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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AO7M

有価証券報告書抜粋 味の素株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

味の素グループは「グローバル健康貢献企業グループ」を目指し、人類の課題である「地球持続性」「食資源の確保」「健康な生活」の実現に向けて、事業を通じて貢献していきます。2014-2016中期経営計画では、高い付加価値を生み出す「スペシャリティ化」の推進によって安定的利益成長を実現させ、「グローバル食品企業トップ10」レベルの事業を目指しています。
他社や既存のものにはない「スペシャリティ」を技術力によって先導すべく、「R&Dのリーダーシップ」を成長ドライバーに位置づけ、高い成長が見込まれる「世界一の調味料技術」と「独自の先端バイオ」技術が活かせる領域に研究開発における経営資源を重点的に投資しています。また、新製品・新事業を効率的に生み出すため、社外の研究機関や企業とのオープンイノベーションを積極的に活用します。
当連結会計年度における味の素グループの研究開発費は27,134百万円であります。
また、当社グループが保有している特許は国内外合わせて約3,900件であります。
当連結会計年度の各事業区分における研究開発活動の概要とその成果は次のとおりであります。

(1) 日本食品セグメント
味の素㈱の食品研究所が中心となり、味覚、嗅覚、食感など、「おいしさを構成するすべての要素」を俯瞰した技術開発、商品開発、及びそのアプリケーション開発を行っています。少子高齢化、世帯人数の減少、健康志向といった国内市場における潜在ニーズを掘り起し、当社独自の素材と技術及び斬新な発想による価値提案型の新商品開発に取り組んでいます。
食品研究所は、クノール食品㈱、味の素冷凍食品㈱、味の素ゼネラルフーヅ㈱、上海味の素食品研究開発センター社(中国)をはじめとする国内外のグループ会社の研究開発部門とも密接に連携を図っています。


2016年度の家庭用商品は、多様化するお客様のニーズと価値観に対応した製品でおいしく食べて健康な生活をご提供すべく、「スペシャリティ」を持った新製品を開発・発売しました。
メニュー用調味料市場においては、当社の独自素材「醸造香」を配合することにより全体の風味が増強された「Cook Do®豚肉の黒酢炒め用」と、甘酢の豊かな風味が増強された「Cook Do®きょうの大皿®」、「Cook Do®きょうの大皿®」を発売しました。また当社の独自技術「根菜柔らか成分」により、短時間で大根を軟らかく仕上げることができる「Cook Do®きょうの大皿®」を発売しました。スープ市場においては、独自素材の配合により乳のコクと素材の風味が更に豊かになった「クノール®カップスープ」を発売しました。またマヨネーズ市場においては、独自素材の配合によりマヨネーズ本来のコクが更に豊かになった「ピュアセレクト®コクうま®65%カロリーカット」を発売しました。和風だし市場においては、高付加価値領域のニーズの高まりにお応えした製品「ほんだし® 焼きあごだし」を発売しました。香ばしい香りや厚みなど「焼きあごだし」に求められるおいしさを当社の独自素材の配合によって実現しました。また独自の減塩技術により、おいしさそのままで減塩率50%を実現した「お塩控えめの・ほんだし®」を発売しました。さらに、オープン&リンクイノベーションにより、燃焼時に発生するCO2量が抑制された食品包材「CO2吸収包材」を世界で初めて開発し「鍋キューブ®」外袋パウチに導入しました。従来の包材と比べてCO2排出量を25%以上削減でき、この包材導入前後で比較すると年間CO2排出量で44トンを削減できる見込みです。
業務用では、当社独自技術を活用し、炊き立てのご飯のおいしさが持続する「お米ふっくら調理料」と、から揚げ等の肉のジューシー感が持続する「お肉ジューシー調理料」の改定を行いました。加工需要家向けでは、長谷川香料㈱と協業して、加熱に負けない自然なかつお節の肉質香を付与する調味料「かつお節エキスN」、本格的な豚骨の炊き出し風味を付与する調味料「『アロマックス®』炊き出し豚骨香」を発売しました。
ベーカリー製品につきましては、味の素グループの独自技術で生地中の水和性を高め、顧客の求める「しっとりかつずっしりした食感」を冷生地を用いたパン生地で具現化しました。その生地を用いて「メンチカツバーガー」を CVS向けに開発し関東圏で販売したところ、高く評価され全国展開に至りました。
世界に類を見ない超高齢社会の日本において、国は地域包括ケア構想を掲げ、地域、在宅での医療・介護の推進を図っています。こうした動向を踏まえ、2016年度、当社では、従来の医療機関、介護施設向けのみならず、在宅で療養される高齢者・ご家族、また介護予備軍とされる方々をも対象とした味の素KK「栄養ケア食品」の新製品の開発(発売は2017年度以降)を進めました。また、製品開発のみならず、2016年度は在宅高齢者・ご家族の方々により身近に製品をお求めいただけるようにドラッグストア、スーパーマーケットなどへの販売を拡充し、併せてこれらの対象者へのこれまでの研究成果に基づく機能性情報の発信や対象領域の啓発活動も推進しました。「アミノケア®ゼリー ロイシン40」「抵抗活力®アミノ酸 シスチン&テアニン」を用いた臨床研究では、様々な疾患で生じる筋肉の減弱やがん治療の副作用に関連する研究成果が各学会で発表され、注目を集めています。「抵抗活力®アミノ酸 シスチン&テアニン」では、更に信頼性の高い成果を得るために、多施設共同での(ランダム化)比較試験が開始されています。


