有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DI5Q
パナソニックホールディングス株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
当社グループは、各セグメントの主要領域における成長戦略に基づき、将来を担う新技術や新製品の開発に注力しました。
カンパニーや事業部などの組織を横断した主な取り組みと成果は、以下のとおりです。
・IoT機器を用いた「みまもり安心サービス」を開発、介護施設や遠隔在宅ケアサービスに展開
エアコンやルームセンサーを活用して、部屋の温湿度や在宅者の睡眠リズム、活動量を遠隔監視するサービスソリューションを開発しました。これをサービス付き高齢者住宅などの施設に導入し、ケアスタッフの業務効率向上を図るサービスを実用化しました。
また、さらなる用途拡大を見据え、大阪府箕面市、大阪府交野市、愛知県豊田市と遠隔在宅ケアサービスの実証実験を開始しました。2025年には、3人に1人が高齢者となる時代となり、介護人材の需給ギャップが課題となります。こうした中で当社は、IoTを活用した地域包括ケアシステムの実現により、在宅介護の効率化や自立支援に向けたケアサービスに貢献します。
・三相電力線を通信に利用する高速電力線通信技術を開発、大規模施設におけるIoT活用の実証を開始
電力線を高速通信として利用する技術「HD-PLC」と、複数の端末を経由してデータを安定的に送るマルチホップ技術との融合により、既存の電力線を用いて数km程度の長距離通信と端末1,000台規模のネットワークを実現できる通信技術を開発しました。さらに、モーター系動力や基幹電力系に用いる三相電力線での実証を当社佐賀工場で開始しました。本技術により、通信専用回線が不要となることで柔軟なレイアウト変更が可能となり、さらに、無線通信に比べセキュリティ強度の高いネットワークを安価に構築することができます。
今後「HD-PLC」をIoTの基盤技術の一つと位置付け、さらなる普及拡大を図っていきます。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,489億円となりました。主な内訳は、「アプライアンス」1,187億円、「エコソリューションズ」574億円、「コネクティッドソリューションズ」870億円、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」1,900億円です。各セグメントの主な成果は以下のとおりです。
(1) アプライアンス
主に当社の研究開発部門を中心として白物家電や情報家電、空調機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・高感度撮影に強く、世界初Cinema4K/60p動画記録が可能なミラーレス一眼カメラを開発
専用回路を1画素ごとに2系統備えた「デュアルネイティブISOテクノロジー」を搭載したイメージセンサーを開発。従来、高感度になるほど増幅されていたノイズを、「低ISO感度回路」と「低ノイズ・高ISO感度回路」の2系統を切り換えることで、低減することが可能になりました。さらに、最新の画像処理ヴィーナスエンジンとの組み合わせで、暗部まで美しく描写できる高感度画質を実現しました。
また、ミラーレス一眼としては世界初「Cinema4K/60p」動画記録や「4:2:2 10bit Cinema4K/30p」動画記録機能を搭載し、映像制作の現場でも活躍できるプロフェッショナル動画性能をも可能にしています。
・テクニクスの高音質技術を継承したオールインワンタイプのプレミアムオーディオシステムを開発
部屋の環境や設置場所に合わせて最適な音質に調整する「Space Tune」を開発し、テクニクスの上位機種で採用したフルデジタルアンプ「JENO Engine」や振幅と位相の周波数特性を平坦化するスピーカー負荷適応アルゴリズム「LAPC(Load Adaptive Phase Calibration)」などの高音質技術とともに一体型ボディに凝縮したオールインワンタイプを実現しました。また、スピーカー部のツィーターには「逆ドーム形状フィン」構造の音響レンズを新たに開発し、前面に実装したルーバーをフィンの間隔に合わせることで音道の連続性を高めました。
これらの技術により、一体型でありながら豊かな広がりのある音場を実現します。
・業界初「液体洗剤・柔軟剤自動投入」機能とスマートフォンで操作が可能な、ななめドラム洗濯乾燥機を開発
近年の主流である液体合成洗剤・柔軟剤に対応し、計量・投入の手間削減ができる、業界初の「液体洗剤・柔軟剤自動投入」機能を開発しました。この機能は、銘柄や温度環境などで違いが生じる洗剤や柔軟剤の粘度に対応し、様々な環境下においても自動的に適量の洗剤・柔軟剤を投入するピストン方式の機構を新たに開発したことにより実現しています。
