有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100CN2T
応用地質株式会社 研究開発活動 (2017年12月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、地震災害、斜面災害などに対する防災や減災、社会インフラの維持管理、地球環境保全などの問題に対して、最適なソリューションを提供するための技術及び製品の研究開発を進めております。
研究開発を推し進める組織体系としては、本社情報技術企画室、技術本部研究開発センター、計測システム事業部、エネルギー事業部、社会システム事業部、地球環境事業部、維持管理事業部、砂防・防災事業部が主となり、各支社及びグループ会社の連携のもとに、研究開発及び市場展開を行っております。また、研究開発を効率的に推進するため、外部機関の優れた技術の活用を図ることに積極的に取り組み、公的研究機関、大学、民間企業との共同研究を進めるとともに、大学への寄付講座の設定、並びに、研究員の派遣も行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は、16億5千4百万円でありました。研究開発の主な内容は次のとおりであります。
基本的には、当社グループビジョンである「地球科学に関わるグローバルな総合専門企業グループ」として、私たちが暮らしている地球上で発生する様々な自然災害による被害の軽減のために、グループ会社の総力を挙げて取り組んでおります。その究極の目標は、地球がもたらすさまざまなリスク(地質リスク)を正しく認識し、そのリスクを専門家以外の方々からの理解も得て、社会全体で共有できる技術を提供することと考えております。そして、2017年度においては、下記の2つの事項を優先課題として研究開発に取り組んできました。
①地盤の3次元可視化に関わる地盤調査技術の開発と既保有技術との体系化
②地盤情報のICTプラットフォームの整備
そこでまずは、当社が保有する地中レーダー、電気探査法、表面波探査法の3次元化の実用化に取り組みました。インフラストラクチャ―の構築や都市部での再開発などに必要な地盤状況を把握することに特化し、地表から概ね30mまでの浅い深度の地盤で利用する3次元探査技術の開発を行っております。これらの物理探査に必要な機器類は全て海外グループ会社製のものですが、昨今の電子技術の発展により、GPSの標準装備化、取得した観測データのワイヤレス伝送化、そして、インターネットに接続することで解析作業をクラウド上で実施することができるシステム化を図っております。また、得られた解析結果は、3次元の地盤モデルの構築に反映できるようにし、国が推進しようとしている土木事業におけるCIM(Construction Information Modeling)に組み込むことを検討しております。
このように土木事業の中に物理探査技術を組み込むことで、単に3次元物理探査が可能な機器の販売や調査サービスの提供という事業展開に止まるのではなく、「機器」と「サービス」を融合させた新たな事業を展開することを目指しております。2017年度においては、調査・解析技術の実用化には目途をつけることができました。今後の課題は、専門家以外の方々でも誰もが皆、その解析結果をわかりやすく理解することのできる表現技術の提供とリーズナブルなコスト設定ができるように検討を行うことです。
今後、当社グループ会社製の計測機器で計測されるデータ、当社のコアラボ試験センターで実施した室内試験結果、各支社、事業部で実施した地盤調査結果がこのDBに蓄積されるよう体系化することを目指しております。そして、様々なアプリケーションソフトウェアを充実させて、DB上のデータを活用した国土保全マネジメント、自然災害リスクコンサルティングサービス、インフラストラクチャ―の維持管理サービスなどを展開することを考えております。
IoT化の進展により、モニタリング機器及び原位置試験機は、インターネット接続可能なものにするように順次改良を加えております。
応用地質株式会社が提供するモニタリング機器(i-SENSOR2)は、全てインターネットに接続可能であり、グループ会社のOYOリソースマネージメント株式会社が運営するクラウドデータサーバにデータを伝送することで、データ蓄積と図化、表示サービスを提供することが可能なものになっております。その他、新しい電気探査装置としてMcOHM Profiler-8iの開発が終了し、販売を開始いたしました。現場測定の効率化を図るために、マルチチャンネル化した電気探査装置です。製品には市販のタブレットPCをベースにしたコントローラを組み込むなど、製造上の工夫も行うことで、開発の短縮化、開発コストの抑制を図りました。