家庭用では、グループ技術素材と味の素冷凍食品㈱の焼売製法を駆使し、ひとくち噛むと肉汁が口にひろがり、椎茸と葱油の旨みと香り、コクが楽しめる「ザ★シュウマイ」、そして大好きなおかずがおにぎりで、おいしく食べられる独自製法の「おにぎり丸」5品種を開発しました。
業務用では、従来にはないアミノ酸技術により洋食専門店の口溶けの良さと、時間が経ってもそのなめらかな食感が続くクリームソースの「時間が経ってもなめらか!専門店のかにクリームコロッケ」、そしてお客様の声にこたえる時短、簡便オペレーションで、更に焼き目と皮の食感がおいしくなった「袋のままスチコンで焼餃子」2品種を開発しました。


「ブレンディ®スティック」で使用しているミルクアロマ成分を駆使し、専門店で楽しむラテのようなミルクのコクや厚みのある「ブレンディ®カフェラトリースティック」シリーズを新スティック商品として発売しました。 また、ミルクのコク味成分を維持したまま冷水にも可溶なインスタントクリーミングパウダーを開発し、濃厚でクリーミーな味わいを冷水で楽しめる「ブレンディ®スティック」アイス製品を発売しました。

日本食品セグメントに係わる研究開発費は、3,425百万円であります。

(2) 海外食品セグメント
「各国のおいしさNo.1」を目指し、当社独自の素材や技術を世界中に展開し、各国嗜好とニーズにきめ細かく適応した調味料、及び加工食品の開発に継続的に取り組みました。
各国の生活者の食生活を豊かにすべく、インドネシアにおいては主力事業うま味調味料「味の素®」、風味調味料に加え、新領域であるベーカリー事業に参入しました。またベトナムにおいても新たにライトミール領域に参入し、パンケーキミックス製品「BanhRan」を発売しました。さらに、フィリピンでは当社保有のオイスターエキスを活用し、「Sarsaya®」ブランドで液体調味料事業に参入しました。味の素グループの技術を各国で活用し、資源代替や生産性改善を推進することで、収益構造強化に向け取り組んでいます。
甘味料につきましては、アスパルテームのコスト競争力の強化を目的としてプロセス改善を継続して進めました。リテイル商品では、当社独自の甘味設計技術を活用した調理用途で更に使いやすい製品開発を進めました。

