有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D90U
株式会社ダスキン 研究開発活動 (2018年3月期)
当企業集団では、主に当社が提供する商品及びサービスに関連する清掃及び洗浄関連商品と加工技術の研究開発に取り組んでおり、品質・環境対策を重視した活動を行っております。
また、当社が提供する商品・サービスの開発段階における安全性、信頼性、使用価値性、環境への影響についての検査・試験等の商品検査活動に取り組むと共に、法令上の確認や商品表示等の検査も行っております。
(1)研究開発及び商品検査方針
①研究開発方針
当社は、消費者に対して当社が届けるトータルクリーンケアに関する商品・サービスについて、安心且つ信頼のおけるダスキンブランドの確立を目指しており、基盤技術深耕、新商品開発、商品の品質向上及び環境対策を中心とした研究開発活動に取り組んでおります。
この目的達成のために、清掃・衛生関連分野において、生活者を第一にとらえ、下記5項目を実践し、社会に対して健康で快適な暮らしを提供することを基本方針として研究開発に取り組んでおります。
・常に社会・家庭の実態を把握し、お客様の困りごとを分析して研究開発の優先度を決定します。
・新規性、進歩性、独自性に富んだ研究や技術開発を行います。
・社会・人・自然に対して、安全・安心が担保できる商品を開発します。
・環境保全に寄与し、省資源化が可能な原材料を使用した商品を開発します。
・市場に導入された商品は、常に改良を図り、顧客・生活者に最適な機能とご満足をお届けします。
また、当社の主力はレンタル商品であり、商品を繰り返し使用することで、資源の有効活用ができ、環境配慮と商品原価の低減が図れます。従いまして、使用回数を延ばすことを目的として、使用済みレンタル商品の加工工程、薬剤等の研究にも取り組んでおります。
②商品検査方針
消費者に対して当社が届けるすべての商品・サービスについて、安心且つ信頼のおけるダスキンブランドを確立するために、顧客満足、生活者保護、遵法性、環境保全の4つの視点で、「外観、構造、成分における安全性」「性能、効果」「使い勝手」「信頼性、耐久性」「表示の適切性」の観点より、商品検査及び分析・衛生検査業務を行っております。
(2)研究開発及び商品検査体制
①研究開発体制
2018年3月31日現在、開発研究所は新たなレンタル商品素材や製造・加工方法を研究、開発する「素材技術研究室」と、レンタル品の付加価値を高める薬剤の研究及び産学連携にてお掃除とアレルギーに関する実証実験を行う「環境衛生研究室」、従来の枠にとらわれない新たなレンタルシーズの研究を行う「新規加工技術研究室」の3部門構成であり、部長を含め25名、実験助手2名を併せて総勢27名の体制となっております。
②商品検査体制
2018年3月31日現在、商品検査センターは「信頼性・使用価値試験室」と「安全性・分析試験室」の2室構成であり、部長を含め13名、嘱託1名、実験助手1名の総勢15名の体制となっております。
(3)当連結会計年度における主な成果
①研究開発部門
a.素材技術研究関連
家庭用レンタルモップ関連
・従来にない風合いと対象面に対する優しさ・軽量化を実現したモールヤーンパイル素材を採用したモップを実用化、高所から床面までマルチに利用できる商品として、市場導入に向けたテスト検証を進めております。
事業所用レンタルモップ関連
・反毛綿(リサイクル綿)を採用した綿パイルを開発。今後、エコマークを取得し物販などの事業所に向け、スタイルクリーナーとセットにした競争他社にない商品として販売テスト検証に入っていく予定であります。
事業所用レンタルマット関連
・マットの品質及び耐久性向上を目的とした素材の実用化に向けた目途を立てました。今後、順次新たに製造する商品に採用していく予定であります。
b.環境衛生研究関連
主に清掃効果の基礎研究を医師と共同で実施し、実家庭において初期の専門的な清掃サービスと通年のレンタルモップ利用及び清掃指導により、アレル物質低減効果と喘息児童の病状改善効果を学会報告しました。また関連学会において専門的な清掃サービスとモップ商品の効果を展示するブース等を設け、積極的に実施効果を訴求しました。またアレル物質現場検査キットの検証、ダニ以外のアレルゲンである花粉や黄砂の影響と清掃効果、低減薬剤や低減方法の研究、天然アレル物質抑制成分調査等を産学連携で継続実施しました。学会にも積極的に参加し、専門技術情報の取得に努めました。年度末には、日本小児アレルギー学会誌に天理よろず相談所病院との「喘息患児に対する家庭訪問による環境整備の有用性を示す共同研究結果」が発表されました。
c.新規加工技術部門
