有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DC6R
日野自動車株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
当社グループは「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」ことを使命とし、「技術の継承と革新を続け、より高い技術の開発に取組み、世界の人々から信頼される商品やサービスを提供する」ことを基本理念とし、時代の変化を的確に捉え、社会との調和を図り、安全で環境に優しい商品や質の高いサービスを提供するため、積極的な研究開発活動を行っております。
当社の研究開発は、当社を中心に、子会社をはじめとする関係各社との緊密な連携のもとで推進されております。また、基礎研究分野において、技術研究所を中心として環境、安全、材料などの分野における研究開発に取り組んでおります。
当社は、環境や安全に対する取組みに加え、耐久性や燃費などの性能向上、プロダクト・ライフサイクル・コストの低減など、より良い商品とサービスを世界の人々に提供する為に商品・技術開発を行っております。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(日本)
[最近の新製品]
(1) 大型トラック「日野プロフィア」、および中型トラック「日野レンジャー」をモデルチェンジして、「日野プロフィア」を2017年5月22日に、「日野レンジャー」を2017年4月5日、車両総重量16トンクラスの「日野レンジャーFG」および同20トンクラスの「日野レンジャーGK」を2017年9月21日に発売しました。
今回のモデルチェンジではエクステリアデザインとインテリアデザインを一新。「日野プロフィア」はシャシから刷新し、トラックとしての基本性能を大幅にアップ、「日野レンジャー」は「日野プロフィア」と同等の安全装備を一気に標準装備※1として安全性能の大幅進化を実現しました。
「日野プロフィア」は、停止車両や歩行者も検知して衝突回避を支援することが可能となった衝突被害軽減ブレーキ「PCS※2」、ドライバーモニター、車線逸脱警報、車両安定制御装置「VSC※3」などを標準装備しており、高い安全性を備えています。さらに「日野プロフィア」には大型トラックとして日本初となる、常時ハイビームを使用可能で夜間の視認性を向上させる「可変配光型LEDヘッドランプ」をオプション設定しました。
「日野プロフィア」のエンジンは新開発のダウンサイジング9Lエンジンとし、「日野レンジャー」にも同じくダウンサイジング5Lエンジンを採用。新エンジンは2段過給や摩擦抵抗を軽減するディンプルライナー※4などを採用し高効率を追求しています。さらに、燃費を向上させながら排出ガスを一層クリーンにし2016年排出ガス規制に適合させました。「日野プロフィア」は2015年度燃費基準+10%達成車を新たに設定、「日野レンジャー」は同+5%の設定車型数を拡大しました。
一新したエクステリアデザインは、空気抵抗の低減や、デイライトを備えたLEDヘッドランプの採用により夜間の視認性向上等の機能向上も実現しています。新しいインテリアは新型シートによる乗り心地の向上、大型で確認しやすいメーター、操作しやすいステアリングスイッチ、などドライバーを第一に考えた快適な仕事場です。Pro Shift(プロシフト。機械式自動変速機)搭載車はダイヤル式のギヤセレクターをインパネに設置、あわせてシーケンシャルレバーをステアリングコラムに設けることで変速操作の負担軽減やキャブ内での移動性向上を実現しています。
「日野プロフィア」と「日野レンジャー」には通信により車両情報を日野に送るICTサービス機能を備えました。万が一の車両トラブルの際にも位置情報を把握し、適切な初動対応につなげるほか、車両データに基づき運転状況のレポート提出や、適切な予防整備のご提案をさせていただくことが可能になりました。