海外食品セグメントに係わる研究開発費は、3,588百万円であります。

(3) ライフサポートセグメント
味の素㈱バイオ・ファイン研究所が中心となり、動物栄養、香粧品、電子材料などの幅広い事業領域における研究開発に取り組んでいます。乳牛用飼料「AjiPro®-L」のさらなる飼料効果改善、ここで培われたユニークな保護技術の他利用展開など、当社ならではのスペシャリティによるお客様の価値創出を目指し、事業拡大を図っています。一方素材事業では、抜本的な新製法開発に注力し、収益構造改革を推進しています。また、電子材料では絶縁材料で培われた技術を有機EL関連材料など様々な有望用途へと広げるための開発を続けています。
更なる顧客価値の創造のため、味の素オムニケム社、味の素アルテア社、味の素-ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社、味の素ファインテクノ㈱等の国内外の各グループ会社及びその技術開発センターとも密接に連携し、世界中の市場に向けたソリューションを提供しています。


グローバルな研究開発推進体制により、競争力強化に向けて発酵技術に関する基盤研究の一層の推進、非可食原料利用を含めた低資源利用発酵技術等の新技術開発を行い、海外の技術開発センターとともに工業化を加速させ、各海外工場への導入を推進しました。乳牛用のアミノ酸として当社独自の技術を生かして開発された「AjiPro®-L」は、さらなる品質向上を実現し、北米を中心に市場から高い評価を得ています。また、飼料用アミノ酸の有効活用による温室効果ガスの削減や農地有効活用などの環境貢献が評価され、エコプロ2016 ~ 環境とエネルギーの未来展[第18回]で農林水産大臣賞を受賞しました。


香粧品素材につきましては、製品ポートフォリオ拡充のため、アミノ酸誘導体を中心に継続的な研究に取り組んでいます。2016年度は、アミノ酸系保湿剤、油性基材、機能性粉体、効能素材の開発を進めました。新製品として、メーキャップ化粧品用のアミノ酸であるL‐リジンを用いた機能性粉体の品種を追加しました。またグローバルな需要拡大に対応するために、日本の洗浄剤生産能力を増強しました。
電子材料につきましては、味の素ファインテクノ㈱と共同で、次世代CPU用の絶縁材料の開発に加え、成長の著しいスマートフォン向けの半導体パッケージ材料や次世代型ディスプレイ用材料の開発を継続して注力しています。有力スマートフォンメーカーによるハイエンドモデルやミドルモデルへの採用も着実に進んでいます。
活性炭事業では、長年味の素グループの生産を支えてきた吸着技術を活用し、水や空気の浄化等の環境貢献も意識し、各種高機能な吸着材料の開発を進めています。


ひと・生き物・地球の持続可能な未来づくりへの貢献につながる製品・事業の開発を目指し、アミノ酸・核酸の農作物に対する有効性についての研究開発を進めています。核酸系肥料の「アミハート®」「早根早起®」、アミノ酸系肥料の「アジフォル® アミノガード®」、「グルハート®」を発売しました。海外でもこれらの核酸、アミノ酸系肥料を展開していきます。2016年度は「グルハート®」の効果成分を増強した新製品「グルハート®プラス」を新たに上市しました。加えてお客様の撒き易さを考慮した土壌改質剤「土壌再生炭」粒状タイプを新たにラインナップに加えました。

