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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DFLC

有価証券報告書抜粋 ニチコン株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー株式の総数等

当社グループは、アルミ電解コンデンサ、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、フィルムコンデンサ等の電子デバイスと、各種電源、機能モジュール、応用関連機器等の回路製品を主力製品とし、コンデンサと回路製品設計のコア技術を用いて「エネルギー・環境・医療機器」、「自動車・車両関連機器」、「白物家電・産業用インバータ機器」、「情報通信機器」の4市場を重点分野と定め、高信頼性、高安全性、高機能性を追求し、競争力に優れる新製品開発を展開しています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は4,236百万円です。
製品区分毎の研究開発状況は、次のとおりです。
(1)電子機器用コンデンサ
①アルミ電解コンデンサは、電極箔、電解液などの基本部材から自社で研究開発し、上記の各重点分野に向けてネジ端子の大形品から面実装に適したチップ品、また、導電性高分子材料を陰極に用いた導電性高分子アルミ固体電解コンデンサなど多彩なデバイスを取り揃え、使用環境がますます多様化する中でのさらなる高機能化のニーズに応える製品開発に取り組んでいます。
小形アルミ電解コンデンサでは、車載用途市場において要求される振動環境に最適な高耐振動構造を有する「UXYシリーズ」の量産を開始しました。さらに、LED照明用・電源全般用として、機器の小型化や出力向上に向け要求されるアルミ電解コンデンサの小形化、低インピーダンス化に対応した「UHWシリーズ」に、φ5×11L~φ10×12.5Lの小形サイズを拡充し、電源用低インピーダンス品としては業界最高レベルとなる最大12,000時間の耐久性を実現しています。
チップ形アルミ電解コンデンサでは、車載用として業界最高レベルの125℃ 2,000時間保証、耐久試験後ESR規定品「UCHシリーズ」を定格拡充しました。また、デジタル家電や車載用途として、業界最小の105℃ 2,000時間保証、高容量・低インピーダンス品「UCVシリーズ」の定格を拡充しました。さらにオーディオ機器や映像・音声分野に最適な、業界最高ランクの音質を有するオーディオ用「UCQシリーズ」をラインアップに加えました。
導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサでは、自動車電装分野や産業機器分野で要求される高温度・低ESR・高リプル対応「GYAシリーズ」に加え、民生機器分野および産業機器分野で要求される長寿命・高リプル対応となる105℃ 10,000時間保証の「GYBシリーズ」を開発しました。
電気二重層コンデンサでは、ドライブレコーダや衝撃感知式ドアロック解除システムなどのバックアップ電源用として、現行品と比較して抵抗は1/4以下、耐久性が2倍の2,000時間となる「JUAシリーズ」を開発し、さらなる用途拡大を可能にしました。
東芝インフラシステムズ株式会社と技術援助契約を締結し、同社が市場導入しているSCiBTMの技術を応用した小形リチウムイオン二次電池を開発しました。負極にチタン酸リチウムを採用することにより、高レート(最大20C)での急速充放電性能を有し、キャパシタに迫る高入出力密度を実現しました。また、充放電10Cレートで18,000回以上が可能な耐久性と-30℃でも動作可能な低温特性を保持しています。さらに短絡や劣化の原因となるリチウム金属の析出が起こりにくいことで、発火発煙の危険性が極めて低い安全な小形リチウムイオン二次電池です。当社の強みであるアルミ電解コンデンサ製造で培った多品種の巻回型製品製造技術を活用し、リード線形で直径3mm長さ7mmの超小形から直径12.5mm長さ40mmまでのラインアップを順次市場導入する予定です。今後も効率的なエネルギーの活用を実現する製品群を積極的に開発し、明るい未来社会の実現と地球温暖化の防止に貢献します。
②フィルムコンデンサは、基本材料である金属蒸着フィルムから開発し、自動車・車両関連機器分野、特に環境負荷が小さく、市場拡大の目覚しいHV、EV、PHVなどの動力モーター駆動用インバータ回路向け平滑用フィルムコンデンサの開発に注力しています。これらの駆動用インバータユニットに用いられるフィルムコンデンサは、高周波特性・耐電流性能に優れ、長寿命で高信頼、高安全性に加え、顧客要求に応じたフレキシブルな対応が可能であることから、国内外の自動車メーカーへの採用が増えています。また、風力発電、太陽光発電などの再生可能エネルギー分野や汎用インバータなどの産機分野でも長寿命、高信頼の直流フィルタ用コンデンサが強く求められています。こうした市場ニーズに応える直流フィルタ用・平滑用コンデンサとして乾式樹脂モールド形「EJシリーズ」や円筒形「ERシリーズ」をとりそろえています。また当社のフィルムコンデンサは、蒸着フィルムに保安機構を採用することで安全性を高くするとともに長寿命化を実現しています。
(2)電力・機器用コンデンサ
