有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100L2B8 (EDINETへの外部リンク)
株式会社HANATOUR JAPAN 事業等のリスク (2020年12月期)
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針でありますが、全てを回避できる保証はありません。
さらには、リスクの全てを網羅しているものではなく、記載には不確実性を内包し、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 全社的なリスクについて
① 経済状況等の影響について
当社グループの事業は、国内外の景気動向及び為替や燃料価格の動向等の経済情勢の影響を受けやすく、これらの経済情勢の変化により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。② 自然災害・国際情勢等の影響について
わが国では、観光を成長戦略として位置づけ、その重点施策としてインバウンドの増大を図ってきた結果、訪日外国人数は着実に数値を伸ばし、日本政府観光局発表によると2019年には訪日外国人旅行客は、前年比2.2%増の3,188万人に達しております。当社グループは、今後もインバウンドの増大が続くものと想定しておりますが、わが国又は海外における戦争・紛争・テロの発生、感染症の流行、大規模地震や台風等の自然災害、事業対象国との外交関係の悪化による訪日外国人客の減少等の場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、予期せぬ自然災害や事故等が発生した場合、被災地等において多額の設備復旧費用や対策費用等が発生することにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報システムの障害について
当社グループにおいては自社開発した宿泊施設販売予約管理システム、観光地の入場券や交通パス等の販売予約管理システム、内部管理業務においても情報システムを使用する他、当社においては親会社であるHANATOUR SERVICE INC.が運用するホテル販売予約管理システムや旅行商品等の精算管理システムを活用しております。これらの情報システムに関連して通信ネットワークやプログラムの不具合や、コンピューター・ウィルス、ハッカーによる妨害などによる重大な障害が生じた場合、当社グループの業務に重大な支障をきたす可能性があります。また、障害の規模によっては多額の修復費用が発生するなど、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。④ 個人情報の管理について
当社グループでは、各事業において個人情報を保有しており、個人情報漏洩防止に関して個人情報保護に関する法令を遵守すると共に、個人情報保護規程を定め、個人情報の管理に十分留意しております。しかしながら、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 法的規制について
当社グループが行う事業につきましては、以下の法令等による規制を受けております。当社グループは、社内の管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、今後、これらの法令等の解釈の変更及び改正が行われた場合、若しくは、当社グループが行う事業を規制する法令等が新たに制定された場合には、事業内容の変更や新たなコスト発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが取得している以下の許認可(登録)につき、本書提出日現在において、事業主として欠格事由及びこれらの許認可(登録)の取消事由に該当する事実はないことを認識しておりますが、今後、欠格事由又は取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消等の事態が発生した場合には、当社グループの業務に支障をきたすとともに、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
イ.当社グループの事業活動に関係する主な法的規制
事業 | 主な法令 |
全社 | 個人情報の保護に関する法律 |
旅行事業 | 旅行業法、旅館業法 |
バス事業 | 旅行業法、道路運送法、消費者契約法 |
ホテル等施設運営事業 | 旅館業法、消防法、廃棄物の処理・清掃に関する法律、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律、食品衛生法、特定商取引に関する法律 |
ロ.当社グループの取得している免許・登録等
会社名 (事業所名) | 許認可の名称 | 許認可の内容 | 規制法 | 有効期間 | 取消事由 |
当社 (本社) | 第一種旅行業登録 | 観光庁長官 旅行業1773号 | 旅行業法 | 2025年10月30日 | 同法第19条 |
