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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DD7A

有価証券報告書抜粋 ヤマハ株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー株式の総数等

当社グループは、「感動を・ともに・創る」をコーポレートスローガンに掲げ、「私たちは、音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづける」を企業理念に掲げています。これを支えるために、これまでに蓄積してきた「音と人が関わる技術」をコア技術と定め、更なる高度化と拡張のための研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、素材・解析、センシング、メカトロニクス、音源、信号処理、ネットワーク、感性評価等、音そのものに留まらず、基礎から応用まで、音の活用を支える技術分野に大きく広がっています。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク・デバイス」を強化分野とし、特に「良い音」を科学的に理解し、実際の楽器・音響機器設計に適用できるよう研究開発を進めました。また、物理モデル、音楽解析、歌唱合成などの技術の高度化と、ネットワーク時代に対応した高音質の伝送技術や無線接続に関連する技術開発も進めています。
当社グループの研究開発体制は、楽器・音響機器事業については当社楽器・音響事業本部の開発部門、及び当社の連結子会社であるLine 6,Inc.、NEXO S.A.、Revolabs,Inc.、Steinberg Media Technologies GmbHの開発部門、その他の事業については当社電子デバイス事業部、ゴルフHS事業推進部及び当社の連結子会社であるヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断的R&D、新規事業については当社技術本部研究開発統括部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は247億97百万円であります。

1 楽器事業
アコースティック楽器関連では、グランドピアノのハイグレードモデルの新製品として、「SXシリーズ」を開発しました。本製品では、当社の弦楽器などに採用されてきた独自技術「A.R.E.™(Acoustic Resonance Enhancement)」を、ピアノに初めて導入しました。製材後長期間を経た木材と同様の変化を生むこの技術を、曲練支柱(曲線部分の支柱)の木材に用いることで、新品であっても、あたかも長年大切に使い込まれたピアノのような深みのある豊かな音の響きを生み出します。また、管楽器の新製品として、リコーダーのようなやさしい指づかいやメンテナンスのしやすさによって気軽に始められ、なおかつサクソフォンのような表情豊かな演奏を楽しめるカジュアル管楽器「Venova™(ヴェノーヴァ)」を開発しました。「Venova™」では、円筒管を分岐させた「分岐管構造」と蛇行形状による、今までにない独自のデザインを採用しています。「分岐管構造」によってサクソフォンなどの円錐形管楽器の音響特性を円筒管で実現することができるため、コンパクトなボディサイズながら広がりのある音色を奏でることができます。なおエレクトリックバイオリン「YEV」は、「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2017」、「German Design Award 2018(Winnerに選出)」、「アジアデザイン賞2017(最高賞)」を、「Venova™」は、「2017年度グッドデザイン賞(ベスト100に選出)」、「2017年度グッドデザイン大賞」を受賞しました。「グッドデザイン大賞」の受賞は、当社では初めてとなります。
ギター・ドラム関連では、エレクトリックアコースティックギター「Aシリーズ」の新製品を開発しました。新開発のピックアップシステムを搭載し、ステージ演奏やレコーディングに適した自然なサウンドを簡単に得られるのに加え、ブレイシング(響棒配置)の刷新などによってギター本体の生音の向上も実現しています。また、簡単なセッティングでアコースティックドラムを高音質で収音・録音できるエレクトロニックアコースティックドラムモジュール「EAD10」を開発しました。「EAD10」は、音源部のメインユニットと、マイクとトリガーが一体となったセンサーユニットから構成されます。アコースティックドラムのバスドラムにセンサーユニットを装着することで、高品質なアコースティックドラムの収音やエフェクトによる音色加工が簡単にできます。また、Line 6,Inc.では、マルチエフェクト・ペダル「HX Effects」を開発しました。「HX Effects」は、好評のギター・プロセッサー「Helix™」シリーズのHelix™ハードウェアに搭載されている100種類以上のエフェクトを、コンパクトな筐体に搭載したモデルです。なお「REVSTAR™」は、「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2017(最高賞「Best of the Best」に選出)」、「2017年度グッドデザイン賞」、「German Design Award 2018(Winnerに選出)」を受賞しました。
電子楽器関連では、グランドピアノに迫る演奏感と弾き心地を追求した電子ピアノ「Clavinova™ (クラビノーバ) CLP-600シリーズ」を開発しました。「CLP-600シリーズ」は、アクション機構を大幅刷新した新鍵盤「GrandTouch™鍵盤」を搭載し、強音から弱音まで幅広く表現できるだけでなく、鍵盤の奥の部分のタッチ感まで向上させ、アコースティックピアノにより近づいた弾き心地を実現しました。また、オーディオ音源からその曲のコード進行を読み取って、ピアノ用の譜面(伴奏譜)を自動作成する世界初の機能「オーディオ トゥー スコア機能」を活用した「Clavinova™ CSPシリーズ」を開発しました。当社が独自に開発した専用アプリ「スマートピアニスト」をダウンロードしたスマートデバイス(スマートフォンやタブレットなど)とピアノ本体を連携させることで、デバイス内に保存したどんな楽曲でも即座に40種類のピアノ譜を自動的に作成できます。また、歌を演奏する楽器「ボーカロイド™キーボード VKB-100」を開発しました。当社が開発した、歌詞とメロディーを入力するだけで、コンピューター上で人工の歌声を作り出すことが出来る歌声合成技術およびその応用ソフトウェアである「VOCALOID™」によって実現した、リアルタイムに歌詞を歌わせて演奏を楽しむキーボードです。なお、「STAGEA™ ELC-02」は、「2017年度グッドデザイン賞」を、「Genos™」は、「iFデザインアワード2018」で最高賞である「iFゴールドアワード」を、「reface™」は、「German Design Award 2018(Winnerに選出)」を受賞しました。
新規事業関連では、ナビに従ってスマホで撮影するだけでプロが仕上げる動画制作サービス「tollite™(トリテ)」を開発しました。「tollite™」は、テンプレートを選んでナビに従ってスマートフォンで撮影するだけで、本格的な企業動画を誰でも簡単に制作できます。また、「Smart Education System」の新商品として、ICTで“合唱”の授業・練習に新しいかたちを提供するデジタル音楽教材「合唱練習」を開発しました。「合唱練習」は、合唱の授業や合唱コンクールの練習を効率化し、生徒の主体的な学びをサポートします。パソコンやタブレットで画面を操作しながら練習を進めることができ、デジタル教材ならではの便利な練習機能と専門家による発声法解説や実演映像によって、合唱の授業・練習を効果的にサポートします。なお、「ボーカロイド教育版を用いた音楽教育法」は、「2017年度グッドデザイン賞(ベスト100に選出)」、「グッドデザイン特別賞(未来づくり)」を受賞しました。
研究開発費は88億56百万円であります。

