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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100CN7N

有価証券報告書抜粋 サッポロホールディングス株式会社 研究開発活動 (2017年12月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

2017年3月、グループ横断型研究開発「サッポロイノベーションラボ」の取組の中で、食品加工技術、素材技術開発、おいしさ開発を強化するため、新たに「おいしさ技術研究所」を神奈川県横浜市に設立しました。
グループR&Dのコア技術としては、「お客様を知る」、「おいしさを探す」、「おいしさを造る」、「おいしさを保証する」の4つを設定しています。「長期経営ビジョンSPEED150」に示された「異次元のスピード」を研究開発分野でも具体化するため、グループ内外を問わずに企業、大学、研究機関等との協働を進めています。
「お客様に食を通じた幸せをお届けするために、『創り』、『造り』続けます」という研究開発ビジョンを実現すべく、さらにはその先にあるお客様の笑顔を実現するため、この新たな研究開発体制の下、サッポログループは挑戦を続けてまいります。
新設のおいしさ技術研究所では、「おいしさを造る」の研究の一例として、最新鋭のプロトン移動反応質量分析計(PTR-MS)を導入し、ビールを飲み込んだ後に広がるレトロネーザルアロマ(口腔内から鼻腔に抜ける香り)を高感度かつリアルタイムに計測することに成功し、日本食品科学工学会第64回大会において発表しました。ほかにも、レモン、大豆等が持つ良さを活用した素材の開発や、安全・安心でおいしい食品を製造できる加工技術の開発、様々な食品のおいしさを機器分析によって明らかにする取り組みを進めています。
グループ基盤研究の中心である価値創造フロンティア研究所では、4つのコア技術に基づく次の研究を進めています。
「お客様を知る」感性・情報科学研究では、販売データから自販機の売れ筋を予測する研究や、視線の動きを分析し、新商品デザインの評価に活用する研究など、消費者の購買行動を明らかにする研究に取り組んでいます。また、レモン飲料に対する消費者個々の嗜好性の違いについて詳細に調査した研究では、電子情報通信学会の2017年度ヒューマンコミュニケーション賞を受賞しました。
「おいしさを探す」素材・機能研究では、大麦、ホップ、レモン、大豆、乳酸菌などの素材の健康機能についての研究開発を行っています。ビールの原料であるホップに尿酸値を低下させる機能、アルコール代謝を促進する機能を新たに発見し、前者を2017年7月の第12回トランスポーター研究会で発表し優秀発表賞を受賞、後者を2017年8月の日本食品科学工学会第64回大会で発表しました。さらに、ユニークな機能を有する「SBL88®乳酸菌」などの長年の研究成果に対して2017年11月、日本食品免疫学会から食品免疫産業賞を授与されました。
「おいしさを造る」発酵・微生物制御研究では、創業以来酒類の研究開発で培ってきたサッポログループのコア技術のひとつである「発酵」をさらに深化させ、酒類のほか食品・飲料の価値創造を目的に研究開発を進めています。「SBL88®乳酸菌」についても、さらに使いやすい素材とする研究に取り組んでいます。
「おいしさを保証する」品質保証研究では、これまで以上にお客様の安全・安心志向や健康意識に応えるため、原料・製品の安全性分析及びそれを支える分析新技術の研究に継続して取り組んでいます。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は27億円です。

セグメントの状況は次のとおりです。

[国内酒類事業]
1.商品開発について
酒類の商品開発については、変化をチャンスと捉え、現状の殻を破って「突き抜ける」存在となるべく、新たな価値創造に取り組んできました。
ビールテイストでは、3月にはヱビスビール初の上面酵母を使用したホワイトビール「ヱビス 華みやび」を発売しました。また、9月には、ロイヤルリーフホップを100%使用し、特別なボトルで提供する「ヱビス マイスター ザ・ロイヤルリーフ」を限定発売し、新たなお客様の支持を獲得できました。好調の黒ラベルからは、旨さ長持ち麦芽を高温で丁寧に焙燥した黒麦芽を使用した「サッポロ生ビール黒ラベル」を10月に発売しました。「麦とホップ」では、キャンペーン商品として無濾過ビールの「麦とホップ にごり」を開発するなど、ブランド価値向上に取り組みました。また、糖質、プリン体、人工甘味料の3つのゼロに加え、低カロリーNo.1※を実現した機能系新商品「極ZERO爽快ゼロ」を開発しました。
伸長するRTD市場に対しては、基軸ブランドの「男梅サワー」において、1月にしょっぱい旨さをさらに進化させたリニューアルを行い、3月には「超男梅サワー」の通年発売化、12月に新たな商品「はちみつ男梅サワー」を限定発売し、男梅ブランド計で前年比134%を達成しました。また、3月には「南日本酪農協同社」とのコラボレーション新商品「愛のスコールホワイトサワー」を西日本限定で発売、販売好調を受け9月には東日本にも展開した結果、販売計画比300%を達成しました。「ネクターサワー」では、8月に2つの桃のおいしさが楽しめる「ももももネクターサワー 黄金桃と白桃」を限定発売し、ネクターブランドの魅力を高めました。ワイン市場には、ポリフェノール成分を185mg/100ml含有し、凝縮感のあるふくよかな味わいが特長の「ポリフェノールでおいしさアップたっぷりサイズの濃い赤ワイン」を発売し、販売計画比124%を達成しました。
※国産大手メーカーより発売されている糖質0の商品において(当社調べ2017年10月現在)、18kcal/100ml当たり