また、スマートフォン操作で外出先からも運転予約や状況確認が可能となるアプリ「スマホで洗濯」も併せて開発することで、洗濯乾燥機の使いやすさを向上させました。
(2) エコソリューションズ
主に当社の研究開発部門を中心として、エネルギーマネジメントをはじめ、住宅設備や建材、環境空質機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・工業化住宅業界初、住む人の健康と快適に配慮した新概念の空調システム「エアロハス」を開発
「専用エアコン+換気システム」による換気・空調システムを開発し、家中を快適な温度に保ちながら、自然の力(地熱)の活用と各室を温度センサーで制御することにより、快適性と省エネを実現し、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)への対応が容易になりました。
このシステムにより、①住宅内でヒートショックを引き起こす原因となる室内の温度差の解消、②高い除湿能力で空調がOFFでもダクトのカビを抑制、③地熱活用と高断熱な建物等による省エネ、④PM2.5にも対応できる空気浄化能力など、様々な特長を実現しました。
・約6mmの薄さで業界最高クラスの断熱性能を有する真空断熱ガラスの開発および量産化に成功
プラズマディスプレイパネルの開発・製造技術を応用することで、従来のアルゴンガス入りトリプルガラス(総厚約30mm)と同等以上の断熱性能を有しながら、総厚約6mmの薄型真空断熱ガラスの開発および量産化に成功しました。真空層内で発生するガスを吸着する薄型のガス吸着剤や、2枚のガラス間に0.1mm程度の隙間を形成する低熱伝導性材料などを新たに開発することで、総厚約6mmのガラスとしては業界最高クラスの断熱性能である熱貫流率(Ug値)0.7(W/m²・K)を実現しています。さらに、独自の真空断熱ガラス製造方法により、2枚のガラス間に真空空間を形成する際に必要な排気孔の封止部をガラス表面からなくすことができ、フラットですっきりとした外観を可能にしました。
・4K・8K高精細テレビ放送において、より高品位な色再現を可能にするLED投光器を開発
次世代テレビ放送に配慮した独自の照明設計により、広色域4K・8K放送に対応したLED投光器を開発しました。大規模スポーツ競技場の夜間照明にも適した、広色域4K・8K超高精細テレビ放送(UHDTV)向けの演色性指標と推奨値をクリアし、高品質な映像表現をサポートします。
また、スーパースロー撮影時に適した点灯技術により、チラツキを抑制します。さらに、独自の配光設計技術の開発により、光源からの光を絞る配光を実現し、まぶしさの原因となる光の重なりを減らすことで、グレア(まぶしさ)を低減しています。
(3) コネクティッドソリューションズ
主に当社の研究開発部門を中心として、企業・法人向けの機器やIoTソリューションの研究開発を行っています。主な成果としては、
・経年・化粧・表情の影響を受けずに本人確認ができる顔認証技術を開発
デジタルカメラなどで培ってきた画像センシング技術と多くの人を識別し学習したAI技術との組合せで、ひげや化粧、しわやしみなどに対応した顔認証技術を開発しました。この技術を顔認証ゲートに搭載、人間工学に基づくユニバーサルデザインとの融合で初心者や高齢者が直感的に使える顔認証自動審査ゲートを実現しました。本ゲートは、羽田空港に導入され、帰国手続きの合理化に貢献しています。
なお、本ゲートは、「2017年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
・世界初「イメージセンサー先端搭載 次世代血管内視鏡カテーテル」の開発
国立大学法人 大阪大学と連携し、世界で初めてイメージセンサーをカテーテル先端に搭載した次世代血管内視鏡カテーテルを開発・実用化し、フルカラーで血管の前方方向を観察することを可能にしました。また、長年培ってきたカメラの超精密加工技術や超解像技術により、先端部は直径1.8mmでありながら48万画素相当という高画質を実現しました。
本技術により、血管内の動脈硬化の様子や、血栓、ステント(狭心症や心筋梗塞の手術時に、血管内に留置されるメッシュ状の金属筒)留置後の状態を、高画質のフルカラー画像で把握することが可能になります。
・B2B向けIoTサービス「μSockets(ミューソケッツ)」の構築
IoT向けテクノロジープラットフォーム「Panasonic Digital Platform」を使って、当社の豊富なIoT対応商品・デバイスと、業界トップレベルのセンシング技術や解析技術(エッジコンピューティング技術)、ネットワーク技術、アクチュエーション技術など先進コア技術に加え、これまで、企業・官公庁様向けシステム納入で培った豊富な現場ノウハウをB2B向けIoTサービス、μSockets(ミューソケッツ)として体系化しました。
これにより、お客様の現場で生まれる様々なデータをリアルタイムに可視化・分析し、ボトルネックの解消や業務効率改善などの課題解決や、快適な現場環境やサービス向上を実現します。
