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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DCSS

有価証券報告書抜粋 富士通株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、ユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTを活用することによってどのようにイノベーションを起こし、これまでとは違う未来を創り出していくかについての考えを「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。研究開発からお客様へのアプローチ、そして製品・サービスの提供に至るすべての事業活動をこのビジョンにもとづいて実行しています。このビジョンの中心的な考えとして、Human Centric Innovationというコンセプトを2014年に発表しました。これは先進技術で人をエンパワーする(力を与える)ことによって、ビジネスや社会のイノベーションを生み出す新たなアプローチです。

イノベーションは、人々の創造性、情報から導かれるインテリジェンス、そしてモノやインフラのつながり、という3つの要素を組み合わせることによって実現することができます。それぞれの要素は、人、情報、インフラストラクチャーという3つの経営資源に対応しています。
当社グループの研究開発活動は、この3つの要素に対応した、以下のアクションアイテムに沿って行われています。

①ヒューマン・エンパワーメント
デジタル技術を活用して人をエンパワーします。
②クリエイティブ・インテリジェンス
データ分析とアルゴリズムから引き出されるインテリジェンスを活用します。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
ビジネスや社会のインフラやモノ、プロセスをつないで価値を創造します

上記の各アクションアイテム等に関する、当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,586億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は886億円、ユビキタスソリューションに係る研究開発費は162億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は176億円、その他及び消去又は全社に係る研究開発費は360億円です。

①ヒューマン・エンパワーメント
データを分析、活用するための技術や、ハンズフリー端末など、人の行動を支援する技術の研究開発をしました。
・CT検査におけるAIを活用した類似症例検索技術を開発しました。画像ごとに機械学習を用いて病変を識別し、これを集めて病変部の3次元分布の特徴を算出することにより、高精度に類似症例の検索が可能となります。

・身に付けて使用する小型のハンズフリー音声翻訳端末を開発しました。音道形状の工夫により小型無指向性マイクを用いる話者識別技術の開発と、雑音に強い発話検出技術の精度を向上しました。

・ストリームデータ処理を受信処理とデータ処理に分離し、受信処理や実行中のデータ処理は停止させず、並列化された実行中のデータ処理が完了したタイミングで、配信されたデータ処理プログラムに自動的に切り替えることにより、大量のIoTデータ処理を停止させることなく処理内容の追加・変更を実行できるストリームデータ処理アーキテクチャーを開発しました。

②クリエイティブ・インテリジェンス
進化するAI(人工知能)による社会実装技術、多種多様なシーンに適用するセキュリティ技術の研究開発をしました。
・橋梁の表面に取り付けたセンサーで振動データを収集し、AI技術を用いて内部損傷度合いを推定できる分析技術を開発しました。変動の激しい振動などの時系列データから、力学的な運動の特徴を図形として抽出してDeep Learningで学習・分類する技術を拡張し、構造物や機器などの状態の異常や損傷の度合いを定量化します。

・「Deep Tensor」を拡張し、グラフ構造の特徴を学習する機構を複数用意することで、時系列のログデータに含まれる様々な特徴と、その特徴間の関係を同時に学習し、日常業務で使われている通信と区別が難しい侵入後のマルウェア活動の検知を高精度化するAI技術を開発しました。
・「Deep Tensor」技術を拡張し、AIが推定結果を導き出した主要因となる部分を特定する技術と、学習データと論文や知見などのオープンデータを統合したナレッジベースの中から、特定した部分を対応づける事により、AIの推定理由や根拠を説明する技術を開発しました。

・複数のブロックチェーン間を新たなブロックチェーンで接続し、各チェーンにおける一連の通貨交換に関わる取引処理を紐づけることで、全体を一つの取引として自動実行可能とするスマートコントラクトの拡張技術と、各チェーンでの取引処理の実行タイミングを同期させるトランザクション制御技術により、異なる仮想通貨の交換や決済を簡単・安全に実行できるセキュリティ技術として「コネクションチェーン」を開発しました。

・株式会社リクルートコミュニケーションズと、「デジタルアニーラ」をマーケティング・コミュニケーションに適用し、マーケティング効果の最大化を実現するためのマーケティング・テクノロジーの開発を目的とした共同研究を開始しました。

・車載ネットワークに流れるメッセージの受信タイミングから、サイバー攻撃を検知する技術を開発しました。平常時のメッセージの受信周期を学習し、学習した周期に対応するメッセージの受信数と実際の受信数のずれを利用して攻撃の可能性を判定します。

・自動車用エンジンでは、エンジンをトルクで管理するトルクベース制御が主に行なわれていますが、インジェクタ毎に異なる噴射特性や劣化特性等によって気筒間でトルクばらつきが生じることがあり、排ガス性能や燃費性能の悪化を招く要因となっていました。そこで、ベイズ推定理論と統計的サンプリング理論に基づく状態推定手法であるUKF(アンセンテッドカルマンフィルタ)を応用したトルクばらつき補正制御手法を開発しました。本技術により、新たにセンサーを設置することなく、既設センサーを用いてトルクばらつきを抑制でき、排ガス性能や燃費性能の向上が実現できます。

