有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100COD8
キリンホールディングス株式会社 業績等の概要 (2017年12月期)
※ 当社グループは当年度(2017年1月1日から2017年12月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
わが国では、個人消費の停滞傾向は一部で見られたものの、上向いた世界経済と安定した国内政治を背景に堅調な収益を見込む企業が多く、雇用・所得環境は改善し、国内経済は緩やかな回復の動きを見せました。
キリングループでは、「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」(略称:2016年中計)で掲げた3つの重点課題に引き続き取り組み、構造改革によるキリングループの再生を目指しました。当年度は、2016年中計の重点課題のうち、特に“低収益事業の再生・再編”について一段と成果を上げました。キリンビバレッジ㈱の大幅増益をはじめ各事業会社で計画が順調に進捗した結果、事業利益が過去最高※1となりました。加えて、ブラジルキリン社の売却により、親会社の所有者に帰属する当期利益が過去最高※1となるとともに、2016年中計のフリーキャッシュ・フロー創出目標を前倒しで達成し、有利子負債返済の進展により財務の健全性が向上しました。ブラジルキリン社については、グループ本社と一体となり構造改革を進めた結果、2016年に業績が回復の兆しを見せ、複数の企業から買収の提案を受けました。検討を重ねた末、単独でブラジル事業を継続するよりも提案を受け入れることが株主価値に資すると判断し、2017年5月に全株式を譲渡しました。
また、社会とともに成長する企業グループを目指す「新キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:新KV2021)実現に向けて、「グループCSVコミットメント」を策定しました。同コミットメントでは、事業との関係が深い“健康”、“地域社会への貢献”、“環境”をキリングループが長期的に取り組むCSV※2重点課題とし、各事業会社での事業を通じて取り組みを進めました。特に“健康”については、キリングループの独自素材「プラズマ乳酸菌」※3を活用し、グループ横断で展開する新ブランド「iMUSE(イミューズ)」を立ち上げました。
なお当年度より、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的として、当社グループの連結財務諸表について、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を開始しました。
これらの結果、当年度の連結売上収益について、キリンビール㈱及びライオン社酒類事業での販売数量が減少しましたが、医薬バイオケミカル事業で技術収入が増加したこと等により、ほぼ前年並みとなりました。連結事業利益は、国内綜合飲料事業と医薬バイオケミカル事業の増益により増加し、固定資産売却益と持分法による投資損益の貢献により、連結税引前利益も増加しました。さらに、ブラジルキリン社の株式譲渡に伴う非継続事業からの当期利益の増加により、親会社の所有者に帰属する当期利益も増加しました。
※1 当期実績を日本基準に置換し、経年実績と比較分析した結果によります。
※2 CSV:Creating Shared Valueの略で、社会課題への取り組みによる“社会的価値の創造”と“経済的価値の創造”の両立により、企業価値向上を実現することです。
※3 プラズマ乳酸菌:キリングループが学会や学術論文の発表を通して研究を進めている乳酸菌で、体に重要な役割を果たすプラズマサイトイド樹状細胞から名づけました。
※1 事業利益:事業の経常的な業績を測る利益指標で、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除して計算
※2 平準化:その他の営業収益・費用等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整
平準化EPS = 平準化当期利益 / 期中平均株式数
平準化当期利益 = 当期利益±税金等調整後その他の営業収益・費用等
セグメント別の業績は次のとおりです。
キリンビール㈱は、誰よりもお客様のことを一番考える会社を目指して、キリンならではの価値創造を進めました。ビール類については、6月からの酒類の公正な取引に関する基準の施行や天候不順の影響で市場全体が縮小しました。その上、1月から先行して取引条件を見直し、上半期に店頭価格が上昇したこと等により販売数量が前年から減少し、中でも新ジャンルカテゴリーの販売が苦戦しました。他方で、“日本のビールの本流とする”ことを目指して下半期に全面刷新した主力商品「キリン一番搾り生ビール」は、刷新以降、市場平均を上回るペースで販売数量が増加しました。RTD※1カテゴリーでは、お客様の幅広いニーズに応えて多様な商品を揃えた「キリン 氷結」シリーズの年間販売数量が過去最高を記録する等、カテゴリー全体の販売が伸長しました。酒類メーカーとしての責任の観点から、キリンビール㈱が新たに市場を創造したノンアルコール・ビールテイスト飲料では、新商品「キリン 零ICHI(ゼロイチ)」の販売が大変好調で、カテゴリー全体の販売数量は前年比約6割増となりました。