応用地震計測株式会社の製造販売している小型地震計(EPDP)は、建物に設置することで精度の高い揺れの大きさを計測し、建物の損傷度の迅速把握など“地震時に役立つ地震情報”を配信する地震情報配信システムを開発しております。当システムもOYOリソースマネージメント株式会社が提供するクラウドサーバに接続することで、同社の広域地盤情報WEB-GISシステム「ReportMAP」と組み合わせ、地震情報に加えて多彩な情報提供が可能となります。また、これまで1000mクラスの大深度観測用として特注作成していた孔中地震計の標準化に着手いたしました。センサとしては加速度計の他に速度計も組み込める拡張性を持ち、運搬時の扱いやすさ、及び、現地での作業効率を考慮し、組み立て時間を短縮できる構造になっております。当技術は他の孔中地震計へもフィードバックし、製品群の高付加価値化を図る予定です。本装置は重要施設における地震時の地盤の増幅度特性の掌握や地震発生機構の研究等の基礎データとして利活用が期待されます。
応用計測サービス株式会社では、2017年に自走式ミニラムの開発と多目的透水試験装置の改造を開始いたしました。従前のミニラムは、貫入装置、ポンプユニット、コントロールユニット、引抜装置から構成されていました。そのため、多地点での貫入試験時には多くの労力と時間を要し、また、貫入装置の設置においては人力で立てた後、サポーターで固定する構造となっていたため、危険性の高い作業となっていました。そこで、上記装置を小型キャタピラーに一体化させ、作業効率と安全性を高めた自走式ミニラムを開発し、2017年6月より販売とレンタルを開始いたしました。多目的透水試験装置は、2003年に開発し、販売とレンタルを開始した装置です。長きに亘って使用されている顧客の声を本装置に生かし、流量と圧力コントロールの精度を高めた装置の開発を行っております。2017年11月にプロトタイプを開発し、2018年中にレンタル品の改造と販売を目指しております。
GEOPHYSICAL SURVEY SYSTEMS,INC.(米国)は、地下レーダー探査装置において世界トップシェアを占めております。2017年には、コンクリート検査市場を対象としたStractureScanシリーズのアクセサリとして狭隘部探査用の「PalmXT Antenna」を開発した他、埋設管市場を対象としたUtilityScanシリーズに、従来より安価で小型、軽量、一体型の新製品を加えるなど、既存製品群の充実に取り組んでおります。
ROBERTSON GEOLOGGING LTD.(英国)は、ボーリング孔を利用した検層機の開発、製造、販売を行っております。ROBERTSON GEOLOGGING LTD.は、検層業界の世界的な潮流であるメモリ内蔵型検層機の開発を進めるとともに、次世代検層システムとしてネットワーク機能などを有する新型データ収録装置MICROLOGGER IIIの開発を進めております。
研究開発を推し進める組織体系としては、本社情報技術企画室、技術本部研究開発センター、計測システム事業部、エネルギー事業部、社会システム事業部、地球環境事業部、維持管理事業部、砂防・防災事業部が主となり、各支社及びグループ会社の連携のもとに、研究開発及び市場展開を行っております。また、研究開発を効率的に推進するため、外部機関の優れた技術の活用を図ることに積極的に取り組み、公的研究機関、大学、民間企業との共同研究を進めるとともに、大学への寄付講座の設定、並びに、研究員の派遣も行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は、16億5千4百万円でありました。研究開発の主な内容は次のとおりであります。
(1) 調査・コンサルティング事業
国が推し進めているi-Constructionや働き方改革などに関わる諸施策、IoT、AI、及び、大量のデータを蓄積するDB(データベース)などの情報技術をベースとする第4次産業革命が、当社グループの研究開発の考え方を大きく変えつつあります。当社もこれらの動きに迅速に対応できるように、研究開発課題の実施項目を設定し、その実施項目に対して集中的に経営資源を投入する形で研究開発を進めているところであります。基本的には、当社グループビジョンである「地球科学に関わるグローバルな総合専門企業グループ」として、私たちが暮らしている地球上で発生する様々な自然災害による被害の軽減のために、グループ会社の総力を挙げて取り組んでおります。その究極の目標は、地球がもたらすさまざまなリスク(地質リスク)を正しく認識し、そのリスクを専門家以外の方々からの理解も得て、社会全体で共有できる技術を提供することと考えております。そして、2017年度においては、下記の2つの事項を優先課題として研究開発に取り組んできました。
