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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AGCW

有価証券報告書抜粋 コニカミノルタ株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、経営理念である「新しい価値の創造」及び「Giving Shape to Ideas」というお客様への約束を掲げ、材料・光学・微細加工・画像の4分野のコア技術に関わる研究開発はもとより、コア技術を高度化し更に複合化・融合化することによるお客様本位の新製品・新技術の開発を進めております。また、持続可能な地球・社会の実現をめざし、「環境」をメインテーマとして、省エネルギー、リサイクル可能な環境配慮型製品の開発も進めております。その結果、持続可能な経済を実現させる活動を行う国際NGOのCDP(注)により最高評価の「気候変動Aリスト」企業として認定されました。2050年を見据えた長期環境ビジョンのもと、自社内に留まらずバリューチェーンを通じた環境負荷低減にも積極的に取り組む環境経営が高く評価されました。製品ライフサイクルにおけるCO2排出量の2016年度実績は約104万トンで、2050年に2005年度比で80%削減するという長期環境ビジョン「エコビジョン2050」に対して、49%削減まで到達しています。
当社グループの研究開発活動は、中期経営計画「TRANSFORM 2016」に基づいた中期経営戦略基本方針(持続的な利益成長の実現、顧客密着型企業への変革、強靭な企業体質の確立)に対応して、「持続的成長に向けたインキュベーションの加速」、「顧客価値につながる差別化技術の仕込み」、「一流を目指す技術人財、開発組織力の強化」の3つの技術戦略の基本方針を定め推進してまいりました。
既存事業の商業・産業印刷分野では、出力枚数が多く、特に多彩な用紙への対応力と高い生産性が求められるヘビープロダクションプリント領域へ、コニカミノルタ独自のサービス展開と合わせて業容を広げてまいります。さらに、デジタル加飾印刷機メーカーでは業界トップのフランスのMGI社を連結子会社化し、最先端の産業印刷業者が集い、多様な関連機器メーカーも集結しているフランスに産業印刷ビジネスの戦略拠点を設けました。これにより、ラベル・パッケージ業界のデジタル化を加速させる製品ラインアップの拡充を図り、産業印刷分野の強化を推進してまいります。産業光学分野では、ドイツの分散型・録画(DVR)機能内蔵IPネットワークカメラシステム技術を誇るMOBOTIX社を連結子会社化し、当社独自の光学技術である広範囲を高精細に誤報や失報なく検知する3Dレーザーレーダーと、MOBOTIX社の分散処理型IPカメラやビデオマネジメントソフトウェア(VMS)を組み合わせて、次世代分散型ネットワークセキュリティソリューションを提供します。また、バイオヘルスケア分野では、フランスのパスツール研究所及びバイオアキシャル社と共同研究を開始しました。この研究は、マウス体内での薬剤の動きや分布を直接観察すること、さらには臓器や細胞に到達した薬剤が細胞の働きに与える影響を観察する(ライブセルイメージング)ことで、薬剤の効果や作用機序の観察を実現し、これにより薬効の正確な評価の支援が期待できます。コア技術であるナノテクノロジーを駆使した体外診断分野での研究開発を加速し、当該サービスを皮切りに、先進的技術を通じてライフサイエンスにおける社会的課題の解決に貢献してまいります。
新たなビジネスモデルとして、コア技術で差別化されたハードウェア(Input/Output)とソフトウェア(Process)を組み合わせたコニカミノルタのサイバーフィジカルシステムとして、ソリューションサービスをお客様に提供してまいります。その一例として、ICTで介護ワークフローを変革する「ケアサポートソリューション」を開発しました。これは、介護施設において入居者の行動を非接触センサーで検知し、介護スタッフにスマートフォンで知らせるとともに、スマートフォンにアプリケーションを追加することで、ケア記録の入力や情報共有といった機能を付加するサービスであり、高齢化社会による要介護者の増加と、生産年齢人口減少による介護スタッフ不足という大きな社会的課題の解決に貢献してまいります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、前連結会計年度比30億円(4.0%)減少の732億円となりました。また、各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は以下のとおりであります。なお、研究開発費については、以下の事業部門に含まれない金額及び基礎研究費用117億円(前連結会計年度比11.3%減)が含まれております。
(注)CDPは、企業や都市の重要な環境情報を測定、開示、管理し、共有するためのグローバルシステムを提供するイギリスの国際的な非営利団体です。

