有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AOMN
第一交通産業株式会社 事業等のリスク (2017年3月期)
生産、受注及び販売の状況メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、また、すべてを網羅するものではありません。
1.売上高及び売上総利益の変動について
(1)タクシー事業
タクシー業界においては、政府による経済政策の好影響も大きな好転はなく、また、消費税増税以降は法人顧客・個人顧客の乗り控えにより売上高が減少する傾向に加え、2009年10月1日付で3年間の時限立法として「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」が施行され、2012年10月に3年間延長、2014年1月には一部が改正されております。各地域の協議会においては、適正台数に向けた需給調整のための減車・休車数の自主目標等が諮られており、当社グループの特定地域では、2011年4月から2013年3月末までに10%~20%程度の自主減車・休車を実施しておりますが、今後も更に減車する可能性があります。また、タクシー事業売上原価のうち燃料のLPG等の石油関連商品の価格は、投機マネーの動向や為替動向に大きく左右され収益を大きく圧迫する要因であり、注視していく必要があります。
当社グループといたしましては、お客様に満足頂くサービスの向上に努め増収を図るとともに、スケールメリットを生かして原材料等の調達費抑制等の経費削減により利益の確保に努めてまいりますが、上記の要因により売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(2)バス事業
貸切バス部門は、2016年1月15日に発生した軽井沢スキーバス事故(乗客13人、乗員2名死亡)を踏まえ、再発防止に向けた法令改正などにより道路交通法の更なる厳格化が予想されます。当社グループでは、改正内容に対し的確に対応できるよう、機動的な人員配置と設備投資を行ってまいります。また、(公社)日本バス協会が行っている「貸切バス安全評価認定制度」について、既に三ツ星認定を受けている那覇バス㈱・㈱琉球バス交通以外の他の事業所でも取得に向けた取り組みを行い、その活動を通じて更なる「安全・安心なバスの見える化」に取り組み、お客様に提供してまいります。那覇交通㈱及び琉球バス㈱から事業譲受に伴い引継いだ営業車両(路線バス・観光バス)の大半は老朽化が激しかったため、お客様の利便性やニーズにお応えするため、今後も沖縄振興一括交付金の補助金を活用して路線バスを中心に車両代替を行うことにしております。当社グループでは、乗務員教育による接客・サービスの向上、IC乗車券の活用、効率的なバス路線の見直し、省燃費運転の徹底及び観光バス顧客の獲得に積極的な営業活動を推進してまいりますが、景気の低迷、当該バス車両の代替に伴う減価償却費及びリース料の増加並びに軽油等石油関連商品の価格変動によっては、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(3)不動産分譲事業
当社グループの不動産分譲事業につきましては、分譲物件の選別、差別化により顧客志向の商品供給を行っておりますが、以下のような業績変動要因があります。
①経済情勢
住宅分譲においては、景気、金利の動向、不動産販売価格情勢、住宅取得税、消費税増税等の経済情勢は、購買サイドの購入意欲を左右させる要因があります。なお、不動産市場の変動による販売価格の改定を実施した場合や、販売用不動産等の時価が著しく下落した場合、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用して、販売用不動産の評価損を計上しております。また、震災復興需要の本格化並びに政権交代以降の公共事業の拡大路線などを要因に、工事関連の人件費高騰に伴うコスト増加傾向にあります。当社グループといたしましては、常に景気、金利、関係先の動向等に注力し、各プロジェクトの企画・販売計画を行うことに努めておりますが、上記の要因により不動産分譲事業の売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
②分譲マンションの引渡しの時期
住宅分譲においては、売上は売買契約成立時ではなく、物件の顧客への引渡しをもって計上され、かつ利益率は個別プロジェクト毎に立地、地域等により乖離があります。このため、当社グループといたしましては、プロジェクトの利益率については社内規定を設け、各プロジェクトの立案時において個別に判断をすることとしており、また引渡し時期については、年間を通じ竣工時期を平準化することに努めておりますが、お客様のニーズに合わせた竣工時期を選定するなかで、各プロジェクトの完成・引渡しは下半期(第3四半期及び第4四半期、以下同様)連結会計期間に偏って行われていることから、各連結会計年度及び上半期連結会計期間の売上高・売上総利益において不動産分譲事業の業績判断の際には留意する必要があります。
