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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AINO

有価証券報告書抜粋 不二製油グループ本社株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループは長年積み重ねてきた研究成果と先進の技術力を生かし、植物性油脂と大豆および大豆たん白を基礎とする新しい機能を持つ食品素材の開発に取り組んでおります。2016年8月には、不二製油株式会社阪南事業所内に、新研究施設として「不二サイエンスイノベーションセンター」を開設しました。「共創」をテーマにした国内外の研究開発の中心拠点として、「おいしさ」「健康」「環境」の方針を具現化する、グローバル展開に向けた独創性のある製品の開発に注力しております。
日本国内を統括する不二製油株式会社は、2016年4月より、応用開発研究所および各事業部ごとに設置されていた素材開発室を統合した研究開発部門としました。これにより、各研究室間のコミュニケーションの向上および各素材間の共創による新規複合素材の開発が出来る体制にいたしました。また、新たに価値づくり市場開発室を設置し、開発された新素材をすぐさまお客様へ提案し、お客様と共創できる体制にいたしました。
基盤研究部門である未来創造研究所は、不二製油グループ本社株式会社へ移管し、当社グループの将来を支えるため、新規事業を創造する研究所としての位置付けを更に強化しました。また、生産技術開発部門では引き続きコア技術の強化・革新に関する研究開発を進めております。大学等の公的研究機関との共同研究も積極的に行っており、特に国立大学法人京都大学とは、2015年4月に開設した産学共同講座を継続し、大豆の新たな可能性に向けた研究を進めております。
アジア圏を統括するFUJI OIL ASIA PTE. LTD.では、2015年3月にシンガポールに開設した「アジアR&Dセンター」と、日本国内にある「不二サイエンスイノベーションセンター」および「つくば研究開発センター」との連携を更に進め、現地のニーズに合わせた製品研究・開発を行っております。また、他のグループ各社においても、素材開発・応用開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、44億59百万円であります。

研究開発活動の概要は次のとおりであります。
(油脂部門)
安全安心で環境に配慮した油脂の製造技術、新機能を有する油脂製品およびその最適な応用法に関する研究開発を通して、お客様のご要望を形にし、新しいおいしさの創造に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果としては、難溶性抗酸化成分を油の中で細かく分散させる新技術で、酸化と魚臭の発生を抑えた安定化DHA・EPAの開発に成功し、これまで出来なかった幅広いカテゴリーの食品に展開できる製品として提案を開始しております。また、これまで検討してきたDTR技術(*)により、少ない調味料でも塩味や酸味、辛味が強く感じられる呈味増強油脂を開発し、減塩効果のある調味油として、病院や高齢者施設の給食用途で大きく期待されております。また同技術を応用し、油脂の風味発現向上、口解け向上など従来製品の高機能化を達成し、より付加価値の高い製品をお客様に提供できるようになっております。また、油脂結晶を利用し、品質作業性が向上するマーガリン用油脂の発売、お客様のご要望にお応えできる新規ブルーム抑制脂の開発に取り組みました。その他、低トランスタイプ、低飽和タイプと昨今グローバル市場からも要望される健康志向素材を開発し、海外展開を拡大されるお客様にも、いち早くご提案できる製品の開発を継続しております。
当部門の研究開発費は7億36百万円であります。
*DTR技術:水溶性成分を油脂に微分散させる技術で、素材の呈味(塩味、旨味、辛味など)や保存安定性を付与増強する技術。

