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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DFV9

有価証券報告書抜粋 ユニチカ株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループの研究開発活動は、長年にわたり蓄積してきた技術力を基盤とし、新技術の開発、応用を進めて、多様化する社会のニーズに応える商品開発を図り、もって事業基盤の強化と新規事業の拡大を行うことを目標としている。
当連結会計年度の研究開発費は3,274百万円であり、この中には中央研究所で行っている全社共通テーマの各事業部門に配賦できない費用680百万円が含まれている。
(1)高分子事業
フィルム事業は、高付加価値品の展開および拡大を推進している。高耐熱性ポリアミドフィルムは、製品ブランドを「ユニアミド」と決定し、2016年1月に当社宇治事業所(京都府宇治市)の既存設備を改造し、量産体制を整えた。すでに、耐熱性と溶融加工性が評価されポリイミドフィルムの代替としてモバイル機器向けに採用されており、販売量は着実に増加している。今後はFPC(フレキシブルプリント基板)および関連基材や、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)が使用されている振動板、耐熱性と無色透明性の特長を活かした各種工程フィルムなどへの展開を検討している。柔軟性のある有機系バリア層をナイロンフィルムに積層した新規バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」も2015年10月に既存設備を改造し、量産化技術を確立した。ボイル・レトルト用途に対する高いガスバリア性能と食品の色目保持効果が格段に高いことから、漬物、惣菜、農産加工品を中心に採用が拡大している。シリコーンフリー離型PETフィルム「ユニピール」は、さらなる高品位用途へ対応できるように生産設備を改造し、量産化技術を確立した。これにより、表面の凹凸がほとんどない超平滑ユニピールを上市することができた。その他新規商品として、表面粗度がサンドマットと同等レベルで、フィルムを加熱してもオリゴマーによる汚染が極端に少ない高粗度PETフィルムを開発し、市場評価を進めている。
樹脂事業では、自動車などの軽量化に有効なナイロン系射出発泡用樹脂「フォーミロン」を2016年3月にプレスリリースし、商品展開に注力しており、引き合いも増加している。当社固有のエンジニアリングプラスチックであるポリアリレート樹脂「Uポリマー」については、その広い温度域における性能、寸法の安定性から、スマートフォン、タブレット用途などのほか、自動車用LEDランプ用途で引き続き好調に販売を伸ばしているほか、新たに溶剤可溶タイプのポリアリレート樹脂「ユニファイナー」Vシリーズ、高耐熱成形用途Tシリーズについてもプレスリリースを2016年3月に行った。優れた耐熱性と電気特性から、多用途で評価が進んでおり、早期実績化を目指している。高耐熱性ポリアミド樹脂である「ゼコット」は電気・電子用途のほか、摺動用途でも採用が進みつつある。オレフィン系エマルションである「アローベース」はエネルギー関連用途、食品用途などでの接着層、コーティング層として拡大しているほか、金属と樹脂といった異種材料の接着に効果が認められ引き合いが増加している。ポリエステル樹脂としては、ダイレクトブロー用に開発した共重合品のラインナップに耐衝撃グレードを加え、採用が拡大している。接着剤・コート剤用共重合ポリエステルである「エリーテル」は耐熱グレードを開発し、電気・電子用途で求められる高性能化に対応している。また、ナノ多孔膜を形成することができるポリイミドワニスについては、リチウムイオン電池の熱暴走を防ぐ新たな技術として高い関心が寄せられ、ユーザーでの評価が続いている。ナノコンについては、メタリック着色、ピアノブラック着色等の高外観グレードで、家電関係や自動車関係に採用が増えており、特に注目度の高い欧州での自動車内装材への採用が始まった。中央研究所発の新素材技術として「セルロースナノファイバー配合ナイロン6」を2016年4月にプレスリリースした。重合工程でセルロースナノファイバーを樹脂中にナノレベルで均一に分散させる独自の製造方法により得られるこの樹脂は、発泡成形すると気泡の大きさが均一になる特色があり、すでに複数のユーザーで評価が進んでいる。「樹脂化」、「軽量化」のキーワードで注目を浴びている。また、通常のフィラー配合樹脂では発現しない特性も確認されており、高機能化樹脂としての用途開発を推進している。
不織布事業においてスパンボンドでは、極太の異形断面糸形状である「ディラ」は、類をみない繊維構造で硬さと高通気性からフィルター材、ワイパー材他、多様な用途への展開を図り、採用実績に繋がっている。また、「ディラ」の特長を活かして、他不織布、他素材との複合品の開発も行っており、さらなる拡販を行う。農業分野へは多様なニーズに応えるべく開発を進めている。従来からのべたがけシートは透光・保温を兼ね備え、かつ、さらなる耐久性の向上を目指した開発を進めた結果、開発が完了し、昨年度から本格販売を行い、高評価を得ている。また、透明性を高めた高透光性シートや遮熱材と複合した遮熱性シートなど新たな用途への開発も進めている。土木分野ではメガソーラー向けの雑草抑制の防草シートなどの開発を行い、販売中である。タイ国における新機台の増設により、今までと違った素材を提供することが可能となり、新規用途を含めた開発を進めている。スパンレースではコットン素材の持つ優位性から国内外の衛材用途を中心に積極的な開発を推し進めている。撥水や抗菌等の機能性付与や他シートとの複合、柄付け等の意匠性の開発により採用実績に繋がっている。今後ともユーザーの要望に応える製品をタイムリーに提供できるよう開発を進めていく。
バイオマスプラスチック関連では、バイオマスプラスチックの普及に向けた研究開発を引き続き進めている。前述した「ゼコット」は、スーパーエンジニアリングプラスチックでありながらバイオマスを原料とした樹脂であり、ポリ乳酸を用いた環境素材「テラマック」とともに、ユニチカの高い環境意識を象徴した製品としての役割も期待されている。用途開発においては、それぞれの特性をユーザーのニーズと一致させることに注力しており、「ゼコット」の電気、自動車用途への適用に加えて、「テラマック」の包装フィルム用マスターバッチや、後述の3Dプリンター用フィラメントなど、その成果を示す例が出てきている。このほかにも新規バイオマスプラスチックの開発に関して、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業である「木質バイオマスからの各種化学品原料の一貫製造プロセスの開発」プロジェクトに2013年度から参加し、次世代のバイオマスプラスチックの開発を行っている。
当事業に係る研究開発費は1,932百万円である。