なお、天災その他予想し得ない事態による工事期間の遅延といった不測の事態により、引渡し時期が遅延することも考えられ、売上高は著しく変動する可能性があります。
(参考)不動産分譲事業(マンション)の上半期・下半期別売上高 (単位:百万円)
(注) 不動産分譲事業(マンション)の契約及び販売実績については、「第2 事業の状況 2 営業の状況」をご参照下さい。
(4)不動産賃貸事業
不動産賃貸事業においては、主として都市部における飲食ビルを所有し賃貸業務を行っておりますが、景気の動向や近隣における競業物件の増加、近隣市場における空室の増加等により、賃料相場の低下傾向が続く場合があります。当社グループといたしましては、タクシー事業・不動産分譲事業等グループによるスケールメリットを生かした情報提供及び優良な賃貸管理委託業者の選定によるテナントの募集に努めております。また、収益ビルの購入や賃貸アパート・マンションの建築に伴う投資資金の増加により、不動産賃貸事業の売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(5)金融事業
金融事業においては、不動産担保融資に特化した営業活動を推進しており、貸出債権全体に占める不動産担保融資の比率は99%以上となっております。
不動産金融市場においては、今後市場環境が悪化した場合、担保不動産の価格下落による貸倒リスクの高まりや、資金需要の低迷により、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
また、営業貸付金等の必要資金は主に金融機関からの借入金で賄っております。今後金融環境に大幅な変化が生じた場合に、急激な金利上昇による調達コストの増加や、資金調達が困難になる恐れがあり、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
2.法的規制について
(1)タクシー事業
①規制緩和から再規制へ
タクシー事業は、「道路運送法」による一般乗用旅客自動車運送事業の免許を得て、その業務を行うためには国土交通大臣の許可が必要であり、「道路運送法」のほか「道路運送法施行規則」、「旅客自動車運送事業等運輸規則」の規制を受けております。
2002年2月の道路運送法の改正及びその後の一部改正により、タクシー事業への新規参入及び車両の増減車の簡易化及び運賃料金の設定緩和といった規制緩和がなされ、タクシー業界においては増車及び運賃の割引による過当競争により、違法駐車の増加、事故率の上昇、マナーの低下、乗務員の賃金の低下等を招くことになりました。以上により、2009年10月から3年間の時限立法として「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」が施行(2012年10月に更に3年間延長)され、供給過剰として特定地域に指定された地域では、新規参入や増車などが抑制されると同時に、運賃の多様化が是正されることとなり、業界では自主減車を行いました。2014年1月27日より「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律」が施行され、新規参入や増車の抑制及び運賃の多様化の是正が継続されております。当社グループにおいては、安全な輸送と快適なサービスにより、お客様に選ばれるタクシー会社としてあり続けることを基本として、顧客ニーズの喚起により増収を図ってまいります。しかし、業界自体の更なる過当競争により売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
②運輸局による指導・行政処分について
タクシー事業の所轄官庁は国土交通省・運輸局ですが、同局ではタクシー事業者が公共輸送機関として適正に運営を行うよう、同局の監査を通じてタクシー事業者全てに対して指導が行われております。2002年の規制緩和策と連動して、同局の監査によって指摘された不備事項については、その程度に応じて行政処分の対象となり、新規事業展開の禁止・営業停止等、厳格化の傾向にあり、2006年2月からは処分基準が見直し実施されております。2006年6月施行の「道路交通法」の一部改正では、駐停車違反に伴う運転者の反則金の未払いによっては、車両の使用者(会社)へも処分が及ぶこととなり、同年10月施行の「道路運送法」の一部改正では、事業経営者に対する輸送の安全確保義務の明確化に伴い、運輸安全マネジメントが導入され、安全情報の公表、指導監督及び300両以上のタクシー事業者にあっては安全管理規程の作成届出・安全統括管理者の選任届出が義務付けられました。
なお、2007年4月からは飲酒運転や交通事故を撲滅する目的で、運行管理者による乗務員の管理状況(点呼の実施)、整備管理者による車両管理の徹底(日常、定期点検)に対する処分基準が強化、2008年6月施行の「道路交通法」の一部改正では、後部座席シートベルトの着用義務化、2011年5月の国土交通省令では、点呼時の運転者の酒気帯び確認にアルコール検知器使用が義務化されております。
