有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AJ0Z
塩野義製薬株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)創薬及びCMC研究*1
当期は、FIC*2/LIC*3化合物の創製に向け、低分子創薬を中心としつつ、新たにペプチド創薬も本格化させ、創薬研究プログラムの推進に取り組みました。
その結果、コア疾患(感染症、疼痛・神経)、並びにフロンティア疾患(肥満・老年代謝、癌・免疫)において複数の開発候補品及び開発品を創出することができました。
また、オープンイノベーションによる創薬研究にも精力的に取り組んでおり、国内外の企業、アカデミアとの共同研究を通じて、創薬プログラムの充実、並びに強みとなる研究アセットの構築を推進いたしました。
CMC研究においては、難溶性ペプチド合成技術、超低含量の製剤設計技術、吸入製剤の基盤技術、グローバル基準対応の高感度分析法等の新たなCMC技術基盤を確立することができました。
さらに、医療経済性を考慮した革新的な新薬の創製という社会からのニーズに対応するため、付加価値の高い製品を経済的に患者さまにお届けするための取り組みを進めてまいります。
*1 CMC研究:原薬プロセス研究、製剤開発研究、品質評価研究を統合した研究のこと
*2 FIC:First-in-Class (特に新規性・有効性が高く、従来の治療体系を大幅に変えるような独創的医薬品)
*3 LIC:Last-in-Class (同様のメカニズムで明確な優位性をもち、他の新薬の追随を許さない医薬品)
(2)開発
当期は、当社グループ単独で初めてとなる本格的なグローバル第Ⅲ相臨床試験の実施にあたり、臨床試験のコストマネジメントとグローバルオペレーションの強化に取り組みました。
その結果、自社創製品ナルデメジンについて、日本と米国で承認取得、欧州で承認申請することができました。
多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬候補セフィデロコルについては、複雑性尿路感染症に対するグローバル第Ⅱ相臨床試験を完了するとともに、院内肺炎・人工呼吸器関連肺炎に対するグローバル第Ⅲ相臨床試験を進めております。
新規メカニズムのインフルエンザ感染症治療薬候補S-033188については、現在日本及び海外において第Ⅲ相臨床試験を進めております。
サインバルタについては、国内で追加の適応申請をしていた「変形性関節症に伴う疼痛」の承認を2016年12月に取得いたしました。
持続性疼痛治療薬オキシコドン乱用防止徐放錠*4については、国内での製造販売承認申請とともに、厚生労働省の検討会議*5からの要請を受け、「中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛」の適応症追加の申請を行いました。
アイルランドのシャイアー社と共同開発を進めてきた注意欠如・多動症(ADHD)治療薬インチュニブについて、国内で2017年3月に承認を取得いたしました。
また、アシテア ダニ舌下錠については、これまでの成人に加え、5~11歳の小児の患者さまにおける追加申請を国内で行いました。
*4 乱用防止徐放錠:薬物乱用の防止を目的に、特別な工夫をした錠剤
*5 厚生労働省の検討会議:「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」
こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は599億7百万円となりました。
開発品(2017年5月現在)
*: Long acting parenteral formulation
当期は、FIC*2/LIC*3化合物の創製に向け、低分子創薬を中心としつつ、新たにペプチド創薬も本格化させ、創薬研究プログラムの推進に取り組みました。
その結果、コア疾患(感染症、疼痛・神経)、並びにフロンティア疾患(肥満・老年代謝、癌・免疫)において複数の開発候補品及び開発品を創出することができました。
また、オープンイノベーションによる創薬研究にも精力的に取り組んでおり、国内外の企業、アカデミアとの共同研究を通じて、創薬プログラムの充実、並びに強みとなる研究アセットの構築を推進いたしました。
CMC研究においては、難溶性ペプチド合成技術、超低含量の製剤設計技術、吸入製剤の基盤技術、グローバル基準対応の高感度分析法等の新たなCMC技術基盤を確立することができました。
さらに、医療経済性を考慮した革新的な新薬の創製という社会からのニーズに対応するため、付加価値の高い製品を経済的に患者さまにお届けするための取り組みを進めてまいります。
*1 CMC研究:原薬プロセス研究、製剤開発研究、品質評価研究を統合した研究のこと
*2 FIC:First-in-Class (特に新規性・有効性が高く、従来の治療体系を大幅に変えるような独創的医薬品)
*3 LIC:Last-in-Class (同様のメカニズムで明確な優位性をもち、他の新薬の追随を許さない医薬品)
(2)開発
当期は、当社グループ単独で初めてとなる本格的なグローバル第Ⅲ相臨床試験の実施にあたり、臨床試験のコストマネジメントとグローバルオペレーションの強化に取り組みました。
その結果、自社創製品ナルデメジンについて、日本と米国で承認取得、欧州で承認申請することができました。
多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬候補セフィデロコルについては、複雑性尿路感染症に対するグローバル第Ⅱ相臨床試験を完了するとともに、院内肺炎・人工呼吸器関連肺炎に対するグローバル第Ⅲ相臨床試験を進めております。
新規メカニズムのインフルエンザ感染症治療薬候補S-033188については、現在日本及び海外において第Ⅲ相臨床試験を進めております。
サインバルタについては、国内で追加の適応申請をしていた「変形性関節症に伴う疼痛」の承認を2016年12月に取得いたしました。
持続性疼痛治療薬オキシコドン乱用防止徐放錠*4については、国内での製造販売承認申請とともに、厚生労働省の検討会議*5からの要請を受け、「中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛」の適応症追加の申請を行いました。
アイルランドのシャイアー社と共同開発を進めてきた注意欠如・多動症(ADHD)治療薬インチュニブについて、国内で2017年3月に承認を取得いたしました。
また、アシテア ダニ舌下錠については、これまでの成人に加え、5~11歳の小児の患者さまにおける追加申請を国内で行いました。
*4 乱用防止徐放錠:薬物乱用の防止を目的に、特別な工夫をした錠剤
