有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DGY8
スズキ株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
当社グループの研究開発活動は主に当社が行っており、環境問題や多様化するお客様のニーズに対応し独創的で競争力のある商品を提供することを目指し、積極的に取り組んでいます。
特に、新中期経営計画「SUZUKI NEXT 100」に掲げた「ものづくりの強化」において、生産、技術、購買、ITが一体となってお客様に価値ある商品を届ける仕組みの改善を推進しています。先進安全技術を搭載した商品とその生産システムのほか、ひとに優しい組立ライン、危険かつ熟練を要する作業の自働化技術などを導入し、商品性向上のみならず、経営面でも多大な成果を上げています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,394億円であり、セグメントごとの活動状況は、以下のとおりです。
(1) 四輪事業
四輪事業では、国内軽自動車をはじめとする四輪車の開発において、トップクラスの環境性能の実現と、安心・安全な車づくりに取り組んでいます。まず環境性能への取り組みとして、環境に配慮しながら更に便利で楽しい車を実現する次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」を順次展開しています。
2017年12月発売の新型「スペーシア」、「スペーシア カスタム」(以下、新型「スペーシア」シリーズ)及び新型「クロスビー」では軽量化と高剛性を両立したプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」とモーターでエンジンをアシストするマイルドハイブリッドを採用しました。また、発電も可能な駆動用モーター(MGU)と伝達効率に優れたトランスミッションであるオートギヤシフト(AGS)を組み合わせ、高効率なEV走行を実現した当社独自のハイブリッドシステムを2017年7月に新型「スイフト」に採用しました。
また、電気自動車についても2017年11月17日に発表しましたとおり、トヨタ自動車株式会社と2020年頃にインド市場向けに電気自動車を投入するための協力関係構築に向け検討を進めることで合意し、検討を進めています。
次に、安心・安全な車づくりへの取り組みとして、予防安全技術の採用を進めています。本技術の総称として「スズキ セーフティ サポート」を定め、新型「スペーシア」シリーズでは衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」に加え、後退時の衝突回避または被害軽減を図る「後退時ブレーキサポート」を軽自動車で初採用※1すると共に後方誤発進抑制機能、リヤパーキングセンサーも搭載しました。さらに、周囲を立体的に360°確認できる「3Dビュー」を軽自動車で初採用※1するなど、安全運転を支援する機能を充実させました。これらの安全技術は新型「クロスビー」にも採用しています。
また、新型「スペーシア」シリーズ及び新型「クロスビー」は、経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「セーフティ・サポートカー※2」の「サポカーS ワイド※3」に該当、2017年度JNCAP※4予防安全性能アセスメントにおいても最高ランクの「ASV※5++(ダブルプラス)」を獲得しました。
このほか、2017年度は当社の商品開発が評価され、著名な賞を受賞しました。主なものとして、まず、新型「スイフト」が、NPO法人 日本自動車研究者ジャーナリスト会議(RJC)が主催する「2018年次 RJC カー オブ ザ イヤー」を受賞しました。新型「スイフト」は、2004年の発売開始から3代目のモデルであり、3代連続の受賞です。さらにスイフトは「ワールド・カー・アワーズ(WCA)」が主催するワールド・カー・アワーズにおいて「2018ワールド・アーバン・カー部門 TOP3」(上位3モデル)にも選ばれました。スズキ車が同部門のTOP3になるのは昨年の「イグニス」に次いで2年連続となります。
当連結会計年度における四輪事業の研究開発費の金額は1,178億円です。
※1 2017年12月現在、当社調べ。
※2 自動ブレーキなどの先進安全技術をはじめとする一定の運転支援機能を備えた車(安全運転サポート車)の愛称。略称・サポカー。
※3 安全運転サポート車のうち、特に高齢運転者に推奨される「サポカーS」の区分のひとつで、自動ブレーキ(対歩行者)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報、先進ライトを搭載する車。
※4 JNCAP:Japan New Car Assessment Program
※5 ASV:Advanced Safety Vehicle
(2) 二輪事業
二輪事業では、環境に配慮した技術開発に取り組んでいます。スーパースポーツバイクのGSX-Rシリーズの開発で培った知識と経験を活かし、軽量でコンパクトな車体に欧州新排出ガス規制「ユーロ4」に対応した124cm3の水冷4バルブ単気筒DOHCエンジン搭載モデル「GSX-R125」、「GSX-S125」をABS標準装備で投入しました。
軽量化についても最新の解析技術や試験装置を活用して、形状、材質、製法の見直しを進め、新型「RM-Z450」では、現行車に対しフレームで7%、スイングアームで3%、シートで16%、燃料タンクで24%、リアサスペンションで9%の軽量化を実現し、車両全体の軽量化に貢献しました。
その他の研究開発として、水素を燃料とする空冷式燃料電池二輪車「バーグマン フューエルセル」では、2017年3月より開始した国内公道走行に続いて、2018年1月からは英国にも走行範囲を拡げ、市場性の確認を目的にデータ収集を行っています。
レース活動に関しても、高い技術力を示すことによりブランドイメージを向上させるとともに、レースを通して得られる技術を量産車開発に還元し、より魅力的な商品の開発を進めていきます。
当連結会計年度における二輪事業の研究開発費の金額は188億円です。
(3) マリン事業他
マリン事業他では、マリン製品における環境や利便性向上に関わる技術開発を行っており、主な成果として「DF350A/325A」の2機種の新型船外機を開発しました。環境面では、低燃費化技術として推進効率向上、熱効率向上による燃費向上を行いました。当社初の二重反転プロペラ「スズキ・デュアルプロップシステム」を採用し、プロペラの推進効率を向上するとともに、ギアケースを小型化し、水中抵抗を低減しました。また、高圧縮比の4ストロークV型6気筒エンジンを新開発し、1気筒当たり2本のインジェクターを備えるデュアルインジェクターや、外部の空気を直接取り込む「ダイレクトインテークシステム」を採用し、熱効率を向上、優れた出力性能と低燃費を実現しました。
利便性の向上面では、「スズキ・デュアルプロップシステム」の採用により、優れた直進安定性と旋回性能を有し、さらにリバース時は、従来機種と比較して低いエンジン回転数で高い推力を発生できることにより、電子制御方式の操作系の採用と合わせて、狭い水路での航行や着桟時の操作性が向上しました。また、プロペラの回転方向を考える必要もなくなり、多機掛けボートへの搭載性も向上しました。
「DF350A」は、高い技術力が認められ、アメリカマリン工業会の2017年「技術革新賞(2017 IBEX Innovation Award)」を受賞しました。スズキ4ストローク船外機の同賞の受賞は、今回で8回目です。
当連結会計年度におけるマリン事業他の研究開発費の金額は28億円です。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02167] S100DGY8)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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