また、2013年9月17日付にて「一般乗用旅客自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」が改正され、2013年11月1日(即事業停止にかかる重大な違反については2014年1月1日以降)より施行されております。この改正により、運行管理者が全く不在の場合、「勤務時間及び乗務時間に係る基準」が著しく遵守されていない場合、全運転者に対して全く点呼を行っていない場合などには、即時事業停止になるという厳しい内容になっております。
当社グループにおきましては、引続き管理体制の強化により、運輸局等の指導・是正措置に迅速に対応し、円滑に事業を運営することに努めてまいりますが、今後不測の事態等による行政処分により売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(2)バス事業
バス事業は、「道路運送法」による一般貸切旅客自動車運送事業、一般乗合旅客自動車運送事業の免許を得てバス事業の営業を行っており、その業務を行うためには国土交通大臣の許可が必要であり、「道路運送法」のほか「道路運送法施行規則」、「旅客自動車運送事業等運輸規則」の規制を受けております。
また、タクシー事業と同様に運輸局等の監査によって指摘された不備事項については、その程度に応じて行政処分の対象となり、新規事業展開の禁止・営業停止等厳格化の傾向にあります。なお、2006年10月施行の道路運送法の一部改正では、事業経営者に対する輸送の安全確保義務の明確化に伴い、運輸安全マネジメントが導入され、安全情報の公表、指導監督及び200両以上のバス事業者にあっては安全管理規程の作成届出・安全統括管理者の選任届出が義務付けられました。
当社グループにおきましては、当連結会計年度末までにおいて業績に重要な影響を及ぼす行政処分はなく、引続き管理体制の強化により、運輸局等の指導・是正措置に迅速に対応し、円滑に事業を運営することに努めてまいりますが、今後不測の事態等による行政処分により、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(3)不動産分譲事業
不動産分譲事業は、「国土利用計画法」、「宅地建物取引業法」、「建築基準法」、「改正省エネ法」、「改正建築士法」及び「住宅品質確保促進法」等により規制を受けております。また、「住宅瑕疵担保履行法」に対応して、当社グループは住宅保証機構株式会社を窓口として保険加入しております。当社グループにおきましては、当連結会計年度末までにおいて業績に重要な影響を受けた行政処分はなく、引続き管理体制の強化並びに新たな法的規制の動向に注力し、迅速な対応に努めてまいりますが、今後これらの規制の改廃又は新たな法的規制に伴い、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(4)金融事業
①貸金業登録について
金融事業においては「貸金業法」第3条に基づき、福岡財務支局の貸金業登録を受け、3年ごとに更新登録を行っております(登録番号 福岡財務支局長 [7]第00128号)。この貸金業者登録により各種の業務規制と、規制に違反した場合の行政処分(業務停止、貸金業登録の取り消し等)並びに罰則等の措置が設けられております。また、監督官庁である金融庁が定める「貸金業者向けの総合的な監督指針」の適用も受けており、貸金業法による行動指針が定められております。
当社グループにおいては、「貸金業法」及び「貸金業者向けの総合的な監督指針」の遵守を徹底しており、当連結会計年度末までにおいて、法令に抵触する事実はなく、引続き管理体制の強化に努めてまいりますが、今後何らかの要因により法令に抵触した場合、業務の全部又は一部の停止が命ぜられ、又は登録が取消され、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
②貸出金利について
貸付上限金利は2010年6月18日より改正「貸金業法」が完全施行となり、「利息制限法」に規定する金利(貸付元本により年20%~15%)を上限とすることとなりました。当社グループの場合、貸出元本が1百万円を超えるため年15%以下の金利が上限となります。当社グループでは原則15%以下での貸付を行っておりますが、今後更なる上限金利の引き下げが行われた場合、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
③利息制限法規制金利超過分返還請求について
当社グループの過去の貸付契約には、貸付上限金利が「利息制限法」に基づく上限金利を超えて適用していたものがあり、顧客からの超過利息の返還請求については、迅速かつ柔軟に対処いたしております。なお、今後多額の返還請求が発生した場合、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報管理について
当社グループでは、タクシーチケットやポイントカード等の発行を中心として、各事業部門において大量の顧客情報を取り扱っております。
「個人情報の保護に関する法律」の施行に伴い、個人情報保護方針及び個人情報保護規定を制定し、顧客情報の保護に努めております。当連結会計年度末までにおいて情報流出問題は発生しておりませんが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は皆無ではなく、顧客情報の流出等の事故発生が、法的責任及び社会的責任を課せられ、信用力の低下により売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
