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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009Z22

有価証券報告書抜粋 株式会社電通グループ 事業等のリスク (2016年12月期)


対処すべき課題メニュー経営上の重要な契約等


当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 広告業界全般に関するリスク
① 景気変動によるリスク
当社グループを含めた広告会社の業績は、市場変化や景気の影響を受けやすい傾向があります。市場変化や景気によって広告支出を増減させる広告主が多いためです。
当社グループは、サービス内容や事業を行う地域の多様化を進めるなど、景気の影響を受けにくい事業構造の形成に努力しております。しかし、国内マクロ経済の動向および広告支出額の大きい国内主要産業部門における事業環境の変化が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、海外景気の減速や為替変動等が、国内景気に悪影響を与える場合もあります。
2011年3月に発生した東日本大震災は、サプライチェーンの寸断、電力不足その他の事由により、日本経済に大きな悪影響を与えました。その後、国内の経済および事業環境は改善しましたが、将来において地震その他の大きな自然災害等が再び生じた場合には事業環境に悪影響を与える可能性があります。
また、当社は2013年3月に、英国の大手広告会社イージス社を買収しました。これにより当社グループの売上総利益に占める海外比率は大幅に増加し、2016年度では54%となりました。この結果、当社グループが事業を行う海外の主要な市場における経済環境や事業環境の悪化が、当社グループ全体の業績にさらに悪影響を与える可能性があります。

② 技術革新およびメディアの構造変化によるリスク
当社グループの事業は技術革新およびメディアの構造変化による影響を受けています。2016年日本の広告費(当社発行)によれば、インターネット広告費は1996年の調査開始以来、伸長を続けており、マス四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビの4つのマス媒体に掲出される広告費)のうち新聞、雑誌、ラジオの広告費を上回る規模になっております。
当社グループは、インターネット等を活用した広告手法の発達は、マス四媒体広告と、インターネット広告の連携による相乗効果をより高め、将来にわたって広告市場全体の拡大に貢献するものと考えます。既に当社グループはマス四媒体広告のみならずインターネット広告においても主導的な地位を占めており、さらなる事業機会の発掘と拡大に取り組んでおります。
しかしながら、当社グループが急速な技術革新とこれに伴うメディアの構造変化に適切に対応できなければ当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

③ 財務目標等の未達リスク
2013年5月17日発表の当社グループの中期経営計画「Dentsu 2017 and Beyond」において、2017年度までに達成すべき財務目標等を設定していました。「3 対処すべき課題」に記載の通り、その目標とした水準に2016年度業績をもって到達することができたと考えており、新たな中期経営計画を策定・提示することを予定しております。しかしながら、新たな計画が策定できない、または策定が遅延する可能性があります。また新たな計画が策定された場合には、世界の広告費の伸び、外国為替相場および金利ならびに当社グループが事業を行う国々の経済成長率等の様々な前提に基づいて策定される想定であり、かかる前提が実際と異なる場合には、財務目標等の実現に至らない可能性があります。また、当社の経営陣が新たな中期経営計画を成功裏に実行できない可能性もあります。


④ 取引慣行等に伴うリスク
当社グループは、国内においては、広告主の倒産等の場合に、広告主から広告料金の支払を受けられないにもかかわらず、メディア会社等に対して支払債務を負担する可能性があります。広告主による未払いが増加した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。広告業界においては、様々な事情により、広告計画や内容に、突然の変更が生じることが少なくありません。当社グループでは、主要取引先と基本契約を締結するなど、取引上のトラブルを未然に回避する努力を行っておりますが、不測の事故または紛争が生じる可能性があります。
海外においては、欧米を中心に、広告会社が同一業種に属する複数の広告主を担当しない「一業種一社制」と呼ばれる慣行があります。しかし、わが国では、このような慣行は一般的でなく、当社グループも、同一業種に属する複数の主要企業を顧客としています。仮にわが国の慣行が変化し、それに対する当社グループの対応が適切さを欠いた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 競合によるリスク

① 広告会社との競合
当社グループは、国内外において広告会社間における激しい競合にさらされております。
わが国においては国内広告会社間の事業統合や再編、外国広告会社による日本市場への更なる参入は業界構造を変化させ、競争を激化させる可能性があります。将来、顧客獲得をめぐる競合がさらに激しくなった場合、または、外国広告会社の日本市場への参入に伴う業界構造や取引慣行の変化に当社グループが適応できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、海外においては、当社グループは、広い地域において事業を運営し、豊富な財務、人材その他の経営資源を有する巨大な外国広告会社や、1またはいくつかの国または地域に特化した小規模な広告会社との間の競合にさらされています。かかる競合において、当社グループが競争力および主要な顧客を維持できない場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

