有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DA7P
株式会社サンゲツ 研究開発活動 (2018年3月期)
当社グループは「インテリアを通じて社会に貢献し、豊かな生活文化の創造に寄与する」を企業使命としています。研究開発活動については、サンゲツ三則である「創造的デザイン」「信頼される品質」「適正な市場価格」を基本的な指針として、ブランド理念“Joy of Design”の実現を目指し、単にインテリア素材を提供するだけではなく、人々がそのインテリア素材を使い、デザインし、その空間で楽しみ、安らぎを得られる、豊かな生活文化の創造に寄与し得る商品開発に取り組んでいます。
品質については、製造ラインの品質管理体制を強化するために、品質管理技術室を設置しています。商品開発の各段階においては、検証体制プロセスとして「デザインレビュー」を整備し、商品開発を担うインテリア事業本部と、品質管理技術室をはじめとする関係部局が連携して審議を重ね、品質の担保に努めています。2017年5月には中部ロジスティクスセンターⅡに新しい試験施設を整備し、商品の安心・安全という側面からの品質管理体制の強化を進めています。
また、商品調達力の強化として、主力メーカーとのアライアンス強化に努めるとともに、中国現地法人の「山月堂(上海)装飾有限公司」、米国のKoroseal Interior Products Holdings,Inc.そして2017年12月に子会社化したシンガポールのGoodrich Global Holdings Pte.Ltd.とも連携し、デザインの共同開発や、海外有力メーカーとの取引強化に向けた取り組みを進めています。
その結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は86百万円となり、セグメントごとの状況は次のとおりであります。
(インテリア事業)
インテリア事業においては、壁装材、床材、カーテン等、合わせて約13,000点の商品をサンゲツブランドで企画開発・販売し、毎年、主要見本帳約30冊のおよそ3分の1を見本帳更改に向けて開発しています。商品開発においては、最新インテリアトレンドを捉えるために、国内外への市場調査を強化するとともに、第一線で活躍する外部のデザイン顧問からも情報収集を進め、トレンド分析に活かし、「市場起点」での商品開発・研究活動を行っております。また従来、見本帳はそれぞれのエレメントごとに作成をしておりましたが、2018年3月には、当社で初めて“ファブリック”と“壁紙”のコーディネーションを前提に、統一テーマで商品開発に取り組んだ見本帳「HAMPSHIRE GARDENS(ハンプシャーガーデンズ)-EDA-」を発刊しました。当見本帳は、イギリスに拠点を構えるWalker Greenbank社のデザインアーカイブをもとに、当社のオリジナルブランド「EDA」として誕生したもので、上質なデザインの商品をお求めやすい価格で展開し、当社のブランド理念である“Joy of Design”の実現を目指しています。
この結果、インテリア事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は72百万円となりました。また、インテリア事業内のセグメント別の研究開発活動状況は次の通りです。
(壁装事業)
壁装事業では、「デザイン」や「機能」における高付加価値商品の開発を強化しました。ハイエンド向けの上質な壁紙見本帳「エクセレクト」では、箔や和紙といった、日本の伝統技術から生まれた和素材壁紙のほか、意匠性の高いグローバルブランドの壁紙を選りすぐって収録しました。また、黒板のようにチョークで自由にかき消しができる壁紙、「Blackboard」は、コミュニケーションを生み出し、子どもの感性を育む壁紙として、2017年グッドデザイン賞およびキッズデザイン賞を受賞しました。
さらに、当社初めてのデザインコンペティション「サンゲツ壁紙デザインアワード2017」を開催、ブランド理念“Joy of Design”をテーマに新しい壁紙のデザインやアイデアを幅広く募集しました。500点を超える応募が集まり、このうち大賞作品については商品化し、「エクセレクト」見本帳に収録しました。商品そのものはもちろん、今後の展開に向け新たなデザイナーの発掘や鮮度の高いデザイン開発に繋がる活動となりました。
(床材事業)
床材事業では、「ロールカーペット」見本帳において、旺盛なホテルの改装需要を見据え、豊富なデザインとカラーでグラフィカルに床を彩る商品を取り揃えました。また、各種施設をはじめ、住宅分野でも幅広く利用できる「フロアタイル」見本帳では、古木やモルタルといった素材感を緻密に再現したトレンド性の高い商品を収録したほか、環境配慮型商品として、2.5mm厚フロアタイルを収録しています。一般的には3.0mm厚であるフロアタイルを薄くすることで、製品の原材料調達から製造・物流・廃棄に至るまでのCO2 排出量を約14%削減でき、環境負荷の低減につながります。当商品はカーボンフットプリントマークも取得しています。
また、超高密度のファイバーを植毛することにより、塩ビ床材のメンテナンス性と繊維系床材の歩行感を実現した新しい床材「フロテックス」は、その機能性と意匠性が評価され、2017年グッドデザイン賞を受賞しました。