3.有利子負債への依存について
当社グループは、主に不動産事業における分譲用地や賃貸物件の取得等、金融事業における営業貸付金及び販売用不動産の購入等、タクシー事業におけるM&Aや営業所用地の取得等の資金調達において、主として金融機関からの借入金で賄っているため、有利子負債への依存が高い傾向にあります。
従って、販売用不動産の回転期間の短縮化、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)による資金効率の向上等により有利子負債の縮減に努めておりますが、業容の拡大や経済市況の変化によって分譲用地・賃貸物件の取得が重なり、有利子負債が増加する可能性があります。
なお、その調達形態につきましては、個別事業採算や金融情勢及び金利動向を考慮しながら資金調達を図っており、特に短期借入金の機動的活用や、金利上昇リスクを想定して長期固定金利による調達に傾注しております。その結果、金融事業を除く当社グループにおいては、借入金に占める短期借入金の比率が2017年3月期は10.1%と低シェアに留まるとともに、長期借入金に占める固定金利の比率が2017年3月期は57.6%となっております。調達コスト面において金融費用の縮減に努めるとともに、金利上昇局面での費用抑制に備えておりますが、有利子負債の増加や急激な金利上昇によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.タクシー事業の人材確保と稼働率について
タクシー業界においては、乗務員の平均勤続年数は短く、退職率も高い傾向にありますが、これは主として、業界内の慢性的な2種免許保有者の不足に伴う転職しやすさ等に起因しており、乗務員の確保状況が稼働率に多大な影響を及ぼしております。
当社グループにおきましても、従来からの乗務員不足の解消と稼働率を維持するための募集活動、養成費、寮の確保といった経費の増加が予想されます。また、乗務員紹介サポーター制度を設け、若い人材の獲得や女性乗務員の採用に注力するとともに、各種キャンペーンや法人営業等により需要の喚起に努めてまいりますが、若年層の乗務員を安定的に確保できない状態が継続した場合、稼働率の低下によって売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、また、すべてを網羅するものではありません。
1.売上高及び売上総利益の変動について
(1)タクシー事業
タクシー業界においては、政府による経済政策の好影響も大きな好転はなく、また、消費税増税以降は法人顧客・個人顧客の乗り控えにより売上高が減少する傾向に加え、2009年10月1日付で3年間の時限立法として「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」が施行され、2012年10月に3年間延長、2014年1月には一部が改正されております。各地域の協議会においては、適正台数に向けた需給調整のための減車・休車数の自主目標等が諮られており、当社グループの特定地域では、2011年4月から2013年3月末までに10%~20%程度の自主減車・休車を実施しておりますが、今後も更に減車する可能性があります。また、タクシー事業売上原価のうち燃料のLPG等の石油関連商品の価格は、投機マネーの動向や為替動向に大きく左右され収益を大きく圧迫する要因であり、注視していく必要があります。
当社グループといたしましては、お客様に満足頂くサービスの向上に努め増収を図るとともに、スケールメリットを生かして原材料等の調達費抑制等の経費削減により利益の確保に努めてまいりますが、上記の要因により売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(2)バス事業
貸切バス部門は、2016年1月15日に発生した軽井沢スキーバス事故(乗客13人、乗員2名死亡)を踏まえ、再発防止に向けた法令改正などにより道路交通法の更なる厳格化が予想されます。当社グループでは、改正内容に対し的確に対応できるよう、機動的な人員配置と設備投資を行ってまいります。また、(公社)日本バス協会が行っている「貸切バス安全評価認定制度」について、既に三ツ星認定を受けている那覇バス㈱・㈱琉球バス交通以外の他の事業所でも取得に向けた取り組みを行い、その活動を通じて更なる「安全・安心なバスの見える化」に取り組み、お客様に提供してまいります。那覇交通㈱及び琉球バス㈱から事業譲受に伴い引継いだ営業車両(路線バス・観光バス)の大半は老朽化が激しかったため、お客様の利便性やニーズにお応えするため、今後も沖縄振興一括交付金の補助金を活用して路線バスを中心に車両代替を行うことにしております。当社グループでは、乗務員教育による接客・サービスの向上、IC乗車券の活用、効率的なバス路線の見直し、省燃費運転の徹底及び観光バス顧客の獲得に積極的な営業活動を推進してまいりますが、景気の低迷、当該バス車両の代替に伴う減価償却費及びリース料の増加並びに軽油等石油関連商品の価格変動によっては、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(3)不動産分譲事業