メルシャン㈱では、ワイン市場全体の持続的な拡大を目指し、カテゴリーごとに注力ブランドを絞ったマーケティング活動を進めました。フラッグシップブランド「シャトー・メルシャン」は、日本ワイン140年を機とした情報発信を強化したことに加え、国内外で多数の賞を受けたことにより、評価を一層高めました。国内製造ワインの主力商品「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」の好調に加え、輸入ワインの「カッシェロ・デル・ディアブロ」、ワイン市場の裾野拡大を目指した「ワールドセレクション」等の注力商品が着実に伸長し、ワイン全体の販売数量は前年から増加しました。
キリンビバレッジ㈱では、持続的な利益ある成長の実現に向けて、強固なブランド体系の構築と収益性の高い事業構造への転換をさらに進めました。基盤ブランド「キリン 午後の紅茶」は定番商品のストレート、ミルク、レモン、おいしい無糖を中心に好調に推移し、過去最高の販売数量を達成しました。「キリン 生茶」は緑茶カテゴリーでの競争が激しくなる中で、2016年の全面刷新以降の好調により販売数量が前年から増加しました。健康領域での価値創造に挑戦した健康・スポーツ飲料カテゴリーでは、「キリン サプリ」シリーズが大変好調で、カテゴリー全体の販売数量が増加しました。コーヒーの主力商品「キリン ファイア」の低調な販売や、前年度に需要が増加した大型PET容器の水について反動が出た影響等により、清涼飲料全体の販売数量は前年からやや減少しましたが、SCM※2コスト削減の取り組み等により、収益性の向上を図りました。
これらの結果、日本綜合飲料事業では、キリンビール㈱でのビール類の販売数量の減少等により、売上収益は減少しました。一方で、キリンビール㈱でのRTD及びノンアルコール・ビールテイスト飲料の販売数量の増加に加え、キリンビバレッジ㈱をはじめ各事業会社で収益性改善の取り組みが進行したため、事業利益は増加しました。
※1 RTD:栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料で、Ready to Drinkの略です。
※2 SCM:Supply Chain Managementの略で、原材料の調達、工場での生産、商品の需給・物流の供給連鎖を、効率よく構築し管理することを指します。
ライオン社酒類事業では、2016年9月のアンハイザー・ブッシュ・インベブ社とのビール販売ライセンス契約終了により販売数量が減少する中、中長期的な利益回復を目指しブランドポートフォリオ戦略を見直しました。新たな戦略商品「アイアン・ジャック」が好調に推移するなど、成長カテゴリーのブランド強化が順調に進み、ビールの販売数量の回復は計画通りに進捗しました。ライオン社飲料事業では、オレンジ果汁の不足に伴う原料価格高騰による影響を受けたものの、注力する乳飲料カテゴリーでは主力商品「デア」を中心に販売数量が増加し、ヨーグルト、高価格帯チーズの販売もそれぞれ伸長しました。さらに、飲料事業における生産拠点集約等のコスト構造改革の継続に加え、全社的にも業務プロセス改革を進め、収益力の向上を図りました。
ミャンマー・ブルワリー社では、ミャンマー市場首位のポジションをより盤石なものとするため、前年に構築したブランドポートフォリオを最大限に活用した販売活動を展開しました。家庭用市場が拡大する中、主力商品「ミャンマービール」は缶を中心に販売数量が増加しました。また、現在のミャンマーの消費環境に即した低価格商品「アンダマン ゴールド」が、大幅に販売数量を伸ばしました。加えて、最盛期の需要に確実に応えるために、設備増強工事をさらに進め生産基盤の強化を図りました。
なお、米国の清涼飲料事業の子会社であるCCNNE社※は、コカ・コーラグループによる北米のボトラー事業の再編に伴い、米国北東部における近接テリトリーでの製造販売事業をコカ・コーラ リフレッシュメント社から譲り受け、事業範囲が広がりました。
これらの結果、オセアニア綜合飲料事業については、ライオン社酒類事業での販売数量の減少に加え、飲料事業でのオレンジ果汁価格高騰の影響により、売上収益、事業利益はともに減少しました。海外その他綜合飲料事業では、ミャンマー・ブルワリー社の増収と米国での事業譲受の影響で売上収益は増加しましたが、事業譲受に伴う初期費用が増加したこと等により、事業利益は減少しました。
※ CCNNE社:米国北東部で清涼飲料の製造販売事業を展開する完全子会社である、コカ・コーラ ボトリングカンパニー オブ ノーザン ニューイングランド社の略称です。
協和発酵キリン㈱の医薬事業では、「グローバル・スペシャリティファーマ」への飛躍をテーマに、戦略課題の達成に取り組みました。国内では、「ジーラスタ」※1等の新製品群の売上が引き続き堅調でしたが、医療費抑制策に伴う後発医薬品の浸透により売上は減少しました。海外では、各国での順調な売上に加えて、アストラゼネカ社からの契約一時金・マイルストン収入等により、売上は前年よりも増加しました。研究開発では、グローバル戦略品の開発が順調に進み、KRN23※2が欧州で条件付き承認を勧告する肯定的な見解を得たことに加え、米国でも販売承認申請が受理され、優先審査品目に指定されました。さらに、KW-0761※3についても皮膚T細胞性リンパ腫※4を対象とした第Ⅲ相臨床試験(フェーズ3)での成績を受け、欧州と米国へ販売承認申請をし、特に米国では優先審査品目指定を獲得しました。
