事業においては、お客様評価NO.1を目指して、「製・販・管」の一体化による「Brillia(ブリリア)」のトータルコミュニケーションブランド化に引き続き注力し、品質・サービスの向上、収益力強化に取り組んでまいりました。
当連結会計年度においては、住宅分譲で「Brillia 早稲田 諏訪通り」(東京都新宿区)、「ベイズ タワー&ガーデン」(東京都江東区)、「Brillia 文京江戸川橋」(東京都文京区)等を売上に計上しましたが、分譲マンションの竣工戸数が前連結会計年度に比べて少なく、売上計上戸数が大幅に減少した影響等により、前連結会計年度比で減収減益となりました。
この結果、営業収益は798億5千8百万円(前期980億7千6百万円、前期比18.6%減)、営業利益は62億7千1百万円(前期104億6千5百万円、前期比40.1%減)となりました。
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||
数量等 | 営業収益 (百万円) | 数量等 | 営業収益 (百万円) | |||
住宅分譲 | 1,528戸 | 78,841 | 711戸 | 63,423 | ||
住宅賃貸 | 建物賃貸面積 | 81,997㎡ | 4,083 | 建物賃貸面積 | 77,883㎡ | 3,133 |
マンション管理受託 | 管理戸数 | 49,484戸 | 6,472 | 管理戸数 | 53,010戸 | 6,758 |
その他 | - | 8,678 | - | 6,543 | ||
営業収益計 | - | 98,076 | - | 79,858 | ||
営業利益 | - | 10,465 | - | 6,271 |
③ アセットサービス事業
アセットサービス事業においては、不動産流通事業においてアセットソリューション機能を活かしたCRE営業(企業が利用・保有する不動産に対する有効活用の提案営業)の更なる強化を図るとともに、買取再販事業による収益力の強化に注力いたしました。また、駐車場事業においては、引き続きM&Aを活用するなど、業容の拡大に取り組みました。
当連結会計年度においては、アセットソリューションにおける買取再販の売上高の増加に加え、駐車場事業においてM&Aを実施し、車室数が増加したこと等により前連結会計年度比で増収増益となりました。
これらの結果、営業収益は526億6千8百万円(前期477億8千9百万円、前期比10.2%増)、営業利益は53億8千3百万円(前期44億1千7百万円、前期比21.9%増)となりました。
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||
数量等 | 営業収益 (百万円) | 数量等 | 営業収益 (百万円) | |||
仲介 | 999件 | 3,450 | 924件 | 3,464 | ||
アセットソリューション(注) | - | 24,449 | - | 26,733 | ||
賃貸管理等 | - | 2,945 | - | 3,376 | ||
駐車場運営 | 車室数 | 61,743室 | 16,943 | 車室数 | 65,546室 | 19,094 |
営業収益計 | - | 47,789 | - | 52,668 | ||
営業利益 | - | 4,417 | - | 5,383 |
④ その他
その他においては、ホテル・ゴルフ・温浴施設等の余暇事業において、お客様満足度の向上を図るとともに、愛犬同伴型リゾート施設「レジーナリゾート伊豆無鄰」(静岡県伊東市)、「レジーナリゾート軽井沢御影用水」(長野県北佐久郡)を開業するなど、独自のノウハウを活かした事業に注力いたしました。また、シニア事業においては、引き続き良質なサービスの拡充と向上に努めるとともに、サービス付き高齢者向け住宅「グレイプス辻堂西海岸」(神奈川県藤沢市)を新たに開業するなど、事業規模の拡大を図りました。
当連結会計年度においては、余暇事業における販売用不動産評価損の減少等により前連結会計年度比で営業損失が減少いたしました。
これらの結果、営業収益は185億5千2百万円(前期172億2百万円、前期比7.8%増)、営業損失は1億4千6百万円(前期 営業損失13億9千2百万円)となりました。
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||
営業収益 (百万円) | 営業収益 (百万円) | |||||
クオリティライフ事業(注) | 15,907 | 17,186 | ||||
その他 | 1,295 | 1,365 | ||||
営業収益計 | 17,202 | 18,552 | ||||
営業損失(△) | △1,392 | △146 |
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により387億8千3百万円増加、投資活動により530億2千4百万円減少、財務活動により90億5百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比で51億6千4百万円減少し、420億5千3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、387億8千3百万円(前期比170億2千万円増加)となりました。これは主に、長期前払費用の増加による資金の減少があった一方、税金等調整前当期純利益、減価償却費、たな卸資産の減少による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、530億2千4百万円(前期比317億7千3百万円減少)となりました。これは主に、固定資産の売却収入による資金の増加があった一方、固定資産の取得による資金の減少及び不動産特定共同事業出資受入金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、90億5百万円(前期比491億8千2百万円増加)となりました。これは主に、社債の償還による資金の減少があった一方、借入金の増加及び社債の発行による資金の増加があったことによるものであります。
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