*5 厚生労働省の検討会議:「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」
こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は599億7百万円となりました。
開発品(2017年5月現在)
領域 | 開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 |
感染症 | S-649266 (cefiderocol) | セフェム系抗生物質 (注射) | 多剤耐性グラム陰性菌感染症 | グローバル:フェーズⅢ 米国:申請準備中 | 自社 | 自社 |
S-033188 | インフルエンザ治療薬 (経口) | インフルエンザ感染症 | グローバル:フェーズⅢ | 自社 | 自社/Roche社 (スイス) | |
S-033188 | インフルエンザ治療薬 (経口) | インフルエンザ感染症(小児) | 日本:フェーズⅢ | 自社 | 自社/Roche社 (スイス) |
領域 | 開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 |
疼痛・ 神経 | S-877503 (グアンファシン塩酸塩) [インチュニブ®] | 非中枢神経刺激薬 (経口) | 小児ADHD | 日本:承認(2017年3月) | Shire社(アイルランド) | 自社/Shire社 |
S-297995 (ナルデメジントシル酸塩) [日本:スインプロイク®] [米国:Symproic®] | 末梢性オピオイド受容体アンタゴニスト (経口) | オピオイド誘発性便秘症 | 米国・日本:承認(2017年3月) 欧州:申請(2017年3月) | 自社 | 自社 | |
S-877489 (リスデキサンフェタミンメシル酸塩) | 中枢神経刺激薬 (経口) | 小児ADHD | 日本:申請(2017年4月) | Shire社(アイルランド) | 自社/Shire社 | |
S-877503 (グアンファシン塩酸塩) [インチュニブ®] | 非中枢神経刺激薬 (経口) | 成人ADHD | 日本:フェーズⅢ | Shire社(アイルランド) | 自社/Shire社 | |
S-120083 | 炎症性疼痛治療薬 (経口) | 炎症性疼痛 | 日本:フェーズⅠ 米国:フェーズⅡ | 自社/Purdue社 (米国) | 自社/Purdue社 | |
S-010887 | 神経障害性疼痛治療薬 (経口) | 神経障害性疼痛 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
S-117957 | 不眠症治療薬 (経口) | 不眠症 | 米国:フェーズⅠ | 自社/Purdue社 (米国) | 自社/Purdue社 | |
S-600918 | 神経障害性疼痛治療薬 (経口) | 神経障害性疼痛 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
代謝 疾患 | S-237648 | ニューロペプチド Y Y5受容体アンタゴニスト (経口) | 肥満症 | 日本:フェーズⅡ 米国:フェーズⅠ | 自社 | 自社 |
S-707106 | インスリン抵抗性改善薬 (経口) | 2型糖尿病 | 米国:フェーズⅡa | 自社 | 自社 | |
フロン ティア | S-888711 (ルストロンボパグ) [日本:ムルプレタ®] | トロンボポエチン受容体作動薬 (経口) | 慢性肝疾患による血小板減少症 | 日本:承認(2015年9月) グローバル:フェーズⅢ | 自社 | 自社 |
S-524101 [アシテア®] | ダニ抗原特異的舌下免疫療法薬 (舌下) | ダニ抗原による 小児通年性アレルギー性鼻炎 | 日本:申請 (2017年3月) | Stallergenes社 (フランス) | 自社 | |
S-588410 | がんペプチドワクチン (注射) | 食道がん | 日本:フェーズⅢ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-588410 | がんペプチドワクチン (注射) | 膀胱がん | 日欧:フェーズⅡ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-525606 | スギ抗原特異的舌下免疫療法薬 (舌下) | スギ抗原によるアレルギー性鼻炎 | 日本:フェーズⅡ | Stallergenes社 (フランス) | 自社 | |
S-488210 | がんペプチドワクチン (注射) | 頭頸部がん | 欧州:フェーズⅠ/Ⅱ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-222611 | HER2/EGFRデュアル阻害薬 (経口) | 悪性腫瘍 | 欧州:フェーズⅠ/Ⅱ | 自社 | 自社 |
開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 | |
S/GSK1265744 LAP* (cabotegravir) | インテグラーゼ阻害薬 (注射) | HIV感染症(治療及び予防) | グローバル:フェーズⅢ(治療) グローバル:フェーズⅢ(予防) | Shionogi-ViiV Healthcare社 | 治療:ViiV Healthcare社(英国) 予防:ViiV社、HPTN、NIAID、 Gilead社(米国) | |
S-0373 | 非ペプチド型TRHミメティック (経口) | 脊髄小脳変性症 | 日本:フェーズⅢ | 自社 | キッセイ薬品(日本) | |
Janssen/シオノギ β-セクレターゼ阻害薬 | β-セクレターゼ阻害薬 (経口) | アルツハイマー病 | グローバル:フェーズⅡ/Ⅲ | 自社 | Janssen Pharmaceuticals社 (米国) | |
オスペミフェン [米国:オスフィーナ®] | 選択的エストロゲン受容体モジュレーター (経口) | 閉経後膣萎縮症に伴う膣乾燥感 | 米国:フェーズⅢ | QuatRx社(米国) | Duchesnay社(カナダ) |
一般名 [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 | |
オキシコドン塩酸塩水和物 [オキシコンチン®] | アヘンアルカロイド系麻薬 (経口) | 中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛 | 日本:申請中(2016年11月) | Napp社(英国) | 自社 |
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