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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DCIT

有価証券報告書抜粋 東洋紡株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、「順理則裕」の企業理念のもと、「環境、ヘルスケア、高機能で、社会に貢献する価値を、創りつづけるカテゴリー・リーダー」をめざしています。長年培ってきた「重合・変性」、「加工」、「バイオ」のコア技術群をさらに発展・深化させるとともに、それらを組み合わせ、融合させることで、新製品の拡大、新事業の創出に注力しました。
当社グループの研究開発は、セグメントごとに担当事業部が直接運営する事業部研究部門と、中長期的視点から次代を担う新製品・新技術を開発する全社共通のコーポレート研究部門とに大別されます。これらの研究開発のマネジメントは研究開発管理部が担当し、各部門相互の連携を図りながら、当社グループの総合力を発揮した研究開発活動を推進しました。

(フィルム・機能樹脂事業)
包装用フィルム分野では、薄肉化可能な環境対応商品として高強度で縦・横・両方向に収縮可能な熱収縮性ポリエステルフィルム“スペースクリーン”や高耐熱高剛性ポリプロピレンフィルムが用途拡大し、また、環境負荷が少ないバイオマス原料を使用したポリエステルフィルム“バイオプラーナ”やリサイクル原料を使用したポリエステルフィルム“サイクルクリーン”も環境意識が高い大手ユーザーでの採用が拡大しました。加えて、タフネス性を有した高強度ポリエステルフィルム“タフスター”、無機二元蒸着バリアフィルム“エコシアール”等の新商品は認証・採用が継続して拡大しました。食品用途以外の業界についても“オリエステル”等で折り紙やひねるだけで臭いが気にならないおむつ処理袋“ひねってポイ”など更なる採用が進みました。
工業用フィルム分野では、超複屈折フィルム“コスモシャイン SRF”は、液晶ディスプレイの大型化や薄型化とともに、高度な画像再現性やパネル加工特性に対応する新製品に採用されています。その要望量も急拡大しており、専用の製造設備の新設を決定しました。また、情報通信技術の進展によるデータ通信量の増加により、拡大するセラミックコンデンサーの製造に対応できる平滑性に優れた離型フィルムの採用が進んでいます。それに伴い、高度なクリーン環境で加工する離型フィルム製造設備の新設を決定しました。他にも多くの工業分野で、当社の持つ高透明、易接着および平滑性の特性を活かしたフィルムの展開を図っています。
重金属を含まず環境にやさしいポリエステル重合触媒“TOYOBO GS Catalyst”については、その優れた特徴を活かし、太陽電池用高耐久性フィルム用途や特殊繊維用途に加え、機能性フィルムや成形用途での拡大が進んでいます。また、GS触媒ライセンス事業については、海外大手PETメーカーにおける商業生産が開始し、事業の拡大を図っています。
エンジニアリングプラスチック分野では、自動車用途で年々高まる軽量化要求に応えるべく種々の素材で開発を進めました。その結果、金属代替樹脂、ゴム代替樹脂などの用途を中心に日系の自動車主要車において計画通りの採用となりました。特に大型案件として注力化してきました軽量化に伴うダウンサイズエンジン用ダクトに耐熱樹脂として採用されました。同時にさらなる自動車の環境対応ニーズにあわせて超微細発泡技術、超耐熱技術、異種素材接着技術を加味したグレードを高機能性ポリアミド樹脂“グラマイド”と高機能性ポリエステルエラストマー“ペルプレン”を中心にラインナップさせ用途開発を促進させました。高機能性ポリエステル樹脂“バイロペット”ではランプエクステンション材や自動車内装部品において海外での採用が順調に進んでいます。バイオマス原料を用いた高融点ポリアミド樹脂“バイロアミド”については超耐熱と高強度を活かした各種産業用機構部品への採用も始まりました。また、着実な海外拠点拡大を進める中で、強みの自動車内装用途中心に欧米自動車メーカーへの採用も増えつつあります。
高機能共重合ポリエステル樹脂“バイロン”、高耐熱共重合ポリアミドイミド樹脂“バイロマックス”、変性ポリオレフィン樹脂“ハードレン”は、電気電子、自動車周辺部材の塗料、接着用途を中心として開発を進めました。“バイロン”では新規変性樹脂の高密着、高耐久性が評価され、新たな電子製品部材となる接着用途に採用されました。“バイロマックス”はスマートフォン周辺デバイスでの採用製品が拡大しました。“ハードレン”は、引き続き海外向けの技術サービスを強化しており、自動車バンパープライマー用途で成長を続けています。また、“バイロン”と“ハードレン”の素材、変性・配合技術を融合した開発品が高耐久、異種接着性を必要とする積層製品の接着剤に採用され、拡大が期待されています。
以上、当事業に係る研究開発費は51億円です。