※1 「日野プロフィア」はPCS、スキャニングクルーズⅡ、ドライバーモニター、車線逸脱警報、車両ふらつき警報、VSC、車両安定制御装置をすべて標準装備しています。「日野レンジャー」はPCS、車線逸脱警報、車両ふらつき警報、VSCは全車に標準装備、スキャニングクルーズⅡは260・240PSエンジン搭載車に標準装備(210・190PSエンジン搭載車にはオプション)、ドライバーモニターはカーゴ車型に標準装備(建設系車型にはオプション)となります。PCSとVSCはASV減税の対象になります。
※2 PCS=Pre Crash Safety。「PCS」はトヨタ自動車㈱の登録商標です。
※3 VSC=Vehicle Stability Control。「VSC」はトヨタ自動車株式会社の登録商標です。
※4 ディンプルライナー:ピストン摺動部のシリンダーライナーにディンプル(窪み)を作ることで摩擦抵抗を低減。日本ピストンリング株式会社との共同開発です。
(2) 小型トラック「日野デュトロ」を改良して、2017年5月8日に発売※1しました。今回の改良では、既に標準装備としているVSC※2や「電動パーキングブレーキ※3」に加え、先行車や、歩行者を含む停止障害物に対して衝突回避または衝突被害軽減を支援する、PCS※4および車線逸脱警報を全車※5に標準装備しました。また、車両総重量が7.5トンを超える車型についてはエンジンおよび排出ガス後処理装置の改良により2016年排出ガス規制に適合させました。あわせて、3月から新設された「準中型自動車免許※6」に対応して、車両総重量の上限を7.5トン未満とした車型を新たに設定しました
中でも「日野デュトロ」のハイブリッド車は2015年燃費基準+15%、ディーゼル車のうち6速A/T車は同+5%を達成※7しています。このほかの車型も含め、「日野デュトロ」のハイブリッド車およびディーゼル車はすべてASV減税またはエコカー減税の対象※8となります。
※1 2016年排出ガス規制適合車の6速MT車は6月に発売しました。
※2 VSC=Vehicle Stability Control。LPG車には設定なし。「VSC」はトヨタ自動車(株)の登録商標です。
※3 「電動パーキングブレーキ」はダブルキャブ・ルートバン・LPG車には設定なし。
※4 PCS=Pre Crash Safety。「PCS」はトヨタ自動車㈱の登録商標です。
※5 従来も一部の車型に限定して標準装備していましたが、今回LPG車、消防車用車型を除く全車に標準装備としました。
※6 「準中型自動車免許」では車両総重量7.5トン未満の自動車を運転できます。
※7 車両総重量が7.5トンを超える車型、および85kW(116PS)エンジン搭載車型は除く。
※8 ASV減税:先進安全自動車(ASV)技術を備えるトラック・バスについて自動車取得税、自動車重量税を軽減する特例措置。PCSとVSCを両方装備している場合は、取得税については取得価額から525万円控除、重量税は75%減税、VSCのみの場合は取得税については取得価額から350万円控除、重量税は50%減税となります。排出ガス記号「TDG-」の車型はASV減税のみ対象です。
エコカー減税:ハイブリッド車は取得税、重量税ともに免税、ディーゼル車は、燃費基準+5%達成車型は取得税、重量税ともに50%の減税、燃費基準達成車型は取得税、重量税ともに25%の減税、となります。
(3) 大型観光バス「日野セレガ」を改良し、2017年7月3日に発売しました。
今回の改良では、すべての車型を2016年排出ガス規制に適合させ、新たに停止車両や歩行者に対しても衝突回避を支援※1することが可能になったPCS※2、車線逸脱警報、ドライバーモニター、VSC※3を標準装備しており高い安全性を実現しています。
また、大型の新型メーターを採用するなど視認性、操作性の向上を図ることに加えて、室内灯、車幅灯など灯具類のLED化等、商品性の向上を図りました。
更に、通信により車両情報を日野に送るICTサービス機能を備えました。万が一の車両トラブルの際にも位置情報を把握し、適切な初動対応につなげるほか、車両データに基づき運転状況のレポート提出や、適切な予防整備のご提案をさせていただくことが可能になりました。
ショートボデー車は、変速機を7速AMT(機械式自動変速機)「ProShift(プロシフト)7」とし、ダイヤル式ギヤセレクタ―をインパネに、シーケンシャルレバーをステアリングコラムに設置して変速操作の負担軽減を図るとともに、エンジンを従来のJ08C型からダウンサイズしてA05C型を搭載、燃費を向上させて燃費基準を達成※4しました。