バイオケミカル事業において、国内では、通信販売事業で2016年に発売した「アルギニンEX」や医薬・健食用原料が堅調に推移し、売上は前年並みとなりました。また、米州と欧州でも医薬・健食用原料が堅調でしたが、アジアでの一部製品の競争激化による影響により、海外の売上についても前年並みとなりました。
これらの結果、医薬・バイオケミカル事業では、国内医薬品の売上が減少したものの、技術収入の増加と研究開発費の減少等により、売上収益、事業利益はともに増加しました。
※1 ジーラスタ:白血球の一種である好中球を増加させる薬剤です。
※2 KRN23(一般名ブロスマブ):主に遺伝的な原因で骨の成長・維持に障害をきたす希少な疾患である、X染色体遺伝性低リン血症の治療薬として開発が進められております。X染色体遺伝性低リン血症は、くる病又は骨軟化症の症状を呈する希少な疾患です。
※3 KW-0761(一般名モガムリズマブ):特定の血液がんの治療薬として、国内では製品名「ポテリジオ」として販売されており、現在欧米でも開発が進められております。
※4 皮膚T細胞性リンパ腫:皮膚に生じる悪性リンパ腫の一種で比較的まれなタイプですが、悪性のTリンパ球が皮膚に局在化し、皮膚や血液、リンパ節、内臓、その他の組織に病変が現れます。
シュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は前年度比106億円減少の2,217億円となりました。法人所得税の支払額は179億円増
加、運転資金の流出が140億円増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の収入は前年度比1,459億円増加の632億円となりました。有形固定資産及び無形資産の取
得については、前年度比106億円減少の888億円を支出しました。また、事業の取得により226億円、投資の取得に
より122億円の支出がありました。一方、子会社株式の売却により930億円、有形固定資産及び無形資産の売却に
より479億円、貸付金の回収により376億円、投資の売却により76億円の収入がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は前年度比249億円増加の1,822億円となりました。デリバティブの決済により176億
円の収入がありました。一方、長期借入金の返済により866億円、配当金の支払により459億円、コマーシャル・
ペーパーの減少により450億円、短期借入金の減少により157億円の支出がありました。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を四捨五入して記載しております。
当年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加7社、減少30社であります。
持分法適用会社の異動は増加4社、減少1社であります。
(有形固定資産の減価償却方法の変更及び耐用年数の見直し)
従来、当社及び日本綜合飲料事業に属する会社の有形固定資産の減価償却方法は定率法(ただし、1998年4月1日以降取得した建物(建物附属設備を除く)については定額法)によっておりましたが、当年度より定額法に変更いたしました。
日本綜合飲料事業に属する会社において、生産拠点の集約等により生産能力の最適化を進め、需要に見合った適正な製造能力による安定的な稼動ができる状況となってきたため、「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」の策定を契機に、減価償却の方法を検討いたしました。
その結果、今後、国内現有設備の稼働が安定的に推移していくことが見込まれるため、使用期間にわたる均等償却による費用配分を行うことが、当社グループにとってより適切であると判断しております。
また、この変更により、海外拠点を含むグループ会社の会計方針の統一が図られ、グループ会社間の比較可能性が向上されます。
同時に、一部の有形固定資産について耐用年数を変更しております。
これにより当年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ10,153百万円増加しております。
(「企業結合に関する会計基準」等の適用に伴う変更)
「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年9月13日)第39項に掲げられた定め等を適用し、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っております。
当年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加7社、減少25社であります。
持分法適用会社の異動は増加3社、減少2社であります。
(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針の適用)