既存の技術や商品にとらわれない新たな分野として、薬剤の新たな蒸散方法の研究、従来のモップに代わる新たなホコリ捕集機構やツール機構の研究、光触媒とLEDを用いた消臭・除菌技術の研究、大量の塵埃を吸引しても目詰まりし難い集塵機構の研究等に取り組みました。引き続き、将来の核となる新商品技術の研究に取り組んでまいります。
②商品検査部門
a.商品検査の実施
新たに開発した商品・サービス品及びリニューアル商品・リスクを有すると思われる一部のNB品に関して検査や試験を実施し、開発担当者への改善提言を通じて設計及び品質に由来する不具合発生の未然防止を図りました。
b.表示検査の実施
新規開発やリニューアルに伴って新しく作製した商品ラベル、ちらし、取扱説明書、商品ガイドについて法令遵守を主とした表示検査を実施し、不具合箇所の改善要請を行いました。
c.品質保全活動
(a)キャビネットタオル:毎月全加工工場を対象として抜き取り検査による消毒レベルの確認を行い、衛生性品質の保全を行いました。
(b)食品原材料・商品の自主検査:当社が提供するすべての食品の安全・安心の確保を目指して、フードグループ、ヘルス&ビューティ事業等が取り扱う食品原材料及び商品について衛生検査を実施しました。
d.技術支援の実施
各事業部からの要請に基づき、製品評価・分析・衛生の専門的立場からの商品開発時の測定支援・リスク抽出及びクレーム原因調査を実施し、開発商品の完成度向上及び製品リスクの低減に努めました。
e.技術基盤の拡充
(a)信頼性・使用価値試験室では、視線追尾機器を用いて消費者や作業者の視線を捉え、商品仕様や取り扱い方法・作業手順を検討する上での問題点を抽出し、改善改良に結び付ける人間工学的分析手法の習得に継続的に取り組みました。2019年3月期は既存品にも展開し、商品リニューアル時に活用できる技術確立を目指します。
(b)安全性・分析試験室の分析チームでは、臭気分析における官能と機器分析の連結をテーマに、カビ臭・タバコ臭・芳香剤を用いた成分特定を行い、分析技術の向上に努めました。2019年3月期は、分析機器を最新型に入れ替え、吸着剤の有効成分の解析技術などを向上すると共に、臭気の専用試験室を設けて、においの経時変化や消臭効果を評価する技術の向上を図ります。
(c)安全性・分析試験室の衛生チームでは、床用洗剤などの除菌力評価試験(除菌試験)を内製化しました。2019年3月期は、繊維の抗カビ性試験の技術確立を進めます。
③研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の総額は6億43百万円であります。
また、当社が提供する商品・サービスの開発段階における安全性、信頼性、使用価値性、環境への影響についての検査・試験等の商品検査活動に取り組むと共に、法令上の確認や商品表示等の検査も行っております。
(1)研究開発及び商品検査方針
①研究開発方針
当社は、消費者に対して当社が届けるトータルクリーンケアに関する商品・サービスについて、安心且つ信頼のおけるダスキンブランドの確立を目指しており、基盤技術深耕、新商品開発、商品の品質向上及び環境対策を中心とした研究開発活動に取り組んでおります。
この目的達成のために、清掃・衛生関連分野において、生活者を第一にとらえ、下記5項目を実践し、社会に対して健康で快適な暮らしを提供することを基本方針として研究開発に取り組んでおります。
・常に社会・家庭の実態を把握し、お客様の困りごとを分析して研究開発の優先度を決定します。
・新規性、進歩性、独自性に富んだ研究や技術開発を行います。
・社会・人・自然に対して、安全・安心が担保できる商品を開発します。
・環境保全に寄与し、省資源化が可能な原材料を使用した商品を開発します。
・市場に導入された商品は、常に改良を図り、顧客・生活者に最適な機能とご満足をお届けします。
また、当社の主力はレンタル商品であり、商品を繰り返し使用することで、資源の有効活用ができ、環境配慮と商品原価の低減が図れます。従いまして、使用回数を延ばすことを目的として、使用済みレンタル商品の加工工程、薬剤等の研究にも取り組んでおります。
②商品検査方針
消費者に対して当社が届けるすべての商品・サービスについて、安心且つ信頼のおけるダスキンブランドを確立するために、顧客満足、生活者保護、遵法性、環境保全の4つの視点で、「外観、構造、成分における安全性」「性能、効果」「使い勝手」「信頼性、耐久性」「表示の適切性」の観点より、商品検査及び分析・衛生検査業務を行っております。
(2)研究開発及び商品検査体制
①研究開発体制
2018年3月31日現在、開発研究所は新たなレンタル商品素材や製造・加工方法を研究、開発する「素材技術研究室」と、レンタル品の付加価値を高める薬剤の研究及び産学連携にてお掃除とアレルギーに関する実証実験を行う「環境衛生研究室」、従来の枠にとらわれない新たなレンタルシーズの研究を行う「新規加工技術研究室」の3部門構成であり、部長を含め25名、実験助手2名を併せて総勢27名の体制となっております。
