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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AMZJ

有価証券報告書抜粋 株式会社フジクラ 研究開発活動 (2017年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、①エネルギー・情報通信、②エレクトロニクス、③自動車電装各分野の新商品並びに新技術の開発を積極的に行っております。当社グループの研究開発活動は、先端技術総合研究所が全社研究開発を、また各事業部門の開発部が部門別開発活動を進めております。
環境対応型製品開発の一環として、高温超電導線材、色素増感太陽電池、リチウムイオンキャパシタ、及び磁気冷凍など商品化に向けた開発を進めています。
高温超電導線材では、更なる特性向上とともに事業化に向けた量産技術の開発に取り組んでいます。高磁場中でも高い特性を有するイットリウム系高温超電導線材は、分析用NMRや医療用MRIに対して、世界的に供給不足となるヘリウム冷媒を使用しないこと、システムのコンパクト化、高磁場中でも高い特性を有するイットリウム系高温超電導線材は、分析用NMRや医療用MRIなどの強磁場コイル用途において、世界的に供給不足となるヘリウム冷媒を使用しないこと、システムのコンパクト化、高磁場実現による高解像度化などが期待されています。国家プロジェクトで高い評価を頂くとともに、超電導線材の基礎研究では「21世紀発明賞」を受賞しました。
色素増感太陽電池においては、低照度下での高効率発電特性を利用したエネルギーハーベスティング用薄型モジュールを開発しました。また、この色素増感太陽電池をセンサ機器電源として、無線部に「高精度な同期によるマルチホップ機能」を実装することで、多段中継を極低消費電力で実現したセンサシステムを開発しました。
リチウムイオンキャパシタは、高出力・小型・軽量かつ大容量なセル及び電源モジュールを開発し、急速充放電特性及びサイクル寿命を生かした用途に展開を進めています。
磁気冷凍では、地球温暖化係数の高い代替フロンを利用した冷凍機に替わる次世代冷凍技術の開発に取り組んでいます。利用する磁気作業物質(MCM)の線状化に成功し、その大きな冷却性能を確認しました。この成果は国際学会ThermagⅦにおいても注目されています。
また、光通信ネットワークの高速化、大容量化に向けて、シリコンフォトニクスの研究基幹光通信網、データセンタを初めとして、AOC(Active Optical Cable)への適用により、インフラ、自動車、医療など幅広い用途で利用される産業用AOCへの展開を目指しています。
また、次世代高速無線通信に利用されるミリ波帯に適したパッシブデバイス及び関連技術の開発を進めています。移動体通信フロント・バックホールや、固定通信網ラストマイルなどの通信インフラ用途にミリ波モジュールを提供します。
新しいダイレクト印刷技術を用いて透明電極フィルムの開発を進めています。このフィルムは、線幅が数マイクロメートルの高精細配線を用いることで高透過率、低抵抗を実現します。現在その商品化を進めています。
ICや受動部品などをポリイミド多層配線板に埋め込んだ薄型部品内蔵基板の開発を進めています。複数の部品を内蔵した高精細・高多層の高密度配線板を提供し、製品の軽薄短小化に貢献していきます。

セグメント別の研究開発活動及びその成果は次のとおりで、当連結会計年度の連結研究開発費は156億円であります。

①エネルギー・情報通信カンパニー
長距離高速伝送システムに向けて、低損失光ファイバの開発を進めています。本光ファイバは国際電気通信連合の陸上長距離システム向け勧告(ITU-T G.654.E)に準拠しており、近日中に商品化する予定です。
将来の伝送用光ファイバの候補であるマルチコアファイバの開発を並行して進めています。2014年より開始した日欧連携開発プロジェクト(SAFARI)において、弊社の30コアファイバを用いて、複雑な電気的処理を用いることなく、1 Pbit/s以上の伝送が可能であることを示しました。その成果に対して、欧州連合(EU)欧州委員会の「Horizon Prize」を共同受賞(フジクラ、デンマーク工科大学、サウサンプトン大学)いたしました。また、情報通信研究機構(NICT)殿の委託研究(i-Free2)の成果として、汎用光ファイバに近い製造方法で200kmを超えるマルチコアファイバを製造し、国内外の学会にて発表を行いました。こうした最先端の研究と共に実用化に向けた検討も進めております。
