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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D85L

有価証券報告書抜粋 不二製油グループ本社株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは長年積み重ねてきた研究成果と先進の技術力を生かし、植物性油脂と大豆および大豆たん白を基礎とする新しい機能を持つ食品素材の開発に取り組んでおります。2017年度からはPBFS(Plant-Based Food Solutions)をテーマに、環境や資源等の社会課題を解決する手段として、植物性素材を用いた多くの提案を行っております。
2016年に開設した不二製油株式会社阪南事業所内の「不二サイエンスイノベーションセンター」は「第30回日経ニューオフィス賞近畿ブロック推進賞」を受賞しております。また、研究開発体制の強化を目的に併設するパイロット研究棟を全面改修し、従来から重視してきた「共創」に加え、生産も視野に入れた開発環境を整えました。「つくば研究開発センター」はコミュニケーションフロアを大規模に改修し、「共創」をテーマにした研究開発を更に進める環境を構築しております。両開発センターを通じて、引き続き「おいしさ」「健康」「環境」の方針を具現化する、グローバル展開に向けた独創性のある製品の開発に注力しております。
日本国内を統括する不二製油株式会社は、2016年より、不二製油グループの多岐にわたる新素材を扱う価値づくり市場開発室を設置しました。リテール、コンビニエンスストア、外食・カフェ等多様な市場、製菓・製パン、飲料、食肉加工等多様な食品加工業、官公庁・大学等産学連携、さらには最終の消費者まで含めた市場や社会の課題に対するソリューションを提供し、一層の価値の共創を目指しております。近年は、中国・東南アジアとも連携し、日本での長きにわたる協業の経験・知見を生かし、グローバルに活動の幅を広げております。
基盤研究部門である未来創造研究所は、不二製油グループ本社株式会社の組織として、当社グループの将来を支えるため、新規事業を創造する研究所として活動しております。また、生産技術開発部門では引き続きコア技術の強化・革新に関する研究開発を進めております。大学等の公的研究機関との共同研究も積極的に行っており、特に国立大学法人京都大学とは、2015年4月に開設した産学共同講座を継続し、大豆の新たな可能性に向けた研究を進める中で、対外的にも多数の高い評価を得ております。
アジア圏を統括するFUJI OIL ASIA PTE.LTD.では、2015年3月にシンガポールに開設した「アジアR&Dセンター」と、日本国内にある「不二サイエンスイノベーションセンター」および「つくば研究開発センター」との連携を更に進め、現地のニーズに合わせた製品研究・開発を行っております。また、他のグループ各社においても、素材開発・応用開発を行っております。海外機関との取り組みも進めており、シンガポール国立大学やシンガポールの政府系研究機関であるICES(Institute of Chemical and Engineering Science)とも共同研究を行っております。タイの栄養士学会とは大豆たん白の栄養メリットの啓蒙活動を継続中であります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、46億13百万円であります。

研究開発活動の概要は次のとおりであります。
(油脂部門)
安全・安心で環境に配慮した油脂の製造技術、新機能を有する油脂製品およびその最適な応用法に関する研究開発を通して、お客様のご要望を形にし、新しいおいしさの創造に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果としては、昨年度開発した難溶性抗酸化成分を油の中で細かく分散させる新技術で、酸化と魚臭の発生を抑えた安定化DHA・EPA等の健康油脂の提案を引き続き進めております。また、これまで検討してきたDTR技術(*)の応用により、塩味、辛味という呈味の増強による減塩効果に加え、ポリフェノール類といった、健康訴求素材を含む食品の収斂性を大幅に軽減し、美味しく、食べやすくする機能を付与した健康訴求型食品用の機能性油脂の開発に取り組みました。一方、油脂結晶制御技術を利用し、東南アジアを中心に、耐熱安定性が求められる海外チョコレート市場を視野に入れたお客様の要望に応えることができる、ブルーム防止用耐熱性機能油脂の開発や油脂加工技術を応用したニュートリション用ミックスオイルを製品化しました。
当部門の研究開発費は7億37百万円であります。
*DTR技術:水溶性成分を油脂に微分散させる技術で、素材の呈味(塩味、旨味、辛味など)や保存安定性を付与増強する技術。

