有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AMTW
大成建設株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、「建設事業本業の深耕」の基本的方針のもと、品質と安全の確保によって高い顧客満足を得るとともに、安定的かつ持続的な成長を目的として、リニューアル・リプレイス分野、原子力分野、環境分野、エンジニアリング分野並びに都市開発分野に重点を置き、技術開発を推進しております。実施に際しては、技術ニーズの高度化・多様化に対応し、また技術開発への投資効率を高めるべく、大学をはじめとした研究開発、異業種企業、同業他社等との社外アライアンスを積極的に推進しております。
当連結会計年度における研究開発費は111億円であります。このうち、主な研究開発事例とその成果は次のとおりであります。
(土木事業)
(現場溶接ロボットの開発)
柱鉄骨の現場溶接自動化工法「T-iROBO® Welding」を開発いたしました。鋼管柱継手部の溶接作業を対象に、すべての溶接を小型溶接ロボットにより自動で行い、現場溶接作業の省人化、効率化が可能となります。
(コンクリート床仕上ロボットの開発)
コンクリート床仕上ロボット「T-iROBO® Slab Finisher」を開発いたしました。技能労働者(土間工)の身体負担を軽減し、作業の省人化、効率化が可能となります。今後、物流倉庫やショッピングセンターなど床仕上面積が広範な建物を中心に本ロボットの展開を進めてまいります。
(自律型清掃ロボットの開発)
建設現場において自動で清掃を行う自律型清掃ロボット「T-iROBO® Cleaner」を開発いたしました。通常の施工作業に影響を及ぼさない夜間や、作業員がいないエリアを中心に本ロボットを適用することで、清掃作業に係る省人化が可能となります。
(臨場型遠隔映像システムの開発)
災害復旧工事など、重機を危険な作業環境下で使用する必要がある場合に、安全な遠隔地から実際に搭乗している感覚で重機を動かすことが可能な臨場型映像システム「T-iROBO® Remote Viewer」を開発いたしました。オペレーターは、ヘッドマウントディスプレイを装着し、遠隔地で無人重機を操縦いたします。今後、災害復旧工事に限らず、遠隔地から安全で効率的な作業が求められる建設現場への展開を図ってまいります。
当連結会計年度における研究開発費は111億円であります。このうち、主な研究開発事例とその成果は次のとおりであります。
(土木事業)
(1) T-CIM®システムの開発と現場への展開
土木工事作業所での施工関連情報を管理・共有する目的で開発を進めてきたT-CIM®システムのうち、現場打ちコンクリート工事を対象とした「T-CIM®/Concrete」、シールド工事を対象とした「T-CIM®/Shield」、山岳トンネル工事を対象とした「T-CIM®/Tunnel」を開発し、建設現場への導入を開始いたしました。本システムの適用により、さまざまな工事関連情報を電子化・共有化し、一元管理できるため、生産性向上と品質向上を図ることが可能になります。当社は、国土交通省が推進する「i-Construction」の主旨に沿いながら、今後もT-CIM®システムを全国の現場に展開してまいります。(2) 土量やベルト傷の高精度計測・管理による工事の効率化
シールドトンネル工事や山岳トンネル工事で使用する連続ベルトコンベアの搬送土量やベルト傷を非接触・高精度に計測・管理できるシステム「ベルコンスキャナ」を、㈱演算工房、タグチ工業㈱と共同で開発いたしました。土量管理は、一定区間のベルト形状と土の表面形状を読み取り、その部分に積載された土量を算出するもので、掘削の継続・中断の判断を迅速に行うことが可能となります。また、ベルト部分に発生した傷を管理する技術は、搬送ベルトの傷情報(傷の位置、大きさ、深さ)をリアルタイムに評価することが可能で、従来に比べ点検の手間が飛躍的に減少いたします。現在数ヵ所の建設現場で運用を開始しており、今後もトンネル工事への導入・普及を進めてまいります。(3) 坑内回収型上向きシールド工法の開発