㈱友愛観光バス (各事業所) | 一般貸切旅客自動車 運送事業許可 | 近畿運輸局長 近運旅一第1533 | 道路運送法 | 2021年8月30日 | 同法第40条 |
㈱友愛観光バス (各事業所) | 一般貸切旅客自動車 運送事業変更認可 | 近畿運輸局大阪陸運支局長 近畿大旅第10039号 関東運輸局東京運輸支局長 東運輸1429号 北海道運輸局長 北自旅一第377号 九州運輸局長 九運第一号545号 内閣府沖縄総合事務局長府 運陸交第8号 | 道路運送法 | 2021年8月30日 | 同法第40条 |
㈱友愛観光バス (大阪事業所) | 一般乗用旅客自動車 運送事業許可 | 近畿運輸局長 近運自第519号 | 道路運送法 | ― | 同法第40条 |
㈱アレグロクス TMホテルマネジメント (Tmark City ホテル札幌) | 旅館業営業許可 | 札幌市保健福祉局医務監 札保環許可(旅)第17号 | 旅館業法 | ― | 同法第8条 |
㈱アレグロクス TMホテルマネジメント (Tmark City ホテル札幌) | 飲食店営業許可 | 札幌市保健福祉局医務監 札保食許可(食)第1431号 業種別番号(飲食店) 第159号 | 食品衛生法 | 2024年1月31日 | 同法第55条 |
㈱アレグロクス TMホテルマネジメント (Tmark City ホテル東京大森) | 旅館業営業許可 | 東京都大田区保健所長 保生還第72号 | 旅館業法 | 同法第8条 | |
㈱アレグロクス TMホテルマネジメント (Tmark City ホテル東京大森) | 飲食店営業許可 | 東京都大田区保健所長 保生食ほ第155号 | 食品衛生法 | 2025年6月30日 | 同法第55条 |
㈱アレグロクス TMホテルマネジメント (Tmark City ホテル札幌大通) | 旅館業営業許可 | 札幌市保健福祉局医務監 札保環許可(旅)第44号 | 旅館業法 | 同法第8条 | |
㈱アレグロクス TMホテルマネジメント (Tmark City ホテル札幌大通) | 飲食店営業許可 | 札幌市保健福祉局医務監 札保食許可(食)第1384号 業種別番号(飲食店) 第177号 | 食品衛生法 | 2027年1月31日 | 同法第55条 |
⑥ 訴訟発生リスク
当社グループでは、コンプライアンス経営の重要性を認識しており、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。今後も従業員に対し教育を継続して行い、コンプライアンス経営を推進して参りますが、当社グループの事業遂行上、様々な訴訟発生リスクがあります。訴訟等の内容及び結果によっては当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在で、訴訟の発生はありません。
⑦ 特定の経営者への依存について
当社の事業推進役である代表取締役李炳燦は、旅行業界における豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、当社グループの事業活動全般にわたって重要な役割を果たしています。当社グループでは、過度に同氏に依存しないよう、経営幹部役職員の拡充、育成及び権限委譲による業務執行体制の構築等により、経営組織の強化に取組んでおりますが、何らかの理由により同氏による当社グループの業務遂行が困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。⑧ 有利子負債について
当社グループは、バス事業やホテル等施設運営事業において必要となる設備投資資金等の一部を金融機関からの借入金により調達し、一部をリース契約、割賦購入契約にて設備投資しております。当連結会計年度末における当社グループ連結総資産額に占める有利子負債残高(社債、借入金、リース債務、割賦購入による未払金)の割合は79.1%の水準でありますが、市場金利が上昇する等に伴い支払利息等が増加し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。⑨ 保有資産の価値について
当社グループの免税販売店事業において保有する棚卸資産は、今後の経済状況、需給動向の関係によりその資産価値が下落した場合には、簿価の切下げが行われ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、バス事業やホテル等施設運営事業等において保有する固定資産は、今後の収益低迷や時価下落等の状況に陥り、キャッシュ・フローの創出能力が低下した場合には、減損損失を計上することとなり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。⑩ 親会社との関係について
2020年12月末現在、親会社であるHANATOUR SERVICE INC.は当社の議決権の51.6%を保有しております。HANATOUR SERVICE INC.(韓国取引所及びロンドン証券取引所上場)は、韓国国内において旅行業を展開しており、韓国国内外において、旅行手配業を営む現地法人や旅行関連事業を営む関連会社等、全世界に26拠点を擁しております。当社グループの旅行事業では、韓国や東南アジア等の日本国外からの訪日旅行者向けに、日本国内ツアーにおける宿泊施設や交通機関等の手配業務等を行っており、2020年12月期の旅行事業における取扱高のうち約26.5%が親会社グループに対するものです。
