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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AKY1

有価証券報告書抜粋 株式会社きんでん 研究開発活動 (2017年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。
当連結会計年度における研究開発費は4億6千4百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。特に、電力関係については関西電力株式会社の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。
当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。

(設備工事業)
(1)「ケーブル配線用延線ロープ布設装置」の開発
ケーブルラック上への強電・弱電のケーブル配線作業を実施する場合、従来の延線ロープ布設方法では、作業者が約5m間隔で高所作業車などを使用し、昇降を繰り返しながら布設していく。このため高所での作業回数が多く転落・墜落の危険性を伴い、作業時間がかかるという問題があった。
そこで当社は、ケーブル配線時に使用する延線ロープを安全かつ効率的に布設できる「ケーブル配線用延線ロープ布設装置」を開発した。
(特 長)
・延線ロープ布設装置本体はモータとバッテリーを搭載
・遠隔操作で布設装置本体がケーブルラック(親桁)に沿って走行し延線ロープを布設
・従来方法と比較して高所作業車使用回数の削減と作業時間を短縮
(仕 様)

・対象ケーブルラック:親桁高さ70mmまたは100mm(注1)
・外形寸法:[W]205mm×[L]235mm×[H]116mm、重量:約3.0kg
・走行速度:20m/分程度(注2)
・駆動時間:連続50分程度 (水平走行時)(注2)
・牽引重量:2.5kg~6.0kg程度(注3)
・LEDランプによる走行位置確認機能(常時点滅)

・装置本体の前進・後進操作が可能、速度調整が可能
・電源:単三乾電池4本
(注1):布設可能部分(直線や分岐など)はケーブルラックのメーカーや種類により異なる。
(注2):数値は装置単体で使用した場合の値である。
(注3):ケーブルラック上の埃や勾配により変動する。
この装置を用いることで従来の延線ロープ布設方法に比べて、高所作業車使用回数が10分の1に、また作業時間が4分の1になり、延線ロープ布設作業時の安全性と作業効率が向上した。

(2)「ブレーキ改良型4導体宙乗機」の開発
超高圧架空送電線の多導体線路では、電線同士の接触を避け、各電線間隔を一定に保持する目的でスペーサーを径間内に取り付ける。スペーサー取り付け作業は、電線にセットした宙乗機に作業員が搭乗し、径間内に乗り出して行う。
従来の宙乗機のブレーキ機能は、踏み込むとゴム板が電線を挟み込み、その摩擦力で制動を得るフットブレーキしかなく、電線傾斜角の大きな径間においては、ブレーキ操作を誤り一旦滑走し始めるとフットブレーキのみでは止まり難いという問題があった。
そこで当社は、安全にスペーサー取り付け作業が行えるよう、作業員の技能に依存しない複数のブレーキ機能を有する「ブレーキ改良型4導体宙乗機」を開発した。
滑走防止機能の改善として、フットブレーキとは別系統の補助ブレーキ並びに速度抑制する逸走防止機を考案・設計・製作し、制動力・操作性・耐久性の実証試験を行い良好な結果を得た。
① 補助ブレーキの開発
主ブレーキのフットブレーキとは別に、ゴム板で電線を挟み込み、手動で操作する補助ブレーキを開発し
た。
② 逸走防止機の開発
宙乗機が滑走した場合でも、自動で速度を抑制できる遠心ブレーキを開発した。試験の結果、滑走速度を
10km/h以下に抑制でき、滑走してもフットブレーキ・補助ブレーキを慌てることなく操作し、宙乗機を制動す
ることを可能とした。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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