有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100E6G2
レーザーテック株式会社 研究開発活動 (2018年6月期)
当社グループの技術は、光応用技術をコアに、エレクトロニクス、精密機構、及び画像処理などの周辺技術を高いレベルで融合させたオプトメカトロニクスと呼ばれる複合技術であり、代表的な製品である半導体マスク欠陥検査装置やマスクブランクス欠陥検査/レビュー装置、レーザー顕微鏡、及びFPDフォトマスク欠陥検査装置ほか、すべての製品開発に活用されております。
新しい製品の開発にあたっては、顕微鏡の営業活動などを通じて幅広い業界、市場を調査し、新しいマーケットやアプリケーションを探し出し、それぞれ固有のニーズに合致した新製品を生み出すことを心がけております。
また既に製品を納入している多くのお客様や各種研究開発機関へのサービス・サポートを通じて、お客様の顕在化した要望のみならず、潜在的なニーズを正確につかみ、独創的な視点と技術でどこよりも早く問題解決の方法をご提供することが最重要であると考えております。
当社グループは、光学技術を追求する過程で、独自のコア技術を確立してまいりました。共焦点光学系、DUV(注)光学系、EUV(注)光学系、及び光干渉計技術などの光学技術を進化させ、高度な周辺技術との融合によって特徴ある製品を生み出しています。また、高精度高速ステージ開発のための精密機構技術、あるいは欠陥検出の画像処理技術などを継続的に深化させ、近年ではAI(人工知能)技術を応用した自動欠陥分類の開発を進めるなど、お客様のニーズに対してタイムリーにソリューションを提供できる研究・製品開発を進めております。
(注) DUV:Deep Ultraviolet、遠紫外線
EUV:Extreme Ultraviolet、極端紫外線
当連結会計年度における研究開発の成果として発売された新製品は次のとおりであります。
(1) 第10.5世代用FPDフォトマスク欠陥検査装置 CLIOS G10シリーズ及びCLIOS用ペリクル検査/貼り付けシステム 71PA CM
近年のFPD業界では、スマートフォンやタブレット端末に代表される中小型高精細ディスプレイ、4K・8K 高解像度大型テレビ等への対応が急務となっており、フォトマスクのパターンの微細化及び基板サイズの大型化が進展しています。また、中国における第10.5世代液晶ディスプレイ工場への投資が相次いだ事から、FPD用大型フォトマスク検査の必要性が更に高まりました。
当社グループでは、こうした市場のニーズに対応すべく、第10.5世代に対応したFPDフォトマスク欠陥検査装置、及びペリクル検査/貼り付けシステムの新製品を開発いたしました。
CLIOS G10シリーズ は、FPDの生産に使用される第10.5世代(2,000mm × 1,800mm)までの大型フォトマスクを高感度かつ高スループットで検査が可能です。新設計ステージと高速化した欠陥検出処理ユニットにより、検査時間を従来モデル比3割削減しました。
71PA CMは、第10.5世代までの様々なサイズのペリクルの貼り付け作業を、マスク欠陥検査直後のクリーンな環境下において、リモート操作で実施できます。またオプション機能によりペリクル表面、裏面の異物検査が可能です。
(2) GaNウェハ欠陥検査/レビュー装置 GALOIS(ガロワ)シリーズ
世界規模での省エネルギー意識が高まる中、エネルギー効率を極限まで高める新技術の必要性が高まっています。その材料として大きな発展が期待できるSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などの化合物半導体は、パワーエレクトロニクスや高速通信、LEDなどへの実用化に向け、品質改善やコスト低減への研究開発が活発化しています。
工業化に向け先行しているSiCにおいては、欠陥検査/レビュー装置「SICA88」が業界標準検査機として使用され、高スループット、高精度欠陥分類、高解像度レビュー画像などの点が市場から高く評価されています。
一方、GaNデバイスの普及においては、ウェハ製造コスト、多数の結晶・加工欠陥が障害となっており、ウェハの品質改善が求められています。当社グループはこれらの課題解決に貢献すべく、ウェハの加工欠陥・結晶欠陥を高感度かつ高速に検出・分類し、高解像の欠陥レビューが可能なGaNウェハ欠陥検査/レビュー装置 GALOISシリーズを製品化しました。