2 音響機器事業
オーディオ関連では、新たなバーチャル3Dサラウンド技術に世界で初めて対応したフロントサラウンドシステム「YAS-107」「YAS-207」を開発しました。「YAS-107」「YAS-207」は、薄型テレビの前に手軽に置けて、テレビ番組・映画などを迫力ある音質で再生できるフロントサラウンドシステムです。最新のバーチャル3Dサラウンド技術「DTS Virtual:X」に対応し、前方・左右・後方に加え、高さ方向の音場も再現する3Dサラウンド技術により、映像に音声が一体化し、映画や音楽での没入感がより向上します。また、上級ネットワークレシーバー「R-N803」を開発しました。「R-N803」は、ハイレゾ音源からアナログレコードまで、さまざまなデジタル/アナログオーディオソースを高音質再生する2chステレオ仕様の上級ネットワークレシーバーです。当社HiFiオーディオ製品として初めて、当社のホームシアター製品向けに開発された視聴環境最適化システム「YPAO™(Yamaha Parametric Room Acoustic Optimizer)」を用いた自動音質補正機能を搭載することで、室内の音響特性や接続するスピーカーの性能などに応じた実使用状態での音質向上を実現しました。加えて、Bluetooth®オーディオ送受信機能やWi-Fi、モバイル端末と専用アプリを使って本機のワイヤレス操作や家庭内での音楽コンテンツのシェアを実現する「MusicCast™」への対応など、お手持ちのモバイル端末を活用した快適な使い勝手も追求しています。なお、2016年に発売を開始したプレミアムブックシェルフスピーカー「NS-5000」は、「iFデザインアワード2018」を受賞しました。
業務用音響機器関連では、当社のラインアップで最もコンパクトなスピーカーシステム「VXS1MLB」「VXS1MLW」を開発しました。「VXS1MLB」「VXS1MLW」は、レストラン・アパレルショップ・ホテルなど、さまざまなシーンで心地よいBGM再生を実現するスピーカーシステムです。手のひらにのるコンパクトなサイズでありながら高品位な音楽再生を実現するのはもちろん、別売のマウントアダプターを利用することで、天井埋込みや照明レール取り付けなど空間のインテリアに合わせたさまざまな設置方法に対応しています。また、デジタルミキシングシステムのフラッグシップモデル「RIVAGE PM10」の直下に位置する新ラインアップ「RIVAGE PM7」を開発しました。システムの中核を成すデジタルミキシングコンソール「CSD-R7」は、「RIVAGE PM10」の音質や操作性を維持しつつ、新たにDSP エンジンを内蔵することで、可搬性とスペース効率を高めたシステム構築を、リーズナブルなコストで実現しました。また、「いつでも、どこでも、ステージに」 というコンセプトで企画・開発され国内外で高い評価を得ている、オールインワンタイプのPAシステムSTAGEPAS™シリーズの後継機種「STAGEPAS™ 400BT」「STAGEPAS™ 600BT」を開発しました。従来モデルで評価の高い、高品位デジタルリバーブ、フィードバックサプレッサー、マスターイコライザーなど、ライブやイベントで便利な機能に加え、新たにBluetooth®オーディオ再生に対応したことでワイヤレス音楽再生が可能となり、演奏中やイベント会場での自由度が飛躍的に向上します。また、Steinberg Media Technologies GmbHでは、業務用DAW(Digital Audio Workstation)「Nuendo™ 8」を開発しました。「Nuendo™ 8」は、映画、CM、番組、ゲームでの音響効果制作において定評のある機能群の進化に加え、新たなビデオエンジンも搭載しています。さらに業界賞の受賞歴もある、Audiokinetic社のゲーム開発用インタラクディブオーディオミドルウェア「Wwise™(ワイズ)」との連携機能も強化し、ゲームオーディオ制作のワークフローを大幅に効率化します。
情報通信機器関連では、当社初となるL3スイッチ「SWX3100-10G」「SWX3200-28GT」「SWX3200-52GT」を開発しました。「SWX3100-10G」は、LAN内のパケット転送に必要なスタティックルーティング機能を搭載した、小規模ネットワーク向けのモデルです。「SWX3200-28GT」「SWX3200-52GT」は、ダイナミックルーティングや初搭載の「スタック機能」による冗長化、10GのSFP+スロットなど、大規模ネットワークで必要な機能を搭載しています。また、快適な遠隔コミュニケーションを実現する「YVC-1000」の「Skype for Business」向けマイクロソフト社認定モデル「YVC-1000MS」を開発しました。マイクロソフト社の提供する法人向けのコミュニケーションプラットフォーム「Skype for Business」専用の音質チューニングやマイクミュート連動などの仕様調整を行うことで、「Skype for Business」と組み合わせて使用するのに最適な音声コミュニケーションデバイスとしてマイクロソフト社の認定を得ています。「YVC-1000MS」は、「Skype for Business」の発着信時の操作ができる「コールボタン」を搭載し、マウスなどの操作をせずに着信や通話終了を行うことも出来ます。また、少人数向け会議室(ハドルルーム)に最適なオールインワンデバイス「CS-700AV」を開発しました。「CS-700AV」は、広帯域オーディオと高品質カメラが一体型となったビデオサウンドコラボレーションシステムです。なお、卓上音声会議システム/スピーカーフォン市場における高い成長性やシェアが評価され、フロスト&サリバン社の「2016ベストプラクティスアワード」を受賞しました。
研究開発費は114億18百万円であります。