(1)情報機器事業
情報機器事業においては、主に複合機やデジタル印刷システムの情報機器から資材、各種ソフトウェア、システムソリューションに至るまで幅広く研究開発を実施し、個々のお客様の働き方に合わせたクラウド利用サービス、ワークフローソリューションのご提案を合わせて行っております。
当連結会計年度においては、オフィスサービス分野では、「bizhub(ビズハブ)」シリーズにおいてスキャン能力を大幅に強化しました。これにより、大量文書の電子化をより正確により早く安心して効率的にすすめ、スキャンを中心としたワークフロー変革に寄与するとともに、モバイル端末・クラウドサービスとの連携でお客様の業務効率・生産性の向上を実現しました。さらにスキャン能力を強化したA3モノクロ複合機「bizhub 758」を発表。毎分75枚の出力速度で、大規模オフィスにおける大量プリントの高速処理ニーズにも対応しました。
商業・産業印刷分野では、新機能により用途が拡大したデジタル印刷システム「AccurioPress(アキュリオ プレス) C2070」シリーズを開発・商品化いたしました。従来のライトプロダクションプリント(LPP)領域でのユーザーに加えて、用紙対応力を強化して使用用途を広げ、より多様な印刷を志向するユーザーへの展開拡大を図ります。また、色管理ワークフローの効率化のための分光濃度計・測色計を組み合わせたソリューションや、デジタル箔押し機などとの組み合わせにより、「AccurioPress C2070」シリーズにコニカミノルタの総合力をプラスし、生産性の高いワークフロー構築の提案を印刷企業に対して行っていきます。
産業用インクジェットにおいては、インクジェット出力システムとして、従来の捺染印刷(スクリーン印刷)機同様の高い生産性を実現するシングルパス方式を採用した、インクジェットテキスタイルプリンター「ナッセンジャー SP-1」を開発しました。イタリアやポルトガルに続きトルコやフランスでも受注・設置し、お客様の業容拡大に貢献しています。さらにB2サイズの両面印刷を可能にした商業印刷用インクジェットプリンター「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1」を開発。2017年度より本格的に市場展開を始めます。プリントヘッドとインクジェット出力に最適なインク、さらにプリンターの“三位一体”の開発・展開を最大の特長として、拡大し続ける様々なアプリケーション(出力用途)への対応や、各市場からの高画質・高生産性ニーズに対応する研究開発を推進しております。

環境性能面では、再生プラスチックの採用拡大や、業界トップクラスのスリープ待機電力0.5Wを実現しTEC値(注)を従来機から大幅に削減、加えてCO2排出量の大幅な削減等、環境負荷低減に成功し、お客様のTCO(トータル・コスト・オブ・オーナーシップ)削減にも効果的な製品開発を推進しています。
また「エコビジョン2050」達成に向けて、製品開発活動において省エネ技術、軽量化技術、石油由来資源削減技術、高耐久化技術等を開発してまいりました。省エネ技術では、トナーと定着部材の両面から低温定着技術を開発しプリント中の大幅な電力削減に成功、また機器のスリープ状態の低電力技術を用いることで、業界トップレベルの低電力化を実現しました。軽量化技術では、低中速製品の高速化と高耐久化技術を用いて、質量の大きい製品が主流である高速領域において業界トップレベルの軽量化を実現し、省資源に寄与しました。また、石油由来資源削減技術では、プラスチック素材の外装に当社独自のケミカルプロセッシング技術による複合リサイクル素材「再生PC/PET」(PC:ポリカーボネート PET:ポリエチレンテレフタレート)の採用を拡大し、内装にも高配合の再生プラスチック素材の開発と製品採用をスタートし、日常生活で使われる資源の有効利用促進に貢献しました。特に、再生プラスチックの採用は、2015年度発売のA3カラー複合機「bizhub C368/C308/C258」シリーズ以降、採用を拡大し業界トップレベルの再生プラスチック採用率を実現しました。
デザイン面では、新たに商品化したA3カラー複合機の「bizhub C658/C558/C458」においても「bizhub」シリーズの統一デザインコンセプトである「INFO-Palette(インフォ パレット)」を共通に展開し、シリーズ全体での高い操作性を継承しています。操作パネルを従来から大型化することで、さらなる見やすさ、使いやすさの向上に努めています。
ユニバーサルデザインの観点においても、モバイル端末からの遠隔操作や操作パネルのカラーユニバーサルデザインなどのソフト面と、給紙カセットの上下アクセス可能などのハード面の取り組みを従来から継続し、オフィスで働く様々なユーザーに配慮しています。
また、プロダクションプリンターのエントリーマシンである「bizhub PRO 1100」と、インクジェットテキスタイルプリンターの「ナッセンジャー SP-1」が、2016年のグッドデザイン賞を受賞しました。いずれの製品も、高い操作性や合理的で無駄のない外観形状が高く評価されております。
(注)TEC値とは「Typical Electricity Consumption」の略で、財団法人省エネルギーセンターの「国際エネルギースタープログラム」に適合するための基準となる値です。

