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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DAVA

有価証券報告書抜粋 オークマ株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー株式の総数等

当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として39億28百万円を支出いたしました。
研究開発活動の概要は、次のとおりであります。

(1) 新機種・新技術開発

グローバルに広がる情報活用を背景に拡大し続ける半導体産業、先進国・新興国ともに需要が広がる自動車産業、そして安定した成長を続ける航空機産業、並びに広範囲に亘る国内製造業の設備投資意欲が旺盛な状況が継続しています。2017年の日本の業界受注額は、1兆6,455億円と10年ぶりに過去最高額を更新いたしました。

このような市場において、製品競争力を一層高めていくためには、生産性の向上に貢献し、高付加価値加工・高精度加工が安定して実現でき、かつ、環境・エネルギーに配慮したスマートファクトリーに対応できる自律型工作機械「スマートマシン」の開発が必要となります。当グループは、このような市場要求に対して業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、「高精度生産性」の追及と「省エネルギー」に貢献するオンリーワン技術・商品の開発を行っております。
当グループは、これまでにお客様の加工能率最大を支援する「加工ナビ」、安定した高精度加工が誰にでも実現できる「サーモフレンドリーコンセプト」、衝突を気にせず誰でも熟練の操作が実現できる「ぶつからない機械(アンチクラッシュシステム)」、5軸制御加工機の幾何誤差を自動計測・補正する「ファイブチューニング」高精度・安定動作を長期間維持する「サーボナビ」等の知能化技術を開発いたしました。
航空・宇宙、エネルギー、自動車、半導体、一般機械等幅広い業界で、部品の高精度化・軽量化を目的として複数部品の一体化が加速し、複雑形状化が進んでおります。そのため加工の工程集約のニーズが一層高まり、1回の段取りであらゆる加工ができる5軸制御マシニングセンタや複合加工機の需要がグローバルに増加しております。また、IoTを具現化するスマートファクトリーでは部品の流れが重要となり、さらなる工程集約やスループットを高める工作機械が求められております。
こうした需要に対して当グループは、ミーリング、旋削、研削加工に加え、レーザ加工技術を融合し、金属積層造形加工を対応可能にした「LASER EX」シリーズを開発いたしました。この金属積層技術は、複雑形状や難削材など切削による除去加工で時間がかかる部品を効率的に製作することが可能となるだけでなく、異種金属への積層が可能となるため、工具費、ランニングコスト、部品点数の削減にも貢献いたします。また、レーザ技術の応用により、焼入れ工程も集約することが可能となり、短時間かつ歪みの少ない焼入れ処理を実現し、スループットも向上させました。
5軸制御マシニングセンタでは、従来の概念を変える省スペースでコンパクトな「MU-S600V」を開発いたしました。単体での使い易さ・生産性と、2台以上の機械を連結した自動化ラインでは、テーブルがロボット機能を発揮する事で、機台間の搬送レスでのライン構成を可能としました。このラインでは、工程間で加工物が機外に出ることが無いため、切削液や切粉の飛散が無いクリーンな工場の実現を可能としました。多品種少量生産から量産部品加工までを1種類の機械で自在にこなす全く新しいコンセプトの機械で、製品ライフサイクルでの生産量の変化に合わせて、1台から複数台の連結に自在に組替を可能としました。この「MU-S600V」は、「2017年度十大新製品賞 本賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。
旋盤では、自動車部品に代表される量産加工に対応する並行2主軸タイプの「2SP-2500H」を開発いたしました。機械サイズのコンパクト化、ミーリング加工能力強化による面積生産性の向上と共に、工作物の交換時間を短縮する新開発の高速ローダを搭載し、スループットの向上を実現いたしました。更に、プレミアムエコプロダクトである GENOS Lシリーズの性能、メンテナンス性の向上を図り、全14機種の一斉モデルチェンジをいたしました。
当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、トータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。
この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・商品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。

(2) NC装置とIT製品の開発

当グループは、1963年(1963年)に自社製NC「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、グローバル競争が激化する中、ものづくり産業における生産革新、スマート化の流れが進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。