(ファブリック事業)
ファブリック事業では、住宅から各種施設まで幅広いシーンで使用できるカーテン見本帳「STRINGS」を発刊しました。「本物志向の素材」と「トレンド性の高いカラー」にこだわり、北欧デザイナーと共同開発したアイテムやアパレル業界から起用したデザイン、華やかなデザインシアーなど、幅広いテイストと機能性で、くらしを彩るファブリックコレクションとしました。また、主に住空間をターゲットとした新作カーテン見本帳「Simple Order」は「手軽に」楽しめるオーダーカーテンをコンセプトに、ワンプライスで選びやすい構成としました。リーズナブルでありながら全点洗濯可能なメンテナンス性と、住空間に合わせやすいデザインを取りそろえ、生地と簡単な仕様を選ぶだけで手軽に楽しめるコーディネートを提案しました。
(エクステリア事業)
研究開発活動は行っておりません。
(照明器具事業)
照明器具事業においては、注力すべきテーマを“環境照明におけるミニマルデザイン(最小化)”とし、空間に溶け込みながらも、光としての役割をしっかり果たす器具開発を進めています。重点分野はオフィス、屋外・道路、ホテル、Zライト(タスクライト)の4つに絞り込み、オリジナリティーを大切にすると同時に、機能性や省エネ性を兼ね備えたラインアップを取り揃えました。オフィス空間向けとしては、ダクトレール上でシーリング・ペンダント・スポットライトタイプとして展開する「Refit」、高品質な導光板の採用により均一な光を実現した「Conference-LG」、屋外・道路向けとしては、公共エリアにも対応できる「Pole Top Light」、Zライトではヒット商品であった「Z-208」の後継機種「Z-208LED」等を発売し、コントラクト市場に対する営業力強化に努めました。
この結果、照明器具事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は14百万円となっております。
(海外事業)
海外事業においては、中国市場では山月堂(上海)において、サンゲツの壁紙や医療施設向けの機能性床材などの拡販を図っています。また、北米市場では、Koroseal Interior Products Holdings,Inc.が、顧客のニーズに基づく商品開発活動を行っております。開発プロセスにおいては、デザイン開発部署が中心となり、多様なアイデアを市場動向やトレンド、品質といった多角的な視点から検証・評価を重ね、商品開発を行います。当連結会計年度においては、より意匠性と創造性の高い空間提案をテーマに、ホテルや医療福祉施設等のホスピタリティマーケットに重点を置き、3Dデザインなど空間のアクセントとして使用できる壁紙の開発に注力しました。特に、現在成長しているデジタルプリント壁紙においては、幅広い色域の表現が可能なデジタルプリントの特性を活かし、顧客の多様なニーズに応える商品開発を積極化しました。
品質については、製造ラインの品質管理体制を強化するために、品質管理技術室を設置しています。商品開発の各段階においては、検証体制プロセスとして「デザインレビュー」を整備し、商品開発を担うインテリア事業本部と、品質管理技術室をはじめとする関係部局が連携して審議を重ね、品質の担保に努めています。2017年5月には中部ロジスティクスセンターⅡに新しい試験施設を整備し、商品の安心・安全という側面からの品質管理体制の強化を進めています。
また、商品調達力の強化として、主力メーカーとのアライアンス強化に努めるとともに、中国現地法人の「山月堂(上海)装飾有限公司」、米国のKoroseal Interior Products Holdings,Inc.そして2017年12月に子会社化したシンガポールのGoodrich Global Holdings Pte.Ltd.とも連携し、デザインの共同開発や、海外有力メーカーとの取引強化に向けた取り組みを進めています。
その結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は86百万円となり、セグメントごとの状況は次のとおりであります。
(インテリア事業)
インテリア事業においては、壁装材、床材、カーテン等、合わせて約13,000点の商品をサンゲツブランドで企画開発・販売し、毎年、主要見本帳約30冊のおよそ3分の1を見本帳更改に向けて開発しています。商品開発においては、最新インテリアトレンドを捉えるために、国内外への市場調査を強化するとともに、第一線で活躍する外部のデザイン顧問からも情報収集を進め、トレンド分析に活かし、「市場起点」での商品開発・研究活動を行っております。また従来、見本帳はそれぞれのエレメントごとに作成をしておりましたが、2018年3月には、当社で初めて“ファブリック”と“壁紙”のコーディネーションを前提に、統一テーマで商品開発に取り組んだ見本帳「HAMPSHIRE GARDENS(ハンプシャーガーデンズ)-EDA-」を発刊しました。当見本帳は、イギリスに拠点を構えるWalker Greenbank社のデザインアーカイブをもとに、当社のオリジナルブランド「EDA」として誕生したもので、上質なデザインの商品をお求めやすい価格で展開し、当社のブランド理念である“Joy of Design”の実現を目指しています。