現在、親会社グループにおいて、日本向けツアーの手配業務を行う企業はなく、当社グループとHANATOUR SERVICEグループ各社との間には、特に制約はなく事業の棲み分けがなされ、競合関係もありません。また、親会社グループが募集する日本向けツアーに係る手配業務は、一部の中高価格帯商品を除いて、当社及び当社と競合する複数の旅行手配業者との競合を経て選定されております。将来的に、親会社グループにおける事業の棲み分けが変更となるなど、経営方針の変更が生じ、それによる親会社グループ会社の事業展開方針に変更が生じた場合、或いは何らかの理由によりHANATOURブランドの毀損等が生じ集客力に影響が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2020年12月期において、親会社グループが募集する訪日ツアーにおける親会社との取扱高は223百万円(連結取扱高の約13.5%)、及び同ツアーに付随する観光施設等の送客手数料収入等が7百万円であり、親会社が募集する訪日ツアーに関連した当社の取扱高は230百万円(連結取扱高の約14.00%)となっております。
イ.資本関係について
当社は、自らの経営責任を負って独立した事業経営を行っておりますが、当社の親会社であるHANATOUR SERVICE INC.は当社の議決権の51.6%(2020年12月末現在)を所有しており、当社は同社の連結子会社となっております。当社の経営判断において親会社の承認を必要とする取引や業務は存在しませんが、親会社は当社の株主総会における取締役の任免等を通じて当社の経営判断に影響を及ぼし得る立場にあることから、議決権の行使にあたり、親会社の利益は、当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。また、親会社の経営方針の変更や経営状態の悪化等により、当社グループと問題が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。ロ.親会社グループとの取引条件変更によるリスク
当社グループと親会社グループとの取引については、親会社グループが募集した訪日ツアーについて、日本国内における宿泊施設や交通機関の手配、及び各種観光施設等の旅行商品の手配・提供を行い、それに対する対価を当社は得ております。親会社グループが募集する訪日ツアーには、主に標準的価格の一般ツアー商品と、中高価格帯のツアー商品の2種類があり、一般ツアー商品の取引条件は、当社以外の旅行手配業者と同様の条件で決定しております。他方、中高価格帯商品はHANATOUR SERVICEグループのブランド戦略の一環として提供されている商品であり、当社と親会社との間で合意された条件(ツアー全体から得られる利益の額を親会社75%、当社25%の比率により配分)に基づき、取引を行っております。なお、2020年12月期における親会社グループが募集した訪日ツアーのうち中高価格帯商品の売上高は3百万円(連結売上高の約0.3%)、及び当該ツアーに付随する観光施設等の送客手数料収入等が208千円となっております。
上記取引は、「旅行商品代金に関する覚書」に基づいて履行されており、当該覚書には利益の配分割合の他、条件の見直し、及び1ヶ月前の予告による解約等が定められております。当社は、親会社グループとの取引きを今後も継続する方針でありますが、取引条件の妥当性については、取締役会において半期に一度、他社との取引条件等を比較しその適正性等を様々な観点から検証を行なった上で、検証の結果、当社にとって不利益となる場合は条件の見直し、解約を親会社と交渉を行う予定であります。本書提出日時点において親会社との取引方針や取引条件に変化は生じておりませんが、今後の交渉により取引条件が変更となった場合、又は親会社の経営方針の変更により取引条件に変更が生じた場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度における親会社との主な取引内容は、下表のとおりであります。
種類 | 会社等の名称又は氏名 | 所在地 | 資本金又は出資金 | 事業の内容又は職業 | 議決権等 の所有 (被所有) 割合(%) | 関連当事者との関係 | 取引の内容 | 取引金額 (千円) | 科目 | 期末残高 (千円) |
親会社 | HANATOUR SERVICE INC. | 大韓民国 | 6,969,592 千ウォン | 旅行仲介業 | (被所有) 直接 51.6 | 旅行商品の売上 | 旅行商品の売上 | 220,310 | 売掛金 | ― |
(注) 上記の金額のうち、取引金額は取扱高にて表示しております。
ハ.親会社グループとの人的関係
2020年12月末現在、当社取締役6名のうち2名が親会社であるHANATOUR SERVICE INC.の役員を兼任しております。当該兼務については、当社が、上場会社グループにおける知見の活用及びコーポレート・ガバナンス体制の強化を主な目的として招聘したものであり、兼任している役員は以下のとおりであります。
