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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D92Y

有価証券報告書抜粋 KDDI株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、ネットワーク、AI・IoT・コネクティッド、セキュリティ、サービス・アプリケーションの各技術分野において、実用的な研究開発と先端的・長期的な研究開発の両面で進めてまいりました。この結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は、20,132百万円となりました。なお、当社グループで行っております研究開発活動は各セグメントに共通するものであり、各セグメントに関連づけて記載しておりません。
研究開発活動の主なトピックスをご紹介します。

1.ネットワーク
次世代の移動通信システムである5Gや、今後一層の増加が予想されるデータトラヒックをより効率的に伝送するためのネットワーク技術に関する研究開発を推進しております。
5Gの時代には、それを支えるネットワーク技術や光ファイバー伝送技術の革新が不可欠となります。例えばモバイル通信の大容量化には、無線基地局を収容する光アクセス回線の大容量化が必要です。加えて、より広い無線周波数帯域を使うことができる高周波数帯の利用が不可欠です。しかし、周波数が高くなるほど大気伝搬時の減衰が大きく、電波の直進性も強くなるため、遠くには届きにくくなります。そのため、サービスエリアを小さくし、多数の基地局を設置する必要があり、設置制約の少ない小型、軽量、省電力の基地局が求められます。また、5Gの実用化に向け、その特徴を生かした様々なユースケースの実現性を、実証実験を通して検証する必要があります。
2017年9月に、光ファイバー1芯で伝送することができる伝送容量の世界記録(毎秒2.15ペタビット)を大幅に更新し、毎秒10.16ペタビットの光ファイバー伝送実験に成功しました。これは114の空間多重を可能とするマルチコアマルチモード光ファイバー技術を用いています。10ペタビットは1億人が同時に100メガビットの通信を可能とするスピードです。この技術は、より低遅延で高速な5Gのモバイル通信システムを支え、新しい体験やサービスをお客様に提供するキー技術として期待されます。
2017年10月には、大容量のモバイル無線信号波形をデジタル信号に変換することなく、直接光ファイバーで高品質に伝送可能な光ファイバー伝送実験に成功しました。今回達成した通信速度は毎秒63ギガビットで、5Gで想定される最大通信速度毎秒20ギガビットの3倍以上となります。また、開発した技術により、基地局設備の大幅な小型・省電力化が可能となり、これまで以上に基地局数が増大する5Gの大容量・高品質なモバイル通信サービスを支える技術として期待されます。
2018年3月、沖縄セルラースタジアム那覇の観客席に28GHz帯の実験システムを用いたエリアを構築し、50台の5Gタブレット端末に対して4K高精細映像を同時に配信する実証実験に成功しました。スタジアムにおけるエンターテインメント高度化の実現に向けて、スポーツ観戦、コンサート映像など高精細な大容量映像の、大型スクリーンやモバイル端末へのリアルタイム伝送による、新たな体験価値の提供が期待されています。既存のモバイル通信では実現が困難であった、多数の観客に向けた大容量映像の同時配信が5Gを活用することで可能となります。

2.AI・IoT・コネクティッド
多種多様な分野で活用が期待されるIoTや、車の自動運転を実現するAI技術、安全な自動運転を支える遠隔制御技術等のコネクティッドにおける研究開発に取り組んでおります。
IoT普及の壁となっている電源・コスト・エリアの課題を解消し、適用範囲を格段に広げる可能性を秘めているLPWA(Low Power Wide Area)が注目されております。 当社では、LPWAの各方式を活用した様々な実証実験を行い、ユースケースの有効性や、電力消費量、電波の浸透などを検証し、お客さまに最適なIoT通信の提供を目指します。また、AI・コネクティッドでは、自動運転の最高レベルである完全自動運転を実現するために、自律的な走行に加え、合流や追い越しでの他車両との協調が不可欠です。これを実現するため、深層学習を使ったAIによる制御が注目されていますが、他車両への配慮が必要な運転シーンへ対応させる学習方式の確立が課題となっております。また、バスやタクシーなどが自動運転化されていく時代において、無人運転を実現するためには、走行状態を監視して危険が生じた際に、遠隔にて車両制御を実施することが必須となります。
2017年8月、富士山御殿場口登・下山道ならびに御殿場口のハイキングコースに設置したLPWA搭載のIoTセンサーを活用して、通過した人数を30分単位でウェブ上で確認できる取り組みを実施しました。これまでも、人数カウンターを登・下山道に設置し登下山者数を把握する取り組みは実施されていましたが、データの確認には設置場所まで行く必要がありました。しかし、LPWA搭載のIoTセンサーを導入することで、遠隔から30分単位でデータを確認することができ、利便性の向上と確認作業の効率化が期待されます。
2017年10月に、“ゆずりあうクルマ”を実現するAI技術の開発に成功しました。本技術により現在、実用化が進められている自動運転技術で難しいとされている合流シーン等に対しても、他車両の行動を察知し、人間のあうんの呼吸のような“ゆずりあい”により、スムーズな自動運転を可能とします。今後、自動運転技術の実用化範囲が、高速道路から一般道へ、同一車線追随から車線変更、合流、すれ違いへと高度な対応が必要となる中で、中心的な技術になりうるものと考えています。
2017年12月には、日本で初めて一般公道における遠隔制御型自動運転システムの実証を実施し、レベル4 (無人運転)自動運転に成功しました。本実証実験は、運転席を無人の状態とした上で、事前に構築した高精度地図をもとに車を自動走行させ、危険を察知した場合に緊急停止などを行う遠隔制御を実施しました。