ライフサポートセグメントに係わる研究開発費は、5,073百万円であります。

(4) ヘルスケアセグメント
味の素㈱の3研究所(イノベーション研究所、バイオ・ファイン研究所、食品研究所)が密に連携を取りながら、世界の健康に貢献するための商品や技術の開発を進めています。2015年から販売を開始した再生医療用培地事業では、更なる高品質増殖用培地の開発の他、各種分化用培地の開発、欧米主要研究機関への導入などを勢力的に進めています。また、アミノ酸事業展開としては医薬用、食品用アミノ酸事業の他、当社の長年にわたるアミノ酸の機能研究に基づき、「アミノバイタル®」などのスポーツニュートリション領域や「グリナ®」や「アミノエール®」などの機能性食品領域において、総力を挙げて新商品の開発に取り組んでいます。さらには血液中のアミノ酸バランスから現在の健康状態やがんなどの疾病リスクを明らかにする当社独自技術アミノインデックス®は、がん診断事業の拡大を図るとともに、生活習慣病等の診断とそのソリューション提供事業へと拡大すべく、研究開発を進めています。また、当社独自のペプチド/オリゴ核酸の液相法大量製造技術である「AJIPHASE®」は製薬業界での認知度の高まりにより急速に事業を拡大しています。


医薬用・食品用アミノ酸につきましては、アミノ酸市場の伸びに対応するために、生産性の向上とコスト競争力の強化を目的とした発酵・精製プロセス開発と導入を継続して進めました。また、動物細胞培養用の培地の事業展開のため、韓国に設置した味の素ジェネクシン社での医薬、医療用培地の生産・販売を開始しました。
再生医療用培地では、基礎研究用培地「StemFit®」Basic02を、米国にて2016年9月、韓国では2017年3月より販売を開始しました。「StemFit®」Basic02は、iPS/ES細胞の汎用培地として世界最高水準の性能を備えており、高い増殖性能に加えて、ゲノム編集時の高いクローニング効率など、他社製品に比し、高いコストパフォーマンスを実現しています。
医薬中間体につきましては、製薬メーカーからの原薬受託製造について、高活性原薬の開発体制の一層の充実を図り、継続的なテーマの受注に繋げています。タンパク発現技術(「CORYNEX®関連技術」)の研究開発を進め、味の素アルテア社とも連携しグローバル大手製薬企業とバイオ医薬品の開発・製造支援事業「CORYNEX®」を推進しています。


スポーツ栄養科学研究の推進を通じて、アミノ酸の有用性を検証するとともに、エビデンスを有する製品の創出に取り組んでいます。2016年度においては、日々の栄養摂取とコンディショニングをサポートするために開発した「アミノバイタル® Rio2016日本代表選手団SPECIAL」(非売品)をはじめ、「アミノバイタル®GOLD」、「アミノバイタル®アミノプロテイン」等のアミノ酸ベース顆粒製品をリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック日本代表選手団に提供し、選手のトータルコンディショニングを支援しました。「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」オフィシャルパートナーとして引き続き、社外の研究機関等とのオープンイノベーションを積極的に推進しながら、アスリートやスポーツを愛する生活者に貢献できる製品開発を行っています。


2015年より施行された機能性表示食品制度※1への届け出を進め、4月に筋肉対策領域で日本初の機能性表示食品となる「アミノエール®」、1月に疲労感の軽減と頭の冴えをサポートする「毎朝ヒスチジン®」を発売しました。「アミノエール®」は“ロイシン40%配合必須アミノ酸”を機能成分とする、65歳以上の方の筋合成力の維持向上と歩行能力の改善をサポートするサプリメントです。「毎朝ヒスチジン®」はアミノ酸“ヒスチジン”を機能性成分とする、頭の疲れのサポートというユニークな価値を持つ製品で、かつおだしに含まれる必須アミノ酸ヒスチジンが疲労感軽減に有効であることを見出した(特許出願中)ことにより生まれました。新たな取り組みとしては、ヒト用サプリメントで培ったアミノ酸の有用性と犬の嗜好性を客観的に評価できる特許技術を活用した、愛犬用サプリメント「ドッグパートナー®」3種※2を発売しました。今後も、アミノ酸を中心とした、当社独自の健康価値を有する製品や情報の提供を通じて、“健康社会”の実現に取り組んでいます。
※1:事業者の責任で科学的根拠を基に、商品パッケージに健康の維持増進に資する機能性を表示するものとして消費者庁に届け出られた食品
※2:「皮ふ・毛なみ健康サポート」、「足腰健康サポート」、「抵抗活力健康サポート」


