有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DFEZ
清水建設株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
当社グループの当連結会計年度における研究開発費は111億円であり,うち当社の研究開発費は109億円である。研究開発活動は当社の技術研究所と建築総本部,土木総本部等の技術開発部署で行われており,その内容は主に当社建設事業に係るものである。
当社は,建築・土木分野の生産性向上や品質確保のための新工法・新技術の研究開発はもとより,多様化する社会ニーズに対応するための新分野・先端技術分野や,さらに地球環境問題に寄与するための研究開発にも,幅広く積極的に取り組んでいる。技術研究所を中心とした研究開発活動は,基礎・応用研究から商品開発まで多岐にわたっており,異業種企業,公的研究機関,国内外の大学との技術交流,共同開発も積極的に推進している。
当連結会計年度における研究開発活動の主な成果は次のとおりである。
(1)生産技術・i-Construction
①次世代型生産システム「シミズ・スマート・サイト」
建築工事現場の生産性向上,苦渋・反復作業の軽減,検査・管理業務の高効率化を目的に,BIMを核とする情報化施工により,最先端技術を搭載した自律型ロボットと人が協調しながら工事を進める次世代型生産システム「シミズ・スマート・サイト」を構築した。シミズ・スマート・サイトは,水平スライドクレーン「Exter」,柱溶接ロボット「Robo-Welder」,天井や床材を施工する多能工ロボット「Robo-Buddy」,水平搬送ロボット「Robo-Carrier」で構成されている。各ロボットは,自己位置を認識しながら現場内を移動し,自律的に動作する。稼働状況や作業結果はリアルタイムに記録・蓄積され,ロボットを適用する工種において70%以上の省人化を目指す。
②世界初の水平スライドクレーン「Exter」
建設現場の自動化,省力化を目指して開発を進めている次世代型生産システム「シミズ・スマート・サイト」において揚重機能を担う,水平スライドクレーン「Exter」を開発した。Exterは,水平方向に伸縮するブームにより作業半径を自由に調整できる世界初の水平スライドクレーンであり,建物の頂部をすっぽり覆う全天候カバー内で効率よく稼働できる仕組みになっている。
③プロジェクションマッピングで山岳トンネルの掘削管理
山岳トンネルの底盤コンクリートの施工効率化と安全性向上を目的に,三次元スキャナとプロジェクタを一体化し,プロジェクションマッピングにより底盤の掘削具合を可視化するシステムを開発した。トンネル底盤の三次元形状のデータ取得から,解析,照射までわずか1分程度で済み,掘削効率が格段に向上するとともに,足元が不安定な場所での作業がなくなるため作業の安全性も向上する。
④木質構造の中大規模建築向けハイブリッド構法を開発
木質構造と鉄骨造,鉄筋コンクリート造の合理的な組み合わせを可能にしたハイブリッド木質構法「シミズ ハイウッド(Shimizu Hy-wood)」を開発した。公共建築物等木材利用促進法の施行や建築基準法の改正による木造規制の緩和などによって活性化しつつある市場に向けた技術として,木質構造を採用した中高層や大スパンの中大規模の耐火建築への適用が見込まれる。
⑤コンクリートの施工性低下を抑制できる混和材「チキソリデュース」を開発
ポンプ施工時の圧送や,鉄筋間隙内への充填の妨げとなるチキソトロピーと呼ばれる性質を低減する混和剤「チキソリデュース」を㈱フローリックと共同で開発した。コンクリート静置時に生じるチキソトロピーが打ち込み中に発生すると,品質上の不具合や作業効率の低下につながる。チキソリデュースを練混ぜ直後のコンクリートに添加することでチキソトロピーの低減が図れ,施工性が著しく改善する。
⑥タフネスコートの諸性能を全検証
コンクリート構造物の耐久性を向上させる「タフネスコート」の性能検証を完了した。これまでに確認した耐衝撃性能,剥落防止性能に加えて,保水性能,塩害・凍害防止性能を検証したことで,あらゆる工事に対応することが可能となった。