①地盤の3次元可視化に関わる地盤調査技術の開発と既保有技術との体系化
②地盤情報のICTプラットフォームの整備
① 地盤の3次元可視化に関わる地盤調査技術の開発と既保有技術との体系化
当社は、各種地盤調査技術を保有しております。そのうち、物理探査技術は地盤の状況を広範囲に把握できるところに特徴があります。世界的には、3次元の物理探査技術は、石油資源探査などの分野では既に実用化されているものではありますが、それを日本の国土に適用し、土木事業を進めるための調査技術として適用していくためには、コストの低減や操作性の向上など、様々な工夫、改良が必要です。そこでまずは、当社が保有する地中レーダー、電気探査法、表面波探査法の3次元化の実用化に取り組みました。インフラストラクチャ―の構築や都市部での再開発などに必要な地盤状況を把握することに特化し、地表から概ね30mまでの浅い深度の地盤で利用する3次元探査技術の開発を行っております。これらの物理探査に必要な機器類は全て海外グループ会社製のものですが、昨今の電子技術の発展により、GPSの標準装備化、取得した観測データのワイヤレス伝送化、そして、インターネットに接続することで解析作業をクラウド上で実施することができるシステム化を図っております。また、得られた解析結果は、3次元の地盤モデルの構築に反映できるようにし、国が推進しようとしている土木事業におけるCIM(Construction Information Modeling)に組み込むことを検討しております。
このように土木事業の中に物理探査技術を組み込むことで、単に3次元物理探査が可能な機器の販売や調査サービスの提供という事業展開に止まるのではなく、「機器」と「サービス」を融合させた新たな事業を展開することを目指しております。2017年度においては、調査・解析技術の実用化には目途をつけることができました。今後の課題は、専門家以外の方々でも誰もが皆、その解析結果をわかりやすく理解することのできる表現技術の提供とリーズナブルなコスト設定ができるように検討を行うことです。
② 地盤情報のICTプラットフォームの整備
当社グループが保有する地盤に関わる様々な知見、多くの地盤データ、観測データ、調査データを蓄積したDBを骨格とするICTプラットフォームの整備に取り組みました。創業以来蓄積してきた地盤に関わる情報や知見をDB上に蓄積し、そのDBを利用してコンサルティングサービスや機器販売事業に新たな付加価値を加え、既存事業の拡大と新たなサービス展開を目指すものです。今後、当社グループ会社製の計測機器で計測されるデータ、当社のコアラボ試験センターで実施した室内試験結果、各支社、事業部で実施した地盤調査結果がこのDBに蓄積されるよう体系化することを目指しております。そして、様々なアプリケーションソフトウェアを充実させて、DB上のデータを活用した国土保全マネジメント、自然災害リスクコンサルティングサービス、インフラストラクチャ―の維持管理サービスなどを展開することを考えております。
(2) 計測機器事業(国内)
国内における計測機器事業は、応用地質株式会社の計測システム事業部が主管しているモニタリング機器や原位置試験機の製造、販売、応用地震計測株式会社が主管している地震計の製造、販売、そして、応用計測サービス株式会社が主管している原位置試験の製造、販売と地盤調査機全般に関わるレンタル事業の3つの柱から構築されております。IoT化の進展により、モニタリング機器及び原位置試験機は、インターネット接続可能なものにするように順次改良を加えております。
応用地質株式会社が提供するモニタリング機器(i-SENSOR2)は、全てインターネットに接続可能であり、グループ会社のOYOリソースマネージメント株式会社が運営するクラウドデータサーバにデータを伝送することで、データ蓄積と図化、表示サービスを提供することが可能なものになっております。その他、新しい電気探査装置としてMcOHM Profiler-8iの開発が終了し、販売を開始いたしました。現場測定の効率化を図るために、マルチチャンネル化した電気探査装置です。製品には市販のタブレットPCをベースにしたコントローラを組み込むなど、製造上の工夫も行うことで、開発の短縮化、開発コストの抑制を図りました。