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 2016年3月28日)を当年度から適用しております。
日本基準では、のれんは実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が前年度において22,317百万円、当年度において22,443百万円減少しております。
(子会社株式の売却損益の調整)
日本基準では当年度にBrasil Kirin Holding S.A.株式を売却したことに伴い、同社の取得時から売却時までの為替換算調整勘定累計額を連結損益計算書に組替調整しております。
IFRSでは、当社グループはIFRS第1号の免除規定により、IFRS移行日における在外営業活動体の累積換算差額をゼロとみなしており、同社の移行日から売却時までに係る為替換算調整勘定累計額(IFRSでは「在外営業活動体の換算差額」累計額)を連結損益計算書に組替調整しております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「税引前利益」が当年度において75,848百万円増加しております。
(1) 業績
当年度における世界経済は、不安定な海外政治情勢を背景とする地政学的リスクが懸念されたものの、主要各国の景気が回復する中で国際金融市場は安定を保ち、緩やかな回復基調で推移しました。わが国では、個人消費の停滞傾向は一部で見られたものの、上向いた世界経済と安定した国内政治を背景に堅調な収益を見込む企業が多く、雇用・所得環境は改善し、国内経済は緩やかな回復の動きを見せました。
キリングループでは、「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」(略称:2016年中計)で掲げた3つの重点課題に引き続き取り組み、構造改革によるキリングループの再生を目指しました。当年度は、2016年中計の重点課題のうち、特に“低収益事業の再生・再編”について一段と成果を上げました。キリンビバレッジ㈱の大幅増益をはじめ各事業会社で計画が順調に進捗した結果、事業利益が過去最高※1となりました。加えて、ブラジルキリン社の売却により、親会社の所有者に帰属する当期利益が過去最高※1となるとともに、2016年中計のフリーキャッシュ・フロー創出目標を前倒しで達成し、有利子負債返済の進展により財務の健全性が向上しました。ブラジルキリン社については、グループ本社と一体となり構造改革を進めた結果、2016年に業績が回復の兆しを見せ、複数の企業から買収の提案を受けました。検討を重ねた末、単独でブラジル事業を継続するよりも提案を受け入れることが株主価値に資すると判断し、2017年5月に全株式を譲渡しました。
また、社会とともに成長する企業グループを目指す「新キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:新KV2021)実現に向けて、「グループCSVコミットメント」を策定しました。同コミットメントでは、事業との関係が深い“健康”、“地域社会への貢献”、“環境”をキリングループが長期的に取り組むCSV※2重点課題とし、各事業会社での事業を通じて取り組みを進めました。特に“健康”については、キリングループの独自素材「プラズマ乳酸菌」※3を活用し、グループ横断で展開する新ブランド「iMUSE(イミューズ)」を立ち上げました。
なお当年度より、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的として、当社グループの連結財務諸表について、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を開始しました。
これらの結果、当年度の連結売上収益について、キリンビール㈱及びライオン社酒類事業での販売数量が減少しましたが、医薬バイオケミカル事業で技術収入が増加したこと等により、ほぼ前年並みとなりました。連結事業利益は、国内綜合飲料事業と医薬バイオケミカル事業の増益により増加し、固定資産売却益と持分法による投資損益の貢献により、連結税引前利益も増加しました。さらに、ブラジルキリン社の株式譲渡に伴う非継続事業からの当期利益の増加により、親会社の所有者に帰属する当期利益も増加しました。
※1 当期実績を日本基準に置換し、経年実績と比較分析した結果によります。
※2 CSV:Creating Shared Valueの略で、社会課題への取り組みによる“社会的価値の創造”と“経済的価値の創造”の両立により、企業価値向上を実現することです。
※3 プラズマ乳酸菌:キリングループが学会や学術論文の発表を通して研究を進めている乳酸菌で、体に重要な役割を果たすプラズマサイトイド樹状細胞から名づけました。
連結売上収益 | 1兆8,637億円 | (前年同期比 | 0.5%増) |
連結事業利益 ※1 | 1,943億円 | (前年同期比 | 6.8%増) |
連結税引前利益 | 2,338億円 | (前年同期比 | 12.3%増) |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 2,421億円 | (前年同期比 | 62.5%増) |
(参考) | |||
ROE | 29.1% | ||