③コネクテッド・インフラストラクチャー
次世代コンピューティング、AI基盤、光ネットワークの高速化などICTインフラを強化する技術を研究開発しました。
・ブロックチェーン上の取引の自動処理プログラムであるスマートコントラクトのリスクを事前に検証し、ソースコード上での該当箇所を特定する技術を開発しました。

・Deep Learningの学習用ハードウェアの電力効率を向上させる回路技術を開発しました。ビット幅を減らした演算器の出力をリアルタイムに集計して分析することにより、学習に最適となるように演算器の小数点位置を自動的に制御する回路技術を開発しました。本技術により、演算器やメモリの消費電力を75%以上削減することが可能になります。

・仮想デスクトップシステムの性能劣化要因を特定する自動分析技術を開発しました。ネットワーク上のパケットを監視し、分析に必要な情報を抽出して蓄積することで、システムに負荷をかけずに、ストレージが原因となるボトルネックの分析が可能となります。

・ブロックチェーンのトランザクション処理を高速化する技術を開発しました。アプリケーションとブロックチェーン間の通信処理を複数まとめることで通信量を削減し処理を高速化しています。

・ブロックチェーンの応用による安心・安全なデータ流通ネットワークを実現するソフトウェアを開発しました。ブロックチェーンを応用した分散データへのアクセス制御を実現する富士通研究所の技術「富士通VPXテクノロジー」を活用し、様々な組織や企業内に蓄積されているデータの安全な流通を実現します。

・第5世代移動通信方式(5G)で要求されている毎秒10ギガビット超の高速通信を、Wi-Fiアクセスポイント並みの低消費電力で実現できる基地局向けミリ波回路技術を開発しました。フェーズシフタと呼ばれるアンテナ素子への信号の位相を制御する回路のアンプ数を減らし、回路の電力ロスを最小化するミリ波回路技術により、消費電力を半減させることに成功しました。

・低消費電力で広い領域を対象にできる無線通信技術であるLPWA(Low Power Wide Area)に対応した、電池交換不要の世界最小センサーデバイスを開発しました。温度センサーで測定した温度に合わせて電波送信のタイミングを制御する技術を開発し、電力を効率よく利用することで、電波送信に必要な蓄電素子を半減し、デバイスの小型化に成功しました。

・サーバに搭載したFPGA(集積回路)を、処理能力を高めるアクセラレータとして活用することで、クラウド間の大量データ転送を可能にする業界最高性能なWAN(Wide Area Network)高速化技術を開発しました。
・仮想マシンの負荷パターンと、機械学習によって算出したメンテナンスによるお客様業務への影響度合いを予測し、業務影響を避けつつ、メンテナンスを行う計画を短い時間で自動作成することで、お客様の重要な業務を停止させないクラウド運用技術を開発しました。

・光ネットワークの構築・運用管理を容易にするため、深層学習を用いて、光受信器の入力信号から光伝送信号パラメーターを直接推定する技術を開発しました。

④共通な基盤
ICTを支える基盤技術、新材料などの研究開発をしました。
・レアメタルであるコバルトを使用せず、従来のコバルト系材料に匹敵する高い電圧を持つリン酸鉄系リチウム二次電池用正極材料を開発しました。鉄系材料を用いて高い電圧を実現する新たな要因を発見し、独自の材料設計技術と、原料の配合や材料形成を精密に制御する技術により、新しい構造のピロリン酸鉄リチウムの合成に成功し、コイン型の二次電池を試作しました。

・内部抵抗を従来比10分の1とする電極の構造と電子走行層の下方に障壁層を設けることで漏れ電流を抑制する構造によりトランジスタ性能を向上させ、大容量の無線ネットワークに適用可能な、窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(GaN-HEMT)を利用した送信用の高出力増幅器を開発しました。

・「デジタルアニーラ」に内部状態を観測しパラメーターを自動制御する回路を組み込むことにより、複雑なパラメーター設定を行わずに組合せ最適化問題を解く技術を開発しました。

・高熱伝導性と耐熱性を両立する垂直配向カーボンナノチューブから構成された、高い放熱性能を持つ高熱伝導カーボンナノチューブシートの開発に成功しました。

・GaN-HEMTパワーアンプを高効率に冷却する単結晶ダイヤモンドと、SiC基板という熱膨張係数の異なる硬い材料同士を常温で接合する技術を開発しました。本技術を、GaN-HEMTの放熱に活用することで、高出力での安定動作を可能にします。

・理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIPセンター)理研AIP-富士通連携センターにおいて、AIPセンター分子情報科学チームらとともに、材料設計に材料シミュレーションの手法の一つである第一原理計算と、AI技術を活用する実証実験を行い、最適な材料組成を効率的に見つけ出し、材料開発を大幅に加速できることを実証しました。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01766] S100DCSS)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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