有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AKV7
三菱瓦斯化学株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
「2021年におけるありたい姿」に向けた新中期経営計画『MGC Advance2017』の2年目である2016年度(第90期)は、グループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」の実現に向け、引き続き、その基本方針である「中核事業を中心とした既存事業の収益力強化」、「不採算事業の再構築」、「新規事業の創出と育成」、「グループ全体の経営効率改善」、[持続的成長を支えるの向上」に沿って、グループ各社との密接な連携の下、研究開発活動を精力的に行いました。
新規事業開発部は体制を整え、移管された研究開発テーマの事業化を推進するとともに、投資組合への参画、ベンチャー企業との連携、及び、公的研究機関との共同研究などによって、新規事業領域での事業化構想を継続的に創出し、育成に注力しています。
東京、新潟、平塚の3研究所とMGC分析センター、これにコーポレート部門である新規事業開発部、研究推進部、カンパニーの企画開発部、工場の研究部門を加えた研究開発体制において、当社が長年培ってきた技術の共有と深化、それらの複合化によるシナジー、更には子会社との共同開発や研究受委託による総合力を活かした研究開発を展開し、既存製品の競争力強化、新規製品あるいは新規グレードの開発を推進しております。
子会社の研究開発部門も含めた当社グループの研究開発スタッフは、グループ全体で約864名であり、総従業員数の約11%にあたります。また研究費の総額は19,267百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究内容、研究成果、及び研究開発は次のとおりであります。
[天然ガス系化学品事業]
メタノール系;原料調達から誘導品まで展開する当社メタノール事業のコアとなる合成触媒開発、製造技術改善を継続しており、昨年技術確立を目的としてパイロット装置を稼動させました。またメタノール事業の裾野を更に広げるため、メタノール改質水素製造プロセスの市場展開、メタノール燃料電池の技術開発・市場開拓を推進しております。
有機化学品系;メチルアミンや特殊ポリオール製品群の競争力強化を図ると共に、MMA系製品ではメタクリル酸グリシジル等各種誘導品の製造技術改善、並びに新規誘導品の開発を行っております。また、高機能の熱硬化性樹脂原料となるシアネートモノマーの新規開発、市場展開を進めております。
ライフサイエンス系;これまでに蓄積した培養技術・発酵技術を活用し新規製品群を開発しています。現在、脳機能改善食品素材として期待される補酵素ピロロキノリンキノン(PQQ)や酵母栄養成分(ビタミン、アミノ酸、ミネラルなど)を豊富に含むS-アデノシルメチオニン(SAMe)含有乾燥酵母を販売している他、さまざまな食品素材の開発を行っております。
また、抗体医薬事業ではMGCファーマ株式会社において、プロセス開発受託サービス、およびサンプル製造受託サービスを展開するとともに、バイオ後続品を含む抗体医薬品の国内製造を行う合弁会社を新たに設立するなど、事業実績を積み重ねつつ競争力の強化に取り組んでおります。
当該事業に係る研究開発費は3,655百万円であります。
[芳香族化学品事業]
混合キシレンの分離・異性化によって製造する各キシレン異性体および、その誘導品を中心とする事業展開を行っております。汎用製品群はプロセス改善・品質改良・コストダウンを継続する一方、当社固有の特殊化学製品群は、より川下への展開およびより確度の高い新規製品の研究開発を重点的に進めております。事業のベースとなる汎用製品群と収益率の高い特殊化学製品群をバランスよく展開することで、安定的かつ持続的成長可能な事業構造の構築を目指しております。
メタキシレンジアミン、MXナイロン系製品は、コスト競争力強化のための技術開発を継続すると同時に、ユーザーの幅広い性能・品質要求に応える品揃えの拡大を進めております。エポキシ樹脂硬化剤用途では従来の欧米市場に加え、アジアでの需要が伸びており、これに対応すべく製造設備の新設や生産技術改善による増産を進めております。また既存のMXナイロン設備を活用し、既に販売している植物由来ポリアミドの他、新規ジアミンを使用したポリアミドの開発を継続しており、自動車・電子部品向けからフィルム・繊維への加工、更に樹脂のバリア性改質など幅広い用途で拡販を図っております。
独自の強酸技術、酸化・還元技術等を駆使し、樹脂・高機能添加剤原料、香料原料等の高付加価値製品の開発を継続的に行っております。芳香族アルデヒドについて新規香料原料の開発等、芳香族ポリカルボン酸を核水添して得られるシクロヘキサンポリカルボン酸誘導体については、樹脂原料や特殊硬化剤原料として実需化へ向けた検討が進んでおります。これらの高付加価値製品を利用し、当社が長年蓄積してきた高度な重合技術から生まれた透明ポリイミドワニス及びフィルムは、フレキシブルディスプレイ・タッチパネル・光学フィルム・センサー関連等の急速な実需の高まりに呼応して一部事業化を達成し、さらなる拡大を目指しております。