平準化EPS ※2 | 151円 | (前年同期比 | 8.6%増) |
※1 事業利益:事業の経常的な業績を測る利益指標で、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除して計算
※2 平準化:その他の営業収益・費用等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整
平準化EPS = 平準化当期利益 / 期中平均株式数
平準化当期利益 = 当期利益±税金等調整後その他の営業収益・費用等
セグメント別の業績は次のとおりです。
キリンビール㈱は、誰よりもお客様のことを一番考える会社を目指して、キリンならではの価値創造を進めました。ビール類については、6月からの酒類の公正な取引に関する基準の施行や天候不順の影響で市場全体が縮小しました。その上、1月から先行して取引条件を見直し、上半期に店頭価格が上昇したこと等により販売数量が前年から減少し、中でも新ジャンルカテゴリーの販売が苦戦しました。他方で、“日本のビールの本流とする”ことを目指して下半期に全面刷新した主力商品「キリン一番搾り生ビール」は、刷新以降、市場平均を上回るペースで販売数量が増加しました。RTD※1カテゴリーでは、お客様の幅広いニーズに応えて多様な商品を揃えた「キリン 氷結」シリーズの年間販売数量が過去最高を記録する等、カテゴリー全体の販売が伸長しました。酒類メーカーとしての責任の観点から、キリンビール㈱が新たに市場を創造したノンアルコール・ビールテイスト飲料では、新商品「キリン 零ICHI(ゼロイチ)」の販売が大変好調で、カテゴリー全体の販売数量は前年比約6割増となりました。
メルシャン㈱では、ワイン市場全体の持続的な拡大を目指し、カテゴリーごとに注力ブランドを絞ったマーケティング活動を進めました。フラッグシップブランド「シャトー・メルシャン」は、日本ワイン140年を機とした情報発信を強化したことに加え、国内外で多数の賞を受けたことにより、評価を一層高めました。国内製造ワインの主力商品「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」の好調に加え、輸入ワインの「カッシェロ・デル・ディアブロ」、ワイン市場の裾野拡大を目指した「ワールドセレクション」等の注力商品が着実に伸長し、ワイン全体の販売数量は前年から増加しました。
キリンビバレッジ㈱では、持続的な利益ある成長の実現に向けて、強固なブランド体系の構築と収益性の高い事業構造への転換をさらに進めました。基盤ブランド「キリン 午後の紅茶」は定番商品のストレート、ミルク、レモン、おいしい無糖を中心に好調に推移し、過去最高の販売数量を達成しました。「キリン 生茶」は緑茶カテゴリーでの競争が激しくなる中で、2016年の全面刷新以降の好調により販売数量が前年から増加しました。健康領域での価値創造に挑戦した健康・スポーツ飲料カテゴリーでは、「キリン サプリ」シリーズが大変好調で、カテゴリー全体の販売数量が増加しました。コーヒーの主力商品「キリン ファイア」の低調な販売や、前年度に需要が増加した大型PET容器の水について反動が出た影響等により、清涼飲料全体の販売数量は前年からやや減少しましたが、SCM※2コスト削減の取り組み等により、収益性の向上を図りました。
これらの結果、日本綜合飲料事業では、キリンビール㈱でのビール類の販売数量の減少等により、売上収益は減少しました。一方で、キリンビール㈱でのRTD及びノンアルコール・ビールテイスト飲料の販売数量の増加に加え、キリンビバレッジ㈱をはじめ各事業会社で収益性改善の取り組みが進行したため、事業利益は増加しました。
※1 RTD:栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料で、Ready to Drinkの略です。
※2 SCM:Supply Chain Managementの略で、原材料の調達、工場での生産、商品の需給・物流の供給連鎖を、効率よく構築し管理することを指します。
日本綜合飲料事業連結売上収益 | 1兆 510億円 | (前年同期比 | 1.0%減) |
日本綜合飲料事業連結事業利益 | 725億円 | (前年同期比 | 6.9%増) |
ライオン社酒類事業では、2016年9月のアンハイザー・ブッシュ・インベブ社とのビール販売ライセンス契約終了により販売数量が減少する中、中長期的な利益回復を目指しブランドポートフォリオ戦略を見直しました。新たな戦略商品「アイアン・ジャック」が好調に推移するなど、成長カテゴリーのブランド強化が順調に進み、ビールの販売数量の回復は計画通りに進捗しました。ライオン社飲料事業では、オレンジ果汁の不足に伴う原料価格高騰による影響を受けたものの、注力する乳飲料カテゴリーでは主力商品「デア」を中心に販売数量が増加し、ヨーグルト、高価格帯チーズの販売もそれぞれ伸長しました。さらに、飲料事業における生産拠点集約等のコスト構造改革の継続に加え、全社的にも業務プロセス改革を進め、収益力の向上を図りました。
