有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100BD2A
株式会社CIJ 業績等の概要 (2017年6月期)
(1) 業績
当連結会計年度(2016年7月1日~2017年6月30日)におけるわが国経済は、政府の経済・金融政策の推進を背景に雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の及ぼす影響については引続き留意する必要があり、先行き不透明な状況となっております。当社グループの事業環境につきましては、前期から引続き顧客のソフトウェア関連の設備投資は堅調であり、プロジェクトマネージャ等の高度な技術者をはじめIT技術者全般の需要は依然として高く、慢性的な人材不足の状態が続いております。
このような中、当社グループにおいては5項目の経営方針に沿って、以下の活動を行いました。
①優秀人材の量的拡大による事業基盤の強化
・新卒者の採用活動強化の取組みとして、各種採用媒体の活用や企業説明会の開催を推進するとともに、学校訪問を積極的に行い採用チャネルの拡大を図りました。また、就職を希望する学生に向けて、当社グループの属するIT業界及び当社についての認知度の向上を目的としたインターンシップを実施したほか、複数の大学よりお招きいただき特別講義を行いました。・経験者の採用活動強化の取組みとして、選考のスピードアップを図るため採用フローの見直しを行いました。また、応募者数を増やすため、合同企業説明会等の経験者採用関連イベントへ積極的に参加いたしました。
・管理職研修、営業力強化研修、技術力向上研修等を実施するとともに、若手社員のスキルアップのため、国家資格である情報処理技術者資格及びPMP(Project Management Professional)資格の取得を推進いたしました。この結果、2017年6月末現在、情報処理技術者資格取得者数はのべ1,567名(前期比29名増)、PMP資格取得者数は139名(前期比2名増)となりました。
②営業・開発パワーの増大
・より顧客に密着した営業を行うため、営業体制を見直すとともに、営業人員の増強を図りました。更に、主要顧客との定例会議を設け、中長期の顧客ニーズを伺うことで、顧客満足度の向上を図りました。・既存のビジネスパートナーとの連携強化、及び新たなパートナーの拡大に向けた活動も引続き積極的に行いました。
③プライムビジネスの拡大
・IoTやAI関連の技術分野における最新技術の検証や新製品のマーケット調査等、新たなビジネスの創出と発展に向けた投資を引続き行いました。また、既存製品の利便性や汎用性を更に高めるための研究開発も行いました。・自社製品・サービスのブランド力強化を目的として、既存製品・サービスに対する名称の設定及び商標の登録申請を行いました。また、販売拡大を目的として、自社製品の展示会等への出展も積極的に行いました。
・業務提携先である凌群電脳股份有限公司(SYSCOMグループ)を通じ、自社製品であるペーパーレス会議システム「SONOBACOMET(ソノバコメット)」を台湾の医療機関へ納入いたしました。
・自社製品である契約書管理システム「Ofigo契約書管理」のクラウドサービスの提供を開始いたしました。
④グループ経営の効率化
・更なる経営基盤の強化に向けて意思決定の迅速化と組織運営の効率化を図るため、当社は2017年7月1日付けで連結子会社である株式会社CIJソリューションズを吸収合併いたしました。・中国・アジアオフショア体制の抜本的な見直しの一環として、2016年12月1日付けで連結子会社であった上海技菱系統集成有限公司の清算を結了いたしました。今後はSYSCOMグループとの連携を更に強化し、積極的なオフショアを進めてまいります。
・グループ全体でのリソースの効率的な活用のため、グループ内で共通する顧客やビジネスパートナーに対する戦略について定期的な意見交換を行いました。
⑤コーポレートガバナンスの強化
内部統制委員会による定期活動のほか、以下の取組みを実施いたしました。・東京証券取引所が定める「コーポレートガバナンス・コード」の各原則のうち、未実施としていた項目についての対応を進めました。その一環として、取締役会の機能の継続的な向上により企業価値を高めることを目的とし、取締役会の実効性についての自己評価・分析を行いました。更に、社外役員を含む取締役及び監査役に対する「役員向けトレーニング」を実施し、その役割・責務に係る理解を深めるとともに、必要な知識の習得や研鑽に努めました。
・女性活躍に関して優れた取組みを行う企業として、厚生労働大臣(神奈川労働局)より「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく認定マーク「えるぼし」の最高位を取得いたしました。
・一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より、「プライバシーマーク制度貢献事業者」として表彰されました。当社は今後も、個人情報の適切な管理・保護に努めてまいります。
この結果、当連結会計年度におきましては、売上品目「システム開発」等の案件の受注が堅調に推移し、売上高は190億64百万円(前期比3億59百万円増 1.9%増)となりました。一方、利益率の高いパッケージ製品の受注が伸び悩んだこと、及び不採算案件の発生等により、売上総利益は34億80百万円(前期比1億90百万円減 5.2%減)となりました。営業利益は12億1百万円(前期比2億8百万円減 14.8%減)、経常利益は12億26百万円(前期比2億28百万円減 15.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億18百万円(前期比84百万円減 9.3%減)となりました。
当社グループの単一セグメントであります「システム開発及びシステム開発に関連するサービス(システム開発等)」の売上品目別の業績概況は、以下のとおりであります。
①システム開発
金融業関連、製造業関連等の案件の受注が堅調に推移し、増収となりました。この結果、本売上品目の売上高は163億6百万円(前期比6.0%増)となりました。
②コンサルテーション及び調査研究
情報・通信業における一部案件が完了し、システム開発へ移行したこと等により、減収となりました。この結果、本売上品目の売上高は6億2百万円(前期比20.5%減)となりました。
③システム/パッケージ・インテグレーション・サービス
福祉総合システムパッケージ等において、前年のマイナンバー制度の導入及び社会福祉法人会計基準の改正に伴う特需が一巡したことにより、減収となりました。この結果、本売上品目の売上高は10億98百万円(前期比12.5%減)となりました。
④その他
派遣業務案件等の受注の減少により、減収となりました。この結果、本売上品目の売上高は10億56百万円(前期比18.8%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度 (2016年6月期) | 当連結会計年度 (2017年6月期) | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 674百万円 | 696百万円 | 21百万円 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 45百万円 | △371百万円 | △417百万円 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △778百万円 | △525百万円 | 253百万円 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 5,790百万円 | 5,550百万円 | △240百万円 |
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ21百万円収入が増加し、6億96百万円の収入となりました。主な収入内訳は、税金等調整前当期純利益12億18百万円、たな卸資産の減少額1億69百万円であります。主な支出内訳は、法人税等の支払額5億50百万円、売上債権の増加額1億54百万円であります。②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ4億17百万円支出が増加し、3億71百万円の支出となりました。主な支出内訳は、定期預金の預入による支出14億95百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出6億54百万円であります。主な収入内訳は、定期預金の払戻による収入17億40百万円、有価証券の償還による収入1億25百万円であります。③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ2億53百万円支出が減少し、5億25百万円の支出となりました。主な支出内訳は、配当金の支払額2億45百万円、自己株式の取得による支出2億39百万円であります。これらに連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の減少額を合わせた結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2億40百万円減少し、55億50百万円となりました。
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