静岡ガス株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2016年12月期)

(1)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度(以下「当期」という)の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」という)に比べ25.7%減の108,554百万円となりました。
当社グループにおける売上高の大半を占めるガス事業の売上高は、原料費調整制度によるガス販売単価の下方調整などにより、前期に比べ29.4%減の90,296百万円となりました。
なお、ガス販売量については家庭用で気温が高めに推移したことにより給湯・暖房需要が減少したものの、卸用で静浜幹線が全線開通したこと、業務用で既存需要が堅調に伸びたことや工業用で大口のお客さまの稼動が増加したことなどから、前期に比べ4.1%増の1,451百万m3となりました。
LPG・その他エネルギー事業の売上高は、ガス販売単価の下落などによりLPG販売が減少しましたが、電力販売を開始したことにより前期に比べ3.9%増の11,145百万円となりました。
設備工事、受注工事及びガス機器販売等のその他の事業の売上高は、設備工事売上の減少等により、前期に比べ4.5%減の12,973百万円となりました。

(売上原価、供給販売費及び一般管理費)
売上原価は、前期に比べ33.2%減の71,804百万円となりました。ガス事業及びLPG・その他エネルギー事業は、原料価格の下落により原材料費が減少しました。また、その他の事業も、設備工事等の減収に伴い減少しました。
供給販売費及び一般管理費は、既存設備の償却進捗等により前期に比べ1.6%減の26,521百万円となりました。
この結果、当期は原料価格の低下による原材料費の減少が売上高に比べ減少幅が小さいことにより、営業利益は前期に比べ11.5%減の10,228百万円となりました。

(営業外損益)
持分法による投資利益の計上や借入金の返済進捗に伴い支払利息が減少したことなどにより、ほぼ前期並みとなりました。
この結果、経常利益は前期に比べ11.0%減の10,731百万円となりました。

(特別損益)
投資有価証券評価損を計上したことや、前期に土地売却益を計上したことなどにより、前期に比べ476百万円の減益要因となりました。
以上により、税金等調整前当期純利益は10,644百万円となり、これから法人税等や非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ12.0%減の6,724百万円となりました。

(2)財政状態の分析
①貸借対照表
当期末における総資産は、ガス販売単価の下落による売掛金の減少や減価償却の進捗により固定資産が減少したことなどにより、前期末に比べ4,528百万円減の110,938百万円となりました。
負債は、未払消費税及び未払法人税等の減少や借入金の返済等により、前期末に比べ9,489百万円減の32,828百万円となりました。
純資産は、当期の利益計上による利益剰余金の増加等により、前期末に比べ4,961百万円増の78,110百万円となりました。
この結果、当期の自己資本比率は63.6%となりました。
②キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、16,697百万円の収入(前期は30,845百万円の収入)となりました。これは、減価償却前利益は20,787百万円となりましたが、たな卸資産の増加や未払消費税の減少等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,956百万円の支出(前期は9,253百万円の支出)となりました。これは、ガス導管網の拡張・整備及び発電設備建設などの設備投資によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,185百万円の支出(前期は12,010百万円の支出)となりました。これは、借入金の返済や配当金の支払等によるものであります。
以上の結果、当期末における現金及び現金同等物は、前期末と比べ1,421百万円増加し、当期末残高は11,421百万円となりました。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標は以下のとおりであります。

		前連結会計年度	当連結会計年度
自己資本比率	(%)	56.5	63.6
時価ベースの自己資本比率	(%)	49.5	54.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率	(年)	0.6	0.9
インタレスト・カバレッジ・レシオ	(倍)	110.8	69.7

(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率	:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率	:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率	:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ	:キャッシュ・フロー/利払い

2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、長期借入金(1年以内に期限到来のものを含む)、短期借入金を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。