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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ANKZ

有価証券報告書抜粋 三井住友建設株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループでは、技術の信頼、受注の拡大、利益の向上を目指して、顧客ニーズに応える技術開発をタイムリーに推進することを技術開発の基本方針とし、技術本部、土木本部、建築本部、事業開発推進本部を中心として、技術開発を積極的に進めてきました。
当連結会計年度の技術開発に要した費用の総額は、1,657百万円です。なお、当該費用については、セグメントに共通する費用を区分することが困難であるため、総額のみを記載しています。
当連結会計年度における主な技術開発成果は次のとおりです。

(1) 橋梁3次元モデル作成システム
PC橋梁の3次元モデルを効率良く高い精度で作成することを目的として、設計段階で使用する線形データと断面形状データを用いて3次元モデルを自動作成する作図システムを開発し、橋梁上部工工事に適用しました。本システムで作成した3次元モデルは正確な座標で作図されており、現地の地形と構造物を重ね合わせた全体モデルが作成できます。また、PC鋼材や配水管など、PC橋を構成する各部材を自動的に3次元化できるため、施工計画の検討や部材間の干渉チェックを迅速かつ確実に行うことができます。本システムで作成した3次元モデルを各種ICT技術に組み合わせ、橋梁の設計・施工管理・維持管理における当社独自のトータル建設マネジメントシステム(DCM)において積極的に活用し、更なる橋梁建設の効率化と品質向上を目指していきます。

(2) 「AR-表面仕上げ管理システム」を開発
ステレオ写真計測技術とAR(Augmented Reality:拡張現実)技術を用いて、床版コンクリート表面の仕上げ高さ管理を行う「AR-表面仕上げ管理システム」を開発し、実用化しました。上方から撮影した写真を画像解析し、数分で、精度よく現状のコンクリート仕上げ高さのコンター図(写真計測結果と計画高との差を色分け表示)を作成し、タブレット端末に現場映像と重ね合わせて表示させ「見える化」するシステムです。全体の仕上がり状態が一目で分かり、その場で作業員への仕上げの修正指示、仕上げ状態の再確認を行うことで、仕上げ面の平坦性を向上させるシステムとなっています。本システムを土木・建築分野の多くの現場に適用拡大を図るとともに、ステレオ撮影方法の省力化や計測処理の高速化などのシステム改良に取り組んでいきます。

(3) SLAM技術を利用した設備スリーブ位置管理システムを開発
自己位置の推定と周辺のマッピングを同時に行って位置を測定するSLAM技術(※1)を利用した設備スリーブ位置管理システム(特許出願中)の開発を九州大学と共同で着手し、実証実験において本技術による効果を確認しました。今回開発した位置管理システムは、建物のコンクリート躯体(壁や梁など)に設ける設備配管用の貫通孔用筒(設備スリーブ)の取り付け位置確認作業を、SLAM技術を利用し迅速に行うものです。従来の計測手法では1時間以上要していた作業が、本システムでは撮影・測定から結果が得られるまで1~2分程度で済み、かつ従来と同等の精度であることを確認しました。今後、実現場で検証を行い、実用化に向けた開発を進めていきます。(※1)SLAM = Simultaneous Localization and Mapping

(4) 「インテリジェントパイプクーリングシステム」を開発・適用
コンクリート構造物の温度ひび割れ対策のひとつである「パイプクーリング」において、実際の施工状況に応じて通水温度を自動制御する「インテリジェントパイプクーリングシステム」を開発しました。本システムは、東北地方における大型水門工事のコンクリート壁(カーテンウォール)の施工で適用し、その実用性が確認されました。同システムは、温度ひび割れ対策を必要とする全てのコンクリート構造物において、より確実なひび割れ制御が期待でき、管理の省力化も図れます。当社では、コンクリート構造物の更なる高品質化を目指し、システムの汎用化と高機能化に取り組んでいきます。


(5) 超低収縮・低環境負荷型・設計基準強度200N/mm2コンクリートを実物件に適用
産業副産物を使用することでCO2排出量を削減しつつ、高強度で流動性が高く、さらに自己収縮を大幅に低減した超高強度コンクリート(設計基準強度Fc:200N/mm2)を開発し、超高層タワーマンション2棟それぞれの地下階柱に適用しました。開発した新しいコンクリートは、プレキャスト工場で高強度コンクリート製造時に行ってきた加熱養生が不要であり、部材を断熱材で被覆して養生することで十分な強度が得られるため、CO2排出量も低減されます。今後は、製造性・経済性を追求し、より高品質で高耐久かつ低環境負荷な土木・建築構造物として積極的に提案していきます。

(6) 端部を拡径加工した鉄筋を用いるTrunc-head(トランクヘッド)工法を開発
鉄筋端部を鍛造により円錐台形状に加工した定着機構付き鉄筋を、プレキャスト部材の接合部で使用するTrunc-head工法を片山チエン株式会社と共同開発しました(特許出願中、意匠登録(登録第1551641号))。プレキャストPC床版の接合等にTrunc-head工法を用いることで、現場にて一体化する際の接合部の鉄筋組立作業が容易になり、コンクリートも充填しやすくなるため、施工の効率化と品質の向上を実現しました。新設のプレキャストPC床版工事に加え、今後見込まれる大規模インフラ更新事業における老朽化した床版の取替え工事等への適用に向けて取り組みを進めていきます。

(7) 逆T形の基礎梁工法「Liber-T工法」を開発
基礎梁の下部を部分的に拡幅し、逆T形断面とする基礎梁工法「Liber-T工法」(特許出願中)を開発しました。本工法は、鉄筋が密に交錯しがちな柱-基礎梁-杭接合部において、基礎梁下端主筋の配筋位置の自由度を高めることによって、施工性を向上させ、コンクリートの打設を確実にするものです。本工法は、採用案件にて構造性能評価を取得し、マンション工事に初適用しました。基礎躯体は、地上躯体に比べて部材形状が大きいことなどから、工法の選択肢が比較的少ない部位とされていますが、今後も高品質と高生産性に寄与する工法メニューの拡充に向け、基礎構造の技術開発を推進していく所存です。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00085] S100ANKZ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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