当社グループの不動産分譲事業につきましては、分譲物件の選別、差別化により顧客志向の商品供給を行っておりますが、以下のような業績変動要因があります。
①経済情勢
住宅分譲においては、景気、金利の動向、不動産販売価格情勢、住宅取得税、消費税増税等の経済情勢は、購買サイドの購入意欲を左右させる要因があります。なお、不動産市場の変動による販売価格の改定を実施した場合や、販売用不動産等の時価が著しく下落した場合、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用して、販売用不動産の評価損を計上しております。また、震災復興需要の本格化並びに政権交代以降の公共事業の拡大路線などを要因に、工事関連の人件費高騰に伴うコスト増加傾向にあります。当社グループといたしましては、常に景気、金利、関係先の動向等に注力し、各プロジェクトの企画・販売計画を行うことに努めておりますが、上記の要因により不動産分譲事業の売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
②分譲マンションの引渡しの時期
住宅分譲においては、売上は売買契約成立時ではなく、物件の顧客への引渡しをもって計上され、かつ利益率は個別プロジェクト毎に立地、地域等により乖離があります。このため、当社グループといたしましては、プロジェクトの利益率については社内規定を設け、各プロジェクトの立案時において個別に判断をすることとしており、また引渡し時期については、年間を通じ竣工時期を平準化することに努めておりますが、お客様のニーズに合わせた竣工時期を選定するなかで、各プロジェクトの完成・引渡しは下半期(第3四半期及び第4四半期、以下同様)連結会計期間に偏って行われていることから、各連結会計年度及び上半期連結会計期間の売上高・売上総利益において不動産分譲事業の業績判断の際には留意する必要があります。
なお、天災その他予想し得ない事態による工事期間の遅延といった不測の事態により、引渡し時期が遅延することも考えられ、売上高は著しく変動する可能性があります。
(参考)不動産分譲事業(マンション)の上半期・下半期別売上高 (単位:百万円)
上 半 期 | 下 半 期 | 通 期 | |
前連結会計年度 | 9,510 | 18,344 | 27,854 |
当連結会計年度 | 5,595 | 11,994 | 17,589 |
(4)不動産賃貸事業
不動産賃貸事業においては、主として都市部における飲食ビルを所有し賃貸業務を行っておりますが、景気の動向や近隣における競業物件の増加、近隣市場における空室の増加等により、賃料相場の低下傾向が続く場合があります。当社グループといたしましては、タクシー事業・不動産分譲事業等グループによるスケールメリットを生かした情報提供及び優良な賃貸管理委託業者の選定によるテナントの募集に努めております。また、収益ビルの購入や賃貸アパート・マンションの建築に伴う投資資金の増加により、不動産賃貸事業の売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(5)金融事業
金融事業においては、不動産担保融資に特化した営業活動を推進しており、貸出債権全体に占める不動産担保融資の比率は99%以上となっております。
不動産金融市場においては、今後市場環境が悪化した場合、担保不動産の価格下落による貸倒リスクの高まりや、資金需要の低迷により、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
また、営業貸付金等の必要資金は主に金融機関からの借入金で賄っております。今後金融環境に大幅な変化が生じた場合に、急激な金利上昇による調達コストの増加や、資金調達が困難になる恐れがあり、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
2.法的規制について
(1)タクシー事業
①規制緩和から再規制へ
タクシー事業は、「道路運送法」による一般乗用旅客自動車運送事業の免許を得て、その業務を行うためには国土交通大臣の許可が必要であり、「道路運送法」のほか「道路運送法施行規則」、「旅客自動車運送事業等運輸規則」の規制を受けております。
2002年2月の道路運送法の改正及びその後の一部改正により、タクシー事業への新規参入及び車両の増減車の簡易化及び運賃料金の設定緩和といった規制緩和がなされ、タクシー業界においては増車及び運賃の割引による過当競争により、違法駐車の増加、事故率の上昇、マナーの低下、乗務員の賃金の低下等を招くことになりました。以上により、2009年10月から3年間の時限立法として「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」が施行(2012年10月に更に3年間延長)され、供給過剰として特定地域に指定された地域では、新規参入や増車などが抑制されると同時に、運賃の多様化が是正されることとなり、業界では自主減車を行いました。2014年1月27日より「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律」が施行され、新規参入や増車の抑制及び運賃の多様化の是正が継続されております。当社グループにおいては、安全な輸送と快適なサービスにより、お客様に選ばれるタクシー会社としてあり続けることを基本として、顧客ニーズの喚起により増収を図ってまいります。しかし、業界自体の更なる過当競争により売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