なお、HANATOUR SERVICE INC.への出向者及びHANATOUR SERVICE INC.からの受入出向者はおりません。
当社における役職 | 氏名 | 親会社における役職 |
取締役 | 權 相鎬 | HANATOUR SERVICE INC.専務理事 |
取締役 | 金 爀振 | HANATOUR SERVICE INC.専務理事 経営企画本部長 |
⑪ 人材の確保について
当社グループでは、優秀な人材を確保することが重要だと考えております。このため、今後も優秀な人材の採用、適正な人材配置及び労働環境の整備等により優秀な人材の確保を図ってまいりますが、雇用情勢の変化等より、計画通りに人材が確保できない場合には、事業活動に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。⑫ 為替変動に関するリスクについて
当社グループは旅行商品の中でも海外からのインバウンド旅行の取扱いを主力事業としており、一部の旅行代金の決済、免税品の販売に際し外貨建の取引を行っていることから為替変動リスクに晒されております。また、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社の財務諸表を円貨換算しており、為替変動により期間損益の円貨換算額が増減するリスクが存在します。これらの為替変動リスクは、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、旅行事業においては、ウォンに対して円高となった場合、売上高のうち外貨建ての部分について円貨換算後の売上高が減少し売上総利益が減少いたします。また、円高となった場合、旅行代金が値上がりし海外旅行の申込みが低調となる傾向があることから、当社グループの業績にマイナスの影響が生じる可能性があります。反対に、ウォンに対して円安となった場合は円貨換算後の売上高が増加し売上総利益が増加するとともに、旅行代金が値下がりして海外旅行の申込みが増加する傾向にあることから、当社グループの業績改善につながる可能性があります。
⑬ 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識しております。剰余金の配当については、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と財務基盤の強化のための内部留保とのバランスを保ちながら、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当の実施を基本方針としております。しかしながら、当社グループの事業が計画どおりに進展しない場合、業績が悪化した場合、成長へ向けた投資に備え内部留保を優先する場合など利益配当が行えない可能性があります。(2) 旅行事業に関するリスクについて
① 韓国からの旅行客の影響について
当社グループにおいては取扱旅行客のおよそ半数が韓国からとなっております。従って、韓国における政治・経済情勢・外国為替相場などの変動に大きな影響を受けます。今後、韓国において予期しえない法規制の変更、自然災害、テロ、戦争による政治・社会不安・景気の悪化などにより旅行に対する意欲が減退する等の外部環境の変化が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。② インターネットを活用した直接販売の進展による影響
当社グループは宿泊施設から滞在サービスを、また現地のオプショナルツアー催行会社等から現地発着ツアーやアクティビティ等をそれぞれ仕入れて販売しておりますが、近年のインターネットの発達に伴い、宿泊施設やオプショナルツアー催行会社等が消費者に直接販売する例が増えてきています。これらの旅行商品を旅行者自らが組み合わせて旅行することも可能ですが、当社グループは、FIT(注)向け商品の拡充、販売促進、ホテル販売や各種チケット類の販売のオンライン化をすすめていること、及び、個々の旅行商品の特長や現地事情に応じて旅行商品を組み合わせることでより充実したツアーを企画する等、直接販売では提供できない付加価値を提供して今後も売上及び利益の成長を図ってまいります。しかしながら、このような旅行商品の直接販売の進展に伴い、直販商品の購入を選好する旅行者が増えた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。(注) 個人旅行、個人手配による旅行
③ 競合他社の影響について
旅行事業においては、国内外の旅行各社と競合関係にあります。また、旅行業そのものが元来参入障壁が低いことから、これまで旅行事業を行っていなかった企業や新興のベンチャー企業が、新規事業として業界の通例にない技術やビジネスモデルを用いて旅行業界に参入する可能性があります。さらには、一般個人が旅行者に宿泊施設を提供するといった消費者同士が直接取引を行う「C to C」の仕組みのように、従来の旅行業界の枠組みを離れた動きもみられます。