② 隣接業種および新規参入企業との競合
当社グループの事業領域が拡大するにつれて、総合商社、コンサルティング会社など隣接業種との競合が生じる機会も増加しております。さらにインターネット関係やソーシャル・ネットワーク・メディア関係の事業等においては新規参入企業も多く、これら企業と当社グループは、新規事業の開発等において競合する関係にあります。今後、これらの事業領域において当社グループがサービス面またはコスト面で顧客の要求に適切に応えることができない場合、または新規企業の参入により広告の取引慣行が急激に変化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。


(3) 広告主・メディア会社との関係に関するリスク

当社グループは、わが国の主要広告主と取引関係を有しており、これら広告主の大半と長年にわたり安定的な取引関係を維持しております。
また、当社グループは、マスメディア各社の事業運営および営業活動を通じ、社業発展の基礎を作ってまいりました。このような活動により、当社グループは、広告主・メディア会社との間でのニーズ調整と円滑な取引を実現しております。
しかしながら、当社グループが、既存または新規の広告主またはメディア会社に対して、そのニーズに合致したサービスを提供できない場合には、取引関係の終了・解消、受注の減少または取引条件の変更等が生じる可能性があり、その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
近年、広告主は、コスト削減の必要から、発注先の広告会社を1社に集中するなどの方法により、効率的な広告サービス提供の要求を強めています。そのため、マスメディア広告取引における収益性が低下する傾向が継続する場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 国内市場における営業基盤の強化に関するリスク

① 情報処理技術、データベース等の開発に関するリスク
当社グループは、広告主による広告およびマーケティング支出の効果を実証的に検証するための情報処理技術や、データベース等の研究開発に取り組んでおり、これらの活動を通じて潜在的な需要を掘り起こすとともに、国内広告市場における当社グループのシェア拡大を目指しております。しかし、これら研究開発活動の成果が商品化・実用化される時期は未定であり、今後広告主ニーズの変化や、技術的な困難等によって、当社グループの研究開発活動が、予定した成果をあげられない可能性があります。

② メディアおよびインターネット広告事業等への投資に関するリスク
当社グループでは、メディア広告市場における地位を強固にするため、マス四媒体、OOHメディア(交通広告・屋外広告等のアウト・オブ・ホームメディア)および衛星メディア(BS放送およびCS放送)などへの投資、ならびにそれに関連するリサーチや事業開発プロジェクトに対する投資を行ってきております。しかし、メディア広告に対する需要が低迷した場合や競争が激化した場合等には、研究開発や事業化に要した投資に応じた収益や予定した成果をあげられない可能性があります。
また、インターネット広告の領域においては、当社グループはクロスメディア型キャンペーン提案(複数のメディアや広告表現を消費者の行動に合わせて効果的に掛け合わせたキャンペーン提案)の積極化はもちろんのこと、運用型広告(膨大なデータを処理するプラットフォームにより、広告の最適化を自動的もしくは即時的に支援する広告手法)等多様な広告手法や広告主の裾野の広がりに対応すべく、大手専門エージェンシーとのアライアンスや、その他専門会社や技術への積極的な投資を行っています。しかしながら、インターネット広告分野の技術やサービスの急速な進化に対し、当社グループの対応が適切でなかった場合は予定した成果があげられない可能性があります。

③ プロモーション事業拡大に関するリスク
広告主にとってプロモーション施策の重要性が高まっており、市場も拡大しています。当社グループはこの機会を捉え、店頭マーケティング専門会社、チラシ制作専門会社、ダイレクトビジネス専門会社、顧客アクセス専門会社などを設立し、プロモーション領域における事業拡大を図っています。しかしながら、広告主の需要が拡大しない場合、あるいは当社グループが競合会社に対する競争力を維持できない場合には、計画どおりの事業拡大ができない可能性があります。

(5) コンテンツ事業に関するリスク

当社グループでは、映画、テレビ番組、スポーツイベントおよび音楽等に関する権利の獲得、制作への投資を活発に行っており、映画やその他のコンテンツの製作・配給・販売、ライセンシングおよびスポンサーシップ権や放送権の販売、ならびに映画、その他のコンテンツに関する広告の販売から収入を得ています。しかし、これらの中には、事業計画が多年度にわたる場合、または多額の取得コストや財務的コミットメントを必要とする場合があります。また、昨今ではコンテンツを供給するメディアも多様化しております。しかも、コンテンツ事業の成否を左右する生活者の反応を確実に予測することは、困難であります。これら事業が計画どおりに進捗しない場合、また、予定した投資効果が得られなかった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) グローバル事業に関するリスク
① 海外事業展開に関するリスク
イージス社の買収により、当社グループは、現在海外140カ国・地域以上において事業を行っておりますが、海外での事業遂行に関しては、とりわけ以下の追加的なリスクを伴います。