②商品検査体制
2018年3月31日現在、商品検査センターは「信頼性・使用価値試験室」と「安全性・分析試験室」の2室構成であり、部長を含め13名、嘱託1名、実験助手1名の総勢15名の体制となっております。
(3)当連結会計年度における主な成果
①研究開発部門
a.素材技術研究関連
家庭用レンタルモップ関連
・従来にない風合いと対象面に対する優しさ・軽量化を実現したモールヤーンパイル素材を採用したモップを実用化、高所から床面までマルチに利用できる商品として、市場導入に向けたテスト検証を進めております。
事業所用レンタルモップ関連
・反毛綿(リサイクル綿)を採用した綿パイルを開発。今後、エコマークを取得し物販などの事業所に向け、スタイルクリーナーとセットにした競争他社にない商品として販売テスト検証に入っていく予定であります。
事業所用レンタルマット関連
・マットの品質及び耐久性向上を目的とした素材の実用化に向けた目途を立てました。今後、順次新たに製造する商品に採用していく予定であります。
b.環境衛生研究関連
主に清掃効果の基礎研究を医師と共同で実施し、実家庭において初期の専門的な清掃サービスと通年のレンタルモップ利用及び清掃指導により、アレル物質低減効果と喘息児童の病状改善効果を学会報告しました。また関連学会において専門的な清掃サービスとモップ商品の効果を展示するブース等を設け、積極的に実施効果を訴求しました。またアレル物質現場検査キットの検証、ダニ以外のアレルゲンである花粉や黄砂の影響と清掃効果、低減薬剤や低減方法の研究、天然アレル物質抑制成分調査等を産学連携で継続実施しました。学会にも積極的に参加し、専門技術情報の取得に努めました。年度末には、日本小児アレルギー学会誌に天理よろず相談所病院との「喘息患児に対する家庭訪問による環境整備の有用性を示す共同研究結果」が発表されました。
c.新規加工技術部門
既存の技術や商品にとらわれない新たな分野として、薬剤の新たな蒸散方法の研究、従来のモップに代わる新たなホコリ捕集機構やツール機構の研究、光触媒とLEDを用いた消臭・除菌技術の研究、大量の塵埃を吸引しても目詰まりし難い集塵機構の研究等に取り組みました。引き続き、将来の核となる新商品技術の研究に取り組んでまいります。
②商品検査部門
a.商品検査の実施
新たに開発した商品・サービス品及びリニューアル商品・リスクを有すると思われる一部のNB品に関して検査や試験を実施し、開発担当者への改善提言を通じて設計及び品質に由来する不具合発生の未然防止を図りました。
b.表示検査の実施
新規開発やリニューアルに伴って新しく作製した商品ラベル、ちらし、取扱説明書、商品ガイドについて法令遵守を主とした表示検査を実施し、不具合箇所の改善要請を行いました。
c.品質保全活動
(a)キャビネットタオル:毎月全加工工場を対象として抜き取り検査による消毒レベルの確認を行い、衛生性品質の保全を行いました。
(b)食品原材料・商品の自主検査:当社が提供するすべての食品の安全・安心の確保を目指して、フードグループ、ヘルス&ビューティ事業等が取り扱う食品原材料及び商品について衛生検査を実施しました。
d.技術支援の実施
各事業部からの要請に基づき、製品評価・分析・衛生の専門的立場からの商品開発時の測定支援・リスク抽出及びクレーム原因調査を実施し、開発商品の完成度向上及び製品リスクの低減に努めました。
e.技術基盤の拡充
(a)信頼性・使用価値試験室では、視線追尾機器を用いて消費者や作業者の視線を捉え、商品仕様や取り扱い方法・作業手順を検討する上での問題点を抽出し、改善改良に結び付ける人間工学的分析手法の習得に継続的に取り組みました。2019年3月期は既存品にも展開し、商品リニューアル時に活用できる技術確立を目指します。
(b)安全性・分析試験室の分析チームでは、臭気分析における官能と機器分析の連結をテーマに、カビ臭・タバコ臭・芳香剤を用いた成分特定を行い、分析技術の向上に努めました。2019年3月期は、分析機器を最新型に入れ替え、吸着剤の有効成分の解析技術などを向上すると共に、臭気の専用試験室を設けて、においの経時変化や消臭効果を評価する技術の向上を図ります。
(c)安全性・分析試験室の衛生チームでは、床用洗剤などの除菌力評価試験(除菌試験)を内製化しました。2019年3月期は、繊維の抗カビ性試験の技術確立を進めます。
③研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の総額は6億43百万円であります。
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