ミャンマー・ブルワリー社では、ミャンマー市場首位のポジションをより盤石なものとするため、前年に構築したブランドポートフォリオを最大限に活用した販売活動を展開しました。家庭用市場が拡大する中、主力商品「ミャンマービール」は缶を中心に販売数量が増加しました。また、現在のミャンマーの消費環境に即した低価格商品「アンダマン ゴールド」が、大幅に販売数量を伸ばしました。加えて、最盛期の需要に確実に応えるために、設備増強工事をさらに進め生産基盤の強化を図りました。
なお、米国の清涼飲料事業の子会社であるCCNNE社※は、コカ・コーラグループによる北米のボトラー事業の再編に伴い、米国北東部における近接テリトリーでの製造販売事業をコカ・コーラ リフレッシュメント社から譲り受け、事業範囲が広がりました。
これらの結果、オセアニア綜合飲料事業については、ライオン社酒類事業での販売数量の減少に加え、飲料事業でのオレンジ果汁価格高騰の影響により、売上収益、事業利益はともに減少しました。海外その他綜合飲料事業では、ミャンマー・ブルワリー社の増収と米国での事業譲受の影響で売上収益は増加しましたが、事業譲受に伴う初期費用が増加したこと等により、事業利益は減少しました。
※ CCNNE社:米国北東部で清涼飲料の製造販売事業を展開する完全子会社である、コカ・コーラ ボトリングカンパニー オブ ノーザン ニューイングランド社の略称です。
オセアニア綜合飲料事業連結売上収益 | 3,486億円 | (前年同期比 | 2.5%減) |
オセアニア綜合飲料事業連結事業利益 | 526億円 | (前年同期比 | 0.3%減) |
海外その他綜合飲料事業連結売上収益 | 999億円 | (前年同期比 | 40.8%増) |
海外その他綜合飲料事業連結事業利益 | 134億円 | (前年同期比 | 1.4%減) |
協和発酵キリン㈱の医薬事業では、「グローバル・スペシャリティファーマ」への飛躍をテーマに、戦略課題の達成に取り組みました。国内では、「ジーラスタ」※1等の新製品群の売上が引き続き堅調でしたが、医療費抑制策に伴う後発医薬品の浸透により売上は減少しました。海外では、各国での順調な売上に加えて、アストラゼネカ社からの契約一時金・マイルストン収入等により、売上は前年よりも増加しました。研究開発では、グローバル戦略品の開発が順調に進み、KRN23※2が欧州で条件付き承認を勧告する肯定的な見解を得たことに加え、米国でも販売承認申請が受理され、優先審査品目に指定されました。さらに、KW-0761※3についても皮膚T細胞性リンパ腫※4を対象とした第Ⅲ相臨床試験(フェーズ3)での成績を受け、欧州と米国へ販売承認申請をし、特に米国では優先審査品目指定を獲得しました。
バイオケミカル事業において、国内では、通信販売事業で2016年に発売した「アルギニンEX」や医薬・健食用原料が堅調に推移し、売上は前年並みとなりました。また、米州と欧州でも医薬・健食用原料が堅調でしたが、アジアでの一部製品の競争激化による影響により、海外の売上についても前年並みとなりました。
これらの結果、医薬・バイオケミカル事業では、国内医薬品の売上が減少したものの、技術収入の増加と研究開発費の減少等により、売上収益、事業利益はともに増加しました。
※1 ジーラスタ:白血球の一種である好中球を増加させる薬剤です。
※2 KRN23(一般名ブロスマブ):主に遺伝的な原因で骨の成長・維持に障害をきたす希少な疾患である、X染色体遺伝性低リン血症の治療薬として開発が進められております。X染色体遺伝性低リン血症は、くる病又は骨軟化症の症状を呈する希少な疾患です。
※3 KW-0761(一般名モガムリズマブ):特定の血液がんの治療薬として、国内では製品名「ポテリジオ」として販売されており、現在欧米でも開発が進められております。
※4 皮膚T細胞性リンパ腫:皮膚に生じる悪性リンパ腫の一種で比較的まれなタイプですが、悪性のTリンパ球が皮膚に局在化し、皮膚や血液、リンパ節、内臓、その他の組織に病変が現れます。
医薬・バイオケミカル事業連結売上収益 | 3,467億円 | (前年同期比 | 1.5%増) |
医薬・バイオケミカル事業連結事業利益 | 622億円 | (前年同期比 | 20.9%増) |
(2) キャッシュ・フローの状況
当年度における現金及び現金同等物の残高は、前年度比955億円増加の1,620億円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は前年度比106億円減少の2,217億円となりました。法人所得税の支払額は179億円増
加、運転資金の流出が140億円増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の収入は前年度比1,459億円増加の632億円となりました。有形固定資産及び無形資産の取
得については、前年度比106億円減少の888億円を支出しました。また、事業の取得により226億円、投資の取得に
より122億円の支出がありました。一方、子会社株式の売却により930億円、有形固定資産及び無形資産の売却に
より479億円、貸付金の回収により376億円、投資の売却により76億円の収入がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は前年度比249億円増加の1,822億円となりました。デリバティブの決済により176億
円の収入がありました。一方、長期借入金の返済により866億円、配当金の支払により459億円、コマーシャル・