PANDA(Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)ファイバは通信用偏波面保持光ファイバの代表的な構造で、世界でトップシェアを誇る製品です。シリコン変調器と低損失な結合を可能とする新製品の開発を進めています。シリコン変調器に合わせた小さなコア径を有しながら、汎用の光ファイバとの低損失な結合も可能な特長を備えています。
近年の光通信網の急速な拡大に伴い、光ファイバケーブル網を経済的に構築する要求が高まっております。これに応えるべく、光ファイバを高密度でケーブルに実装する技術であるSWR&WTC(Spider Web RibbonTM and Wrapping Tube CableTM)を開発し、世界最高となる超多心・超細径高密度光ケーブルを製品化しました。本ケーブルは公衆通信用途のみならずデータセンタ等への導入も進んでおり、さらに製品ラインナップの充実と高機能化に注力していきます。
通信データの大容量化要求を背景に、光コネクタの高機能化に注力しております。超多心かつ低接続損失を実現する技術に一層の磨きをかけるとともに、伝送装置で使用されるバックパネル光コネクタ、屋外で使用される多心防水型光コネクタ、取り扱い性に優れた多心レンズ型光コネクタ等製品ラインナップを充実させました。また光デバイス内で使用される高実装密度型光コネクタの開発にも注力しております。
光ファイバを2本~12本並べてテープ状に接着した光ファイバテープ心線の融着接続において、テープ心線用被覆除去器は重要な工具です。このたび、大幅に改良を施した新製品を発売しました。操作性を重視したデザインの採用と、被覆除去力の低減により、作業性を向上させました。また、600回の被覆除去が可能な大容量のバッテリ、加熱条件をスマートフォンで設定する無線通信など、新機能を搭載しています。さらに、被覆径200mmあるいは250mmの光ファイバを並べ間欠的に接着したSWRの被覆除去にも対応しました。
製造分野で使用されるレーザ加工の市場では、ビーム品質が良く、かつ小型で電力変換効率が高いファイバレーザへの乗り換えが加速しています。当社は、光通信用ファイバや部品で培ったコア技術をベースにファイバレーザの研究開発を推進しています。2016年度はパルスファイバレーザ、空冷中出力ファイバレーザ、高出力連続波ファイバレーザ等の製品群の拡充を進めました。新型の励起レーザダイオードとレーザ共振器の開発により実現した光出力8kwの連続波ファイバレーザは、さらに幅広い応用が期待される新製品です。
エネルギー問題がますます重要性を増す中で、省エネルギーの推進、環境負荷の低減、資源の有効活用につながるケーブル・機器の開発を積極的に進めております。メガソーラーや風力発電等の再生可能エネルギーに不可欠な電力機材として、変圧器などの機器への接続施工性に配慮した端末等を開発し、製品ラインナップの拡充を図りました。また、世界的なエネルギー需要増大による海洋資源開発や今後進められる海洋発電の導入により、海洋構造物市場の成長が見込まれており、洋上浮体構造物用ケーブルシステムの開発を進めております。
航続距離延長で普及が予測される電気自動車の充電インフラとして、急速充電器の設置数が拡大しております。大容量急速充電に対応するためケーブル冷却機能を付加し、操作性・取扱い性に優れる充電コネクタ・ケーブルの開発に注力しております。
また、ケーブル設備の経年化が進む中、リアルタイムデータに基づいたスマートメンテナンスに不可欠な常時監視型劣化診断システムを開発していきます。
なお、当セグメントに係る研究開発費は94億円であります。

②エレクトロニクスカンパニー
民生及び産業用の電子機器に使われるフレキシブルプリント回路基板(FPC)・タッチキー・コネクタ・電子ワイヤ・センサ・ハードディスク・サーマル製品の開発を行っています。スマートフォンに代表される携帯情報端末機器は、情報通信速度の高速化や高機能化が進み、周辺機器とのつながりやすさが強く要求されています。また、電気自動車普及の加速に伴い、車載向けの電子部品の需要も増えており、これらの開発にも力を入れています。自動車用電子部品は、各種環境下での高い信頼性が要求されています。