ロングボデー車は、A09C型エンジン搭載車は燃費基準+15%、E13Cエンジン搭載車は+10%、新たにA05C型エンジンを搭載したショートボデー車はGVW12トン以下の車型が燃費基準を達成しておりエコカー減税の対象※5となります。
※1 停止車両に対しては自車速50km/h以下、歩行者に対しては30km/h以下で衝突回避を支援。
※2 PCS=Pre Crash Safety。「PCS」はトヨタ自動車㈱の登録商標です。
※3 VSC=Vehicle Stability Contro、車両安定制御装置。「VSC」はトヨタ自動車の登録商標。
※4 GVW12トン以下の車型。(12トン超車型は燃費基準未達成)
※5 取得税・重量税について+15%達成車は100%減税、+10%達成車は75%減税、達成車は25%減税となります。
(4) 中型バス「日野メルファ」を改良し、2017年7月21日に発売しました。
今回の改良では、エンジンを従来のJ07E型からA05C型にダウンサイズしたにもかかわらず、大幅にトルクを向上させています。また、トランスミッションを全て6速AMT(機械式自動変速機)「ProShift(プロシフト)6」としました。「Proshift6」は運転時の負担を軽減するだけでなく、電子制御により最適な変速を行うことで、エンジンのトルク向上とも相まって燃費を向上させています。あわせて尿素SCRを採用し2016年排出ガス規制に適合させました。
このほかにも視認性を向上させた新型メーターの採用、また一部灯火類をLED化する等、商品性の向上を図っています。
(5) 大型路線バス「日野ブルーリボン ハイブリッド」、「日野ブルーリボン」、および中型路線バス「日野レインボー」を改良し、2016年排出ガス規制に適合させ、「日野ブルーリボン ハイブリッド」と「日野ブルーリボン」を2017年8月8日、「日野レインボー」を2017年8月29日に発売しました。
今回の改良では、「日野ブルーリボン ハイブリッド」に搭載のA05C型エンジンの燃費改善、およびハイブリッドシステムとAMTの協調制御による変速の最適化により燃費を向上させ、燃費基準を30%上回る低燃費※1を実現するとともに、ドライバビリティの向上を図っています。「日野ブルーリボン」も車両総重量14トン超のAMT搭載車型では燃費基準+15%※1を達成しています。また、全車に尿素SCRを採用して2016年排出ガス規制に適合させるとともに、全車のヘッドランプと車幅灯をLED化※2しました。
※1 燃費基準値4.23km/L、日野ブルーリボン ハイブリッド5.50km/L(+30%)、日野ブルーリボン4.90km/L(+15%)。エコカー減税の燃費区分は+15%を超える区分がないため、いずれも同じ区分となります。
※2 ヘッドランプのLED化はロービーム。ハイビームはハロゲンランプです。
(6) 小型トラック「日野デュトロ ハイブリッド」のワイドキャブ車※1を改良し、2017年11月1日に発売しました。
今回の改良では、変速機を新型6速AMT(機械式自動変速機)に替えて、ハイブリッドシステムの制御を改善することで燃費を大幅に向上させました。
また、新たに、モーターの稼働領域を拡大することでハイブリッド車らしい走行フィーリングを実現するとともに、ドライバビリティも向上させています。さらにPCS※2のレーダーで先行車を検知し、車間距離に応じて最適なハイブリッド制御を行います。
更に「日野デュトロ ハイブリッド」ワイドキャブ車は2015年燃費基準+15%を達成※3しており、エコカー減税の対象となり取得税、重量税ともに免税となります。
※1 今回の改良はワイドキャブ車のみ。標準幅キャブ車は変更ありません。
※2 PCS=Pre Crash Safety。「PCS」はトヨタ自動車㈱の登録商標です。
※3 燃費基準値10.35km/Lに対し+27%ですが、エコカー減税の区分では+15%の区分となります。
(7) 日本で唯一の小型ノンステップバス「日野ポンチョ」を改良し、2017年12月21日に発売しました。
