有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100APOG
虹技株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループ(当社及び連結子会社)は鋳物関連分野及び機械、環境関連分野において多彩な技術を追求する企業として、絶えず個性的技術や商品を創り出すことを企業目標にして研究開発に取り組んでおります。鋳物関連技術では、新しい鋳造プロセス技術の開発や新しい機能を有した合金鋳鉄材や特殊鋳鋼材などの材料開発に取り組み、また商品開発や生産技術の向上にも取り組んでおります。鋳物関連技術以外では、新しい機械、環境関連技術や商品開発などを積極的に推し進めております。
現在、研究開発活動は、当社は開発部と各事業部の技術スタッフで実施しております。また、海外子会社の天津虹岡鋳鋼有限公司では技術スタッフが実施しております。研究開発に携わっている人数は当社グループ全体で29名であります。
当連結会計年度における全社の研究開発費は204百万円であります。なお、研究開発費には、当社の開発部で行っている熱解析、流動解析、応力解析などのためのシミュレーション技術の開発や全社的な基礎的研究など、各事業に配分できない費用が2百万円含まれております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次の通りであります。
1 鋳物関連事業
主に開発部と、関連事業部の技術スタッフが研究開発活動を実施しております。開発部では、新規事業化を目指して、新たに、低炭素球状黒鉛鋳鉄鋳造プロセスを開発し、実用化に向けて取り組んでおります。このプロセスは、高強度、高延性を有し、鋼に匹敵する高ヤング率と良摺動性の特徴を持った低炭素球状黒鉛鋳鉄材をすでに開発しておりますので、実用化を目指して、ユーザー評価のために、複雑形状の機械部品製造の技術を確立するまでに至りました。この一年間、ユーザーを絞って、材料評価を受け、ほぼ、要求を満たすことができるようになりました。今後は、ユーザーと共同で具体的な試作品の製造法を確認して、量産化のための生産技術確立に向けて事業部門と共同で取り組んでいく予定であります。また、用途拡大を図るために、弱電業界や自動車業界にもサンプル提供を含めて、PR活動を行っていきます。また、鋳物製造の将来の新しいプロセスとして、大型精密鋳造法の技術確立を推進してきました。現在、基礎的な技術確立を終えて製造プロセスの開発に取り組んでおります。
このようなプロセス開発以外に、新しい機能や環境に優しい鋳鉄材の開発や生産性向上のための技術開発にも取り組んでおります。これまでに強度と延性が鋼に匹敵する球状黒鉛鋳鉄材を開発して特許出願に至っております。また、高価な合金の代わりに安価な合金を用いた非磁性の球状黒鉛鋳鉄材や鋳鋼材を見出して、現在、物性評価しながら、製造法の確立に向けて取り組んでおり、特許出願を予定しております。
さらに、新たな機能材として、耐食、耐熱に優れた合金ダクタイル鋳鉄材を、電気化学的評価法を用いて取り組みました。結果として、機能の優れた材料成分や化学組成を明らかにすることができましたので、それらの範囲と実用化のための性能評価に続けて取り組んでいきます。
鋳造技術の向上のために、熱解析と流動解析に応力解析を連動させて鋳造CAEの技術向上にも取り組んでまいりました。大型の鋳物製品でも短時間で解析できるように、新たな解析ソフトを備えて、鋳造後の変形解析技術確立に向けて取り組んでまいりました。特に、鋳造材の熱特性や砂などの周辺材料の熱物性データを収集してきました。今後は検証実験を実施しながら、解析制度の向上を図っていく予定であります。事業部門では独自の新商品として、公共の土木や建築用の新型人孔鉄蓋、電線共同溝用鉄蓋や極薄鋳鉄の鋳造技術を応用して什器や景観商品などの開発や製造技術の改善を続けており、特許出願と同時に、商品化によって拡販の実績が出始めております。
大型鋳物製品においてはこれまで培ってきたフルモールド法の技術に従来の砂型、金型の技術を組み合わせて難度の高い複雑形状の鋳物の製造技術を確立して、造船や新たな産業機械分野などに適用しつつあります。また、連鋳棒生産装置の高度化や完全自動化を目指した開発も生産効率に大きく貢献してきております。さらに、低コストの新しい鋳鉄溶解法を、外部の複数の民間企業と共同で開発を続けており、共同特許出願に至っております。