タフネスコートは,当社と三井化学産資㈱が2012年に共同開発した技術で,ポリウレア樹脂を構造物の表面に吹き付けるだけで済むため,工費を同等以下に抑えた上で工期を40~70%短縮できる。
(2)防災・BCP技術
①超高層ビルの長周期地震動用制振装置「シミズ・スイングマスダンパー」を開発
複雑な揺れが生じる超高層ビルの長周期地震動対策として,屋上設置型制振装置「シミズ・スイングマスダンパー」を開発した。超高層ビルでは地震時に,周期の異なる二通りの揺れが生じる場合があるが,屋上スペース,装置重量の制約から性能の異なる制振装置を複数設置することは困難である。シミズ・スイングマスダンパーは,制振装置全体の動きを内蔵する別の制振装置で制御することによって1台で二通りの揺れに対応でき,省スペース,軽量化に寄与する。
②減衰性能が切り替わる可変減衰型「デュアルフィットダンパー」を開発
一つで中小地震から巨大地震にまで対応できる「デュアルフィットダンパー」をカヤバシステムマシナリー㈱と共同開発し,併せてその性能を認証する国土交通大臣認定を取得した。免震装置の減衰性能を決めるオイルダンパーのセッティングは,巨大地震に合わせると発生頻度の高い中小地震時の免震効果を損ない,中小地震に合わせると巨大地震時に免震装置の破損につながる可能性がある。デュアルフィットダンパーは,免震ビルの揺れ幅に応じて減衰性能が自動的に切り替わる機構により,幅広い地震において適切な免震効果を得ることができる。
③「ダイナミックスクリュー」が制振ダンパー初の日本建築センター評定を取得
すでに13件の適用実績がある高性能制振ダンパー「ダイナミックスクリュー」が日本建築センターの評定を取得した。同評定は,ダイナミックスクリューの制振性能とそれを用いた建物の耐震設計手法の信頼性を認証するものであり,耐震設計手法を含めて制振ダンパーに付与されたのは今回が初めてである。評定取得によって同ダンパーに係る部分の設計審査が簡素化されるため,設計期間の短縮が見込まれる。
④特定天井向けの落下防止対策「フェイルサポート工法」を開発
天井の落下防止機構を備えた特定天井向けの耐震改修工法「フェイルサポート工法」を開発した。既存天井の解体を最小限に抑えることで,工事期間中も施設の継続使用が可能で,短工期・低コストが実現できる。本工法は,既存吊り天井の後付け改修工法として,先に開発したグリッドサポート工法と併せて,日本建築総合試験所(GBRC)の建築技術性能証明を取得している。
(3)環境・設備技術
①建物付帯型の水素エネルギー利用システムが本格稼働
来るべき水素社会に対応する水素エネルギー利用システムの実現を目指し,建物付帯型のコンパクトで安全なシステムを産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(FREA)内に建設し,実証運転を開始した。システム性能検証ならびにシミズ・スマートBEMSによる最適制御技術を確立し,2020年までに建物,街区への導入を目指す。
②四国支店ビルが年間運用実績で「ZEB Ready」達成
2016年3月に完成した「清水建設四国支店ビル(香川県高松市)」が,稼働後1年間の運用実績において,経済産業省が定める省エネビル基準「ZEB Ready」に相当するエネルギー削減率を達成した。当ビルでは,2016年4月から2017年3月までの年間一次エネルギー消費量を,標準的な仕様の建物と比べて68.7%削減し,計画時の削減率目標を5.5%上回る省エネルギー性能を実現した。
③再生医療用の細胞培養管理システムを開発
再生医療用の細胞加工・調製施設(CPF)における細胞培養管理システムを開発した。培養作業プロセスは,タブレット端末に表示される作業指図とQRコードで管理され,各作業の実施記録は,時刻歴ならびにCPF内温湿度などの計測データとともに,自動的に作成・保存される。昨年度,技術研究所内に開設した「S-Cellラボ」において,製薬会社や医療機関との連携によるシステム運用を進める。