②運輸局による指導・行政処分について
タクシー事業の所轄官庁は国土交通省・運輸局ですが、同局ではタクシー事業者が公共輸送機関として適正に運営を行うよう、同局の監査を通じてタクシー事業者全てに対して指導が行われております。2002年の規制緩和策と連動して、同局の監査によって指摘された不備事項については、その程度に応じて行政処分の対象となり、新規事業展開の禁止・営業停止等、厳格化の傾向にあり、2006年2月からは処分基準が見直し実施されております。2006年6月施行の「道路交通法」の一部改正では、駐停車違反に伴う運転者の反則金の未払いによっては、車両の使用者(会社)へも処分が及ぶこととなり、同年10月施行の「道路運送法」の一部改正では、事業経営者に対する輸送の安全確保義務の明確化に伴い、運輸安全マネジメントが導入され、安全情報の公表、指導監督及び300両以上のタクシー事業者にあっては安全管理規程の作成届出・安全統括管理者の選任届出が義務付けられました。
なお、2007年4月からは飲酒運転や交通事故を撲滅する目的で、運行管理者による乗務員の管理状況(点呼の実施)、整備管理者による車両管理の徹底(日常、定期点検)に対する処分基準が強化、2008年6月施行の「道路交通法」の一部改正では、後部座席シートベルトの着用義務化、2011年5月の国土交通省令では、点呼時の運転者の酒気帯び確認にアルコール検知器使用が義務化されております。
また、2013年9月17日付にて「一般乗用旅客自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」が改正され、2013年11月1日(即事業停止にかかる重大な違反については2014年1月1日以降)より施行されております。この改正により、運行管理者が全く不在の場合、「勤務時間及び乗務時間に係る基準」が著しく遵守されていない場合、全運転者に対して全く点呼を行っていない場合などには、即時事業停止になるという厳しい内容になっております。
当社グループにおきましては、引続き管理体制の強化により、運輸局等の指導・是正措置に迅速に対応し、円滑に事業を運営することに努めてまいりますが、今後不測の事態等による行政処分により売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(2)バス事業
バス事業は、「道路運送法」による一般貸切旅客自動車運送事業、一般乗合旅客自動車運送事業の免許を得てバス事業の営業を行っており、その業務を行うためには国土交通大臣の許可が必要であり、「道路運送法」のほか「道路運送法施行規則」、「旅客自動車運送事業等運輸規則」の規制を受けております。
また、タクシー事業と同様に運輸局等の監査によって指摘された不備事項については、その程度に応じて行政処分の対象となり、新規事業展開の禁止・営業停止等厳格化の傾向にあります。なお、2006年10月施行の道路運送法の一部改正では、事業経営者に対する輸送の安全確保義務の明確化に伴い、運輸安全マネジメントが導入され、安全情報の公表、指導監督及び200両以上のバス事業者にあっては安全管理規程の作成届出・安全統括管理者の選任届出が義務付けられました。
当社グループにおきましては、当連結会計年度末までにおいて業績に重要な影響を及ぼす行政処分はなく、引続き管理体制の強化により、運輸局等の指導・是正措置に迅速に対応し、円滑に事業を運営することに努めてまいりますが、今後不測の事態等による行政処分により、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(3)不動産分譲事業
不動産分譲事業は、「国土利用計画法」、「宅地建物取引業法」、「建築基準法」、「改正省エネ法」、「改正建築士法」及び「住宅品質確保促進法」等により規制を受けております。また、「住宅瑕疵担保履行法」に対応して、当社グループは住宅保証機構株式会社を窓口として保険加入しております。当社グループにおきましては、当連結会計年度末までにおいて業績に重要な影響を受けた行政処分はなく、引続き管理体制の強化並びに新たな法的規制の動向に注力し、迅速な対応に努めてまいりますが、今後これらの規制の改廃又は新たな法的規制に伴い、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(4)金融事業
①貸金業登録について
