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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009Y9T

有価証券報告書抜粋 株式会社カイオム・バイオサイエンス 事業等のリスク (2016年12月期)


対処すべき課題メニュー研究開発活動

当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項および本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
1.事業環境に由来するリスクについて
(1) 抗体医薬品市場について
2014年11月現在、欧米で上市されている治療用抗体は47品目あり、年平均4品目が上市されている最近の動向から2020年には約70品目に達するとの予測もあることから、抗体医薬品市場は安定的に成長するものと見込んでおります(mAbs, 2015; 7(1):9-14)。しかしながら、各種疾患のメカニズムや病態の解明により、疾患特異的に作用する分子標的薬の開発、低分子特有の副作用を軽減するために疾患部位に薬を送り届けるデリバリーシステムの開発等との競合により想定どおりに市場が拡大しない場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。また、2013年11月に制定された再生医療関連法や改正薬事法等による再生医療による治療の普及等も抗体医薬品市場に影響を与える1つの要因と言えます。
(2) 技術革新について
完全ヒトADLib®システムは、治療・診断用途に適したヒト抗体を数週間で作製することを可能とするものであり、将来的なビジョンとして「パンデミック等の新興感染症の発生に即応し、安全で有効な抗体を迅速に提供すること」や「患者様から疾患に関連する細胞や組織の提供を受け、最適な抗体を迅速に作製・選択するオーダーメイド医療を実現する」等に対応することを描いております。しかしながら、急激な技術革新等により医薬品開発分野での競合優位性が保持できない場合、また、必要な技術進歩を常に追求するために想定以上の費用と時間を要する場合は、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 他社との競合について
競合他社が同じターゲットで優れた機能をもつ抗体を創出した場合は、導出候補先である製薬企業等へのライセンスアウト活動が容易でなくなる可能性があります。また、複数の同業他社の参入に伴いアライアンス活動の競争が激化し当社事業の優位性に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 海外取引について
当社は、主に製薬企業等を対象として創薬基盤技術やリード抗体を紹介し、取引開始に向けた営業活動を行っております。今後、当社の海外における事業展開が進展し、海外の製薬企業等との取引規模が拡大した場合、海外における法的規制や商取引慣行等により、当社の事業展開が制約を受ける可能性があります。また、外貨預金においては、急激な為替相場の変動が生じた場合、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

2.事業内容に由来するリスクについて
(1) 知的財産権について
当社は、研究開発活動等において当社が所有し又は使用許諾を受けた様々な知的財産権を使用しています。当社が創製した技術等について、当社の知的財産権を侵害されるリスク又は当社が他社の知的財産権を侵害してしまうリスクがあります。こうしたリスクに対応するために、積極的かつ速やかに特許出願等を行うことで排他性の確保を図るとともに、特許情報データベース等を活用して情報収集を行い、当社特許権の侵害および他社関連特許権の早期発見・対応に努めております。すでに基盤技術特許は国内外で成立しておりますが、第三者の特許の存在により特許侵害訴訟を提起された場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の技術への依存について
当社は、理研と創薬基盤技術であるADLib®システムに関する特許ライセンス契約を締結し、積極的な研究開発により技術改良を行いながら事業を展開しておりますが、競合他社が画期的な技術で先行した場合や特許期間が満了した場合、また、当社の技術が他の安価な技術で代替できる場合や技術自体が陳腐化した場合、あるいは当社の技術改良の対応が遅れた場合は、当社の技術優位性が低下し、事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 特定の取引先への依存について
当社は、中外製薬グループと抗体医薬品開発にかかる共同研究契約及び委託研究取引基本契約を締結しており、当事業年度における当社の売上高に占める同社グループの割合は高い水準となっております。当社では事業の核となるADLib®システムの更なる技術改良を推進し、付加価値を向上させることで、その他製薬企業等から収益を獲得しながら、各クライアントとの良好な取引関係を維持・継続していく方針であります。しかしながら、中外製薬グループの経営方針の変更による委託業務量の減少や契約条件の変更、本契約の解除等が生じた場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 複数の製薬企業との関係について
当社が製薬企業と共同研究契約を締結する場合、当該契約が定めるターゲットに重複が生じないよう配慮しておりますが、研究内容によっては、部分的に重なりが発生する可能性も考えられます。その結果、当社がどちらか一方の企業との共同研究の機会を喪失することで当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 提携先に影響されるリスク
当社は、治療用抗体創出のため戦略的アライアンス推進の一環として共同研究での補完関係を前提とした事業を推進しております。しかしながら、提携先の技術および研究開発の進捗に大きな差が生じた場合、また経営不振や経営方針の変更があった場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 収益計上について
契約の締結時期、医薬品開発の進捗状況、医薬品販売開始時期等の遅れによる収益上の期ずれ、また何らかの事由により医薬品開発、販売が中止となる場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 事業計画の主な前提条件について
① 既存提携先との提携事業の確実な推進
当社は、既存提携先との継続的な事業提携を基盤として事業計画を策定しております。しかしながら、当社の想定どおりに事業提携が進捗しない場合、あるいは想定していた成果が得られない場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
② 取引先数及び契約締結数の増加
当社は、複数の製薬企業への継続的な導出活動による契約獲得を目指し、事業計画を策定しております。当社の事業特性として、契約金額が計画を下回る場合、契約締結時期が計画よりも遅れる場合、計画している契約が締結できない場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 当社の創薬基盤技術に関する研究開発の進捗
当社は、ADLib®システムのバージョンアップをはじめとした研究開発活動の進捗を前提として、事業計画を策定しております。しかしながら、研究開発活動を中断せざるを得ない場合、研究開発に想定以上の開発コストがかかる場合、あるいは研究開発から想定どおりの成果が得られない場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 減損会計について
当社は事業用の有形・無形の固定資産を保有しておりますが、経営環境や事業の著しい変化などにより事業計画が想定どおり進まない場合や価値の低下があった場合、減損会計の適用により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