④中間貯蔵施設向けの除去土壌改質材「SCカラッ土」を開発
高粘性土を砂状に改質する中性土壌改質材「SCカラッ土」を開発した。SCカラッ土は水を多く含む粘性の高い土壌に投入することで,土壌に含まれる植物根等の有機物を効率的に分離することができる。また,分別処理後の土壌の取り扱いが容易になるため,運搬・転圧・再利用作業の効率化も期待できる。福島県内の除染作業において除去土壌を貯蔵・保管する中間貯蔵施設での適用を視野に入れ,既開発技術を組み合わせた一気通貫の受入・分別処理システムを構築し,除去土壌処理の効率性・安全性を高める。
(4)維持管理・FM技術
①IoT基盤を活用し,オフィスの使われ方を見える化
人やモノの動きに関するデータを集積してビッグデータ解析を行う「施設内IoT基盤システム」を開発し,オフィスの使われ方を見える化する共同実証をNTTテクノクロス㈱と行う。オフィスのレイアウト変更や施設の改修など,オフィスビルの効率的な運営管理のあり方の提案に活用するとともに,人やモノの動きと連動した新たなビル管理システムの構築を目指す。
②地方自治体向けの公共資産マネジメント支援ツールを開発
地方自治体による公共資産マネジメント計画等の策定支援を目的に,公共施設・インフラ統合評価システム「パブリック・アセット・シミュレーター(Public Asset Simulator:PAS)」を㈱ピリカと共同で開発した。PASは,公共サービスの基盤となる道路インフラのネットワーク分析をベースに公共資産の価値を評価するもので,個別施設の利用度・劣化度の評価に留まらず,アクセス方法等も含めた利用者視点に近い資産評価が可能となる。
③建物維持管理支援システム「s-BMマスター」を開発
建物竣工後の維持管理業務の効率化を目的とした建物維持管理支援システム「s-BMマスター」を㈱シミズ・ビルライフケアと共同で開発した。s-BMマスターは,設備機器台帳をベースに竣工図書や修繕・改修記録,維持保全計画等の電子データを連動させ,ビル管理業務に必要な建物情報を一元化したシステムであり,不具合発生時の迅速な初期対応などに効果を発揮する。
④隠ぺい空間を手軽にくまなく撮影できるカメラ架台を開発
天井裏や床下などの隠ぺい空間を手軽にくまなく撮影できる照明付き全方位撮影カメラ架台「PanoShot R」を㈱和興計測,㈲岩手電機製作所,㈲津田山製作所と共同で開発し,販売を開始した。自撮り棒に着脱可能な照明付きの円筒形架台で,全方位撮影カメラ「RICOH THETA(㈱リコー製)」をセットして使用する。宅建業法改正に伴う診断需要に対応する検査支援装置として,大きな潜在需要が想定される。
⑤健康で快適なオフィス環境の普及に向けて,アライアンスに参画
健康・快適性の観点から建物・室内環境を評価する「WELL認証(WELL Certifications)」の取得推進に向けたグローバル・コーポレート・アライアンスに参画した。WELL認証制度は米国DELOS社が創設した,健康・快適性に焦点を当てた世界初の建物・室内環境評価システムであり,2014年の認証開始以降,米国を中心に認証登録件数が急拡大している。日本においても,従業員の健康保持・増進に企業が主体的に関与する健康経営が推進される中,今後の普及が見込まれる。
当社は,建築・土木分野の生産性向上や品質確保のための新工法・新技術の研究開発はもとより,多様化する社会ニーズに対応するための新分野・先端技術分野や,さらに地球環境問題に寄与するための研究開発にも,幅広く積極的に取り組んでいる。技術研究所を中心とした研究開発活動は,基礎・応用研究から商品開発まで多岐にわたっており,異業種企業,公的研究機関,国内外の大学との技術交流,共同開発も積極的に推進している。
当連結会計年度における研究開発活動の主な成果は次のとおりである。
(1)生産技術・i-Construction
①次世代型生産システム「シミズ・スマート・サイト」
