ポケットカード株式会社 業績等の概要 (2017年2月期)

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、中国経済の成長鈍化や米国の金融政策正常化等、海外経済に不透明感が高まりましたが、企業収益や雇用情勢の改善傾向が続くなか、一部に改善の遅れがみられるものの、緩やかな回復基調を続けました。
クレジットカード業界につきましては、カードショッピングは、サービス内容の多様化やカード決済範囲の拡大等、利便性の向上を背景に引き続き拡大傾向を維持しましたが、一方でカードキャッシングは、取扱高において改善傾向が見られるものの、貸金業法改正に伴う総量規制の影響等により融資残高は引き続き減少する等厳しい環境となりました。
このような環境の中、当社は「暮らしに密着した付加価値の高いサービスを創造する」を企業ビジョンに掲げ、①ファミマTカード事業のさらなる強化、②既存事業の安定的拡大、③サービス&オペレーションの競争力強化、④持続的成長を実現するための体制強化の4つの重点課題への取り組みを進めてまいりました。
当事業年度における当社の営業収益につきましては、信用購入あっせん部門は、成長戦略の中核を担う「ファミマTカード事業」の拡大に伴い、ショッピングリボ残高が堅調に推移したこと等により、信用購入あっせん収益は288億94百万円(前期比11.4%増)となりました。一方、融資部門は、総量規制の影響等により引き続き残高が減少し、融資収益は58億74百万円(同11.5%減)となりました。
以上の結果、営業収益全体では376億19百万円(同5.4%増)となりました。
営業費用につきましては、調達金利の低下に伴う金融費用の減少等があったものの、ショッピング取扱高の拡大や新規会員獲得数の増加に伴う連動経費の増加等、各種販売管理費の増加により335億24百万円(同5.0%増)となりました。
以上の結果、営業利益40億94百万円(同8.9%増)、経常利益40億93百万円(同8.3%増)、当期純利益22億39百万円(同33.1%増)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、7億85百万円の増加の89億76百万円となりました。

① 営業活動におけるキャッシュ・フロー

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、67億55百万円の減少(前事業年度は58億7百万円の減少)となりました。これは主に、割賦売掛金の増加額が175億4百万円となった一方で、営業貸付金の減少額が35億46百万円、仕入債務の増加額が10億65百万円となったこと及び減価償却費を10億94百万円、税引前当期純利益を40億93百万円計上したことによるものであります。

② 投資活動におけるキャッシュ・フロー

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、6億75百万円の減少(前事業年度は6億52百万円の減少)となりました。これは主に、システム開発に伴う無形固定資産の取得による支出が4億56百万円となったことによるものであります。

③ 財務活動におけるキャッシュ・フロー

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、82億4百万円の増加(前事業年度は51億46百万円の増加)となりました。これは主に、コマーシャル・ペーパーの純増額が100億円、長期借入れによる収入が242億44百万円、社債発行による収入が99億47百万円となった一方で、短期借入金の純減額が50億円、長期借入金の返済による支出が301億96百万円となったことによるものであります。