(製菓・製パン素材部門)
チョコレートやホイップクリーム、マーガリン、チーズ風味素材、パイ製品等、製菓・製パン用素材を中心にした新技術・新製品開発、およびソフト開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果としては、チョコレートにおいては、最近の健康志向の流れから、糖類を低減したシュガーレス規格のチョコレートを製品化し、採用事例を増やして参りました。また、調理加工市場向けとしてカカオ風味の濃さを訴求した、調理用カカオ素材を上市し、調理市場への認知度を上げるように努めました。これら新市場への提案活動を通じて、新たな着眼点も得られており、次の展開が期待されます。乳化・発酵素材開発では、ホイップクリームやマーガリン、フィリング素材を中心に機能向上を目指した製菓・製パン向け製品開発に取り組むと共に、新規市場として特に飲料市場向けクリーム素材の開発において成果が得られました。その一方で、健康志向や消費者ニーズの変化に対応し昨年度同様、新しい植物性の素材価値を継続的に追求しており、USS(ウルトラソイセパレーション)製法で加工された豆乳を原料に、独自の発酵技術を用いたチーズ様素材の各種ラインナップの拡充やホイップクリームでの展開も加速させ、さまざまな用途での採用が広がりました。
当部門の研究開発費は15億4百万円であります。

(大豆部門)
大豆たん白、大豆たん白食品、大豆多糖類、大豆イソフラボン他大豆関連製品の開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果としては、植物性の組織状たん白素材は、肉に近い食感をもつ大豆ミートとしての高品質化、バラエティー化を進め、味と食感が評価され純植物性素材としての展開を進めました。一方、粉末状植物性たん白素材は、高騰する卵白やすり身の保水力を代替できるように物理特性を見直し、動物性資源の代替の可能性を高めました。また、大豆たん白食品では、高品質化した大豆ミートを加工し、肉を使用していないハンバーグやパティ、から揚げを製品化しました。生協向け大豆たん白食品では、具材の産地にこだわった商品が好調で、チーズ様素材や組織状大豆たん白でジューシー感を付与した内材を包餡したハンバーグ・豆腐つくねや冷凍絹厚揚げが引き続き好調であります。大豆多糖類においては、引き続き国内外における飲料分野や国内市場での麺および米飯用品質改良剤分野での使用が好調であります。
当部門の研究開発費は11億71百万円であります。

(基盤研究その他)
未来創造研究所では、経営課題である「おいしさと健康」を両立させた食の市場を創造するための研究開発や、新規事業に繋がる新技術開発に取り組んでおります。また、産学連携による研究開発にも引き続き取り組んでおります。
当連結会計年度の主な成果としては、機能性表示食品制度への対応として、当社として2件目となる「ペプチドメンテ」の届出が受理されました。本商品は大豆ペプチドである「大豆由来セリルチロシン」を関与成分とし、「大豆由来セリルチロシンは、健康な中高年の方の認知機能の一部である記憶力(認識したことを正しく思いだす力)を維持する機能があることが報告されている」旨が、表示可能であります。
国立大学法人京都大学との産学共同講座においては、糖尿病および糖尿病性腎症を予防する効果の高い成分が大豆中に含まれることを発見しました。この研究成果は高い評価を受け、学術専門誌「Molecular Nutrition & Food Research」の表紙にも掲載されました。また、大豆中のコク味物質を新たに見出した研究について、公益社団法人日本農芸化学会より「Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry」誌の論文賞を受賞しております。
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)採択課題である「肝臓脂肪量減少作用をもつ緑豆タンパクの新規な抗生活習慣病機能性食材としての実用化への取り組み」について、国立大学法人金沢大学を中心に連携を進め、その研究成果は、学術専門誌「The Journal of Nutrition」にて高い評価を受け、同紙の表紙に掲載されました。
当部門の研究開発費は11億99百万円であります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00431] S100D85L)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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