地下埋設物の影響を受けず、任意の場所に連絡立坑の築造が可能な「坑内回収型上向きシールド工法」を開発いたしました。従来の上向きシールド工法は、本線シールドから掘り上げてきた掘進機を地上からクレーンなどで回収するため、地下埋設物のない場所を選定する必要がありました。本工法では地上での回収を行わず、掘進機を本線シールドに戻すことが可能となるため、地下埋設物の影響を受けることなく連絡立坑の位置選定が可能となります。今後、地下埋設物が多く従来工法による施工が困難であった地点での立坑築造に適用を進めていく予定であります。(4) ダム原石採取工事管理システムの開発
ダム建設で使用する原石採取工事において、岩石の発破作業管理から品質評価までの工程を、ICTを用いて一元管理するシステム「T-iBlast DAM」を開発いたしました。発破削孔位置や、発破削孔に要する削孔エネルギーを用いた岩質評価、原石採取可能量の可視化など、原石採取工事の施工状況をICT化することにより、発破での測量作業の縮減や基準を満たした原石を効率よく採取することができます。今後はダム骨材製造工事における合理化施工技術として1~2年後の実用化を目指してまいります。(5) 微生物を用いた地下水汚染浄化技術を実汚染サイトで実証
経済産業省と環境省の指針で安全性が認定されている好気性細菌RHA1株を実際の汚染サイトに注入し、塩素化エチレン類で汚染された地下水を短期間で浄化できることを実証いたしました。当社は従前より、長岡技術科学大学、(独行)製品評価技術基盤機構(NITE)と共同でRHA1株の研究を進めておりますが、今後は土地を掘削せずに浄化する原位置浄化技術のひとつとして本技術の適用を進めるとともに、塩素化エチレン類の汚染地下水浄化事業に広く展開していく予定であります。(6)連結子会社における研究開発の主なもの
大成ロテック㈱において、舗装の長寿命化技術として「ひび割れとわだち掘れの発生しにくい材料の開発」、維持修繕・メンテナンス技術として「3D電磁波レーダーによる橋梁床版の非破壊探査技術の開発」を行っております。また、循環型社会・低炭素社会の構築に寄与する舗装技術として「フォームドアスファルトを利用した中温化技術の実用化に関する研究」、デング熱などの感染症リスク軽減に関する技術として「虫除け機能を有する舗装の開発」等の研究を行っております。(建築事業)
(1) 高層建物の風騒音に対応した風騒音シミュレーターの開発
高層建物のバルコニーの手摺など、外装材に風が作用した際に発生する風騒音問題に対応するための「風騒音シミュレーター」を業界で初めて開発し、技術センターに導入いたしました。本シミュレーターは、音響風洞実験室、暗騒音付加システム、及び風騒音評価システムから構成されており、風速40m/秒の強風条件下でのさまざまな建物の立地環境を加味した風騒音を評価することが可能なため、外装材に起因する風騒音を建物建設前に評価し、対策を講じることが可能となります。今後、建物の設計・施工において、最適な外装材の仕様の提案などを行うとともに、風騒音が発生しない外装材の研究開発を進めてまいります。(2) 床衝撃音実験施設による床仕上材の性能評価手法の開発
集合住宅における床衝撃音を再現できる床衝撃音実験施設を技術センターに導入いたしました。本実験施設は、実際の集合住宅と同規模、同構造で造られた振動特性の異なる2種類の実験室を併設し、床衝撃音に対する仕上材の性能、対策効果を比較検証することが可能な業界初の施設であります。これにより、実際の集合住宅に出向いて性能検証を行わなくても、事前に実験室で性能検証し必要な対策を講ずることが可能になります。今後、快適な居住空間を提供するための床衝撃音対策工法の開発を進めるだけでなく、設備機器や鉄道軌道などからの振動により発生する固体伝搬音の低減工法の開発にも活用してまいります。(3) RC造高層住宅用地震対策構法「TASS-Flex® FRAME」の開発