GALOISは当社グループのコア技術である明視野コンフォーカル光学系と微分干渉光学系を組み合わせ、最新の画像処理技術に基づいた検査アルゴリズムにより、透明基板による裏面反射や、GaNウェハ表面のモルフォロジーに影響されること無く、ウェハ表面に存在する各種欠陥を高感度に検出することができます。
欠陥の分類には高速の処理コンピュータと、最新のディープラーニングを含む機械学習アルゴリズムによる学習モデルを使用し、前述のコア技術による高解像度レビュー画像に基づき、様々な不定形状の欠陥を検査と同時に高精度分類します。
(3) マスク欠陥検査装置 MATRICS X8ULTRAシリーズ
デバイスパターンの微細化に伴い、次世代露光技術であるEUVリソグラフィの実用化が、いよいよ間近に迫ってきました。半導体デバイスの回路パターンの原版であるマスクは常に高い品質が求められますが、特に微細なパターンが形成されるEUVマスクでは、欠陥や異物をより高い感度で検出することが要求されます。
また、EUVリソグラフィと既存のDUVリソグラフィとが併用される今後の最先端のウェハファブでは、反射型のEUVマスクと従来の透過型のフォトマスクとが混在し、これらのいずれにも対応できる検査装置の必要性が高まっています。
MATRICS X8ULTRAシリーズは、デザインノード7nm~5nmのEUVマスク及び従来のフォトマスク両方に対応できる半導体マスク検査装置であり、ピクセルサイズ45nm、ハイパワー213nmQCWレーザー(>400mW)、及び2種類の偏光照明により、高感度化を達成しました。
マスクのパターン寸法分布をマスク検査と同時に計測し、可視化する機能を有し、また初期状態のマスクパターンの全画像を保存し、ウェハ露光後のマスクパターンと比較して、マスク上の異物を検出するマスクtoマスク比較検査機能も新たに搭載しました。
フォトマスク用の収納PodであるRSP150、RSP200のみならず、EUVマスク用のDual Pod(二重構造ポッド)にも対応可能であり、OHT(天井走行レールガイド式無人搬送車)と連動した全自動検査が可能です。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、27億72百万円であります。
なお、当社グループの事業は、検査・測定機器の設計、製造、販売を行う単一のセグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
新しい製品の開発にあたっては、顕微鏡の営業活動などを通じて幅広い業界、市場を調査し、新しいマーケットやアプリケーションを探し出し、それぞれ固有のニーズに合致した新製品を生み出すことを心がけております。
また既に製品を納入している多くのお客様や各種研究開発機関へのサービス・サポートを通じて、お客様の顕在化した要望のみならず、潜在的なニーズを正確につかみ、独創的な視点と技術でどこよりも早く問題解決の方法をご提供することが最重要であると考えております。
当社グループは、光学技術を追求する過程で、独自のコア技術を確立してまいりました。共焦点光学系、DUV(注)光学系、EUV(注)光学系、及び光干渉計技術などの光学技術を進化させ、高度な周辺技術との融合によって特徴ある製品を生み出しています。また、高精度高速ステージ開発のための精密機構技術、あるいは欠陥検出の画像処理技術などを継続的に深化させ、近年ではAI(人工知能)技術を応用した自動欠陥分類の開発を進めるなど、お客様のニーズに対してタイムリーにソリューションを提供できる研究・製品開発を進めております。
(注) DUV:Deep Ultraviolet、遠紫外線
EUV:Extreme Ultraviolet、極端紫外線
当連結会計年度における研究開発の成果として発売された新製品は次のとおりであります。
(1) 第10.5世代用FPDフォトマスク欠陥検査装置 CLIOS G10シリーズ及びCLIOS用ペリクル検査/貼り付けシステム 71PA CM
近年のFPD業界では、スマートフォンやタブレット端末に代表される中小型高精細ディスプレイ、4K・8K 高解像度大型テレビ等への対応が急務となっており、フォトマスクのパターンの微細化及び基板サイズの大型化が進展しています。また、中国における第10.5世代液晶ディスプレイ工場への投資が相次いだ事から、FPD用大型フォトマスク検査の必要性が更に高まりました。