金融事業においては「貸金業法」第3条に基づき、福岡財務支局の貸金業登録を受け、3年ごとに更新登録を行っております(登録番号 福岡財務支局長 [7]第00128号)。この貸金業者登録により各種の業務規制と、規制に違反した場合の行政処分(業務停止、貸金業登録の取り消し等)並びに罰則等の措置が設けられております。また、監督官庁である金融庁が定める「貸金業者向けの総合的な監督指針」の適用も受けており、貸金業法による行動指針が定められております。
当社グループにおいては、「貸金業法」及び「貸金業者向けの総合的な監督指針」の遵守を徹底しており、当連結会計年度末までにおいて、法令に抵触する事実はなく、引続き管理体制の強化に努めてまいりますが、今後何らかの要因により法令に抵触した場合、業務の全部又は一部の停止が命ぜられ、又は登録が取消され、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
②貸出金利について
貸付上限金利は2010年6月18日より改正「貸金業法」が完全施行となり、「利息制限法」に規定する金利(貸付元本により年20%~15%)を上限とすることとなりました。当社グループの場合、貸出元本が1百万円を超えるため年15%以下の金利が上限となります。当社グループでは原則15%以下での貸付を行っておりますが、今後更なる上限金利の引き下げが行われた場合、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
③利息制限法規制金利超過分返還請求について
当社グループの過去の貸付契約には、貸付上限金利が「利息制限法」に基づく上限金利を超えて適用していたものがあり、顧客からの超過利息の返還請求については、迅速かつ柔軟に対処いたしております。なお、今後多額の返還請求が発生した場合、売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報管理について
当社グループでは、タクシーチケットやポイントカード等の発行を中心として、各事業部門において大量の顧客情報を取り扱っております。
「個人情報の保護に関する法律」の施行に伴い、個人情報保護方針及び個人情報保護規定を制定し、顧客情報の保護に努めております。当連結会計年度末までにおいて情報流出問題は発生しておりませんが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は皆無ではなく、顧客情報の流出等の事故発生が、法的責任及び社会的責任を課せられ、信用力の低下により売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
3.有利子負債への依存について
当社グループは、主に不動産事業における分譲用地や賃貸物件の取得等、金融事業における営業貸付金及び販売用不動産の購入等、タクシー事業におけるM&Aや営業所用地の取得等の資金調達において、主として金融機関からの借入金で賄っているため、有利子負債への依存が高い傾向にあります。
従って、販売用不動産の回転期間の短縮化、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)による資金効率の向上等により有利子負債の縮減に努めておりますが、業容の拡大や経済市況の変化によって分譲用地・賃貸物件の取得が重なり、有利子負債が増加する可能性があります。
なお、その調達形態につきましては、個別事業採算や金融情勢及び金利動向を考慮しながら資金調達を図っており、特に短期借入金の機動的活用や、金利上昇リスクを想定して長期固定金利による調達に傾注しております。その結果、金融事業を除く当社グループにおいては、借入金に占める短期借入金の比率が2017年3月期は10.1%と低シェアに留まるとともに、長期借入金に占める固定金利の比率が2017年3月期は57.6%となっております。調達コスト面において金融費用の縮減に努めるとともに、金利上昇局面での費用抑制に備えておりますが、有利子負債の増加や急激な金利上昇によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.タクシー事業の人材確保と稼働率について
タクシー業界においては、乗務員の平均勤続年数は短く、退職率も高い傾向にありますが、これは主として、業界内の慢性的な2種免許保有者の不足に伴う転職しやすさ等に起因しており、乗務員の確保状況が稼働率に多大な影響を及ぼしております。
当社グループにおきましても、従来からの乗務員不足の解消と稼働率を維持するための募集活動、養成費、寮の確保といった経費の増加が予想されます。また、乗務員紹介サポーター制度を設け、若い人材の獲得や女性乗務員の採用に注力するとともに、各種キャンペーンや法人営業等により需要の喚起に努めてまいりますが、若年層の乗務員を安定的に確保できない状態が継続した場合、稼働率の低下によって売上高及び売上総利益に影響を及ぼす可能性があります。
生産、受注及び販売の状況財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04222] S100AOMN)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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