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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DCFO

有価証券報告書抜粋 富士電機株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー株式の総数等

パワー半導体技術やパワーエレクトロニクス技術を中心に強いコンポーネントとシステムを創出する研究開発及び、要素技術の複合により顧客価値を生むソリューションの研究開発に注力しています。
研究開発を加速するため研究開発体制を整備しました。製品開発に関わる機能は各事業部門が担い、技術マーケティング・先端研究・基礎研究は、全社の研究開発部門が担うようにしました。
当連結会計年度における富士電機の研究開発費は356億20百万円であり、各部門別の研究成果及び研究開発費は次のとおりです。
また、当連結会計年度末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は12,134件です。

■パワエレシステム・エネルギーソリューション部門
エネルギーマネジメント分野では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業である「環境調和型冷媒を用いた未利用排熱回収型蒸気出力ヒートポンプの研究開発」(2015年度~2018年度)により、蒸気利用プロセスにおいて蒸気を再生し約50%の省エネが可能な150℃蒸気出力ヒートポンプを開発しています。環境負荷が低く高温動作に適した新冷媒を採用した2段圧縮2段膨張サイクルを一台の圧縮機で高効率運転する制御手法を開発しました。今後は、実フィールドでの負荷変動対応性能の検証を継続する予定です。
変電システム分野では、低損失鉄心材料を採用し巻線導体を最適化した「スーパーエコモルトラⅡ」を開発し発売しました。トップランナー方式における省エネルギー基準達成率が第二次判断基準を上回る130%を達成しました。
電源システム分野では、国内の大規模設備向け無停電電源装置「UPS7000HX-T3シリーズ」において、従来の500kVA機と同一寸法で出力容量が20%増の600kVA機を開発し発売しました。大規模化するデータセンターにおける電源設備の省スペース化に貢献します。さらに、リチウムイオン電池と組合せると鉛蓄電池の場合と比べて大幅な小型・軽量化と蓄電池の長寿命化が図れ、ランニングコストを抑えます。
サーバ電源「F-DC POWER15kWタイプ」を開発し発売しました。データセンターのハードウエアの設計図や仕様のオープンソース化を推進するOpen Compute Project(OCP)に対応しています。年々増大するサーバ消費電力への対応力を強化させ、北米および日本での販売を加速させるものです。
また、データセンター向け間接外気空調ユニット「F-COOL NEO」において、大容量タイプ(冷房能力56kW)を開発し製品系列に加えました。系列の拡大により、お客さま設備の規模に応じて柔軟に対応できるようになりました。
電機盤分野では、主に海外の日系企業向けのモータコントロールセンタ(MCC)「FE-Cube」を開発し発売しました。この低圧スイッチギアはIEC61439-1,2に準拠しています。海外拠点(FSMBE)で生産しますが、ユーザーにとって使い慣れた日本製の機器を搭載しています。
器具分野では、電気自動車、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車などの環境対応車や二次電池を搭載する輸送機器、受配電装置に最適な「密閉型高電圧コンタクタ(High Voltage Contactor)135A/DC450V品」を開発し発売しました。この製品は自動車メーカに採用されています。業界最高の過電流耐量を持ち車両の安全性向上に貢献します。
高圧真空遮断器(VCB)では新形のAUTO.Vを開発し発売しました。標準形のマルチVCBに変流器(CT)と電子式過電流継電器(OCR)を組み合わせたオールインタイプのコンパクトな遮断器です。動作特性を細かく設定して保護協調が容易に行えるとともに、高耐久油の採用や防塵性を向上したので、使いやすく、ライフサイクルコストが低減します。
低圧受配電機器では、「G-TWINシリーズ(50AF~250AF)」ブレーカにおいてUL規格の認証を取得し、50mA~500mAの範囲で定格感度電流が切り替えられる中感度仕様の漏電遮断器を開発し発売しました。上位設備との地絡保護協調が必要な半導体製造装置などに必要なきめ細かな感度電流の設定が可能です。
エネルギー監視システムでは、電力使用量などの計測データを一元管理する「F-MPC Web (省エネ・制御コントローラ)ユニット」の海外向け品として、CEマーキング対応品を開発し発売しました。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は80億53百万円です。

■パワエレシステム・インダストリーソリューション部門
ファクトリーオートメーション分野では、コンパクト形PWMコンバータ「FRENIC-eRHCシリーズ」を開発し発売しました。現行のRHC-Cシリーズに比べ体積を約50%縮小し、昇降機や上下搬送装置などの電源回生による省エネの他、高調波対策、電源設備低減、省スペース化に貢献します。
高圧インバータ「FRENIC4600FM6e」を開発し発売しました。従来機種のFRENIC4600FM5シリーズに比べ体積を約30%縮小したので、省スペース化による建設工事費などの導入コストの削減につながります。また、従来機種と同様にファン・ポンプの設備などへの省エネにも貢献します。さらに運転中にインバータセルが故障しても自動切替えにより運転が継続できるセルバイパス機能を国内メーカで初めて(当社調べ)オプション搭載しています。
WLTP(クルマなどの国際調和排出ガス・燃費試験法)の世界統一技術規則に対応したタイヤ試験装置を開発しました。電気慣性制御により総慣性250kg(軽自動車相当)から1000kg(4tトラック相当)までの負荷制御が可能です。