FPCでは、高密度化や高速伝送化に対応し、部品内蔵基板・狭ピッチ表面実装・高精細FPCをベースとした高密度実装のトータルソリューションの提供を目的として開発を進めています。高精細FPCには従来のサブトラクティブ法だけでなく、セミアディティブ法の積極的な採用を進めています。高信頼性確保のため、製造工程の更なる行程能力向上、検査能力向上に取り組んでいます。
プリンテッド・エレクトロニクス分野では、メンブレンの細線印刷技術や機能性ペーストの開発を進めることでパソコン、家電、車載用など従来の需要に加え、医療、ウェアラブルタグといった新しい市場を開拓していきます。
コネクタ分野では、「小型・低背」「堅牢」「防水」「高速伝送」「作業性」をキーワードに開発を推進しています。車載・産業機器用に開発した基板間コネクタの拡充を進めています。省スペース、位置ズレを吸収できるフローティング機構、2点接触での高信頼性がその特長です。携帯機器用では、業界トップクラスの超小型FPC用コネクタを開発しました。放送機器用では、4K対応の同軸コネクタを開発しました。
電子ワイヤでは、エレクトロニクス市場での更なる高速、高容量データ伝送の要求に答え、高精細カメラやウェアラブル機器に適した高速インターフェースケーブルや、情報端末機器の内部に使用される、更なる小径化、高速化に対応した内部配線ケーブルを開発中です。また、車載分野のエレクトロニクス化や将来の自動運転用途に対応するため、車載向け高速伝送電子ワイヤ製品の開発を進めております。
センサ製品では、防水性能を必要とする民生機器向けに小型絶対圧センサの量産出荷を開始しました。またASIC圧力センサ(Application Specific Integrated Circuit)の製品ラインナップを拡充すべく、製品開発を進めています。そのほか、精度、信頼性、感度をより一層高めた微圧センサ、流量センサなども開発中です。
サーマル製品では、スマートフォン等の小型携帯機器向けに、ヒートパイプの更なる薄型化を進めており、熱性能を維持しながら0.3mmの厚さを実現しました。次期スーパーコンピュータ(エクサ級)等の大容量冷却向けには、水冷式クーリングユニットの高性能化と低コスト化を行っています。また、今後EV化が加速し採用が期待される車載製品に対応したヒートパイプも量産化に向け開発を進めています。
なお、当セグメントに係る研究開発費は49億円であります。
③自動車電装カンパニー
自動車電装においては、「環境」、「安全」、「快適」をキーワードとし、ワイヤハーネスを中心としたEDS(Electric Distribution System)の分野と、エレクトロニクス事業で培った薄型配線材の技術を応用した機能モジュールの分野で、新商品・新技術の開発を推進しております。
2016年度の主な研究開発の成果として、EDS分野ではワイヤハーネスの軽量化を目的とした細物アルミハーネスや、従来よりも可とう性を向上させたHEV/EV用高電圧アルミハーネスの開発を完了しました。また、CHAdeMO規格Ver.1.1に準拠したEV/PHEV用急速充電インレットを昨年度より量産を開始しましたが、新たに大電流充電に対応可能なCHAdeMO規格Ver.1.2準拠品の開発に着手しました。
機能モジュールの分野では、「次世代型シートベルト警告用乗員検知センサ(SBRセンサ)」の量産を開始しました。次世代型SBRセンサは従来品よりも小型でシートの形状影響による仕様変更の必要性が少なく、汎用性に優れたセンサで後席用センサとしても流用が可能な製品です。
2017年度も、オール・フジクラの技術を結集して、「車両電動化」、「自動運転」、「コネクテッドカー」などのトレンドに沿った新技術・新製品を創出する活動を継続してまいります。
なお、当セグメントに係る研究開発費は12億円であります。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01334] S100AMZJ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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