有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100CKCT
カゴメ株式会社 研究開発活動 (2017年12月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、独創的でイノベーティブな製品開発や健康情報発信を行うため、品種・栽培技術、素材・加工技術、機能性エビデンスに関する研究を研究施設併設の試験圃場やパイロットプラント等で行っております。また、当社グループの事業基盤を強化するため、品質保証技術の高度化と、技術知的財産の保護・活用に取り組んでおります。
また、長期経営ビジョン「トマトの会社から、野菜の会社に」の実現に向け、経営戦略と研究テーマの連動、社内外の連携・協働による新たな研究テーマやコンセプトの創出を積極的に進めております。2017年10月に国立研究開発法人 産業技術総合研究所との間で包括的な共同型研究契約を締結し、研究者を派遣しました。異業種も含めたオープンイノベーションによる新たな価値創りを加速させ、長期ビジョンの達成を目指しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、33億46百万円であります。
本年度の主な概要とその成果は、次の通りであります。
① 品種・栽培技術研究の分野においては、トマトの遺伝資源の蓄積と新品種開発、栽培技術研究を推進し、温暖化対策としての病害抵抗性を有する生鮮トマト品種や、農作業労働者の負荷の軽減に対応した機械収穫適性の高い加工用トマト品種など、計4件の品種登録出願を行いました。また、子会社のUnited Genetics社との連携を強化し、トマト品種開発のスピード・効率の向上に努めています。加えて、野菜の会社に向けて、野菜の分野における研究を拡充、推進しております。
② 素材・加工技術研究の分野においては、トマト・野菜本来の香味、性状や栄養価値・機能を最大限引き出した新規素材の開発、及び加工技術の高度化を行い、商品の価値を高めるための活動を推進しております。本分野は特に、自社開発技術のみならず、他社技術との連携を積極的に進めております。
③ 機能性エビデンス研究の分野においては、緑黄色野菜を主とした機能性研究を推進し、機能性表示食品の届出や健康情報の発信を行っております。本年度、「カゴメ野菜ジュース」において血管の収縮抑制や高めの血圧降下の効果を実証し、“血圧が高めの方に”と表示した機能性表示食品を実現いたしました。また、「ブロッコリースプラウトの成分“スルフォラファン”の肥満抑制」に関するリリースを行っております。加えて、産官学連携の弘前大学のセンターオブイノベーション(COI)に参画し、超多項目の健康ビッグデータの解析を通じて、健康長寿に役立つ食や食習慣の解明に取り組んでおります。
④ 食品安全部では、当社グループの事業を支えるため、「畑から一貫して安全を保証する基盤技術」を強化しております。本年度は特に、事業拡大分野である生鮮野菜・生鮮飲料の微生物管理技術の高度化に取り組んで参りました。
⑤ 商品開発部では、飲料分野で、野菜由来のGABAを含み“血圧が高めの方に”と表示した「カゴメ野菜ジュース」の導入により、機能性表示食品を拡充しました。また、『野菜生活100』と『GREENS』ブランドでスムージー新商品を導入し、スムージーバーを展開しました。調味料・調理食品分野では、糖度14の贅沢な甘さとコクがある味わいの「濃厚あらごしトマト」や、国産押し麦を使用したロカボ対応型の「糖質想いの」シリーズを、ギフト分野では、だしまで野菜にこだわった、野菜本来のおいしさを楽しめる「だしまで野菜のポタージュギフト」を市場導入しました。通販分野では、『農園応援』商品として希少な紅大豆をお届けする「山形かわにし紅大豆」を導入いたしました。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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