(製菓・製パン素材部門)
チョコレートやホイップクリーム、マーガリン、チーズ風味素材、パイ製品等、製菓・製パン用素材を中心にした新技術・新製品開発、およびソフト開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果としては、チョコレートにおいては、最近の健康志向の流れから、糖類を低減したシュガーレス規格のチョコレートを製品化し、美味しさと健康を両立した製品の開発に努めました。また、調理加工市場向けとして小型容器に充填したソース状のチョコレートやカカオ風味の濃さを訴求した調理用途の製品開発に取り組みました。乳化・発酵素材開発では、ホイップクリームやマーガリン、フィリング素材を中心に従来の乳の美味しさと機能向上を目指した製品開発に取り組む一方で、健康志向や消費者ニーズの変化に対応し新しい植物性の素材価値を追求しております。USS(ウルトラソイセパレーション)豆乳の美味しさを活かし動物性原料を使用しないシリーズとして独自の発酵技術を用いたチーズ様素材の各種ラインナップの拡充を図り、更にはホイップクリームでの展開も加速させ、さまざまな用途での採用が広がりました。また、価値づくり開発においては、これら製品の特長を活かしたアプリケーション開発と、反対に消費者からの多様な要望を実現できるアプリケーション開発を実施しております。
当部門の研究開発費は14億26百万円であります。

(大豆たん白部門)
大豆たん白、大豆たん白食品、豆乳、大豆多糖類、大豆イソフラボン他大豆関連製品の開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果としては、昨年に続き世界初の豆乳の分離分画技術、USS(ウルトラソイセパレーション)製法で加工された豆乳クリームおよび低脂肪豆乳は、風味の面から調理加工分野や飲料分野にて高い評価を得ました。また、これらUSS素材(豆乳クリームおよび低脂肪豆乳)の特性を活かし、これまでに無かった豆腐類、ドレッシング、ホイップクリーム、フィリング等が誕生し、大豆加工素材として新しい分野への展開が進んでおります。植物性の組織状たん白素材は、肉に近い食感をもつ大豆ミートとしての高品質化、バラエティー化を進め、味と食感が評価され純植物性素材としての展開を進めました。一方、粉末状植物性たん白素材は、高騰する卵白やすり身の保水力を代替できるように物理特性を見直し、動物性資源の代替の可能性を高めました。また、たん白補給、高齢化社会に対応すべく、大豆たん白粉末を応用されやすいよう改質するほか、高齢者が喫食しやすい食品、柔らかい食感の冷凍流通豆腐、がんもどきなどの大豆たん白食品を開発し、老健向けの豆腐パティーも展開いたしました。生協向け大豆たん白食品では、具材の産地にこだわった商品が好調で、チーズ様素材や粒状大豆たん白でジューシー感を付与した内材を包餡したハンバーグ・豆腐つくねも引き続き好調であります。大豆多糖類においては、引き続き国内外における飲料分野や国内市場での麺および米飯用品質改良剤分野での使用が好調であります。
当部門の研究開発費は10億52百万円であります。

(基盤研究その他)
未来創造研究所では、経営課題である「おいしさと健康」を両立させた食の市場を創造するための、新技術開発や研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の主な成果としては、新規事業に繋がる新技術開発として、油脂に溶けにくい難溶性成分を安定的に混ぜる技術を開発し、この技術によって世界で初めて酸化安定性が極めて高い安定化DHA・EPAの開発が可能となりました。おいしさに関する研究としては、USS素材(豆乳クリームおよび低脂肪豆乳)がもつ大豆本来のおいしさの解明を、で引き続き取り組んでおります。健康に関する研究開発の一つとして、大豆イソフラボン(アグリコンとして)を機能性成分に用いた機能性表示食品「イソフラサポート」の届け出を消費者庁に行いました。本品は丈夫な骨を維持したい女性に適した食品で、想定する主な対象者は健常な日本人中高年女性です。また、「ブレインフード(健脳素材)としての大豆ペプチドの研究開発」が、第三回健康科学ビジネスベストセレクションズ近畿経済産業局長賞を受賞し、大豆ペプチドの認知機能への寄与、作用に関する研究成果を高く評価いただきました。その一方で、農林水産省の食品産業科学研究推進事業における、油脂酵母を用いた高機能油脂生産の研究に参画し、産学連携による新技術開発に引き続き取り組んでおります。
当部門の研究開発費は12億46百万円であります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00431] S100AINO)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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