ペーパーの減少により450億円、短期借入金の減少により157億円の支出がありました。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を四捨五入して記載しております。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円) | ||
前年度 (2016年12月31日) | 当年度 (2017年12月31日) | |
資産の部 | ||
流動資産 | 748,148 | 812,104 |
固定資産 | ||
有形固定資産 | 705,204 | 633,675 |
無形固定資産 | 401,910 | 371,366 |
投資その他の資産 | 492,904 | 528,700 |
固定資産合計 | 1,600,019 | 1,533,742 |
資産合計 | 2,348,167 | 2,345,846 |
負債の部 | ||
流動負債 | 650,382 | 592,412 |
固定負債 | 751,701 | 554,809 |
負債合計 | 1,402,083 | 1,147,221 |
純資産の部 | ||
株主資本 | 728,945 | 822,903 |
その他の包括利益累計額 | △48,283 | 98,038 |
新株予約権 | 563 | 698 |
非支配株主持分 | 264,859 | 276,986 |
純資産合計 | 946,084 | 1,198,625 |
負債純資産合計 | 2,348,167 | 2,345,846 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円) | ||
前年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) | 当年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | |
売上高 | 2,075,070 | 1,970,830 |
売上原価 | 1,157,692 | 1,072,505 |
売上総利益 | 917,378 | 898,325 |
販売費及び一般管理費 | 775,488 | 743,370 |
営業利益 | 141,889 | 154,955 |
営業外収益 | 20,889 | 25,608 |
営業外費用 | 22,102 | 19,583 |
経常利益 | 140,677 | 160,980 |
特別利益 | 67,322 | 47,418 |
特別損失 | 27,235 | 67,361 |
税金等調整前当期純利益 | 180,764 | 141,037 |
法人税等合計 | 47,097 | △7,530 |
当期純利益 | 133,667 | 148,567 |
非支配株主に帰属する当期純利益 | 15,509 | 19,940 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 118,158 | 128,627 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) | ||
前年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) | 当年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | |
当期純利益 | 133,667 | 148,567 |
その他の包括利益合計 | △79,288 | 150,717 |
包括利益 | 54,379 | 299,284 |
(内訳) | ||
親会社株主に係る包括利益 | 51,686 | 274,984 |
非支配株主に係る包括利益 | 2,693 | 24,300 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)(単位:百万円) | |||||
株主資本合計 | その他の包括利益累計額合計 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 645,654 | 18,189 | 431 | 273,810 | 938,084 |
当期変動額 | 83,291 | △66,472 | 132 | △8,951 | 8,000 |
当期末残高 | 728,945 | △48,283 | 563 | 264,859 | 946,084 |
当年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(単位:百万円) | |||||
株主資本合計 | その他の包括利益累計額合計 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 728,945 | △48,283 | 563 | 264,859 | 946,084 |
当期変動額 | 93,958 | 146,321 | 135 | 12,127 | 252,541 |
当期末残高 | 822,903 | 98,038 | 698 | 276,986 | 1,198,625 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円) | ||