プロセスオートメーション分野では、制御装置の処理性能を大きく向上させた産業用中大容量インバータ「FRENIC4400VM6」ならびに「FRENIC4800VM6」を開発し納入しました。従来に比べて処理性能や保守性が向上し、生産設備の最適運用に貢献します。
また、中国の効率規制に対応したGB2級(効率クラスIE3)の認証を取得した高効率ブレーキモータを開発し発売しました。中国版RoHS指令への対応とともに、安全規格CCCの認証も取得しました。長時間駆動する用途ほど省エネ効果が大きく、経済性が向上します。
各種プラント・工場の操業最適化、設備管理、エネルギーマネジメントシステムなど、顧客価値を創出するソリューションサービスを提供するため、IoTプラットフォーム(サーバシステム、エッジコントローラ、通信・セキュリティ・認証技術、アナリティクス・AI技術)を開発しました。鉄鋼やセメントの海外プラントの安定操業を実現するため、システムを標準パッケージ化し今までに培ったノウハウを織り込みました。システムの開発期間が大幅に短縮できます。
環境ソリューション分野では、流速を±0.2%の高精度で計測する液体用スプール形超音波流量計「FST」に、新たにφ80mm、100mmの口径とDC電源仕様を追加し、併せて防爆認定を取得した製品をラインアップに加えました。口径の選択肢とともに防爆仕様や電源仕様が増えたことで、石油・化学分野を始め幅広い分野の需要に応えます。また、電磁流量計では測定が困難な油類や純水等の導電性が低い液体も超音波方式なので高精度に測定できます。
放射線機器・システム分野では、IEC規格に準拠した個人線量計「NRF50」を開発し発売しました。Wi-Fiを使い遠隔監視がリアルタイムかつ容易に行えます。さらに、ヨウ化ストロンチウムシンチレータを採用した高分解能で安価なγ線スペクトロサーベイメータを開発し発売しました。
輸送システム分野では、東日本旅客鉄道株式会社の山手線E235系通勤型車両向けにラック・アンド・ピニオン方式のドア駆動装置を納入し、2017年5月に量産車の営業運転が開始されました。539両分(4,312台)を納入し、2020年春頃までに順次、営業運転に投入される予定です。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は90億3百万円です。

■発電部門
発電分野では、放射線を使って火力発電設備の配管の肉厚を測定する新たな技術を東北電力株式会社と共同で開発しました。放射線が物質を透過する際の減衰特性を利用するので保温材が付いたままの状態で配管の肉厚が測定できるとともに、3方向から放射線を照射するスリービーム方式を採用し、高精度な測定が可能です。
新エネルギー分野では、大規模太陽光設備向けに新型PCS「PVI1000BJ-3/1000」を開発し発売しました。DC1,000Vで単機容量が1,000kVAであり、高効率・屋外型・空調レスの従来機の特徴はそのままで大幅に小型・軽量化しました。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は34億75百万円です。