今回の改良では、排出ガス後処理装置に新たに尿素SCRを搭載して2016年排出ガス規制に適合させるとともに、ドライバーの安全や負担軽減を考慮し、メーターの大径化と液晶表示の採用で視認性を向上させ、更に室内灯をLED化しました。また変速機を5速ATに一本化しました。
「日野ポンチョ」はバリアフリー減税の対象となり、新車登録時の重量税が免税、取得税については取得価額から1,000万円が控除されます。
(8) より多くのお客様に日野車を安全・安心にお使いいただくため、新車のみならず既販車への安全装備充実の一環として、2018年1月31日より全国販売会社で「モービルアイ」の取扱いを始めました。
「モービルアイ」(製造:Mobileye社、日本における販売代理店:ジャパン・トゥエンティワン株式会社)は、車両のフロントガラスに取り付けたカメラによって、前方車両や歩行者、車線を検知し、アイコン表示と警報音でドライバーに危険を知らせる装置で、追突や車線逸脱による事故を防ぐことに貢献します。
[最近の主な成果]
(1) 大型トラック「日野プロフィア」と中型トラック「日野レンジャー」で「2017年度グッドデザイン賞」を受賞しました。さらに、「日野プロフィア」は、審査委員会から特に高い評価を得た製品に贈られる「グッドデザイン・ベスト100」に選出さるとともに、 2017年度に選ばれたすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で、特に優れたデザインと認めるものに贈られる「グッドデザイン金賞」を受賞しました。
「日野プロフィア」は14年ぶり、「日野レンジャー」は16年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、今年発売しました。いずれもエクステリアデザインとインテリアデザインを一新し、洗練されたスタイルとドライバーを第一に考えた高い居住性を実現しました。
(2) いすゞ自動車株式会社(本社:東京都品川区、社長:片山正則、以下いすゞ)と日野自動車株式会社(本社:東京都日野市、社長:下義生、以下日野)は、自動運転システムの早期実用化に向け、そのベース技術となるITSシステムや高度運転支援技術については「競争領域」ではなく、早期普及のための「協調領域」と位置付け、両社で共同開発を進めることで2016年5月に合意。この合意に基づき、両社で開発を進めてきた結果、1)視界支援、2)路車間通信、3)加減速支援、4)プラットホーム正着制御 以上4つの技術を開発いたしました。
これらの技術は、いすゞと日野で共同開発を進めているハイブリッド連節バスをはじめ、18年度以降順次、いすゞ・日野それぞれのトラックやバスといった製品に搭載し、実用化していく計画です。
(3) モノづくり日本会議と日刊工業新聞社主催の「2017年超モノづくり部品大賞」において「大型商用車高性能2段過給エンジン「A09C」」 により「日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞しました。
受賞対象となった「A09C」エンジンは、2017年5月に発売した2016年排出ガス規制適合の新型「日野プロフィア」に搭載されており、従来の13Lエンジンから9Lにダウンサイジングした新たな主力エンジンとして高い評価を得ています。小排気量化にもかかわらず、2段過給により13Lエンジンと同等の動力性能を発揮するとともに、燃費も向上、さらに13Lエンジンに対し約300kg軽量化しており、トラックにとって重要な経済性と輸送効率の向上をともに実現しました。
(4) 中小型ディーゼル車用の排出ガス後処理システムの開発において、「ディーゼル燃料を還元剤としたNOx後処理技術の開発」により「2017年度日本燃焼学会表彰」(主催:一般社団法人 日本燃焼学会)の「技術賞」を受賞しました。
受賞対象となった技術「DPR-Ⅱ」は、ディーゼル車用の燃料である軽油を用いてNOxを低減し、PMはフィルターによって捕集することでNOxとPMを同時に低減できます。今回のシステムは、2017年4月に発売した2016年排出ガス規制適合の新型「日野レンジャー」および「日野デュトロ」に搭載されています。