中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産・販売を手がける天津虹岡鋳鋼有限公司は、国龍江科技大学と共同で鋳鉄材試験の研究を行っております。また、鋳鉄材の製造技術及び生産性向上のための技術開発にも取り組み、それに係る特許申請を行っております。上記の取組みに加えて、ITを活用したモノづくりにも積極的に取り組んでおります。当事業に掛かった研究開発費は192百万円であります。
2 その他
機械関連事業では、主に開発部と関連事業部の技術スタッフで実施しております。主に自動車の摩擦材のフィラー材として使われているメタルファイバーの材質、サイズや形状の種類を大幅に増やして、自動車摩擦材以外の用途開発に取り組んでおります。これまでに、将来の自動車分野に適用される新規の用途が複数開拓されつつあり、一部内示を受けたものが出始めており、今後、量産体制を整えていく予定であります。また、自動車分野以外にもセメント分野、IT関連分野や機械装置部品分野などで受注に結びつく新用途が拡大しつつあり、これからも新しい分野のユーザーの開拓に重点的に取り組んでまいります。
セラミックス関連では有形成形技術と製品開発を実施しております。耐熱性、耐スポーリング性、加工性を併せ持つカーボンセラミックス材は新たに高温用潤滑構造材としてIT関連の製造装置の部品に使われ、順調に売り上げに貢献しております。また、新たなコーティング材との組み合わせで、新規用途及び新規顧客拡大のためにガラス製品製造用の治具材や高温軸受け材、耐熱容器材への用途拡大を重点的に推し進めております。
工場用送風機装置では、軸受けや減音を改善した送風機の開発に取り組み、受注増に寄与しつつあります。さらに、独自の羽形状の開発と新材質ファンの製造技術も他機種に拡大しながら、ボイラー業界や集塵機業界などに市場シェアの拡大を図りつつあります。
環境関連事業では、この事業部の技術スタッフが中心になって、これまで培ってきたストーカ方式の焼却炉に改良を加えた新ストーカ炉を開発してきました。この10トン/日以下の新型ストーカ炉は大幅な省エネやCO2削減が実現できる炉で、実証はすでに終えつつあり、大型案件の新規受注に結びついてきました。新型ストーカ炉の新規受注の案件が増大しつつありますので、さらに実績に基づいて受注拡大に繋げていきます。また、これらの焼却炉以外に、容器や複合のプラスチック廃棄物のリサイクル(分離や油化)装置などのエンジニアリング技術の開発に取り組んでおり、新たな市場開拓を目指していきます。これらの事業に掛かった研究開発費は8百万円であります。
現在、研究開発活動は、当社は開発部と各事業部の技術スタッフで実施しております。また、海外子会社の天津虹岡鋳鋼有限公司では技術スタッフが実施しております。研究開発に携わっている人数は当社グループ全体で29名であります。
当連結会計年度における全社の研究開発費は204百万円であります。なお、研究開発費には、当社の開発部で行っている熱解析、流動解析、応力解析などのためのシミュレーション技術の開発や全社的な基礎的研究など、各事業に配分できない費用が2百万円含まれております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次の通りであります。
1 鋳物関連事業
主に開発部と、関連事業部の技術スタッフが研究開発活動を実施しております。開発部では、新規事業化を目指して、新たに、低炭素球状黒鉛鋳鉄鋳造プロセスを開発し、実用化に向けて取り組んでおります。このプロセスは、高強度、高延性を有し、鋼に匹敵する高ヤング率と良摺動性の特徴を持った低炭素球状黒鉛鋳鉄材をすでに開発しておりますので、実用化を目指して、ユーザー評価のために、複雑形状の機械部品製造の技術を確立するまでに至りました。この一年間、ユーザーを絞って、材料評価を受け、ほぼ、要求を満たすことができるようになりました。今後は、ユーザーと共同で具体的な試作品の製造法を確認して、量産化のための生産技術確立に向けて事業部門と共同で取り組んでいく予定であります。また、用途拡大を図るために、弱電業界や自動車業界にもサンプル提供を含めて、PR活動を行っていきます。また、鋳物製造の将来の新しいプロセスとして、大型精密鋳造法の技術確立を推進してきました。現在、基礎的な技術確立を終えて製造プロセスの開発に取り組んでおります。