2.研究開発について
酒類事業においては、酒類技術研究所、バイオ研究開発部、商品・技術イノベーション部、価値創造フロンティア研究所等が協働・協創のもと研究開発を行っており、お客様にオンリーワンの商品を次々とお届けし、感動を広げる活動を継続しています。
平成28~29年には、近年、ユニークな香りを作り出すとして、世界中のクラフトビールファンの間で注目を浴びている自社育成ホップ品種「ソラチエース」の特長香は「ゲラン酸」という成分がキーであることを解明しました。また、ソラチエースの香りは「ゲラン酸」とその他のホップの香気成分が組み合わさることで形成されること、さらにソラチエースと他の特長的な香りをもつホップ品種をブレンドして醸造することで、多様な香味を持つビールを創り出せることを示しました。
この研究については、日本農芸化学会2017年度大会(2017年3月17~20日・京都)と第36回European Brewery Convention(ヨーロッパ醸造学会大会・2017年5月14~18日・スロベニア)にて発表し、日本農芸化学会からは2017年度大会トピックス賞、European Brewery Conventionからはポスター部門の最高賞であるBest Poster賞をそれぞれ受賞しました。
European Brewery Conventionの大会は2年に一度開催され、ビール醸造技術に関する世界的に権威のある学会のひとつです。ヨーロッパのみならず、世界からビール醸造の研究者が集まり、口頭部門52題、ポスター部門102題の発表が行われました。各部門で最も優秀な発表各1件に対し、Best Paper賞、Best Poster賞の最高賞が選ばれます。「サッポロビール社」は国内で同賞の受賞歴がある唯一のビール会社であり、今回の受賞により、3大会連続の最高賞受賞というさらなる快挙となりました。
また、ビールの泡品質を良くするためのビール大麦品種の育成に関する新技術について、2017年度の日本醸造協会技術賞を受賞しました。これは、ビールに含まれるタンパク質を網羅的に解析することで、ビールの泡品質に関与するタンパク質および遺伝子を同定し、さらに麦芽に加工する前の大麦の状態でビールの泡持ちが良いか否かを簡便に判別できる技術(遺伝子診断技術)です。これにより、従来は約10年を必要としたビール大麦育種での泡持ちの品質評価が、最短1年で評価・選抜することが可能になりました。2016年に続いて2年連続の技術賞受賞となりました。
さらに、2018年度の日本農芸化学会技術賞の受賞が2017年12月に決定しました。対象の研究・開発テーマは『ホップ品質の多角的な解析とその応用』で、今回の受賞は「ホップの栽培安定化へのグローバルな貢献」「優良ホップ品種の継続的な育種開発」「ホップ特有の成分に関する多角的解析」の3点が、育種・栽培技術から商品開発までの一貫した取組みとして評価されました。同賞の受賞は2000年、2015年に続き、ビール醸造技術に関する3回目の受賞となります。
また、ビールを老化させる原因の一つであるリポキシゲナーゼを欠失した大麦(LOXレス大麦)の品種改良は、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ及び国内で進められており、“旨さ長持ち麦芽”として当社商品に使用されています。2017年には、新品種「CDC Goldstar」をカナダで品種登録出願しました。
ホップの品種開発については、海外での高品質品種の安定生産を目指し、トロピカルフルーツの香りが華やかな新品種「フラノマジカルⓇ」を欧州と米国で品種登録出願しました。また、ホップのユニークな香りを一層引き出す栽培法の研究にも取り組んでおり、2017年に開催された米国醸造化学会(American Society of Brewing Chemists)で研究成果を発表しています。
国内酒類事業の研究開発費の金額は12億円です。

