有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AIMK
ダイキョーニシカワ株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
現在、自動車業界では2025年のCO2規制や安全性向上のため、低燃費エンジン、HV・PHV・EV車の導入や運転補助技術の開発を進めております。また、車と外部の情報通信、自動運転技術等の開発も業界の重要な動向となっております。それらの業界の動向に対して当社は、軽量化によるCO2排出量削減、樹脂と電装デバイスの融合での操作性・快適性向上による安全性の向上、およびそれらを支える独自技術の深化により、心地よいくるま社会に貢献してまいります。
当社においてはR&D本部、開発本部、技術本部が中心となり、材料、加工技術、構造設計等の要素技術の研究から新製品開発まで、一貫した研究開発活動を行っております。また、関係会社との連携体制としては、加工技術分野の金型、機械、治具等の研究開発は主に子会社のデック株式会社と共同で行い、構造設計分野におけるCAD設計・CAE解析の研究開発は主に子会社の帝恩汽車部件(上海)有限公司、GP Daikyo Korea Corporationと共同で行っております。その他、材料研究においては、大学、研究機関、外部企業と幅広い共同研究活動を行っております。
当連結会計年度における当社の研究開発費の総額は3,212百万円であり、主な研究開発の活動内容は下記に記載しております。また、当社グループは当社の開発戦略に基づき、日本を中心とした研究開発活動を行っており、この研究開発費につきましては、90%以上が日本セグメントであることから、一括して記載しております。
(1) 軽量化開発
当社は、エンジン部品であるオイルストレーナー、インテークマニホールド、シリンダーヘッドカバー、エンジンカバー等の樹脂化により軽量化と機能向上を実現してきましたが、更なるエンジン部品の軽量化ニーズに対応する開発を実施しております。その一例としては、耐熱性の高いポリアミド樹脂と当社の開発した高発泡工法を使い、従来品に比較して約30%の軽量化を達成し、エンジンカバーの技術進化を確立しました。更なるエンジンの軽量化として、高強度・高耐熱が要求される部品の樹脂化を推進しております。
また、樹脂発泡技術は内装トリム、トランクトリム部品、ドアーモジュールパネル、空調ダクト等に展開し、約25%の軽量化を達成しました。適用製品の拡大を目指して更なる高発泡・高外観工法の開発を推進しております。
ボディ部品領域においては、下記(3)の内製ブレンド樹脂材料、独自成形工法を用いてバックドア、フューエルリッド、ルーフなどの新規の樹脂化開発を実施し、スチールに比較して約30%の軽量化とともにコスト低減を達成し、軽自動車および小型車種に搭載されています。現在は、更なる車種展開の為、機能向上と原価低減への取り組みを実施しております。
(2) 樹脂と電装デバイスの融合
当社は樹脂成形技術と電装技術を融合させ、デザイン性や安全性を向上させる表示装置、樹脂フューエルリッドを進化させ電装技術と融合した多機能給電口などを開発し、自動車メーカーへの提案を行っております。また、電装関連部品として、自動車メーカー各社の次世代エンジン、HV・PHV・EV車に装着されるバッテリー部品において、車の航続距離の延伸のため、自動車メーカーや電池メーカーと小型蓄電デバイスの軽量化開発を行い、多数の車種に搭載されております。現在は、新たな軽量化技術として大型バッテリーパックの樹脂モジュール開発に取り組んでおります。
(3) 独自技術の深化
各々の新製品開発を支える要素技術である樹脂材料、成形技術、金型技術の領域において、当社は独自の技術開発を実施しております。バンパー、インストルメントパネル、樹脂ボディ部品の高剛性樹脂材料や複合材料開発と内製でのブレンド技術開発により薄肉化や低比重化を実現し軽量化に貢献しております。また、成形技術開発においては、材料ブレンドと射出成形を同時に行うダイレクト射出成形法を確立し、現在は更に、材料コストと設備投資の低減可能な当社独自の直接成形工法の研究開発により、樹脂と繊維の複合材の加工技術を大幅に進化させました。その他、ガスアシスト成形によるウォーターパイプ、2色成形法による異材質の高質感インストルメントパネル部品など、新製品に技術展開をしております。
(4) 次世代技術の研究開発
当社は、次世代に向けた戦略的な中期開発戦略を立てて、更なる軽量化、吸音、断熱性の向上に取り組んでいます。軽量化の進化においては、独自のカーボン複合材料や樹脂ガラス技術等の基礎研究を実施し、樹脂ボディ構造体としてのモジュール開発に取り組んで行く計画です。また、次世代車に要求されるワンランクアップの吸音性、断熱性の要求に対してもナノ繊維や高断熱材料の基礎研究を行い、さらなる軽量化を目的としたセルロースナノファイバー樹脂補強材の開発を産学官の連携で行い、将来の製品展開を目指しております。
(5)主要部品の強化開発
次世代のHV、PHV、EV車や自動運転システム等には、当社の主力部品であるインストルメントパネル、バンパー等のほか、多くのSW類、センサー類、LED部品、ランプ等の電装部品で構成されています。それらの主要製品の付加価値を上げるため、LEDインジケーターパネル、タッチセンサー給電口等の電装部品と樹脂部品の融合によるモジュール開発や電装技術開発を強化しております。また、質感向上のニーズに対して、表皮材、加飾法、塗料、縫製技術等の進化開発を行い、次世代のインストルメントパネル部品、バンパー部品等への適用を目指しております。
当社は、4つの主力製品(インストルメントパネル、バンパー、バックドア、パワートレイン・吸気系部品)を支える個々の要素技術を短期的に開発し、それら主力製品を太い柱にするため、中期の商品戦略に基づき研究開発活動を実施しております。
また、競合部品のベンチマーク活動による他社の技術動向、顧客ニーズの動向、経済状況、法規制改訂等の環境変化を敏感に捉えて中期の商品戦略について毎年見直しを行い、高い水準を目指した研究開発活動を実施しております。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E30438] S100AIMK)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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