また「DPR-Ⅱ」は、尿素水を使用しないため、尿素水補給の手間がなく、高い利便性を実現するとともに、尿素水タンクが不要なため架装に対する制約も少なく、お客様から高い評価を得ています。
以上、当連結会計年度の「日本」セグメントの研究開発費の総額は、626億5百万円であります。
(アジア)
該当事項はありません。
(その他)
該当事項はありません。
当社の研究開発は、当社を中心に、子会社をはじめとする関係各社との緊密な連携のもとで推進されております。また、基礎研究分野において、技術研究所を中心として環境、安全、材料などの分野における研究開発に取り組んでおります。
当社は、環境や安全に対する取組みに加え、耐久性や燃費などの性能向上、プロダクト・ライフサイクル・コストの低減など、より良い商品とサービスを世界の人々に提供する為に商品・技術開発を行っております。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(日本)
[最近の新製品]
(1) 大型トラック「日野プロフィア」、および中型トラック「日野レンジャー」をモデルチェンジして、「日野プロフィア」を2017年5月22日に、「日野レンジャー」を2017年4月5日、車両総重量16トンクラスの「日野レンジャーFG」および同20トンクラスの「日野レンジャーGK」を2017年9月21日に発売しました。
今回のモデルチェンジではエクステリアデザインとインテリアデザインを一新。「日野プロフィア」はシャシから刷新し、トラックとしての基本性能を大幅にアップ、「日野レンジャー」は「日野プロフィア」と同等の安全装備を一気に標準装備※1として安全性能の大幅進化を実現しました。
「日野プロフィア」は、停止車両や歩行者も検知して衝突回避を支援することが可能となった衝突被害軽減ブレーキ「PCS※2」、ドライバーモニター、車線逸脱警報、車両安定制御装置「VSC※3」などを標準装備しており、高い安全性を備えています。さらに「日野プロフィア」には大型トラックとして日本初となる、常時ハイビームを使用可能で夜間の視認性を向上させる「可変配光型LEDヘッドランプ」をオプション設定しました。
「日野プロフィア」のエンジンは新開発のダウンサイジング9Lエンジンとし、「日野レンジャー」にも同じくダウンサイジング5Lエンジンを採用。新エンジンは2段過給や摩擦抵抗を軽減するディンプルライナー※4などを採用し高効率を追求しています。さらに、燃費を向上させながら排出ガスを一層クリーンにし2016年排出ガス規制に適合させました。「日野プロフィア」は2015年度燃費基準+10%達成車を新たに設定、「日野レンジャー」は同+5%の設定車型数を拡大しました。
一新したエクステリアデザインは、空気抵抗の低減や、デイライトを備えたLEDヘッドランプの採用により夜間の視認性向上等の機能向上も実現しています。新しいインテリアは新型シートによる乗り心地の向上、大型で確認しやすいメーター、操作しやすいステアリングスイッチ、などドライバーを第一に考えた快適な仕事場です。Pro Shift(プロシフト。機械式自動変速機)搭載車はダイヤル式のギヤセレクターをインパネに設置、あわせてシーケンシャルレバーをステアリングコラムに設けることで変速操作の負担軽減やキャブ内での移動性向上を実現しています。
「日野プロフィア」と「日野レンジャー」には通信により車両情報を日野に送るICTサービス機能を備えました。万が一の車両トラブルの際にも位置情報を把握し、適切な初動対応につなげるほか、車両データに基づき運転状況のレポート提出や、適切な予防整備のご提案をさせていただくことが可能になりました。
※1 「日野プロフィア」はPCS、スキャニングクルーズⅡ、ドライバーモニター、車線逸脱警報、車両ふらつき警報、VSC、車両安定制御装置をすべて標準装備しています。「日野レンジャー」はPCS、車線逸脱警報、車両ふらつき警報、VSCは全車に標準装備、スキャニングクルーズⅡは260・240PSエンジン搭載車に標準装備(210・190PSエンジン搭載車にはオプション)、ドライバーモニターはカーゴ車型に標準装備(建設系車型にはオプション)となります。PCSとVSCはASV減税の対象になります。
※2 PCS=Pre Crash Safety。「PCS」はトヨタ自動車㈱の登録商標です。