(2)機能材事業
ガラス繊維事業では、産業資材用途で顧客ニーズに応えたガラスクロス及びそれら処理加工品の製品開発を進め、ユーザーから好評価を得ている。また、電子材料用途では、超薄クロスの生産技術革新に取り組むとともに、高性能な新規ICクロスも開発中である。
活性炭繊維関連では、液相分野においては、浄水器用及び工業フィルター用の高性能化とコストダウンにより国内外での競争力の強化を図っている。また、気相分野においては、自動車用に加え、空気清浄機やマスクなど、空気脱臭用の高性能化とコストダウンにより海外展開を進めていく。
業界で初めて製品化したナイロン6樹脂製の中空糸膜フィルターは、これまでの平膜タイプの同樹脂製フィルターに比べて高流量、かつ、長寿命であり、有機溶剤系での使用にも耐えられることから、半導体や化学分野で使用される薬液に含まれる不純物の除去などの用途で採用が続いている。さらに、高性能・高機能なフィルターを実現させるため、他素材も含めた研究開発を加速化している。
当事業に係る研究開発費は454百万円である。

(3)繊維事業
繊維事業においては、多様化するライフスタイルに対応した衣料用途共通素材として、独自のポリマー、ノズル、紡糸・延伸技術による3層特殊断面のポリエステル長繊維素材「クールアート20」を2016年に開発した。同素材は、これまでに無い高度な防透け性に加え、太陽光に含まれる紫外線遮蔽性、近赤外線遮蔽によるクーリング性及び軽量性を有する。すでに一部有力アパレルでの採用が決定している。スポーツ、レディス、ユニフォームといった各分野での商品提案を進めており、高い評価を得ている。また、太陽光遮蔽性特殊セラミックを高濃度に練込んだポリエステル短繊維素材「サラブリーズ」を開発した。防透け性、紫外線遮蔽性、近赤外線遮蔽によるクーリング性といった機能は、これまで長繊維が中心であったが、新たに短繊維もラインアップすることにより、天然繊維調の表現も可能とした。
スポーツ用素材としては、当社独自の特殊加工技術により生地表面に微細な凹凸構造を形成し、長時間の降雨に優れた水滴転がり性を発揮する「タクティーム」シリーズの売上が急増している。国内外における展示会やオーストリアで開催された56th DORNBIRN MAN-MADE FIBERS CONGRESSでの発信効果等により新たな問合わせも増加しており、今後はさらなる売上げ増が見込まれる。また、これまでは主にユニフォーム用途で展開していた難燃ビニロン繊維による難燃素材「ミューロンFR」をアウトドアウェア用にアレンジし提案した結果、大手アパレルでの採用が進んだ。
レディス用素材としては、新規ポリエステル素材として、特殊異型断面を持つ「セシェ6」を開発した。断面形状に起因する高発色性に加え、独特なドライタッチが特長で、一部有力アパレルにて採用が始まっている。また、スウェード調タッチと独特のコンパクト感を兼備する「フィーリングソフ」も新たに市場へ投入し、安定的な売上で推移している。
さらに、メーカーズシャツ鎌倉(株)と共同で開発したドレスシャツ「SUVIN GOLD」を上市した。厳選されたコットン原料と当社が得意とする細番手紡績技術との組み合わせにより、これまでにない上質なドレスシャツが完成し、市場では発売間もなく完売となった。なお、本商品は2016年度の経済産業省「モノづくりサプライチェーン再構築支援事業」に採択され、また、繊研新聞社が主催する2017年度「繊研天然繊維特別賞」を受賞した。
ユニフォーム用素材としては、高耐久性防汚・制電素材「ナノアクア」を開発した。ポリエステル繊維と機能剤とのグラフト重合により、繰返しの工業洗濯にも対応できる耐久性を有する。また、塩素系漂白剤による退色を抑制する「エバーズⅠ」(ポリエステル)、「エバーズⅡ」(ポリエステル/綿混)を開発し、さらには、「タクティーム」に国内外の基準をクリアする高視認性を付加した素材も開発した。これらの素材は、2017年11月開催のユニフォーム総合素材展に出展した。
産業繊維事業では、ポリ乳酸紡糸技術による「Material Extrusion方式(熱で融解した造形材料を少しずつ積み重ねていく方式)」に使用される3Dプリンター用フィラメントの品揃えに加え、さらなる拡大や深化に貢献すべく開発を進めてきた『3Dプリンター用“感温性”フィラメント』を発表した。
このフィラメントは当社が得意とする独自の特殊ポリエステル樹脂により、造形後に安全な低温域で、自由な形状の変更を可能にする従来品にはない特徴を持っている。
今後、積極的にサンプルワークを進めて素材のブラッシュアップを行った上で、2017年度中の販売を目指している。
当事業に係る研究開発費は202百万円である。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00527] S100DFV9)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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