[食品・飲料事業]
食品・飲料事業では、「おいしさ」や「健康価値」を訴求できる飲料及び食品の研究・商品開発活動に取り組んでいます。
飲料カテゴリーにおいては、強みが発揮できる「レモン飲料」「素材系」「食感系」「がぶ飲み」に注力しました。
「レモン飲料」では、主力の「キレートレモン」ブランドの一部商品において健康価値を訴求した栄養機能食品(ビタミンC)にリニューアルするなどブランド全体の健康価値訴求と活性化を図りました。
「素材系」では国産素材とその味わいが好評な「加賀棒ほうじ茶」にミルクを加えた日本品質のミルクティー「加賀棒ほうじ茶ラテ」を新たに開発し、ほうじ茶の香ばしさとミルクのコクが感じられる新しいおいしさを作り出しました。六条大麦を使用した新商品「にっぽん麦茶」や既存商品の「にっぽん烏龍」「知覧にっぽん紅茶 無糖」「富良野ラベンダーティー」などとともに国産素材系無糖茶シリーズとして展開し、好調に推移しました。
「食感系」では、まるで果実を食べているかのような果汁感と果肉の食感を楽しむ果汁飲料「ほおばる果実」シリーズとして、長年好評の「つぶたっぷり贅沢みかん」に「つぶたっぷり贅沢シトラスゆず&レモン」をラインナップし、さらに、新たにりんごフレーバーの「サクサク角切り贅沢りんご」を開発しました。りんごのしゃきしゃき感を体感できるよう、角切りりんごの大きさを数多く試行して決定し、また、こうした特長のある果肉を缶に充填する技術を新たに確立し上市しました。
「がぶ飲み」ブランドにおいては、「がぶ飲み レモンクリームソーダ」「がぶ飲み 白いコーラ」など、ユニークなフレーバー展開で話題化を図りました。
食品カテゴリーにおいては、春夏におけるスープ需要拡大に向けて、缶入りの冷製スープ「じっくりコトコト シャキシャキコーンの冷たいポタージュ」に加え、「じっくりコトコト 北海道産じゃがいもの冷たいヴィシソワーズ」を発売し、新たな需要を喚起しました。
さらにスープ分野では、お湯を注ぐだけのインスタントながら、手作りのリゾットと遜色のない風味になるよう、もちもちとした食感で食べ応えのある米具材「もちもち米」の開発に取り組みました。「もちもち米」は、お米を粉状にしてから澱粉などとブレンドし、圧縮してお米の形状に再成型したのちに加熱乾燥で仕上げた当社独自の米粉加工品で、スープ事業において得意としてきた「洋風」フレーバーの味作りの知見と組み合わせ、今までにない主食となるカップ入りリゾット「リゾランテ」を新ブランドとして発売・展開し、女性を中心に好評をいただきました。
レモン食品では、「ポッカレモン100」を中心に、調味料としても使えるレモン食品を長年発売してきた知見を活かし、料理を作りたくなるような簡単調味料の新たな提案として、調味料「塩とレモンとオリーブオイル」を開発・発売しました。レモン果汁と相性のよいオリーブオイルとシチリア産の岩塩をレモンが引き立つバランスに組み合わせ、さまざまな料理にあう味わいを実現しました。また長年のレモン成分の健康価値の研究を活かし、「クエン酸」を関与成分とした機能性表示食品「レモンの元気」を開発・発売し、引き続きレモンの魅力を訴求した商品の開発に取り組んでいます。
新規事業として注力する大豆・チルド事業においては、大麦から見つかったサッポログループ独自の「SBL88®乳酸菌」を配合した豆乳飲料「プラス乳酸菌豆乳飲料 甘酒」、「プラス乳酸菌豆乳飲料 プルーン」、「プラス乳酸菌豆乳飲料 ハトムギ」を発売しました。
また豆乳ヨーグルトにおいては、発売20周年を迎えた特定保健用食品「ソヤファーム豆乳で作ったヨーグルト」シリーズを10年ぶりに刷新し、ブランド強化を図りました。
今後もお客様のこれからの食生活に、新たな価値をご提供できるような独自の研究と商品開発を次々と進めていきます。
食品・飲料事業の研究開発費の金額は9億円です。


事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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