有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AIQX
王子ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動は、全体の研究開発を統括するイノベーション推進本部と各事業会社の研究開発部門、各工場の研究技術部等が連携しながら取り組んでいます。イノベーション推進本部は、新事業の創出並びに既存事業の競争力強化を念頭に、技術革新のシーズ開発から、よりビジネスに密着した新市場の開拓と新製品開発を行っています。当連結会計年度末における当社の保有特許権・実用新案権・意匠権の総数は国内1,632件、海外356件です。また保有商標権の総数は国内896件、海外722件です。
当連結会計年度における各セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりです。
グループ全体の既存事業の競争力強化として、植林、パルプ、抄紙、塗工の各分野で、蓄積・体系化された技術を基に、新製品開発及び品質改善に取り組んでいます。国内工場では、品質向上・操業の安定化、コストダウンの推進を図り、海外事業への水平展開も進めています。
(1)生活産業資材
産業資材事業では、古紙利用拡大、抄紙条件、薬品の最適化によるコストダウン、異物・欠陥削減等の品質・操業性改善を推進しました。これらの国内で培った基盤技術を活用して新製品開発を進めると共に、カンパニーの枠を越え、当社グループ会社の各海外拠点へ水平展開を進めています。特に新製品開発については、製造技術を再見直しすることでクラフト紙の強度アップを図るとともに、製品の価値を高めてより一層の収益力強化を推進しています。
生活消費財事業では、ティシュ原紙やトイレットロール原紙のパルプ処方の変更や、抄紙条件の最適化により、肌触り感などの品質の向上を推進しています。
当事業に係る研究開発費は619百万円です。
(2)機能材
機能材事業では、研究開発型ビジネスの形成を目指し、王子グループのコア技術であるシートの製造・加工技術を活用した機能性シート・フィルム分野での新製品開発を進めています。
特殊紙事業では、高機能フィルター用基材などに使用される無機繊維ペーパーとして、従来品の性能は維持しながら、より環境に配慮した製品を開発しています。また、水と接触することで、抗菌性を発揮するなど、様々な機能を有するユニークな乾式不織布「ぬらすと!シリーズ」を開発し、用途展開を進めています。さらに、医療用途や電子機器など、成長分野への様々な製品開発も進めています。
イメージングメディア事業では、環境負荷を低減するライナーレス感熱ラベルや、従来より付加価値の高い2色感熱メディアなどを商品化しました。さらに、感熱紙の新しい用途展開に向けた技術開発を行うとともに、海外拠点も含め、新製品開発、コストダウンに繋がる技術支援を進めています。
粘着事業では、機能進化するタッチパネルに対応した各種粘着シートや高機能フィルムの開発を進めており、タッチペン適性を向上させる粘着シートや、画面の見やすさを向上させるフィルムなどで、スマートフォンや最新ノートPC等への採用が進んでいます。また、新たな市場開拓として、光学製品以外の製品開発も進めています。
フィルム事業では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの技術を生かしたコンデンサ用フィルムの開発や、塗工設備を活用した離型用フィルムの開発を進めています。コンデンサ用フィルムでは、ハイブリッド車や電気自動車向けに極薄ポリプロピレンフィルムを開発し、自動車部品の小型化に貢献しています。また、新たな高機能フィルムの開発では、高級感を持たせる和紙調ポリプロピレンフィルムや電子部品生産工程用のノンシリコーン軽剥離フィルムの開発を進めています。
当事業に係る研究開発費は2,051百万円です。
(3)資源環境ビジネス
王子製紙株式会社米子工場に設置したバイオリファイナリー連続工業プロセスでは、溶解パルプの実機生産と並行して、副生するヘミセルロース分解物の有効活用に関する研究を行っています。溶解パルプは、レーヨン、医薬品や食品の添加剤、セルロース誘導体等の原料として使用され、今後世界的な人口増加により需要拡大が期待されています。既に繊維メーカーや医薬品メーカーへの販売を行っており、現在はセルロース誘導体用途等の高付加価値品の開発にも注力しています。また、ヘミセルロース分解物からフルフラールを製造する技術確立は完了しました。現在は、付加価値の高い用途開発を進めています。
当事業に係る研究開発費は349百万円です。