当社グループでは、こうした市場のニーズに対応すべく、第10.5世代に対応したFPDフォトマスク欠陥検査装置、及びペリクル検査/貼り付けシステムの新製品を開発いたしました。
CLIOS G10シリーズ は、FPDの生産に使用される第10.5世代(2,000mm × 1,800mm)までの大型フォトマスクを高感度かつ高スループットで検査が可能です。新設計ステージと高速化した欠陥検出処理ユニットにより、検査時間を従来モデル比3割削減しました。
71PA CMは、第10.5世代までの様々なサイズのペリクルの貼り付け作業を、マスク欠陥検査直後のクリーンな環境下において、リモート操作で実施できます。またオプション機能によりペリクル表面、裏面の異物検査が可能です。
(2) GaNウェハ欠陥検査/レビュー装置 GALOIS(ガロワ)シリーズ
世界規模での省エネルギー意識が高まる中、エネルギー効率を極限まで高める新技術の必要性が高まっています。その材料として大きな発展が期待できるSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などの化合物半導体は、パワーエレクトロニクスや高速通信、LEDなどへの実用化に向け、品質改善やコスト低減への研究開発が活発化しています。
工業化に向け先行しているSiCにおいては、欠陥検査/レビュー装置「SICA88」が業界標準検査機として使用され、高スループット、高精度欠陥分類、高解像度レビュー画像などの点が市場から高く評価されています。
一方、GaNデバイスの普及においては、ウェハ製造コスト、多数の結晶・加工欠陥が障害となっており、ウェハの品質改善が求められています。当社グループはこれらの課題解決に貢献すべく、ウェハの加工欠陥・結晶欠陥を高感度かつ高速に検出・分類し、高解像の欠陥レビューが可能なGaNウェハ欠陥検査/レビュー装置 GALOISシリーズを製品化しました。
GALOISは当社グループのコア技術である明視野コンフォーカル光学系と微分干渉光学系を組み合わせ、最新の画像処理技術に基づいた検査アルゴリズムにより、透明基板による裏面反射や、GaNウェハ表面のモルフォロジーに影響されること無く、ウェハ表面に存在する各種欠陥を高感度に検出することができます。
欠陥の分類には高速の処理コンピュータと、最新のディープラーニングを含む機械学習アルゴリズムによる学習モデルを使用し、前述のコア技術による高解像度レビュー画像に基づき、様々な不定形状の欠陥を検査と同時に高精度分類します。
(3) マスク欠陥検査装置 MATRICS X8ULTRAシリーズ
デバイスパターンの微細化に伴い、次世代露光技術であるEUVリソグラフィの実用化が、いよいよ間近に迫ってきました。半導体デバイスの回路パターンの原版であるマスクは常に高い品質が求められますが、特に微細なパターンが形成されるEUVマスクでは、欠陥や異物をより高い感度で検出することが要求されます。
また、EUVリソグラフィと既存のDUVリソグラフィとが併用される今後の最先端のウェハファブでは、反射型のEUVマスクと従来の透過型のフォトマスクとが混在し、これらのいずれにも対応できる検査装置の必要性が高まっています。
MATRICS X8ULTRAシリーズは、デザインノード7nm~5nmのEUVマスク及び従来のフォトマスク両方に対応できる半導体マスク検査装置であり、ピクセルサイズ45nm、ハイパワー213nmQCWレーザー(>400mW)、及び2種類の偏光照明により、高感度化を達成しました。
マスクのパターン寸法分布をマスク検査と同時に計測し、可視化する機能を有し、また初期状態のマスクパターンの全画像を保存し、ウェハ露光後のマスクパターンと比較して、マスク上の異物を検出するマスクtoマスク比較検査機能も新たに搭載しました。
フォトマスク用の収納PodであるRSP150、RSP200のみならず、EUVマスク用のDual Pod(二重構造ポッド)にも対応可能であり、OHT(天井走行レールガイド式無人搬送車)と連動した全自動検査が可能です。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、27億72百万円であります。
なお、当社グループの事業は、検査・測定機器の設計、製造、販売を行う単一のセグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
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