前年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) | 当年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 226,468 | 200,969 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △77,521 | 75,855 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △145,184 | △174,648 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △6,364 | △4,698 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △2,600 | 97,477 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 60,336 | 57,725 |
連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △11 | △478 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 57,725 | 154,724 |
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加7社、減少30社であります。
持分法適用会社の異動は増加4社、減少1社であります。
(有形固定資産の減価償却方法の変更及び耐用年数の見直し)
従来、当社及び日本綜合飲料事業に属する会社の有形固定資産の減価償却方法は定率法(ただし、1998年4月1日以降取得した建物(建物附属設備を除く)については定額法)によっておりましたが、当年度より定額法に変更いたしました。
日本綜合飲料事業に属する会社において、生産拠点の集約等により生産能力の最適化を進め、需要に見合った適正な製造能力による安定的な稼動ができる状況となってきたため、「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」の策定を契機に、減価償却の方法を検討いたしました。
その結果、今後、国内現有設備の稼働が安定的に推移していくことが見込まれるため、使用期間にわたる均等償却による費用配分を行うことが、当社グループにとってより適切であると判断しております。
また、この変更により、海外拠点を含むグループ会社の会計方針の統一が図られ、グループ会社間の比較可能性が向上されます。
同時に、一部の有形固定資産について耐用年数を変更しております。
これにより当年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ10,153百万円増加しております。
(「企業結合に関する会計基準」等の適用に伴う変更)
「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年9月13日)第39項に掲げられた定め等を適用し、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っております。
当年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加7社、減少25社であります。
持分法適用会社の異動は増加3社、減少2社であります。
(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針の適用)
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 2016年3月28日)を当年度から適用しております。
(4) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(のれんの償却)日本基準では、のれんは実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が前年度において22,317百万円、当年度において22,443百万円減少しております。
(子会社株式の売却損益の調整)
日本基準では当年度にBrasil Kirin Holding S.A.株式を売却したことに伴い、同社の取得時から売却時までの為替換算調整勘定累計額を連結損益計算書に組替調整しております。
IFRSでは、当社グループはIFRS第1号の免除規定により、IFRS移行日における在外営業活動体の累積換算差額をゼロとみなしており、同社の移行日から売却時までに係る為替換算調整勘定累計額(IFRSでは「在外営業活動体の換算差額」累計額)を連結損益計算書に組替調整しております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「税引前利益」が当年度において75,848百万円増加しております。
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