当連結会計年度における研究開発活動としては、高精度・高品質・高効率・安定加工を可能とするスマートマシンの制御技術開発、そしてスマートマシン及びスマートマニュファクチャリングの中核であるものづくりコントローラ「OSP suite」の開発強化、さらに自社工場DS1,DS2(Dream Site1,2)にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングの研究成果を活かして、お客様の工場のスマート化をサポートする製品・ソリューション開発を進めてまいりました。
1) スマートマシンの制御技術開発
高速で高精度かつ高品位で安定加工への要求に応えるため、スマートマシンの制御技術開発及び診断機能開発を強化してまいりました。
1-1) 新高速・高品位加工機能「Hyper-Surface」
近年、金型加工に対する要求はより高度なものとなっており、特に機械加工後に手作業で行われる磨き作業を短縮するために、加工面品位の向上に対する要求が高まっております。この加工面品位向上への要求に応えるため、曲面を認識して、エッジ部の形状精度を保ちながら滑らかに加工を可能とする「Hyper-Surface(ハイパー・サーフェス)」を開発いたしました。
「Hyper-Surface」は、加工パスの揺らぎを指令レベルで抑制する「指令位置平滑化機能」「送り速度平滑化機能」と、隣り合う加工パスのズレや不揃いを抑制する「隣接パス補整機能」を備えておりますので、加工面品位を大幅に向上させることができます。
1-2) 加工面品位向上機能「サーボナビ たわみ自動調整」
機械駆動系の経時変化に対する送り軸の追従性を維持する「サーボナビSF たわみ自動調整」を開発いたしました。機械を長期間使用しますと、送り軸駆動系のたわみ量が変化し、加減速時に追従遅れが発生し、加工面品位の劣化を招くことがあります。本機能は、駆動系の変化で発生する追従遅れを、サーボパラメータを自動学習で調整しサーボ制御で補正しますので、機械性能を最大限に引き出すことができ、高品位な加工で生産性向上に寄与いたします。
1-3)AI機械診断機能「OSP-AI」
高い生産性を維持するためには、生産設備の安定稼動と異常発生時のダウンタイム最小化が重要となります。AI機械診断機能は、当グループで培ってきた機械基礎特性の高度な知見と、ディープラーニングによるAI技術を融合し、世界で初めて工作機械用CNC装置にAI機能を内蔵いたしました。この診断機能により、ボールねじ、ボールねじ支持軸受の状態を見える化することで保全活動を支援いたします。
さらに、お客様の機械からAI診断結果を収集し、オークマクラウド上で機械学習を行う事により、AI診断精度を向上させるサービスも開始いたしました。
2) ものづくりコントローラ「OSP suite」の強化
ものづくりの情報化・ネットワーク化への要求に応えるため、開発強化を加速してまいりました。
2-1) 新suiteアプリ「3D-STEPビューア」「工程表作成」「工具寿命予測」
suiteアプリは、機械オペレータの1日の作業(機械点検、加工プログラム準備、段取り、加工、終了)を支援する事で生産効率向上を目指して開発してまいりました。今後はCAD/CAM、MES(製造実行システム)との連携を強化し、工場全体のスマート化を支援してまいります。
CAD/CAM連携を強化する新suiteアプリとして「3D-STEPビューア」「工程表作成」、MES連携を強化する新suiteアプリとして「工具寿命予測」を開発いたしました。「3D-STEPビューア」は、CADで作成した3D形状をOSPの画面で直接確認することで、機械オペレータが直感的に形状を認識し、思い込みによるミスを防止いたします。「工程表作成」は、加工で使用した工具毎の工具情報、切削条件、加工時間を記憶して工程表として作成する事で、加工実績を保管し改善結果の確認やノウハウの共有を支援いたします。「工具寿命予測」は加工途中での工具寿命アラームによる加工中断を防止し、機械停止時間の削減を支援いたします。
2-2) オペレータ認証機能
機械オペレータのレベルに応じて操作制限を設ける機能を開発いたしました。加工現場に様々なレベルの機械オペレータが混在する場合、レベルに応じて機械操作に制限を設ける事で、安心して機械操作を委ねる事が可能になります。管理者が機械オペレータ毎に可能な操作とパスワードを設定し、機械オペレータが自身のパスワードでログインする事で、操作制限が設定されます。

3) オークマスマートファクトリーの開発
ドイツの「Industrie4.0」や米国の「Industrial Internet」など、国を挙げて次世代のものづくりを推進するなか、当社は、自社工場DS1,DS2にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングを機械の稼働状況を見える化する「Connect Plan」として、お客様へ導入しております。
「Connect Plan」は、IoTをスモールスタートで始めたいお客様向けのプランです。機械の稼働状況、実績を見える化し、さらに機械の停止理由分析にAIを活用して細分化するAI稼働分析機能により、時間を要する機械停止理由の原因分析の自動化と具体的改善項目を見える化する事で、カイゼンサイクルを促して稼働率向上を支援いたします。
さらに部品加工工場の生産計画、生産進捗を見える化する事で、工場内での不慮のトラブルや頻繁な需要の変動、多品種少量・初品の短納期対応など市場・需要の変化に柔軟に対応できる生産の構築を支援してまいります。
また、「Okuma App ストア」を立上げ、お客様のニーズにフィットするアプリ等のダウンロードサービス、加工プログラム作成代行サービス、ウィルス対策ファイルやAI機械診断機能の最新ファイル配信サービス、リモート診断サービスを開始いたしました。お客様と密着したサービスで、お客様のモノづくり全般をサポートしてまいります。
当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、オークマの強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術の開発と強化を進め、自社製NCとIT製品のさらなる進化を促進し、「総合一貫した“ものづくりサービス”」を通じて世界中のお客様の価値創造に貢献できるように推進してまいります。

経営上の重要な契約等株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01481] S100DAVA)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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