3.医薬品開発の不確実性に由来するリスク
一般に医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要するだけでなく、その成功確率も他産業に比して著しく低い状況にあります。研究開発の初期段階において有望だと思われる化合物や抗体であっても、非臨床試験や臨床開発の過程で有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止を行なうことがあり、投資した資金の回収に影響を及ぼします。また、開発を中止した場合には、それまでに投じた研究開発資金を回収できなくなります。さらに、当社が参画する医薬品業界は、研究、開発、製造および販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法およびその他の関連法規等により、様々な規制を受けております。当社は医薬品医療機器等法をはじめとする現行の法的規制および医療保険制度、それらに基づく医薬品の価格設定動向等を前提として事業計画を策定しています。しかしながら、当社が開発を進めている抗体が現実に医薬品として上市されるまでの間、これらの規制や制度・価格設定動向等が変更される可能性もあります。もしこれらに大きな変更が発生した場合には、当社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

4.その他のリスク
(1) 小規模組織であること
当社は小規模な組織であるため、研究開発体制および社内管理体制もこの規模に応じたものとなっております。このような限られた人材の中で、業務遂行上、取締役および幹部社員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分が大きいため、当社の業容の拡大に応じた人員の増強や社内管理体制の充実等を図っております。しかしながら、一部の取締役および執行役員の退職により事業活動に不備が生じた場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります
(2) 特定の人物への依存について
当社の事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員に強く依存しています。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、このような人材確保又は育成が計画通りにいかない場合は、当社の財政状態および経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
(3) 社歴が浅いことについて
当社は社歴が浅い会社であるため、業績の期間比較を行うための十分な財務数値が得られておりません。従って、過年度の経営成績および財政状態だけでは、今後の当社の業績を判断する材料としては十分な期間とは言えないと考えております。将来、当社が開発・導入した医薬品の上市により事業収益を計上し、利益を確保する計画ですが、現時点までに製品売上による事業収益はありません。
(4) マイナスの繰越利益剰余金の計上について
当社は、創業時よりADLib®システムを利用した医薬品開発のための研究開発活動を重点的に推進してきたことから、多額の研究開発費用が先行して計上され、創業以来当期純損失を計上し、当事業年度末における繰越利益剰余金額はマイナスであります。当社は安定的な利益計上による強固な財務基盤の確立を目指しておりますが、事業が計画どおりに進展せず、当期純利益を計上できない場合には、マイナスの繰越利益剰余金が計画どおりに解消できない可能性があります。
(5) 資金調達について
当社では、研究開発活動における成果創出のため多額の研究開発費が先行して計上され、継続的な営業損失が生じております。今後も事業運転資金や研究開発投資および設備投資等の資金需要が予想されます。製薬企業等とのアライアンスによる収益や新株予約権の権利行使等によるキャッシュインおよび人件費や研究開発活動にかかる投資活動等のキャッシュアウトを見込んだ資金計画を策定しておりますが、充分な事業活動資金を確保できない場合には、当社の事業継続に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 新株式の発行による株式価値の希薄化について
当社は資金調達を目的とした増資や新株予約権行使による新株式の発行を機動的に実施していく可能性があります。新株式の発行は当社の事業計画を達成する上で合理的な資金調達手段であると判断しておりますが、発行済株式総数が増加することにより、当社株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。当社は役職員に対して新株予約権を付与しており、今後も優秀な人材の採用や役職員の業績向上に対する意欲を高めるインセンティブとして活用し、当社の中長期的な企業価値の向上を図ることを目的として新株予約権を付与していくことを予定しております。
(7) 営業機密の漏洩について
当社における事業では、当社は顧客である製薬企業等からの情報を預かる立場にあります。従いまして、当社は役職員との間において顧客情報を含む機密情報に係る契約を締結しており、さらに退職時にも個別に同様の契約を締結し顧客情報を含む機密情報の漏洩の未然防止に努めております。また、抗原名をプロジェクトコード化した社内共通言語を用いた顧客情報管理を実施するとともに、顧客情報へのアクセス制限も行っております。しかしながら、万一顧客の情報が外部に漏洩した場合は、当社の信用低下等により当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 自然災害等の発生について
当社は、東京都渋谷区および川崎市宮前区に研究所を設置しており、事業活動や研究開発活動に関わる設備および人員が各研究所に集中しております。そのため、各研究所の周辺地域において、地震等の自然災害、大規模な事故、火災、テロ等が発生し、当社が保有する抗体ライブラリの滅失、研究所設備の損壊、各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生した場合、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

対処すべき課題研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E26096] S1009Y9T)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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