※3 VSC=Vehicle Stability Control。「VSC」はトヨタ自動車株式会社の登録商標です。
※4 ディンプルライナー:ピストン摺動部のシリンダーライナーにディンプル(窪み)を作ることで摩擦抵抗を低減。日本ピストンリング株式会社との共同開発です。
(2) 小型トラック「日野デュトロ」を改良して、2017年5月8日に発売※1しました。今回の改良では、既に標準装備としているVSC※2や「電動パーキングブレーキ※3」に加え、先行車や、歩行者を含む停止障害物に対して衝突回避または衝突被害軽減を支援する、PCS※4および車線逸脱警報を全車※5に標準装備しました。また、車両総重量が7.5トンを超える車型についてはエンジンおよび排出ガス後処理装置の改良により2016年排出ガス規制に適合させました。あわせて、3月から新設された「準中型自動車免許※6」に対応して、車両総重量の上限を7.5トン未満とした車型を新たに設定しました
中でも「日野デュトロ」のハイブリッド車は2015年燃費基準+15%、ディーゼル車のうち6速A/T車は同+5%を達成※7しています。このほかの車型も含め、「日野デュトロ」のハイブリッド車およびディーゼル車はすべてASV減税またはエコカー減税の対象※8となります。
※1 2016年排出ガス規制適合車の6速MT車は6月に発売しました。
※2 VSC=Vehicle Stability Control。LPG車には設定なし。「VSC」はトヨタ自動車(株)の登録商標です。
※3 「電動パーキングブレーキ」はダブルキャブ・ルートバン・LPG車には設定なし。
※4 PCS=Pre Crash Safety。「PCS」はトヨタ自動車㈱の登録商標です。
※5 従来も一部の車型に限定して標準装備していましたが、今回LPG車、消防車用車型を除く全車に標準装備としました。
※6 「準中型自動車免許」では車両総重量7.5トン未満の自動車を運転できます。
※7 車両総重量が7.5トンを超える車型、および85kW(116PS)エンジン搭載車型は除く。
※8 ASV減税:先進安全自動車(ASV)技術を備えるトラック・バスについて自動車取得税、自動車重量税を軽減する特例措置。PCSとVSCを両方装備している場合は、取得税については取得価額から525万円控除、重量税は75%減税、VSCのみの場合は取得税については取得価額から350万円控除、重量税は50%減税となります。排出ガス記号「TDG-」の車型はASV減税のみ対象です。
エコカー減税:ハイブリッド車は取得税、重量税ともに免税、ディーゼル車は、燃費基準+5%達成車型は取得税、重量税ともに50%の減税、燃費基準達成車型は取得税、重量税ともに25%の減税、となります。
(3) 大型観光バス「日野セレガ」を改良し、2017年7月3日に発売しました。
今回の改良では、すべての車型を2016年排出ガス規制に適合させ、新たに停止車両や歩行者に対しても衝突回避を支援※1することが可能になったPCS※2、車線逸脱警報、ドライバーモニター、VSC※3を標準装備しており高い安全性を実現しています。
また、大型の新型メーターを採用するなど視認性、操作性の向上を図ることに加えて、室内灯、車幅灯など灯具類のLED化等、商品性の向上を図りました。
更に、通信により車両情報を日野に送るICTサービス機能を備えました。万が一の車両トラブルの際にも位置情報を把握し、適切な初動対応につなげるほか、車両データに基づき運転状況のレポート提出や、適切な予防整備のご提案をさせていただくことが可能になりました。
ショートボデー車は、変速機を7速AMT(機械式自動変速機)「ProShift(プロシフト)7」とし、ダイヤル式ギヤセレクタ―をインパネに、シーケンシャルレバーをステアリングコラムに設置して変速操作の負担軽減を図るとともに、エンジンを従来のJ08C型からダウンサイズしてA05C型を搭載、燃費を向上させて燃費基準を達成※4しました。
ロングボデー車は、A09C型エンジン搭載車は燃費基準+15%、E13Cエンジン搭載車は+10%、新たにA05C型エンジンを搭載したショートボデー車はGVW12トン以下の車型が燃費基準を達成しておりエコカー減税の対象※5となります。