■電子デバイス部門
パワー半導体分野では、トレンチゲート構造SiC-MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)を開発しました。しきい値電圧Vthが5Vで、単位面積当りのオン抵抗Ron・Aが3.5mΩc㎡と世界最高レベルの低抵抗を達成しました。この素子を搭載したオールSiCモジュールを今後製品化し、パワエレ機器の高性能化に貢献していきます。
SiC-SBD(Schottky-Barrier-Diode)とSi-IGBT(Insulated-Gate-Bipolar-Transistor)を組み合わせたSiCハイブリッドモジュールの系列を拡大し、1,200V/200A,300Aおよび450A定格の2in1製品を開発し発売しました。エネルギー貯蔵システム(ESS:Energy-Storage-Systems)、高効率インバータなど、各種パワエレ機器の高性能化に貢献します。
低損失および高温動作を保証する最新の第7世代IGBT技術を適用した10A~50A/650Vと10A~35A/1,200Vの産業用IGBTモジュールを開発し発売しました。本製品は整流回路、インバータ回路とブレーキ回路を1つのパッケージに構成したパワー集積モジュールであり、インバータ等の各種パワエレ装置の高効率化と小型化に貢献します。さらに、はんだ付け用端子とプレスフィット(圧入)端子の2種類の外部接続端子を用意することで、多様なプリント基板実装への対応や実装効率の向上に貢献します。また、1,200V/600A,800Aの産業用2in1IGBTモジュール「DualXT」を開発し発売しました。本製品は第7世代IGBTチップとFWD(Free-Wheeling-Diode)チップならびに新規のパッケージ技術を適用することによって、前シリーズ(第6世代IGBTモジュール)と同一形状のパッケージのまま最大定格電流をこれまでの600Aから800Aへと拡大しました。インバータ等の各種パワエレ装置の高効率化と小型化に貢献します。
電気自動車、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車で使用される車載用直接水冷型パワーモジュールを開発し発売しました。車載用パワーモジュールでは逆導通IGBT(RC-IGBT)を初めて採用したのでチップ面積が大幅に縮小し、システム全体の小型軽量化に貢献します。
ディスクリート製品として、第2世代スーパージャンクションMOSFETに薄型SMD(表面実装デバイス)となるDFN8×8パッケージを系列に追加し発売しました。電源の小型、薄型化と共に寄生インダクタンスの低減による更なる低損失化を実現します。
自動車のエンジンの吸気圧や排気圧を測定する6.5世代圧力センサを開発し発売しました。CMOS制御回路とダイアフラム式センサをワンチップ化したセンサICをベースに、高温での動作保証と排ガスによる腐食防止機能や燃料による帯電防止機能を追加し、高い信頼性と精度を実現しました。自動車の排出ガスのクリーン化および燃費の改善に貢献します。
IC製品では、PFC(力率改善)回路の入力電圧や負荷が急変したときの出力電圧変動を制御し従来製品より変動を抑制した臨界モードPFC制御ICを開発し発売しました。また併せて、LLC電流共振回路の入力電圧を従来の600Vから750Vに拡大したLLC電流共振ICも開発し発売しました。これら製品により、PFC出力部の出力コンデンサの容量が低減し装置の小型化を実現します。
感光体製品では、小規模オフィス向け中速タンデムカラープリンタ用有機感光体を開発し発売しました。耐摩耗性とスクラッチ耐性に優れた高硬度樹脂に加え、周辺部材との表面摩擦力を低減する潤滑性樹脂を併用することで、機械的不具合を抑制し、高品位な画像品質を達成しています。また、オフィス向けA3対応高速カラー複写機用有機感光体を開発し発売しました。高帯電特性を持つ下引き層に加え、摩耗耐性及び汚染耐性に優れた樹脂を併用することで、高品質画像を長期間維持します。
ディスク媒体分野では、モバイル向け2.5インチ 1TB/枚及び、データセンター向け3.5インチ 8TB/HDD向け媒体の性能を向上させました。2.5インチは、ノートPCやゲーム機に加え、大容量小型外付けHDDにも採用されました。3.5インチは、データセンターに加え、監視カメラ用のHDDへ用途を広げています。磁性層の多層化による高SNR特性の確保、また磁性層の硬度を上げ外部要因による損傷を防ぎ、データの安全性を向上させました。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は104億36百万円です。
■食品流通部門
自販機分野では、省人化や売上向上を切り口に顧客と協業し、新しい機能を持つ自販機を開発しています。
通貨機器分野では、新しい検銭・鑑別技術やセキュリティ技術、搬送技術を活用した開発中の釣銭機の試作品を2018年3月に開催されたリテールテックジャパン2018に参考出品しました。
店舗システム分野では、新しい検銭・鑑別技術やセキュリティ技術、搬送技術を活用した新型釣銭機の開発を進めています。また、2016年度に開発したインバータ冷凍機内蔵タイプの平型アイスケースをプラットフォームとし、技術の水平展開により機種の拡大を図りました。当社の従来機種よりも30%の省エネを実現しました。
環境に配慮したノンフロン冷媒を活用した内蔵型壁面オープンショーケース「Non Leakケース」を開発し発売しました。この製品は、高効率の冷凍機を内蔵しているため、従来の別置型で必要であった冷媒配管工事やドレン水配管工事が不要となり、設置工事の工数を大幅に削減しました。また、別置型では設置が難しかったロケーションでも、この内蔵型壁面オープンショーケースは、より容易に設定できます。設置条件を緩和し、設置工事の省力化、ノンフロン冷媒の採用による環境対応とともに店舗設置の機会拡大に貢献いたします。また、「環境対応」「食の安全・安心」「省力化」を目指した冷熱技術、メカトロ技術、IoT技術を活用した無人化店舗のソリューション等を開発しています。2018年2月に開催されたスーパーマーケットトレドショー2018に参考出品いたしました。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は44億56百万円です。

■新技術・基盤技術部門
火力発電のタービンの耐食性向上設計のために熱力学に基づく腐食シミュレーション技術を開発しています。材料の熱処理条件と腐食成分濃度により粒界腐食が発生する条件を推定できる技術を構築しました。今後、タービン材の強度や耐食性を最適化する設計に適用する予定です。
引き続き主要な基盤技術の強化を図ってまいります。

■その他部門
当連結会計年度における当部門の研究開発費は1億95百万円です。


経営上の重要な契約等株式の総数等


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