3 その他の事業
ヤマハファインテック株式会社では、デスクトップ型超音波スキャナ「SST-102」を開発しました。空中超音波で内部欠陥を見える化し、リチウムイオン電池タブ溶着の性能評価やコネクタ類の圧着不良検査に威力を発揮します。
ゴルフ事業関連では、ボール初速と直進安定性がさらにアップした「RMX™(リミックス)」シリーズ2018年モデルを開発しました。2018年モデルの「RMX™」は、常に進化を目指すゴルファーに向けて、ドライバー・フェアウェイウッド・ユーティリティ・アイアンの全てのクラブにおいて、今の自分を超える結果を提供します。
研究開発費は45億23百万円であります。

当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は4,087件であります。

(注)
・ Bluetoothは、Bluetooth SIG, Inc.の商標です。
・ Wwiseは、Audiokinetic社の商標です。
・ A.R.E.、Venova、REVSTAR、Clavinova、GrandTouch、ボーカロイド、VOCALOID、STAGEA、Genos、reface、
tollite、YPAO、MusicCast、STAGEPAS、RMXは、当社の商標です。
・ Helixは、Line 6,Inc.の商標です。
・ Nuendoは、Steinberg Media Technologies GmbHの商標です。
・ その他のすべての商標は、該当する各所有者の所有物です。

経営上の重要な契約等株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02362] S100DD7A)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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