※1 停止車両に対しては自車速50km/h以下、歩行者に対しては30km/h以下で衝突回避を支援。
※2 PCS=Pre Crash Safety。「PCS」はトヨタ自動車㈱の登録商標です。
※3 VSC=Vehicle Stability Contro、車両安定制御装置。「VSC」はトヨタ自動車の登録商標。
※4 GVW12トン以下の車型。(12トン超車型は燃費基準未達成)
※5 取得税・重量税について+15%達成車は100%減税、+10%達成車は75%減税、達成車は25%減税となります。
(4) 中型バス「日野メルファ」を改良し、2017年7月21日に発売しました。
今回の改良では、エンジンを従来のJ07E型からA05C型にダウンサイズしたにもかかわらず、大幅にトルクを向上させています。また、トランスミッションを全て6速AMT(機械式自動変速機)「ProShift(プロシフト)6」としました。「Proshift6」は運転時の負担を軽減するだけでなく、電子制御により最適な変速を行うことで、エンジンのトルク向上とも相まって燃費を向上させています。あわせて尿素SCRを採用し2016年排出ガス規制に適合させました。
このほかにも視認性を向上させた新型メーターの採用、また一部灯火類をLED化する等、商品性の向上を図っています。
(5) 大型路線バス「日野ブルーリボン ハイブリッド」、「日野ブルーリボン」、および中型路線バス「日野レインボー」を改良し、2016年排出ガス規制に適合させ、「日野ブルーリボン ハイブリッド」と「日野ブルーリボン」を2017年8月8日、「日野レインボー」を2017年8月29日に発売しました。
今回の改良では、「日野ブルーリボン ハイブリッド」に搭載のA05C型エンジンの燃費改善、およびハイブリッドシステムとAMTの協調制御による変速の最適化により燃費を向上させ、燃費基準を30%上回る低燃費※1を実現するとともに、ドライバビリティの向上を図っています。「日野ブルーリボン」も車両総重量14トン超のAMT搭載車型では燃費基準+15%※1を達成しています。また、全車に尿素SCRを採用して2016年排出ガス規制に適合させるとともに、全車のヘッドランプと車幅灯をLED化※2しました。
※1 燃費基準値4.23km/L、日野ブルーリボン ハイブリッド5.50km/L(+30%)、日野ブルーリボン4.90km/L(+15%)。エコカー減税の燃費区分は+15%を超える区分がないため、いずれも同じ区分となります。
※2 ヘッドランプのLED化はロービーム。ハイビームはハロゲンランプです。
(6) 小型トラック「日野デュトロ ハイブリッド」のワイドキャブ車※1を改良し、2017年11月1日に発売しました。
今回の改良では、変速機を新型6速AMT(機械式自動変速機)に替えて、ハイブリッドシステムの制御を改善することで燃費を大幅に向上させました。
また、新たに、モーターの稼働領域を拡大することでハイブリッド車らしい走行フィーリングを実現するとともに、ドライバビリティも向上させています。さらにPCS※2のレーダーで先行車を検知し、車間距離に応じて最適なハイブリッド制御を行います。
更に「日野デュトロ ハイブリッド」ワイドキャブ車は2015年燃費基準+15%を達成※3しており、エコカー減税の対象となり取得税、重量税ともに免税となります。
※1 今回の改良はワイドキャブ車のみ。標準幅キャブ車は変更ありません。
※2 PCS=Pre Crash Safety。「PCS」はトヨタ自動車㈱の登録商標です。
※3 燃費基準値10.35km/Lに対し+27%ですが、エコカー減税の区分では+15%の区分となります。
(7) 日本で唯一の小型ノンステップバス「日野ポンチョ」を改良し、2017年12月21日に発売しました。
今回の改良では、排出ガス後処理装置に新たに尿素SCRを搭載して2016年排出ガス規制に適合させるとともに、ドライバーの安全や負担軽減を考慮し、メーターの大径化と液晶表示の採用で視認性を向上させ、更に室内灯をLED化しました。また変速機を5速ATに一本化しました。
「日野ポンチョ」はバリアフリー減税の対象となり、新車登録時の重量税が免税、取得税については取得価額から1,000万円が控除されます。