建築工事現場の生産性向上,苦渋・反復作業の軽減,検査・管理業務の高効率化を目的に,BIMを核とする情報化施工により,最先端技術を搭載した自律型ロボットと人が協調しながら工事を進める次世代型生産システム「シミズ・スマート・サイト」を構築した。シミズ・スマート・サイトは,水平スライドクレーン「Exter」,柱溶接ロボット「Robo-Welder」,天井や床材を施工する多能工ロボット「Robo-Buddy」,水平搬送ロボット「Robo-Carrier」で構成されている。各ロボットは,自己位置を認識しながら現場内を移動し,自律的に動作する。稼働状況や作業結果はリアルタイムに記録・蓄積され,ロボットを適用する工種において70%以上の省人化を目指す。
②世界初の水平スライドクレーン「Exter」
建設現場の自動化,省力化を目指して開発を進めている次世代型生産システム「シミズ・スマート・サイト」において揚重機能を担う,水平スライドクレーン「Exter」を開発した。Exterは,水平方向に伸縮するブームにより作業半径を自由に調整できる世界初の水平スライドクレーンであり,建物の頂部をすっぽり覆う全天候カバー内で効率よく稼働できる仕組みになっている。
③プロジェクションマッピングで山岳トンネルの掘削管理
山岳トンネルの底盤コンクリートの施工効率化と安全性向上を目的に,三次元スキャナとプロジェクタを一体化し,プロジェクションマッピングにより底盤の掘削具合を可視化するシステムを開発した。トンネル底盤の三次元形状のデータ取得から,解析,照射までわずか1分程度で済み,掘削効率が格段に向上するとともに,足元が不安定な場所での作業がなくなるため作業の安全性も向上する。
④木質構造の中大規模建築向けハイブリッド構法を開発
木質構造と鉄骨造,鉄筋コンクリート造の合理的な組み合わせを可能にしたハイブリッド木質構法「シミズ ハイウッド(Shimizu Hy-wood)」を開発した。公共建築物等木材利用促進法の施行や建築基準法の改正による木造規制の緩和などによって活性化しつつある市場に向けた技術として,木質構造を採用した中高層や大スパンの中大規模の耐火建築への適用が見込まれる。
⑤コンクリートの施工性低下を抑制できる混和材「チキソリデュース」を開発
ポンプ施工時の圧送や,鉄筋間隙内への充填の妨げとなるチキソトロピーと呼ばれる性質を低減する混和剤「チキソリデュース」を㈱フローリックと共同で開発した。コンクリート静置時に生じるチキソトロピーが打ち込み中に発生すると,品質上の不具合や作業効率の低下につながる。チキソリデュースを練混ぜ直後のコンクリートに添加することでチキソトロピーの低減が図れ,施工性が著しく改善する。
⑥タフネスコートの諸性能を全検証
コンクリート構造物の耐久性を向上させる「タフネスコート」の性能検証を完了した。これまでに確認した耐衝撃性能,剥落防止性能に加えて,保水性能,塩害・凍害防止性能を検証したことで,あらゆる工事に対応することが可能となった。
タフネスコートは,当社と三井化学産資㈱が2012年に共同開発した技術で,ポリウレア樹脂を構造物の表面に吹き付けるだけで済むため,工費を同等以下に抑えた上で工期を40~70%短縮できる。
(2)防災・BCP技術
①超高層ビルの長周期地震動用制振装置「シミズ・スイングマスダンパー」を開発
複雑な揺れが生じる超高層ビルの長周期地震動対策として,屋上設置型制振装置「シミズ・スイングマスダンパー」を開発した。超高層ビルでは地震時に,周期の異なる二通りの揺れが生じる場合があるが,屋上スペース,装置重量の制約から性能の異なる制振装置を複数設置することは困難である。シミズ・スイングマスダンパーは,制振装置全体の動きを内蔵する別の制振装置で制御することによって1台で二通りの揺れに対応でき,省スペース,軽量化に寄与する。
②減衰性能が切り替わる可変減衰型「デュアルフィットダンパー」を開発