「アミノインデックス技術」は、血液中のアミノ酸濃度のバランスから、現在の健康状態やがんなどの疾病リスクを明らかにする当社独自の技術です。この技術を用いたアミノインデックス®がんリスクスクリーニング(AICS®)は、一度の採血で複数のがんの罹患の可能性を評価できる検査で、既に全国で約1,200の医療機関で受診が可能です。この技術を用いて、将来の糖尿病やメタボリックシンドロームの発症が予測可能であることや血液中のアミノ酸濃度の低値者が様々な健康リスクと関連することも確認され、論文に掲載されました。
本年度も引き続き神奈川県、横浜市、川崎市が共同で推進する「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」で、「個別化医療・予防医療」分野の取り組みの一つとして「アミノインデックス技術」を活用する検討を進めています。


先端医療分野では、医薬原薬の製造事業「AJIPHASE®」を推進し、当社独自のオリゴ核酸及びペプチドの新規合成技術の開発を進めています。

ヘルスケアセグメントに係わる研究開発費は、2,555百万円であります。

(5) 全社
味の素㈱イノベーション研究所が中心となり、国内外の研究機関と連携して進めている先端の研究・技術を活用し、グループ内の各研究所とともに様々な事業に向けた新技術・新素材の開発や、各事業分野に共通した基盤技術の強化に取り組んでいます。
健康な食生活のためにうま味物質グルタミン酸ナトリウムを有効に使いこなす技術について研究と情報発信を続けています。また、食品の好き、嫌いにかかわる様々な味や香りとその関係性を詳細に評価・解析する方法を確立し、実際の商品の開発に応用できるまでに改良しました。この結果を世界の様々な嗜好を持つお客様により好まれる商品の提供に活用していきます。さらに、「人は味や香りをどのように感じ、『おいしい』と思うのか?」について、より基礎的な研究を世界の研究機関と協力して進め、市場の求める新しい調味料素材を探し出す研究にも取り組んでいます。世界の人々のおいしさと健康に貢献できるサイエンスを目指しています。
また、低炭素社会及び持続可能な資源循環型社会を目指して、新たな技術開発や新事業の創出に継続して取り組みました。まず発酵プロセスにおけるバイオマス利用技術開発を推進するとともに、発酵プロセス副産物の農業資材としての効果を微量成分の分析技術を駆使して解析する研究を進めています。一方、バイオによる高機能素材開発の一環として、長谷川香料㈱との業務提携により近年成長が著しいナチュラルフレーバー市場に向けて、発酵法によるフレーバー素材の製法開発に取り組んでいます。このような研究から蓄積される自社技術や、NEDOプロジェクト「植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発」への参画など種々のオープンイノベーションにより、さらなる高機能性素材の製法開発やその応用研究も進めています。さらに当社のバイオ、分子設計及び配合技術を融合し、次世代の情報通信やセンシング技術に貢献する新規素材の研究にも取り組んでいます。
また、省エネルギーや節水など環境に配慮した生産技術の開発を進めるとともに、デジタルマーケティングや製造プロセス制御の深化を目的としたビッグデータ活用技術開発も精力的に実施しています。シミュレーション、人工知能、ロボティクスを活用した安全・安心につながる製造技術の開発を行うとともに、最先端微量分析技術を用いた成分解析及び不純物解析をもとに、製品の安全性を検証しています。特に、高感度アミノ酸・タンパク質分析などの最先端技術を開発し、様々な事業領域における研究開発、新事業開発に貢献しています。また、アミノ酸誘導体やペプチド、食品素材の生産に重要な酵素の開発に向け、高次構造に基づく酵素の改変技術の開発研究に精力的に取り組みました。さらに、生体内におけるアミノ酸の栄養・代謝研究を基盤とした、健康長寿社会の実現や、栄養不良の二重負荷(不足栄養と過栄養)の解決、効率的な食資源生産に向けた研究も進めています。

全社に係わる研究開発費は、12,236百万円であります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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