鉄筋コンクリート造の高層住宅を対象に、高強度・小断面の柱、梁部材で構築した骨組みに、連層壁とオイルダンパーを組み合わせた新しい地震対策構法を開発いたしました。本技術は、地震の力を受け流すしなやかな骨組と、地震エネルギーを吸収する頑強な連層壁の相乗効果を利用し、建物の地震の揺れを制御いたします。本技術の適用により、長周期・長時間地震動にも優れた耐震性を有する高付加価値な高層住宅の建設が可能となります。今後、既開発の免震・制振システムのラインアップに加え、最適な地震対策構法の提案を積極的に行ってまいります。(4) リニューアル工事で「ZEB Ready」を実現
大成札幌ビルのZEB化に向けたリニューアルを完成させ、一次エネルギー消費量を50%以上削減した「ZEB Ready」省エネビルを実現いたしました。「ZEB Ready」は、経済産業省によるZEB新定義に基づくものであり、高効率LED照明、タスク&アンビエント照明方式の採用、人検知センサー情報に基づくT-Zone Saver®照明、及び省エネ状況をリアルタイムで見える化する技術などを採用いたしました。本ビルは経済産業省北海道経済産業局が主催する2016年度「北国の省エネ・新エネ大賞(北海道経済産業局長表彰)」の〔有効利用部門〕優秀賞を受賞いたしました。今後も当社が進める「市場性のあるZEBの普及」を目標に、さまざまなZEB化技術と計画・評価ツール「T-ZEBシミュレーター®」を活用し、ZEB化を目指す建物の新築・改修を積極的に進めてまいります。(5) 建物内部の浸水リスク評価・診断システム「T-Flood Analyzer」の開発
豪雨、洪水、津波などによる建物内部の浸水リスクを短時間で解析・可視化できる評価・診断システム「T-Flood Analyzer」を開発いたしました。建物内への浸水状況を迅速に解析し、BIMデータと連携させることで、さまざまな施設の浸水対策を策定することが可能となります。今後は、水理実験による検証を進め解析精度の向上を図るとともに、各種施設におけるリスクマネジメント提案ツールとして積極的に活用、展開する予定であります。(土木事業・建築事業共通)
(1) T-iROBO®シリーズの展開
既に開発した「T-iROBO® UW」(ダムのリニューアル向け水中作業機)、「T-iROBO® Roller」自律型無人化振動ローラー、「T-iROBO® Breaker」(自律型割岩無人化施工システム)に加え、下記のシステムを開発いたしました。今後、当社ではロボット性能の更なる向上を図りながら、建設現場への普及・展開を進めてまいります。(現場溶接ロボットの開発)
柱鉄骨の現場溶接自動化工法「T-iROBO® Welding」を開発いたしました。鋼管柱継手部の溶接作業を対象に、すべての溶接を小型溶接ロボットにより自動で行い、現場溶接作業の省人化、効率化が可能となります。
(コンクリート床仕上ロボットの開発)
コンクリート床仕上ロボット「T-iROBO® Slab Finisher」を開発いたしました。技能労働者(土間工)の身体負担を軽減し、作業の省人化、効率化が可能となります。今後、物流倉庫やショッピングセンターなど床仕上面積が広範な建物を中心に本ロボットの展開を進めてまいります。
(自律型清掃ロボットの開発)
建設現場において自動で清掃を行う自律型清掃ロボット「T-iROBO® Cleaner」を開発いたしました。通常の施工作業に影響を及ぼさない夜間や、作業員がいないエリアを中心に本ロボットを適用することで、清掃作業に係る省人化が可能となります。
(臨場型遠隔映像システムの開発)
災害復旧工事など、重機を危険な作業環境下で使用する必要がある場合に、安全な遠隔地から実際に搭乗している感覚で重機を動かすことが可能な臨場型映像システム「T-iROBO® Remote Viewer」を開発いたしました。オペレーターは、ヘッドマウントディスプレイを装着し、遠隔地で無人重機を操縦いたします。今後、災害復旧工事に限らず、遠隔地から安全で効率的な作業が求められる建設現場への展開を図ってまいります。
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