当事業に係る研究開発費は、前連結会計年度比8億円(1.9%)減少の433億円となりました。

(2)ヘルスケア事業
ヘルスケア事業においては、主にデジタルX線画像読取装置(CR:コンピューテッドラジオグラフィー)「REGIUS(レジウス)」シリーズ及びフラットパネルディテクタ(FPD)搭載のデジタルX線撮影装置(DR:デジタルラジオグラフィー)「AeroDR(エアロディーアール)」のラインナップ拡充や電子カルテ、情報システムと連携した医療機関のIT化を図るシステムソリューションビジネスの強化に加え、超音波画像診断装置シリーズの拡充等により、大規模病院と地域の診療所等との医療連携、地域連携の実現やヘルスケア事業の中長期的拡大を図る研究開発を実施しております。
当連結会計年度においては、2011年の発売以来多くの医療現場で高い評価をいただいておりますワイヤレスタイプカセッテ型DR「AeroDR」シリーズのフラッグシップモデルとなる、「AeroDR fine(エアロディーアール ファイン)」(14×17インチサイズ)を発売いたしました。「AeroDR fine」は、センサーパネルの画素サイズ100μmを実現することで、世界最高レベルの解像度を達成しました。これにより手指骨画像などの微細構造を高い解像度で得ることができ、診断精度の向上に寄与いたします。また低線量化(当社従来モデル比25%の削減)による患者様の被曝リスクの低減、軽量化(2.6kg)やカセッテ背面全周への凹み部設置などによる作業性の向上といった価値をお客様にご提供いたしました。
また、当社開発中の技術「Dynamic Chest Radiography(ダイナミック胸部X線撮影)」を用いた研究成果が世界最大級の放射線医学の国際学会「Radiological Society of North America (RSNA) 2016 : 102nd Annual Meeting(第102回北米放射線学会)」にて2件報告され、最高賞である「Magna Cum Laude award」と「Certificate of Merit award」を、それぞれ受賞しました。「ダイナミック胸部X線撮影」は、大視野の動画対応FPDを用いて胸部の連続画像を撮影する技術で、取得された連続画像から呼吸器や循環器の動的な形態情報が得られるだけでなく、肺換気や血流動態に関連する情報も得ることができます。CTやMRIと比較し、日常生活での体勢(立位や座位)での情報取得が可能、低コストである等のメリットがあり、製品化に向けて引き続き技術開発を進めてまいります。
サービス・ソリューション分野では、「連携BOXサービス」、「遠隔読影支援サービス」等の機能を有するICTサービスプラットフォーム「infomity(インフォミティ)」の機能向上開発を継続的に行いました。また製薬会社や医療機関にてイメージングを専門とした臨床試験支援にご利用いただける「臨床試験支援サービス」を実現する「Trial BOX」の販売を開始するなど、ラインナップの拡充を図りました。
超音波画像診断装置では、ハンドキャリー型で最高レベルの分解能を実現した超音波画像診断装置「SONIMAGE(ソニマージュ) HS1/HS1 PRO」及び「SNiBLE(スナイブル)」に、新たに4種類のプローブをラインアップに加えるバージョンアップを行いました。これによって、プローブ交換することなく浅部の組織から深部までが診断可能となる、手の指など細かい組織が診断しやすくなる、鎖骨近傍など狭い隙間からの広い画像描出による診断が可能となる等の特長が加わりました。「SONIMAGE HS1」シリーズの高機能を実現する超広帯域高感度リニアプローブと、高次高調波を用いた広帯域ハーモニックイメージング技術に対して、日本超音波医学会より第16回技術賞を受賞いたしました。
今後も、医療用画像分野において最先端の技術開発に挑戦し、質の高い製品・サービス・ソリューションを通じてお客様へ新たな価値をご提供できるよう取り組んでまいります。
当事業に係る研究開発費は、前連結会計年度比3億円(7.3%)増加の51億円となりました。

(3)産業用材料・機器事業
機能材料分野においては、液晶画面の基幹部材となる偏光板用TACフィルムについての薄膜化や視野角拡大といった高機能化・多機能化に関する研究開発や、材料技術を生かした機能性フィルム(バリアフィルム等付加価値製品)及び有機素材の研究開発を実施しております。また当連結会計年度におきまして、パイオニア株式会社と当社の強みを集結させ有機EL照明事業の立上を図るべく有機EL照明事業に係る合弁会社の設立に合意し、契約を締結しました。
産業光学システム分野における計測機器においては、これまでディスプレイ・光源色測定におけるトップメーカーとして、高品質な製品を提供してまいりました。当連結会計年度においては、自動車の外装色の測定に適したマルチアングル分光測色計「CM-M6」、内装の測定に特化した分光測色計「CM-25cG」を発売いたしました。ドイツのInstrument Systems社からは分光器CASシリーズにおいて新型機CAD-140Dを発表、アメリカのRadiant社からはディスプレイの視野角特性測定用のコノスコープレンズの追加発売を行い、主たる測定分野において、さらなる製品拡充を図りました。
光学機器においては、長年培ってきたコンポーネント技術やユニット技術を活用した、車載関連・光通信関連などの新規事業の創出に向けた取組みを本格化させております。また、世の中でニーズが高まっている安全運転支援に向け、車のフロントガラスに三次元で運転手に必要な情報を表示する、世界初3D AR HUD (三次元拡張現実ヘッドアップディスプレイ)を開発いたしました。車に限らず、あらゆる移動体での安全運転支援ソリューションの提供を目指してまいります。
当事業に係る研究開発費は、前連結会計年度比10億円(7.3%)減少の130億円となりました。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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