こうした競争が当社グループが想定している以上に激化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 新規事業展開について
旅行事業では、今後さらなるインバウンドの取り込みを目的として海外に新たに拠点を設けることを計画しておりますが、安定して収益を生み出すには、一定の時間がかかることが予想されるため、結果として当社グループ全体の収益が一時的に悪化する可能性があります。また、これらの事業が必ずしも当社グループの目論見どおりに推移する保証はなく、その場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。(3) バス事業に関するリスクについて
① 競合他社の影響について
バス事業においては、パッケージツアーから個人で旅行を楽しむお客様が増加することで競合他社との価格競争に陥る可能性があります。今後当社グループが想定している以上に競争が激化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは価格競争に陥った場合であっても、国の定める法定下限料金はこれまで通り遵守してまいります。
② 人材の確保について
バス事業においては、乗務員を確保するため積極的な採用活動をしておりますが、当社グループが求める人材・労働力の確保が計画通りに進捗しない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。(4) 免税販売店事業に関するリスクについて
① 競合他社の影響について
免税店事業においては、インバウンド市場の拡大に伴う異業種からの新規参入や既存小売店の免税ビジネスの強化により競争が激化しております。今後当社グループが想定している以上に競争が激化した場合や、当社グループの商品戦略が顧客に支持されなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) ホテル等施設運営事業に関するリスクについて
① 競合他社の影響について
他業種からの新規参入や民泊に対する規制緩和等、多様化する消費者のニーズに対応すべく宿泊サービスも多様化が進んでおり、業界内の競争は激化しております。今後当社グループが想定している以上に競争が激化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 新規事業展開について
ホテル等施設運営事業に関しては、国内で新たなホテルの運営受託計画があります。物件はリース形式であるため、自社での取得よりも初期投資額は抑えられますが、安定して収益を生み出すには、一定の時間がかかることが予想されるため、結果として開業費用等により当社グループ全体の収益が一時的に悪化する可能性があります。また、これらの事業が必ずしも当社グループの目論見どおりに推移する保証はなく、その場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。(6) その他のリスクについて
① 海外事業に関するリスクについて
当社グループの海外事業は、海外からのインバウンド客をより一層取り込むために海外拠点のネットワーク網を構築中でありますが、国際政治や経済状況、投資や競争などに関する法的規制、商習慣の相違、労使関係など、さまざまな要因の影響下にあり、これらのリスクが顕在した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社は2017年1月にベトナムのホーチミンにITシステム開発会社としてHANATOUR JAPAN SYSTEM VIETNAM COMPANY LIMITEDを設立し、同社において各種旅行商品に関するシステム開発、及びグループ内のITインフラ整備等を進めておりますが、計画通りにシステム開発が進捗しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 資金使途について
2017年12月に当社が行った公募増資による調達資金の使途につきましては、ITインフラの整備や新規マーケットの開拓等のための投資、バス増車やホテル新設に係る子会社への投資等に充当する予定です。しかしながら、当社グループが属する旅行業界は団体旅行から個人旅行へのシフト等変化が激しく、その変化に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途に充当する可能性もあります。また、計画通りに資金を使用したとしても、期待通りの効果を上げられない可能性があります。
このような場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 新型コロナウィルス肺炎の感染拡大による事業リスクについて
新型コロナウイルス感染症拡大による事業リスクについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 対処すべき課題 ① 新型コロナウイルス感染症拡大への対応」 をご参照ください。
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