当該事業に係る研究開発費は5,549百万円であります。
[機能化学品事業]
無機化学品事業;過酸化水素については、製造コスト削減及び高付加価値化のための研究開発、生産技術開発及び実証試験を継続的に進めており、実プラントへの適用及び新グレードの上市を実施しています。超純過酸化水素を中心とした半導体・液晶ディスプレイ・プリント配線分野では当社の高い技術開発力を活かした最先端のハイブリッドケミカルズの開発に注力し、新規薬液・プロセス開発に採用実績を広げております。また、海外各拠点での開発体制の整備を進めており、顧客要望への対応力強化に努めています。眼鏡用レンズモノマーについては、高屈折率材料や強度向上材料など、ユーザーニーズに対応した製品ラインナップ拡充のため、開発を継続しています。
合成樹脂事業;ポリカーボネート樹脂については、品質向上のための技術開発や新規光学フィルム向け素材を中心に難燃グレード、容器向けグレードの開発を進めています。また、光学用特殊ポリカーボネートは、日化協技術賞、日本化学会化学技術賞、市村産業賞本賞を受賞したことにより技術力の高さが広く認められています。今後も高屈折率・低複屈折率化技術で市場を席捲できる新規グレードの開発を進めます。機能性シート・フィルム分野では、精密加工技術と特殊材料を組み合わせた要素技術を活用し、タッチパネル、筺体加飾、偏光・調光、防曇などの用途で差異化されたグレード開発を行っています。ポリアセタール樹脂については、製品品質の向上検討、特殊グレードの新規市場開発を中心に進めています。
当該事業に係る研究開発費は5,317百万円であります。
[特殊機能材事業]
電子材料分野では、積層形成時に反りが生じ難いことを特徴とした半導体パッケージ用材料や通信インフラに必要な高周波特性に優れた材料を中心に開発を進め、各種用途への量産準備を進めています。モバイル向け製品への薄葉化への試みも続けています。今後も、これら次世代材の開発を進めつつ、市場要求の変化に対応した製品の研究開発を効率良く推進します。
脱酸素剤分野では、医薬分野及び海外市場の開拓・拡販に向けて、脱酸素機能を付与したフィルムや包装材料を開発し、一部の用途で採用が始まっています。また、事業基盤製品である小袋状エ-ジレス製品では、コスト競争力向上を目的とした製品を開発し、量産の準備を進めています。
また、電子材料事業や脱酸素剤事業の周辺材料、及び両事業の技術を他の市場に展開した製品の開発も進めています。
当該事業に係る研究開発費は4,745百万円であります。
新規事業開発部は体制を整え、移管された研究開発テーマの事業化を推進するとともに、投資組合への参画、ベンチャー企業との連携、及び、公的研究機関との共同研究などによって、新規事業領域での事業化構想を継続的に創出し、育成に注力しています。
東京、新潟、平塚の3研究所とMGC分析センター、これにコーポレート部門である新規事業開発部、研究推進部、カンパニーの企画開発部、工場の研究部門を加えた研究開発体制において、当社が長年培ってきた技術の共有と深化、それらの複合化によるシナジー、更には子会社との共同開発や研究受委託による総合力を活かした研究開発を展開し、既存製品の競争力強化、新規製品あるいは新規グレードの開発を推進しております。
子会社の研究開発部門も含めた当社グループの研究開発スタッフは、グループ全体で約864名であり、総従業員数の約11%にあたります。また研究費の総額は19,267百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究内容、研究成果、及び研究開発は次のとおりであります。
[天然ガス系化学品事業]
メタノール系;原料調達から誘導品まで展開する当社メタノール事業のコアとなる合成触媒開発、製造技術改善を継続しており、昨年技術確立を目的としてパイロット装置を稼動させました。またメタノール事業の裾野を更に広げるため、メタノール改質水素製造プロセスの市場展開、メタノール燃料電池の技術開発・市場開拓を推進しております。
有機化学品系;メチルアミンや特殊ポリオール製品群の競争力強化を図ると共に、MMA系製品ではメタクリル酸グリシジル等各種誘導品の製造技術改善、並びに新規誘導品の開発を行っております。また、高機能の熱硬化性樹脂原料となるシアネートモノマーの新規開発、市場展開を進めております。
ライフサイエンス系;これまでに蓄積した培養技術・発酵技術を活用し新規製品群を開発しています。現在、脳機能改善食品素材として期待される補酵素ピロロキノリンキノン(PQQ)や酵母栄養成分(ビタミン、アミノ酸、ミネラルなど)を豊富に含むS-アデノシルメチオニン(SAMe)含有乾燥酵母を販売している他、さまざまな食品素材の開発を行っております。