このようなプロセス開発以外に、新しい機能や環境に優しい鋳鉄材の開発や生産性向上のための技術開発にも取り組んでおります。これまでに強度と延性が鋼に匹敵する球状黒鉛鋳鉄材を開発して特許出願に至っております。また、高価な合金の代わりに安価な合金を用いた非磁性の球状黒鉛鋳鉄材や鋳鋼材を見出して、現在、物性評価しながら、製造法の確立に向けて取り組んでおり、特許出願を予定しております。
さらに、新たな機能材として、耐食、耐熱に優れた合金ダクタイル鋳鉄材を、電気化学的評価法を用いて取り組みました。結果として、機能の優れた材料成分や化学組成を明らかにすることができましたので、それらの範囲と実用化のための性能評価に続けて取り組んでいきます。
鋳造技術の向上のために、熱解析と流動解析に応力解析を連動させて鋳造CAEの技術向上にも取り組んでまいりました。大型の鋳物製品でも短時間で解析できるように、新たな解析ソフトを備えて、鋳造後の変形解析技術確立に向けて取り組んでまいりました。特に、鋳造材の熱特性や砂などの周辺材料の熱物性データを収集してきました。今後は検証実験を実施しながら、解析制度の向上を図っていく予定であります。事業部門では独自の新商品として、公共の土木や建築用の新型人孔鉄蓋、電線共同溝用鉄蓋や極薄鋳鉄の鋳造技術を応用して什器や景観商品などの開発や製造技術の改善を続けており、特許出願と同時に、商品化によって拡販の実績が出始めております。
大型鋳物製品においてはこれまで培ってきたフルモールド法の技術に従来の砂型、金型の技術を組み合わせて難度の高い複雑形状の鋳物の製造技術を確立して、造船や新たな産業機械分野などに適用しつつあります。また、連鋳棒生産装置の高度化や完全自動化を目指した開発も生産効率に大きく貢献してきております。さらに、低コストの新しい鋳鉄溶解法を、外部の複数の民間企業と共同で開発を続けており、共同特許出願に至っております。
中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産・販売を手がける天津虹岡鋳鋼有限公司は、国龍江科技大学と共同で鋳鉄材試験の研究を行っております。また、鋳鉄材の製造技術及び生産性向上のための技術開発にも取り組み、それに係る特許申請を行っております。上記の取組みに加えて、ITを活用したモノづくりにも積極的に取り組んでおります。当事業に掛かった研究開発費は192百万円であります。
2 その他
機械関連事業では、主に開発部と関連事業部の技術スタッフで実施しております。主に自動車の摩擦材のフィラー材として使われているメタルファイバーの材質、サイズや形状の種類を大幅に増やして、自動車摩擦材以外の用途開発に取り組んでおります。これまでに、将来の自動車分野に適用される新規の用途が複数開拓されつつあり、一部内示を受けたものが出始めており、今後、量産体制を整えていく予定であります。また、自動車分野以外にもセメント分野、IT関連分野や機械装置部品分野などで受注に結びつく新用途が拡大しつつあり、これからも新しい分野のユーザーの開拓に重点的に取り組んでまいります。
セラミックス関連では有形成形技術と製品開発を実施しております。耐熱性、耐スポーリング性、加工性を併せ持つカーボンセラミックス材は新たに高温用潤滑構造材としてIT関連の製造装置の部品に使われ、順調に売り上げに貢献しております。また、新たなコーティング材との組み合わせで、新規用途及び新規顧客拡大のためにガラス製品製造用の治具材や高温軸受け材、耐熱容器材への用途拡大を重点的に推し進めております。
工場用送風機装置では、軸受けや減音を改善した送風機の開発に取り組み、受注増に寄与しつつあります。さらに、独自の羽形状の開発と新材質ファンの製造技術も他機種に拡大しながら、ボイラー業界や集塵機業界などに市場シェアの拡大を図りつつあります。
環境関連事業では、この事業部の技術スタッフが中心になって、これまで培ってきたストーカ方式の焼却炉に改良を加えた新ストーカ炉を開発してきました。この10トン/日以下の新型ストーカ炉は大幅な省エネやCO2削減が実現できる炉で、実証はすでに終えつつあり、大型案件の新規受注に結びついてきました。新型ストーカ炉の新規受注の案件が増大しつつありますので、さらに実績に基づいて受注拡大に繋げていきます。また、これらの焼却炉以外に、容器や複合のプラスチック廃棄物のリサイクル(分離や油化)装置などのエンジニアリング技術の開発に取り組んでおり、新たな市場開拓を目指していきます。これらの事業に掛かった研究開発費は8百万円であります。
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