・ 多数かつ広範な国・地域での事業を管理し、調整することの困難さ
・ グローバル経済の変動から受ける影響
・ 資本規制・外国為替規制を含む、外国の法令、規制、政策等に関するリスク
・ 当社グループが事業を行う様々な国・地域における税制の差異・矛盾
・ 当社グループの海外子会社による送金その他の支払いに課される源泉徴収税等の賦課・増税を
含む税制の変更
・ 外国為替相場の変動
・ 契約や知的財産権の執行不可能性または労務管理上の制約を含む、法律・規制・ビジネス文化に
おける様々な基準・実務慣行
・ 貿易規制および関税制度の変更
・ 政情不安に関するリスクおよび事業環境の不確実性
・ 当社グループが事業を行う国・地域と日本との間の政治・経済的関係の変化
・ テロ行為、戦争、疫病その他の社会不安要因
・ 現地の労務管理および提携先の不適切行為を防止することの困難さ

上記のいずれかの事由により、当社グループの費用が増加し、収益が減少し、または業務に支障を来し、これにより当社グループの事業、財政状態または業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

② のれんおよび無形資産の減損に関するリスク
当社グループは、イージス社の買収に伴い、多額ののれんおよび無形資産を計上しました。今後当該資産の価値が回復不能な程度に損なわれたと判断された場合には、減損を認識しなければならない可能性があり、当社グループの事業、財政状態または業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 人材の確保と育成に関するリスク
当社グループの成長力および競争力は、優秀な人材の確保とその育成に大きく依存します。人材の確保に関しては、新卒者の安定的採用や専門的知識・経験を持ち即戦力となる中途採用により確保を図っております。それとともに、本人の職務や能力に応じた教育研修等により、人材の育成を図っています。しかしながら、何らかの理由により人材の確保が困難になる可能性および優秀な人材が流出する可能性もあります。このような事態が生じた場合、当社グループの成長力と競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、文化的・地理的に多様な背景を有する多数の従業員を有し、かかる人材の管理に関する課題に対処しています。特に、イージス社の買収によって新たに加わった多数の海外従業員との融合が課題となります。当社グループが有能な人材を確保し、十分に活用できず、これらの課題に適切に対処できない場合、当社グループの財政状態、業績または競争上の地位に悪影響を及ぼす可能性があります。


(8) 情報システムへの依存に関するリスク

当社グループは、取引の執行、業績の報告および広告主のマーケティングまたは広告に関する情報の管理を含む当社グループの事業の管理のために、情報システムおよび情報インフラに依存しています。当社グループの情報システムは、システム障害やネットワークの寸断、システムへの不法な侵入および無差別攻撃に晒される可能性があります。同様に、従業員またはその他の者による許可を受けたうえでのまたは無許可の当社グループのシステムへのアクセスを通じたデータセキュリティの事故および侵害により、機密情報が無権限者または公衆に晒される可能性があります。また、当社グループは、データの保存、通信または処理について第三者を利用しています。当社グループはデータおよび情報システムを保護するために周到な対策を講じていますが、当社グループの取組みが当社グループまたは当社グループが利用する第三者のシステムにおけるシステム障害もしくはネットワークの寸断またはセキュリティ侵害を防止するという保証はなく、これらの事象が生じた場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 法規制等に関するリスク
当社グループは、下請代金支払遅延等防止法、個人情報保護法等の法令および諸規制の適用を受けておりますが、いずれも現状では当社グループの事業に悪影響を及ぼす懸念はありません。しかしながら、今後、新たに広告主の広告活動、広告の形式および内容等に影響を及ぼす法令や、各種規制が採用もしくは強化された場合、または法令および各種規制の解釈が変化した場合には、広告業界および当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは事業遂行上、広告主の情報や個人情報等を取得することがあります。当社グループでは情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格を取得するなど、情報管理には万全を期しておりますが、万一情報漏えい等の事故が発生した場合には、当社グループの信頼性を著しく損なう可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 訴訟等について
当社グループは、広告の内容および表現等当社グループの事業遂行に関連して提起される、取引先、各種団体、消費者または各種知的財産権の保有者等による訴訟に、直接または間接的に関与する可能性があります。

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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04760] S1009Z22)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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