(4) オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
主に当社の研究開発部門を中心として、車載向けなどのインフォテインメント関連機器、二次電池をはじめとした電子部品、電子材料等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・眠気を非接触で検知・予測し、快適に覚醒状態を維持させる眠気制御技術を開発
カメラ画像から測定した、瞬き、表情などをAI処理することにより、初期段階の浅い眠気を非接触で高精度に検知する技術を開発しました。また、人の放熱量や照度といった車室内環境の計測データを用いた眠気推移の予測に成功し、これに人の温熱快適性のモニタリングを併用することで、目的地まで快適に覚醒状態を維持させる眠気制御技術を開発しました。これらの技術をシステム化することで、居眠り運転の抑制に貢献します。
本技術は日刊工業新聞社主催「2017年十大新製品賞 60回記念特別賞」を受賞しました。
・福井県、永平寺町と共同で自動運転車両走行の実証実験を実施
福井県と永平寺町との連携により、当社がこれまで社内の車両試験場や構内で検証を重ねてきた自動運転技術を用いて、公道に準じる環境の「永平寺参(まい)ろーど」で自動運転走行システムの技術的な実証と、自動運転EVコミューターを用いたモビリティサービスの社会受容性への検証を実施しました。また、2018年3月より京都府のけいはんな学研都市においても公道での実証実験を開始しました。
これらの実験により、自動運転EVコミューターの公道走行における技術課題を確認し、今後の自動運転技術及び、モビリティサービスの実用化を目指していきます。
・自律移動ロボットの普及に貢献する三次元距離計測センサ「3D LiDAR(ライダー)」を開発
光ディスクドライブ事業で培った光学設計技術とモーター制御技術の活用により、独自構造を用いたレーザスキャン技術を開発し、垂直方向60度、水平方向270度の広角スキャンができる三次元距離センサ3D LiDARを開発しました。これにより、単一センサによる広範囲な三次元距離計測を可能とし、他センサと組み合わせることなく、自律移動ロボットの走行制御システムの構成を単純にすることが可能となります。
また、垂直方向のスキャン範囲と解像度を数種類のモードから設定できるため、利用シーンに適したスキャン範囲や解像度で距離計測が可能となり、ロボットの安定かつ効率的な走行を実現します。
カンパニーや事業部などの組織を横断した主な取り組みと成果は、以下のとおりです。
・IoT機器を用いた「みまもり安心サービス」を開発、介護施設や遠隔在宅ケアサービスに展開
エアコンやルームセンサーを活用して、部屋の温湿度や在宅者の睡眠リズム、活動量を遠隔監視するサービスソリューションを開発しました。これをサービス付き高齢者住宅などの施設に導入し、ケアスタッフの業務効率向上を図るサービスを実用化しました。
また、さらなる用途拡大を見据え、大阪府箕面市、大阪府交野市、愛知県豊田市と遠隔在宅ケアサービスの実証実験を開始しました。2025年には、3人に1人が高齢者となる時代となり、介護人材の需給ギャップが課題となります。こうした中で当社は、IoTを活用した地域包括ケアシステムの実現により、在宅介護の効率化や自立支援に向けたケアサービスに貢献します。
・三相電力線を通信に利用する高速電力線通信技術を開発、大規模施設におけるIoT活用の実証を開始
電力線を高速通信として利用する技術「HD-PLC」と、複数の端末を経由してデータを安定的に送るマルチホップ技術との融合により、既存の電力線を用いて数km程度の長距離通信と端末1,000台規模のネットワークを実現できる通信技術を開発しました。さらに、モーター系動力や基幹電力系に用いる三相電力線での実証を当社佐賀工場で開始しました。本技術により、通信専用回線が不要となることで柔軟なレイアウト変更が可能となり、さらに、無線通信に比べセキュリティ強度の高いネットワークを安価に構築することができます。
今後「HD-PLC」をIoTの基盤技術の一つと位置付け、さらなる普及拡大を図っていきます。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,489億円となりました。主な内訳は、「アプライアンス」1,187億円、「エコソリューションズ」574億円、「コネクティッドソリューションズ」870億円、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」1,900億円です。各セグメントの主な成果は以下のとおりです。
(1) アプライアンス
主に当社の研究開発部門を中心として白物家電や情報家電、空調機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・高感度撮影に強く、世界初Cinema4K/60p動画記録が可能なミラーレス一眼カメラを開発