(4)印刷情報メディア
印刷情報メディア事業では、DIP品質と歩留まりを両立する技術開発や、使用薬品の最適化によるコストダウン、欠点・断紙削減等の操業性改善を推進し、収益向上に繋げています。また、インクジェット新聞用紙の開発で培った技術を応用し、インクジェット印刷の高速化・フルカラー化に対応したフォーム印刷用インクジェット紙「OKH-JオフW」を開発しました。
当事業に係る研究開発費は1,313百万円です。
(5)その他
セルロースナノファイバー(CNF)では、ナノ化効率の高い王子独自技術であるリン酸エステル化CNFスラリーの実証プラントを王子製紙株式会社富岡工場に導入し、2016年12月から稼働しています。また、2017年度後半には、CNF透明連続シートの実証プラント導入も計画中です。これらの設備導入により、製造エネルギー低減効果の検証や量産技術の確立に取り組むとともに、実用化段階のユーザーに対するサンプル提供を拡大し、2017年4月に販売を開始したCNF増粘剤「アウロ・ヴィスコ」をはじめ、CNF透明シート「アウロ・ヴェール」、自由に成形加工可能な「アウロ・ヴェール3D」など、新たな可能性を創造し、幅広い用途へ応用展開していくことでCNFの市場活性化に貢献していきます。
北海道下川町に設置した医療植物研究室では、下川町や栗山町に実験圃場を構え、紙の原料となるユーカリやアカシアの研究で培った技術を取り入れ、薬用植物の薬効成分量を短期間で高めることができる栽培方法の開発を進めています。また漢方薬の約7割に使用されている薬用植物「甘草(かんぞう)」については、種子を播いて収穫までの栽培期間を5、6年から2年に短縮しながら薬局方の薬用成分基準も満たす栽培技術を日本で初めて確立しました。
水事業では、タイの工業団地に独自の薬品処方と膜とを組合せた用水製造設備の導入を行い、それにより、安定した終日連続自動運転が可能になりました。また、サービス事業として、導入した設備をベースに薬品などの消耗品の販売や、メンテナンスを開始しました。国内外における水処理事業の体制強化のため、2017年4月1日付で水環境事業推進室を紙パルプ革新センター内に設立しました。今後は、水事業推進に向けた戦略構築と技術開発を、王子エンジニアリング株式会社水環境技術部と連携のもと進めていきます。
その他に係る研究開発費は4,988百万円です。
なお、(1)~(4)の各セグメントに関わる研究開発活動のうち、事業化段階に無い、探索段階及び開発段階の研究開発活動の研究開発費はここに含まれます。
当連結会計年度における各セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりです。
グループ全体の既存事業の競争力強化として、植林、パルプ、抄紙、塗工の各分野で、蓄積・体系化された技術を基に、新製品開発及び品質改善に取り組んでいます。国内工場では、品質向上・操業の安定化、コストダウンの推進を図り、海外事業への水平展開も進めています。
(1)生活産業資材
産業資材事業では、古紙利用拡大、抄紙条件、薬品の最適化によるコストダウン、異物・欠陥削減等の品質・操業性改善を推進しました。これらの国内で培った基盤技術を活用して新製品開発を進めると共に、カンパニーの枠を越え、当社グループ会社の各海外拠点へ水平展開を進めています。特に新製品開発については、製造技術を再見直しすることでクラフト紙の強度アップを図るとともに、製品の価値を高めてより一層の収益力強化を推進しています。
生活消費財事業では、ティシュ原紙やトイレットロール原紙のパルプ処方の変更や、抄紙条件の最適化により、肌触り感などの品質の向上を推進しています。
当事業に係る研究開発費は619百万円です。
(2)機能材
機能材事業では、研究開発型ビジネスの形成を目指し、王子グループのコア技術であるシートの製造・加工技術を活用した機能性シート・フィルム分野での新製品開発を進めています。
特殊紙事業では、高機能フィルター用基材などに使用される無機繊維ペーパーとして、従来品の性能は維持しながら、より環境に配慮した製品を開発しています。また、水と接触することで、抗菌性を発揮するなど、様々な機能を有するユニークな乾式不織布「ぬらすと!シリーズ」を開発し、用途展開を進めています。さらに、医療用途や電子機器など、成長分野への様々な製品開発も進めています。
イメージングメディア事業では、環境負荷を低減するライナーレス感熱ラベルや、従来より付加価値の高い2色感熱メディアなどを商品化しました。さらに、感熱紙の新しい用途展開に向けた技術開発を行うとともに、海外拠点も含め、新製品開発、コストダウンに繋がる技術支援を進めています。
