有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D8BT
フジッコ株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
(1)「カスピ海ヨーグルト」に関する研究
クレモリス菌FC株含有食品摂取による整腸効果について、健常者を対象とした臨床試験を行いました。この試験結果によって、「善玉菌のチカラ」に“お通じを改善する”という機能性表示食品としての表示が可能になりました。また、クレモリス菌FC株が産生する粘り成分である菌体外多糖(EPS)の抗炎症作用に関する研究や整腸作用など、「カスピ海ヨーグルト」の健康効果に関連した研究成果を学術専門誌に投稿し、3報が掲載されました。老化や生体防御研究の有用なモデル動物である線虫にクレモリス菌FC株の菌体及びEPSを摂食させたところ、寿命が延長し、老化に伴う自発的運動の低下も抑えられることを明らかにしました。これらはクレモリス菌FC株の菌体及びEPSにより生体防御機能が賦活化されたためであり、「カスピ海ヨーグルト」が人の健康長寿に寄与する要因の一つであると考えられます。本研究成果は、日本農芸化学会2018年度大会において発表しました。
(2)「大豆」に関する研究
“骨の成分の維持に役立つ”機能性表示食品として、「イソフラボン煎り黒豆」が新たに受理されました。また、当社の豊富な大豆イソフラボンの研究成果を中心にシステマティック・レビューとしてまとめた資料は、自社製品の機能性表示食品の届出の他、大豆イソフラボン素材「フジフラボン」の新規顧客の開拓にも貢献しました。黒大豆ポリフェノールの血管機能に対する有効性について臨床試験を行いました。その結果、血管の柔軟性を維持する作用が明らかとなり、学術専門誌に掲載されました。今後、黒大豆種皮抽出物「クロノケア」や黒大豆製品の販売への貢献が期待されます。
また、神戸大学との共同研究により行った臨床試験では、黒大豆を含むクッキーを摂取した時の健康有用性が確認されており、日本栄養・食糧学会などで発表を予定しています。
(3)「昆布」に関する研究
昆布に多量に含まれ特有の生理作用をもつ食物繊維の分析方法に関する研究を行いました。一般に藻類の食物繊維を水溶性と不溶性に分別することは困難とされていますが、用いる溶媒によっても分析値が大きく変動するため、昆布食物繊維の生理学的な評価においては、定量分析条件を明確にすることが重要であることが分かりました。高脂肪食の摂取によりマウスは肥満しますが、昆布を餌に混ぜて与えると体重や内臓脂肪重量の増加は著明に抑えられます。この効果は昆布の種類、特に水溶性食物繊維の割合が強く影響していることを明らかにしました。本結果は、日本農芸化学会2018年度大会において発表しましたが、今後は、調理・加工後の昆布の作用やその腸内発酵性などの検討を行い、昆布の有用性の科学的評価を行います。
なお、当連結会計年度の研究開発費は6億94百万円であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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