この結果、インテリア事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は72百万円となりました。また、インテリア事業内のセグメント別の研究開発活動状況は次の通りです。
(壁装事業)
壁装事業では、「デザイン」や「機能」における高付加価値商品の開発を強化しました。ハイエンド向けの上質な壁紙見本帳「エクセレクト」では、箔や和紙といった、日本の伝統技術から生まれた和素材壁紙のほか、意匠性の高いグローバルブランドの壁紙を選りすぐって収録しました。また、黒板のようにチョークで自由にかき消しができる壁紙、「Blackboard」は、コミュニケーションを生み出し、子どもの感性を育む壁紙として、2017年グッドデザイン賞およびキッズデザイン賞を受賞しました。
さらに、当社初めてのデザインコンペティション「サンゲツ壁紙デザインアワード2017」を開催、ブランド理念“Joy of Design”をテーマに新しい壁紙のデザインやアイデアを幅広く募集しました。500点を超える応募が集まり、このうち大賞作品については商品化し、「エクセレクト」見本帳に収録しました。商品そのものはもちろん、今後の展開に向け新たなデザイナーの発掘や鮮度の高いデザイン開発に繋がる活動となりました。
(床材事業)
床材事業では、「ロールカーペット」見本帳において、旺盛なホテルの改装需要を見据え、豊富なデザインとカラーでグラフィカルに床を彩る商品を取り揃えました。また、各種施設をはじめ、住宅分野でも幅広く利用できる「フロアタイル」見本帳では、古木やモルタルといった素材感を緻密に再現したトレンド性の高い商品を収録したほか、環境配慮型商品として、2.5mm厚フロアタイルを収録しています。一般的には3.0mm厚であるフロアタイルを薄くすることで、製品の原材料調達から製造・物流・廃棄に至るまでのCO2 排出量を約14%削減でき、環境負荷の低減につながります。当商品はカーボンフットプリントマークも取得しています。
また、超高密度のファイバーを植毛することにより、塩ビ床材のメンテナンス性と繊維系床材の歩行感を実現した新しい床材「フロテックス」は、その機能性と意匠性が評価され、2017年グッドデザイン賞を受賞しました。
(ファブリック事業)
ファブリック事業では、住宅から各種施設まで幅広いシーンで使用できるカーテン見本帳「STRINGS」を発刊しました。「本物志向の素材」と「トレンド性の高いカラー」にこだわり、北欧デザイナーと共同開発したアイテムやアパレル業界から起用したデザイン、華やかなデザインシアーなど、幅広いテイストと機能性で、くらしを彩るファブリックコレクションとしました。また、主に住空間をターゲットとした新作カーテン見本帳「Simple Order」は「手軽に」楽しめるオーダーカーテンをコンセプトに、ワンプライスで選びやすい構成としました。リーズナブルでありながら全点洗濯可能なメンテナンス性と、住空間に合わせやすいデザインを取りそろえ、生地と簡単な仕様を選ぶだけで手軽に楽しめるコーディネートを提案しました。
(エクステリア事業)
研究開発活動は行っておりません。
(照明器具事業)
照明器具事業においては、注力すべきテーマを“環境照明におけるミニマルデザイン(最小化)”とし、空間に溶け込みながらも、光としての役割をしっかり果たす器具開発を進めています。重点分野はオフィス、屋外・道路、ホテル、Zライト(タスクライト)の4つに絞り込み、オリジナリティーを大切にすると同時に、機能性や省エネ性を兼ね備えたラインアップを取り揃えました。オフィス空間向けとしては、ダクトレール上でシーリング・ペンダント・スポットライトタイプとして展開する「Refit」、高品質な導光板の採用により均一な光を実現した「Conference-LG」、屋外・道路向けとしては、公共エリアにも対応できる「Pole Top Light」、Zライトではヒット商品であった「Z-208」の後継機種「Z-208LED」等を発売し、コントラクト市場に対する営業力強化に努めました。
この結果、照明器具事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は14百万円となっております。
(海外事業)
海外事業においては、中国市場では山月堂(上海)において、サンゲツの壁紙や医療施設向けの機能性床材などの拡販を図っています。また、北米市場では、Koroseal Interior Products Holdings,Inc.が、顧客のニーズに基づく商品開発活動を行っております。開発プロセスにおいては、デザイン開発部署が中心となり、多様なアイデアを市場動向やトレンド、品質といった多角的な視点から検証・評価を重ね、商品開発を行います。当連結会計年度においては、より意匠性と創造性の高い空間提案をテーマに、ホテルや医療福祉施設等のホスピタリティマーケットに重点を置き、3Dデザインなど空間のアクセントとして使用できる壁紙の開発に注力しました。特に、現在成長しているデジタルプリント壁紙においては、幅広い色域の表現が可能なデジタルプリントの特性を活かし、顧客の多様なニーズに応える商品開発を積極化しました。
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