応用地震計測株式会社の製造販売している小型地震計(EPDP)は、建物に設置することで精度の高い揺れの大きさを計測し、建物の損傷度の迅速把握など“地震時に役立つ地震情報”を配信する地震情報配信システムを開発しております。当システムもOYOリソースマネージメント株式会社が提供するクラウドサーバに接続することで、同社の広域地盤情報WEB-GISシステム「ReportMAP」と組み合わせ、地震情報に加えて多彩な情報提供が可能となります。また、これまで1000mクラスの大深度観測用として特注作成していた孔中地震計の標準化に着手いたしました。センサとしては加速度計の他に速度計も組み込める拡張性を持ち、運搬時の扱いやすさ、及び、現地での作業効率を考慮し、組み立て時間を短縮できる構造になっております。当技術は他の孔中地震計へもフィードバックし、製品群の高付加価値化を図る予定です。本装置は重要施設における地震時の地盤の増幅度特性の掌握や地震発生機構の研究等の基礎データとして利活用が期待されます。
応用計測サービス株式会社では、2017年に自走式ミニラムの開発と多目的透水試験装置の改造を開始いたしました。従前のミニラムは、貫入装置、ポンプユニット、コントロールユニット、引抜装置から構成されていました。そのため、多地点での貫入試験時には多くの労力と時間を要し、また、貫入装置の設置においては人力で立てた後、サポーターで固定する構造となっていたため、危険性の高い作業となっていました。そこで、上記装置を小型キャタピラーに一体化させ、作業効率と安全性を高めた自走式ミニラムを開発し、2017年6月より販売とレンタルを開始いたしました。多目的透水試験装置は、2003年に開発し、販売とレンタルを開始した装置です。長きに亘って使用されている顧客の声を本装置に生かし、流量と圧力コントロールの精度を高めた装置の開発を行っております。2017年11月にプロトタイプを開発し、2018年中にレンタル品の改造と販売を目指しております。
(3) 計測機器事業(海外)
① 地震観測・監視装置
KINEMETRICS,INC.(米国)は、地震観測機器の専門メーカーとして、地震計や地震観測システムの開発・製造・販売を行っております。KINEMETRICS,INC.では、地震観測システムをベースにした地震防災ソリューション事業を展開しており、商業施設やテナントビルのユーザー向け事業継続マネジメントソリューションとして、地震発生時の入居建物の健全性と入居者の避難行動を支援する情報を発信するサービス「OASIS+」の提供を開始いたしました。また、モニタリング機器では消費電力の抑制が重要になることから、低消費電力の地震波形データ収録装置「Q8」の開発を進めております。② 物理探査装置
GEOMETRICS,INC.(米国)は、弾性波探査装置、磁気探査装置及び電磁探査装置の開発・製造・販売を行っております。2017年には、ワイヤレス弾性波探査装置「Atom」の販売を開始いたしました。また、新たに開発した超小型磁気センサ(MFAM)をドローンに搭載した「MagArrow」の開発を進めております。GEOPHYSICAL SURVEY SYSTEMS,INC.(米国)は、地下レーダー探査装置において世界トップシェアを占めております。2017年には、コンクリート検査市場を対象としたStractureScanシリーズのアクセサリとして狭隘部探査用の「PalmXT Antenna」を開発した他、埋設管市場を対象としたUtilityScanシリーズに、従来より安価で小型、軽量、一体型の新製品を加えるなど、既存製品群の充実に取り組んでおります。
ROBERTSON GEOLOGGING LTD.(英国)は、ボーリング孔を利用した検層機の開発、製造、販売を行っております。ROBERTSON GEOLOGGING LTD.は、検層業界の世界的な潮流であるメモリ内蔵型検層機の開発を進めるとともに、次世代検層システムとしてネットワーク機能などを有する新型データ収録装置MICROLOGGER IIIの開発を進めております。
経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04816] S100CN2T)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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