3.セキュリティ
安心・安全な情報通信社会の実現のため、プライバシー保護技術やデータの改ざんを困難にする仕組みであるブロックチェーン技術に関する研究開発に取り組んでおります。
情報通信社会の発展に欠かせないIoTですが、生活を便利で豊かにしてくれる一方で、脅威となった事例が報告されており、セキュリティ確保の重要性が高まっています。例えば消費者はどのようなデータが集められどのように利用されているかがわからず、気付かないうちに個人情報が漏えいしてしまうリスクがあり、プライバシー保護技術の強化が課題となっております。また、安心・安全な情報通信を実現する技術の一つとして期待されているブロックチェーンにおいては、「スマートコントラクト」が注目され、取引プロセスの自動化により不正防止等にも寄与すると期待されております。
2017年7月に、総務省「IoTデバイス/プラットフォーム等の連携技術の確立と相互接続検証に向けた研究開発」を受託しました。具体的には、情報流通のトレーサビリティ、情報の真正性保証、情報転送の低遅延化等の機能を、異なるプラットフォーム間においても実現する「PPM(Privacy Policy Manager)の高機能化」と「プラットフォーム間連携技術」を開発・評価します。
2017年9月には、国内で初めてEnterprise Ethereum(企業用途向けブロックチェーンのアプリケーションプラットフォーム)を活用した「スマートコントラクト」の実証実験を開始しました。本実証では、ブロックチェーン技術を活用し、携帯電話の店頭修理申し込みから完了までの工程における、リアルタイムな情報共有及びオペレーション効率化の可能性を検証しました。

4.サービス・アプリケーション
端末・料金・ネットワークの同質化が進む中、お客様に選んでいただける企業となるために、「お客様視点」と「革新」をキーワードに、マルチメディア、ヒューマンインタフェース、ライフデザインへのサービス提供基盤などを創出し、お客様の期待を超える「お客様体験価値」の提供を目指していきます。この中で、VR(仮想現実)など生活に新しい価値をもたらすようなサービスやアプリケーションを創出する技術の研究開発に取り組んでおります。
2017年10月に、世界で初めて、撮影しながらリアルタイムで自由視点VR映像を制作できるシステムの開発に成功しました。本技術は、あらゆる視点からの映像視聴を可能とする自由視点技術に、複数のカメラから撮影された人物を3次元コンピュータグラフィクモデルとして合成することによって実現します。本技術を活用することで、コンサートなどライブイベントの開催と同時に、大型スクリーンやヘッドマウントディスプレイ、モバイル端末を介した任意のアングルでのライブ視聴が可能となります。これにより、遠隔からのイベント視聴において新たな体験価値を提供できると考えております。
2018年3月には、20周年を迎えたハロー! プロジェクトと共同で、新しい音楽視聴体験である音のVRコンテンツを制作しました。今までのVRは360度見たい方向の映像は見られるものの、どこを向いても音の聞こえ方に変化はありませんでしたが、音のVRは、音が発生している位置がはっきりして、気になる対象をズームすればそこから発生している音にもズームしてより大きく聴こえます。本技術により、スマートフォンなどに表示される360度の映像と音に対し、視聴者は見たい・聞きたい部分に、自由自在にズームすることにより、該当箇所の音と映像が体感的に合致したインタラクティブ視聴体験が可能になります。ライブ会場において音のVRを活用しながら観客が特定メンバーの声を楽しむなど、音と映像の新たな体験価値を提供するツールとなることが期待されます。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04425] S100D92Y)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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