(8) より多くのお客様に日野車を安全・安心にお使いいただくため、新車のみならず既販車への安全装備充実の一環として、2018年1月31日より全国販売会社で「モービルアイ」の取扱いを始めました。
「モービルアイ」(製造:Mobileye社、日本における販売代理店:ジャパン・トゥエンティワン株式会社)は、車両のフロントガラスに取り付けたカメラによって、前方車両や歩行者、車線を検知し、アイコン表示と警報音でドライバーに危険を知らせる装置で、追突や車線逸脱による事故を防ぐことに貢献します。
[最近の主な成果]
(1) 大型トラック「日野プロフィア」と中型トラック「日野レンジャー」で「2017年度グッドデザイン賞」を受賞しました。さらに、「日野プロフィア」は、審査委員会から特に高い評価を得た製品に贈られる「グッドデザイン・ベスト100」に選出さるとともに、 2017年度に選ばれたすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で、特に優れたデザインと認めるものに贈られる「グッドデザイン金賞」を受賞しました。
「日野プロフィア」は14年ぶり、「日野レンジャー」は16年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、今年発売しました。いずれもエクステリアデザインとインテリアデザインを一新し、洗練されたスタイルとドライバーを第一に考えた高い居住性を実現しました。
(2) いすゞ自動車株式会社(本社:東京都品川区、社長:片山正則、以下いすゞ)と日野自動車株式会社(本社:東京都日野市、社長:下義生、以下日野)は、自動運転システムの早期実用化に向け、そのベース技術となるITSシステムや高度運転支援技術については「競争領域」ではなく、早期普及のための「協調領域」と位置付け、両社で共同開発を進めることで2016年5月に合意。この合意に基づき、両社で開発を進めてきた結果、1)視界支援、2)路車間通信、3)加減速支援、4)プラットホーム正着制御 以上4つの技術を開発いたしました。
これらの技術は、いすゞと日野で共同開発を進めているハイブリッド連節バスをはじめ、18年度以降順次、いすゞ・日野それぞれのトラックやバスといった製品に搭載し、実用化していく計画です。
(3) モノづくり日本会議と日刊工業新聞社主催の「2017年超モノづくり部品大賞」において「大型商用車高性能2段過給エンジン「A09C」」 により「日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞しました。
受賞対象となった「A09C」エンジンは、2017年5月に発売した2016年排出ガス規制適合の新型「日野プロフィア」に搭載されており、従来の13Lエンジンから9Lにダウンサイジングした新たな主力エンジンとして高い評価を得ています。小排気量化にもかかわらず、2段過給により13Lエンジンと同等の動力性能を発揮するとともに、燃費も向上、さらに13Lエンジンに対し約300kg軽量化しており、トラックにとって重要な経済性と輸送効率の向上をともに実現しました。
(4) 中小型ディーゼル車用の排出ガス後処理システムの開発において、「ディーゼル燃料を還元剤としたNOx後処理技術の開発」により「2017年度日本燃焼学会表彰」(主催:一般社団法人 日本燃焼学会)の「技術賞」を受賞しました。
受賞対象となった技術「DPR-Ⅱ」は、ディーゼル車用の燃料である軽油を用いてNOxを低減し、PMはフィルターによって捕集することでNOxとPMを同時に低減できます。今回のシステムは、2017年4月に発売した2016年排出ガス規制適合の新型「日野レンジャー」および「日野デュトロ」に搭載されています。
また「DPR-Ⅱ」は、尿素水を使用しないため、尿素水補給の手間がなく、高い利便性を実現するとともに、尿素水タンクが不要なため架装に対する制約も少なく、お客様から高い評価を得ています。
以上、当連結会計年度の「日本」セグメントの研究開発費の総額は、626億5百万円であります。
(アジア)
該当事項はありません。
(その他)
該当事項はありません。
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