粘着事業では、機能進化するタッチパネルに対応した各種粘着シートや高機能フィルムの開発を進めており、タッチペン適性を向上させる粘着シートや、画面の見やすさを向上させるフィルムなどで、スマートフォンや最新ノートPC等への採用が進んでいます。また、新たな市場開拓として、光学製品以外の製品開発も進めています。
フィルム事業では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの技術を生かしたコンデンサ用フィルムの開発や、塗工設備を活用した離型用フィルムの開発を進めています。コンデンサ用フィルムでは、ハイブリッド車や電気自動車向けに極薄ポリプロピレンフィルムを開発し、自動車部品の小型化に貢献しています。また、新たな高機能フィルムの開発では、高級感を持たせる和紙調ポリプロピレンフィルムや電子部品生産工程用のノンシリコーン軽剥離フィルムの開発を進めています。
当事業に係る研究開発費は2,051百万円です。
(3)資源環境ビジネス
王子製紙株式会社米子工場に設置したバイオリファイナリー連続工業プロセスでは、溶解パルプの実機生産と並行して、副生するヘミセルロース分解物の有効活用に関する研究を行っています。溶解パルプは、レーヨン、医薬品や食品の添加剤、セルロース誘導体等の原料として使用され、今後世界的な人口増加により需要拡大が期待されています。既に繊維メーカーや医薬品メーカーへの販売を行っており、現在はセルロース誘導体用途等の高付加価値品の開発にも注力しています。また、ヘミセルロース分解物からフルフラールを製造する技術確立は完了しました。現在は、付加価値の高い用途開発を進めています。
当事業に係る研究開発費は349百万円です。
(4)印刷情報メディア
印刷情報メディア事業では、DIP品質と歩留まりを両立する技術開発や、使用薬品の最適化によるコストダウン、欠点・断紙削減等の操業性改善を推進し、収益向上に繋げています。また、インクジェット新聞用紙の開発で培った技術を応用し、インクジェット印刷の高速化・フルカラー化に対応したフォーム印刷用インクジェット紙「OKH-JオフW」を開発しました。
当事業に係る研究開発費は1,313百万円です。
(5)その他
セルロースナノファイバー(CNF)では、ナノ化効率の高い王子独自技術であるリン酸エステル化CNFスラリーの実証プラントを王子製紙株式会社富岡工場に導入し、2016年12月から稼働しています。また、2017年度後半には、CNF透明連続シートの実証プラント導入も計画中です。これらの設備導入により、製造エネルギー低減効果の検証や量産技術の確立に取り組むとともに、実用化段階のユーザーに対するサンプル提供を拡大し、2017年4月に販売を開始したCNF増粘剤「アウロ・ヴィスコ」をはじめ、CNF透明シート「アウロ・ヴェール」、自由に成形加工可能な「アウロ・ヴェール3D」など、新たな可能性を創造し、幅広い用途へ応用展開していくことでCNFの市場活性化に貢献していきます。
北海道下川町に設置した医療植物研究室では、下川町や栗山町に実験圃場を構え、紙の原料となるユーカリやアカシアの研究で培った技術を取り入れ、薬用植物の薬効成分量を短期間で高めることができる栽培方法の開発を進めています。また漢方薬の約7割に使用されている薬用植物「甘草(かんぞう)」については、種子を播いて収穫までの栽培期間を5、6年から2年に短縮しながら薬局方の薬用成分基準も満たす栽培技術を日本で初めて確立しました。
水事業では、タイの工業団地に独自の薬品処方と膜とを組合せた用水製造設備の導入を行い、それにより、安定した終日連続自動運転が可能になりました。また、サービス事業として、導入した設備をベースに薬品などの消耗品の販売や、メンテナンスを開始しました。国内外における水処理事業の体制強化のため、2017年4月1日付で水環境事業推進室を紙パルプ革新センター内に設立しました。今後は、水事業推進に向けた戦略構築と技術開発を、王子エンジニアリング株式会社水環境技術部と連携のもと進めていきます。
その他に係る研究開発費は4,988百万円です。
なお、(1)~(4)の各セグメントに関わる研究開発活動のうち、事業化段階に無い、探索段階及び開発段階の研究開発活動の研究開発費はここに含まれます。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00642] S100AIQX)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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