また、抗体医薬事業ではMGCファーマ株式会社において、プロセス開発受託サービス、およびサンプル製造受託サービスを展開するとともに、バイオ後続品を含む抗体医薬品の国内製造を行う合弁会社を新たに設立するなど、事業実績を積み重ねつつ競争力の強化に取り組んでおります。
当該事業に係る研究開発費は3,655百万円であります。
[芳香族化学品事業]
混合キシレンの分離・異性化によって製造する各キシレン異性体および、その誘導品を中心とする事業展開を行っております。汎用製品群はプロセス改善・品質改良・コストダウンを継続する一方、当社固有の特殊化学製品群は、より川下への展開およびより確度の高い新規製品の研究開発を重点的に進めております。事業のベースとなる汎用製品群と収益率の高い特殊化学製品群をバランスよく展開することで、安定的かつ持続的成長可能な事業構造の構築を目指しております。
メタキシレンジアミン、MXナイロン系製品は、コスト競争力強化のための技術開発を継続すると同時に、ユーザーの幅広い性能・品質要求に応える品揃えの拡大を進めております。エポキシ樹脂硬化剤用途では従来の欧米市場に加え、アジアでの需要が伸びており、これに対応すべく製造設備の新設や生産技術改善による増産を進めております。また既存のMXナイロン設備を活用し、既に販売している植物由来ポリアミドの他、新規ジアミンを使用したポリアミドの開発を継続しており、自動車・電子部品向けからフィルム・繊維への加工、更に樹脂のバリア性改質など幅広い用途で拡販を図っております。
独自の強酸技術、酸化・還元技術等を駆使し、樹脂・高機能添加剤原料、香料原料等の高付加価値製品の開発を継続的に行っております。芳香族アルデヒドについて新規香料原料の開発等、芳香族ポリカルボン酸を核水添して得られるシクロヘキサンポリカルボン酸誘導体については、樹脂原料や特殊硬化剤原料として実需化へ向けた検討が進んでおります。これらの高付加価値製品を利用し、当社が長年蓄積してきた高度な重合技術から生まれた透明ポリイミドワニス及びフィルムは、フレキシブルディスプレイ・タッチパネル・光学フィルム・センサー関連等の急速な実需の高まりに呼応して一部事業化を達成し、さらなる拡大を目指しております。
当該事業に係る研究開発費は5,549百万円であります。
[機能化学品事業]
無機化学品事業;過酸化水素については、製造コスト削減及び高付加価値化のための研究開発、生産技術開発及び実証試験を継続的に進めており、実プラントへの適用及び新グレードの上市を実施しています。超純過酸化水素を中心とした半導体・液晶ディスプレイ・プリント配線分野では当社の高い技術開発力を活かした最先端のハイブリッドケミカルズの開発に注力し、新規薬液・プロセス開発に採用実績を広げております。また、海外各拠点での開発体制の整備を進めており、顧客要望への対応力強化に努めています。眼鏡用レンズモノマーについては、高屈折率材料や強度向上材料など、ユーザーニーズに対応した製品ラインナップ拡充のため、開発を継続しています。
合成樹脂事業;ポリカーボネート樹脂については、品質向上のための技術開発や新規光学フィルム向け素材を中心に難燃グレード、容器向けグレードの開発を進めています。また、光学用特殊ポリカーボネートは、日化協技術賞、日本化学会化学技術賞、市村産業賞本賞を受賞したことにより技術力の高さが広く認められています。今後も高屈折率・低複屈折率化技術で市場を席捲できる新規グレードの開発を進めます。機能性シート・フィルム分野では、精密加工技術と特殊材料を組み合わせた要素技術を活用し、タッチパネル、筺体加飾、偏光・調光、防曇などの用途で差異化されたグレード開発を行っています。ポリアセタール樹脂については、製品品質の向上検討、特殊グレードの新規市場開発を中心に進めています。
当該事業に係る研究開発費は5,317百万円であります。
[特殊機能材事業]
電子材料分野では、積層形成時に反りが生じ難いことを特徴とした半導体パッケージ用材料や通信インフラに必要な高周波特性に優れた材料を中心に開発を進め、各種用途への量産準備を進めています。モバイル向け製品への薄葉化への試みも続けています。今後も、これら次世代材の開発を進めつつ、市場要求の変化に対応した製品の研究開発を効率良く推進します。
脱酸素剤分野では、医薬分野及び海外市場の開拓・拡販に向けて、脱酸素機能を付与したフィルムや包装材料を開発し、一部の用途で採用が始まっています。また、事業基盤製品である小袋状エ-ジレス製品では、コスト競争力向上を目的とした製品を開発し、量産の準備を進めています。
また、電子材料事業や脱酸素剤事業の周辺材料、及び両事業の技術を他の市場に展開した製品の開発も進めています。
当該事業に係る研究開発費は4,745百万円であります。
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