専用回路を1画素ごとに2系統備えた「デュアルネイティブISOテクノロジー」を搭載したイメージセンサーを開発。従来、高感度になるほど増幅されていたノイズを、「低ISO感度回路」と「低ノイズ・高ISO感度回路」の2系統を切り換えることで、低減することが可能になりました。さらに、最新の画像処理ヴィーナスエンジンとの組み合わせで、暗部まで美しく描写できる高感度画質を実現しました。
また、ミラーレス一眼としては世界初「Cinema4K/60p」動画記録や「4:2:2 10bit Cinema4K/30p」動画記録機能を搭載し、映像制作の現場でも活躍できるプロフェッショナル動画性能をも可能にしています。
・テクニクスの高音質技術を継承したオールインワンタイプのプレミアムオーディオシステムを開発
部屋の環境や設置場所に合わせて最適な音質に調整する「Space Tune」を開発し、テクニクスの上位機種で採用したフルデジタルアンプ「JENO Engine」や振幅と位相の周波数特性を平坦化するスピーカー負荷適応アルゴリズム「LAPC(Load Adaptive Phase Calibration)」などの高音質技術とともに一体型ボディに凝縮したオールインワンタイプを実現しました。また、スピーカー部のツィーターには「逆ドーム形状フィン」構造の音響レンズを新たに開発し、前面に実装したルーバーをフィンの間隔に合わせることで音道の連続性を高めました。
これらの技術により、一体型でありながら豊かな広がりのある音場を実現します。
・業界初「液体洗剤・柔軟剤自動投入」機能とスマートフォンで操作が可能な、ななめドラム洗濯乾燥機を開発
近年の主流である液体合成洗剤・柔軟剤に対応し、計量・投入の手間削減ができる、業界初の「液体洗剤・柔軟剤自動投入」機能を開発しました。この機能は、銘柄や温度環境などで違いが生じる洗剤や柔軟剤の粘度に対応し、様々な環境下においても自動的に適量の洗剤・柔軟剤を投入するピストン方式の機構を新たに開発したことにより実現しています。
また、スマートフォン操作で外出先からも運転予約や状況確認が可能となるアプリ「スマホで洗濯」も併せて開発することで、洗濯乾燥機の使いやすさを向上させました。
(2) エコソリューションズ
主に当社の研究開発部門を中心として、エネルギーマネジメントをはじめ、住宅設備や建材、環境空質機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・工業化住宅業界初、住む人の健康と快適に配慮した新概念の空調システム「エアロハス」を開発
「専用エアコン+換気システム」による換気・空調システムを開発し、家中を快適な温度に保ちながら、自然の力(地熱)の活用と各室を温度センサーで制御することにより、快適性と省エネを実現し、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)への対応が容易になりました。
このシステムにより、①住宅内でヒートショックを引き起こす原因となる室内の温度差の解消、②高い除湿能力で空調がOFFでもダクトのカビを抑制、③地熱活用と高断熱な建物等による省エネ、④PM2.5にも対応できる空気浄化能力など、様々な特長を実現しました。
・約6mmの薄さで業界最高クラスの断熱性能を有する真空断熱ガラスの開発および量産化に成功
プラズマディスプレイパネルの開発・製造技術を応用することで、従来のアルゴンガス入りトリプルガラス(総厚約30mm)と同等以上の断熱性能を有しながら、総厚約6mmの薄型真空断熱ガラスの開発および量産化に成功しました。真空層内で発生するガスを吸着する薄型のガス吸着剤や、2枚のガラス間に0.1mm程度の隙間を形成する低熱伝導性材料などを新たに開発することで、総厚約6mmのガラスとしては業界最高クラスの断熱性能である熱貫流率(Ug値)0.7(W/m²・K)を実現しています。さらに、独自の真空断熱ガラス製造方法により、2枚のガラス間に真空空間を形成する際に必要な排気孔の封止部をガラス表面からなくすことができ、フラットですっきりとした外観を可能にしました。
・4K・8K高精細テレビ放送において、より高品位な色再現を可能にするLED投光器を開発
次世代テレビ放送に配慮した独自の照明設計により、広色域4K・8K放送に対応したLED投光器を開発しました。大規模スポーツ競技場の夜間照明にも適した、広色域4K・8K超高精細テレビ放送(UHDTV)向けの演色性指標と推奨値をクリアし、高品質な映像表現をサポートします。
また、スーパースロー撮影時に適した点灯技術により、チラツキを抑制します。さらに、独自の配光設計技術の開発により、光源からの光を絞る配光を実現し、まぶしさの原因となる光の重なりを減らすことで、グレア(まぶしさ)を低減しています。
(3) コネクティッドソリューションズ
主に当社の研究開発部門を中心として、企業・法人向けの機器やIoTソリューションの研究開発を行っています。主な成果としては、