電力・機器用コンデンサでは、防災型進相コンデンサ「GeoDRY®」をはじめ、受変電高圧側、または、末端低圧負荷側に設置される用途に各種進相コンデンサとその付属機器をラインアップしています。進相コンデンサは、製品の安全性を重視し、誘電体絶縁破壊時に絶縁回復する信頼性の高い「蒸着電極(SH)コンデンサ」を全機種に採用しています。油入式高圧進相コンデンサのモデルチェンジを行い、従来の製品と比べ製品設置面積を最大27%、製品の高さを最大7%小型化し、キュービクルへの収納性と簡便化を図った業界最小クラスのコンデンサを実現しました。製品の保護については、当社の進相コンデンサの特長である自己遮断可能な保安装置を全機種に内蔵しており、設備容量150kvar以上の機種には保護接点(圧力スイッチ)も付属しています。加えて、電力のバックアップや安定化に寄与する瞬時電圧低下/停電対策装置やパワーコントロールシステムなどの関連装置を取り揃え、BCP対策をはじめ総合的に高品位な電力の安定化を提案しています。
(3)回路製品
当社グループは、「価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献します。」と経営理念に掲げており、NECST事業は、その具現化のために、再生可能エネルギーの普及、エネルギーの地産地消、EVやPHVなど次世代自動車とそのインフラの普及を目指した取り組みを進めています。
地球環境保護には再生可能エネルギーの活用が注目を集めていますが、発電変動が大きく、その有効活用と安定化には蓄電システムが大きな役割を果たします。当社は2012年に系統連系規定をクリアした家庭用蓄電システムを業界に先駆けて開発し、市場投入してきましたが、今年度は、太陽光発電と蓄電システム、さらに電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)に接続できるV2Hを組み合わせた大容量・高出力トライブリッド蓄電システム「ESS-T1」を開発しました。トライブリッド蓄電システム™は太陽電池と蓄電池とEV・PHVの内蔵電池を直流のまま接続できるため、電気の変換効率がよく、また、さまざまな利用シーンに合わせて柔軟に活用いただける家庭用トータルエネルギーシステムです。特に太陽光で発電した電力を家庭で利用するだけでなく、EVやPHVに充電することで生活のあらゆる場面でCO2を排出しないクリーンでスマートな生活が可能になります。当社が掲げる「地球環境の保護」や「明るい未来社会つくり」に具体的に貢献できる未来を先取りした商品です。
上記のことを評価いただき、CEATEC AWARD 2017の「コミュニティ・イノベーション部門」”において「準グランプリ」を受賞しました。
2017年は、欧州各国や、中国政府がEV、PHVへの急激なシフトを打ち出した年でした。世界の潮流として大きな市場拡大が予想されており、上記トライブリッドの追い風になるとともに、これまで取り組んできたEV・PHVに関連する急速充電器やV2Hのビジネスチャンスの拡大につながると期待しております。そうした中、EV・FCV・PHVの電気を非常用電源やアウトドアユースで活用する可搬型のV2L(Vehicle to Load)システムを開発し、EVパワー・ステーション「パワー・ムーバー」として発売を開始しました。
産業用途や避難所向けの大容量蓄電システムは、従来までは20kWの変換機と120kWhの蓄電容量が上限でした。今年度はメガソーラーと呼ばれる大規模太陽光発電システムに蓄電池を併設して系統に安定した電力供給をするシステムを開発し納入しました。変換機容量は240kW、蓄電容量は678kWhと従来比で6倍程度の規模のものであり、設置工事を簡略化できるようコンテナに収納しました。
医療関係分野では、研究用途の加速器用電源で培ったパワエレ技術を応用し、陽子線用や重粒子線用といった医療用加速器電源の性能向上や、小型化などにとりくみ、国内のみならず、海外案件の受注が増加しております。研究用加速器では、日本への誘致活動をしている国際リニアコライダー(ILC)の研究開発にも参画して、新たな技術領域へのチャレンジをしています。
事務機器、デジタル家電機器およびアミューズメント機器向け電源では、新たな分野への展開を視野に入れた技術開発を進めています。
(4)産学連携による研究開発
現代は、社会の変化や技術革新のスピードが極めて速く、そうした動きに的確に対応し、ビジネスチャンスを活かしていくには外部の知見、経験を活用することが不可欠であり、産学連携の重要性が高まっています。2014年から文部科学省のスーパークラスタープログラムに参画し、京都大学との連携により、SiCのパワーMOS-FETを用いた小型高周波電源の開発を行いました。従来比2桁高い周波数で半導体素子を駆動する技術を習得し、それらを並列で駆動するという、より高度な制御技術を確立しました。また、産業技術総合研究所との共同開発を通じてSiCの高電圧素子の開発やその評価を進めており、最先端素子を使いこなすことで競争力を高めることを目指しています。
一方、東京大学生産技術研究所と包括的な産学連携研究協力協定を2016年9月に締結し、技術者を派遣して研究開発を推進し、一定の成果を挙げてきています。派遣技術者の人数も増え、その教育効果を含めて今後の研究開発力強化につなげていきます。既に13年以上継続している立命館大学とのR&E包括協定では、NECST商品に使用する部材の評価や、MOT教育による最新技術を新規ビジネスに結びつけるノウハウの習得など、新たな価値創造や、新規ビジネスの立ち上げを担う人材の育成を行っています。

経営上の重要な契約等株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01904] S100DFLC)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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