(産業マテリアル事業)
自動車関連分野では、エアバッグ用基布事業では、海外拠点での生産を本格的に開始し、海外ユーザー向けの販売を拡大しました。
超高強力ポリエチレン繊維“イザナス”は、独自開発した新技術を導入すべく生産設備の改造を行い、新製品の生産を開始しました。
三次元スプリング構造体“ブレスエアー”は、ロゴマークを刷新しました。また、大手高級ベッドメーカーとの共同開発によるマットレスがJR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」に採用されるなど、“ブレスエアー”のブランドが広がりました。
環境関連分野では、重金属イオン吸着シート“コスモフレッシュ NANO”を開発し、土木分野を中心に拡販活動を開始しました。
以上、当事業に係る研究開発費は8億円です。

(ヘルスケア事業)
バイオケミカル分野では、社外共同研究で血液中に存在するうつ病関連バイオマーカーの測定に用いる酵素の量産技術を確立しました。診断システムでは、国内クリニック向け糖尿病の小型検査装置の販売を開始し、また中国においては遺伝子検査装置のCFDA認証を取得しました。バイオ研究試薬では、ノロウイルス検便検査用試薬で画期的な新製品を開発しシェアを拡大しました。
医療機器分野では、神経再生誘導チューブ“ナーブリッジ”の国内での臨床使用が拡大し、当該製品の有用性が広く認知されました。更に、米国など海外展開を視野に活動を進めています。また、臨床試験を実施し、開発を進めてきた次世代の骨再生誘導材“ボナーク”は歯科・口腔外科領域において2018年度で製造販売承認の取得を見込み、上市準備を進めています。
人工腎臓用中空糸膜では、血液濾過用ならびに血液透析用の非対称膜の開発を進めました。また、これらの商品の生産性の効率を上げるプロセス開発に取り組みました。
水処理膜では、海水淡水化用正浸透膜の開発と、モジュールの高性能化、およびその実用研究を進めました。
フィルター分野では、新型高帯電エレクトレットフィルターを開発し、空気清浄機への販売を開始しました。
以上、当事業に係る研究開発費は15億円です。

(繊維・商事事業)
スポーツ分野で培った機能ニット技術を応用し、介護、スクール、ユニフォーム、ビジネス分野の商品開発を進め、採用が進みました。
中東民族衣装向け生地“Royal Mix”は、糸・織・加工の複合技術で新風合い生地の開発が進み、トップブランドとしての評価を高めました。
高強力ナイロン・フィラメント繊維“シルファイン”を用いた薄地織物は、機能と感性を融合させた織物開発を行い、アウトドア用途の他、高級カジュアル用途、レインウェア用途への採用が広がりました。また、当該糸を用いたインナーニット素材の開発も進めていきます。
ウェアラブル向けフィルム状導電素材“COCOMI”を活用した用途開発としては、眠気検知システム用電極ウェアとしてバス会社と協力した実証試験や、東北大学東北メディカル・メガバンク機構が取り組んでいる「産後うつ」研究向け妊婦用インナーウェア、アスリート競技への活用なども進めています。
機能材分野では、ヒートアイランド現象に対する環境対策として開発した保水パネルの“アースキーパー”については建物の屋上や動物園床面での実証実験を重ね、その効果の確認を行いました。こうしたデータを今後の拡販に活かしていきます。
以上、当事業に係る研究開発費は6億円です。

(全社共通)
全社共通の研究開発組織であるコーポレート研究所は、当社グループの将来を担う新製品・新技術の開発を行うだけでなく、各種分析・評価業務、コンピューターシミュレーションやAI(Artificial Intelligence)を用いた解析業務を通じて、研究開発全般を支援する全社研究インフラとしての機能も有しています。また、新技術の調査および研究開発のスピードアップを図るため、ナショナルプロジェクトへの参画や国内外の企業、大学、研究機関との連携を通したオープンイノベーション活動を積極的に進めています。
当社の高分子重合技術や成形加工技術を駆使した耐熱性・寸法安定性・絶縁性に優れる新規ポリイミドフィルム“ゼノマックス”については、400~500℃の高温下での加工が必要な薄膜トランジスタ(TFT)の基板材など、従来のポリイミドフィルムでは難しかった超ハイエンド製品を中心に着実に用途を拡大させました。今後、高性能・高耐熱フィルムの市場ニーズに応えるため、より一層の研究開発およびマーケティング活動を進め、お客さまおよび用途のさらなる拡大をめざします。
また、当社はこれまでバイオ由来の原料から重合したバイオ樹脂の製造・販売を実施してきましたが、ガスバリヤ性に優れたポリエチレンフラノエートの製造、フィルム化について国内外の企業と連携しその開発を進めています。
以上、全社共通のコーポレート研究に係る研究開発費は24億円です。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00525] S100DCIT)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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