・経年・化粧・表情の影響を受けずに本人確認ができる顔認証技術を開発
デジタルカメラなどで培ってきた画像センシング技術と多くの人を識別し学習したAI技術との組合せで、ひげや化粧、しわやしみなどに対応した顔認証技術を開発しました。この技術を顔認証ゲートに搭載、人間工学に基づくユニバーサルデザインとの融合で初心者や高齢者が直感的に使える顔認証自動審査ゲートを実現しました。本ゲートは、羽田空港に導入され、帰国手続きの合理化に貢献しています。
なお、本ゲートは、「2017年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
・世界初「イメージセンサー先端搭載 次世代血管内視鏡カテーテル」の開発
国立大学法人 大阪大学と連携し、世界で初めてイメージセンサーをカテーテル先端に搭載した次世代血管内視鏡カテーテルを開発・実用化し、フルカラーで血管の前方方向を観察することを可能にしました。また、長年培ってきたカメラの超精密加工技術や超解像技術により、先端部は直径1.8mmでありながら48万画素相当という高画質を実現しました。
本技術により、血管内の動脈硬化の様子や、血栓、ステント(狭心症や心筋梗塞の手術時に、血管内に留置されるメッシュ状の金属筒)留置後の状態を、高画質のフルカラー画像で把握することが可能になります。
・B2B向けIoTサービス「μSockets(ミューソケッツ)」の構築
IoT向けテクノロジープラットフォーム「Panasonic Digital Platform」を使って、当社の豊富なIoT対応商品・デバイスと、業界トップレベルのセンシング技術や解析技術(エッジコンピューティング技術)、ネットワーク技術、アクチュエーション技術など先進コア技術に加え、これまで、企業・官公庁様向けシステム納入で培った豊富な現場ノウハウをB2B向けIoTサービス、μSockets(ミューソケッツ)として体系化しました。
これにより、お客様の現場で生まれる様々なデータをリアルタイムに可視化・分析し、ボトルネックの解消や業務効率改善などの課題解決や、快適な現場環境やサービス向上を実現します。
(4) オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
主に当社の研究開発部門を中心として、車載向けなどのインフォテインメント関連機器、二次電池をはじめとした電子部品、電子材料等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・眠気を非接触で検知・予測し、快適に覚醒状態を維持させる眠気制御技術を開発
カメラ画像から測定した、瞬き、表情などをAI処理することにより、初期段階の浅い眠気を非接触で高精度に検知する技術を開発しました。また、人の放熱量や照度といった車室内環境の計測データを用いた眠気推移の予測に成功し、これに人の温熱快適性のモニタリングを併用することで、目的地まで快適に覚醒状態を維持させる眠気制御技術を開発しました。これらの技術をシステム化することで、居眠り運転の抑制に貢献します。
本技術は日刊工業新聞社主催「2017年十大新製品賞 60回記念特別賞」を受賞しました。
・福井県、永平寺町と共同で自動運転車両走行の実証実験を実施
福井県と永平寺町との連携により、当社がこれまで社内の車両試験場や構内で検証を重ねてきた自動運転技術を用いて、公道に準じる環境の「永平寺参(まい)ろーど」で自動運転走行システムの技術的な実証と、自動運転EVコミューターを用いたモビリティサービスの社会受容性への検証を実施しました。また、2018年3月より京都府のけいはんな学研都市においても公道での実証実験を開始しました。
これらの実験により、自動運転EVコミューターの公道走行における技術課題を確認し、今後の自動運転技術及び、モビリティサービスの実用化を目指していきます。
・自律移動ロボットの普及に貢献する三次元距離計測センサ「3D LiDAR(ライダー)」を開発
光ディスクドライブ事業で培った光学設計技術とモーター制御技術の活用により、独自構造を用いたレーザスキャン技術を開発し、垂直方向60度、水平方向270度の広角スキャンができる三次元距離センサ3D LiDARを開発しました。これにより、単一センサによる広範囲な三次元距離計測を可能とし、他センサと組み合わせることなく、自律移動ロボットの走行制御システムの構成を単純にすることが可能となります。
また、垂直方向のスキャン範囲と解像度を数種類のモードから設定できるため、利用シーンに適したスキャン範囲や解像度で距離計測が可能となり、ロボットの安定かつ効率的な走行を実現します。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01772] S100DI5Q)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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