一つで中小地震から巨大地震にまで対応できる「デュアルフィットダンパー」をカヤバシステムマシナリー㈱と共同開発し,併せてその性能を認証する国土交通大臣認定を取得した。免震装置の減衰性能を決めるオイルダンパーのセッティングは,巨大地震に合わせると発生頻度の高い中小地震時の免震効果を損ない,中小地震に合わせると巨大地震時に免震装置の破損につながる可能性がある。デュアルフィットダンパーは,免震ビルの揺れ幅に応じて減衰性能が自動的に切り替わる機構により,幅広い地震において適切な免震効果を得ることができる。
③「ダイナミックスクリュー」が制振ダンパー初の日本建築センター評定を取得
すでに13件の適用実績がある高性能制振ダンパー「ダイナミックスクリュー」が日本建築センターの評定を取得した。同評定は,ダイナミックスクリューの制振性能とそれを用いた建物の耐震設計手法の信頼性を認証するものであり,耐震設計手法を含めて制振ダンパーに付与されたのは今回が初めてである。評定取得によって同ダンパーに係る部分の設計審査が簡素化されるため,設計期間の短縮が見込まれる。
④特定天井向けの落下防止対策「フェイルサポート工法」を開発
天井の落下防止機構を備えた特定天井向けの耐震改修工法「フェイルサポート工法」を開発した。既存天井の解体を最小限に抑えることで,工事期間中も施設の継続使用が可能で,短工期・低コストが実現できる。本工法は,既存吊り天井の後付け改修工法として,先に開発したグリッドサポート工法と併せて,日本建築総合試験所(GBRC)の建築技術性能証明を取得している。
(3)環境・設備技術
①建物付帯型の水素エネルギー利用システムが本格稼働
来るべき水素社会に対応する水素エネルギー利用システムの実現を目指し,建物付帯型のコンパクトで安全なシステムを産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(FREA)内に建設し,実証運転を開始した。システム性能検証ならびにシミズ・スマートBEMSによる最適制御技術を確立し,2020年までに建物,街区への導入を目指す。
②四国支店ビルが年間運用実績で「ZEB Ready」達成
2016年3月に完成した「清水建設四国支店ビル(香川県高松市)」が,稼働後1年間の運用実績において,経済産業省が定める省エネビル基準「ZEB Ready」に相当するエネルギー削減率を達成した。当ビルでは,2016年4月から2017年3月までの年間一次エネルギー消費量を,標準的な仕様の建物と比べて68.7%削減し,計画時の削減率目標を5.5%上回る省エネルギー性能を実現した。
③再生医療用の細胞培養管理システムを開発
再生医療用の細胞加工・調製施設(CPF)における細胞培養管理システムを開発した。培養作業プロセスは,タブレット端末に表示される作業指図とQRコードで管理され,各作業の実施記録は,時刻歴ならびにCPF内温湿度などの計測データとともに,自動的に作成・保存される。昨年度,技術研究所内に開設した「S-Cellラボ」において,製薬会社や医療機関との連携によるシステム運用を進める。
④中間貯蔵施設向けの除去土壌改質材「SCカラッ土」を開発
高粘性土を砂状に改質する中性土壌改質材「SCカラッ土」を開発した。SCカラッ土は水を多く含む粘性の高い土壌に投入することで,土壌に含まれる植物根等の有機物を効率的に分離することができる。また,分別処理後の土壌の取り扱いが容易になるため,運搬・転圧・再利用作業の効率化も期待できる。福島県内の除染作業において除去土壌を貯蔵・保管する中間貯蔵施設での適用を視野に入れ,既開発技術を組み合わせた一気通貫の受入・分別処理システムを構築し,除去土壌処理の効率性・安全性を高める。
(4)維持管理・FM技術
①IoT基盤を活用し,オフィスの使われ方を見える化
人やモノの動きに関するデータを集積してビッグデータ解析を行う「施設内IoT基盤システム」を開発し,オフィスの使われ方を見える化する共同実証をNTTテクノクロス㈱と行う。オフィスのレイアウト変更や施設の改修など,オフィスビルの効率的な運営管理のあり方の提案に活用するとともに,人やモノの動きと連動した新たなビル管理システムの構築を目指す。
②地方自治体向けの公共資産マネジメント支援ツールを開発
地方自治体による公共資産マネジメント計画等の策定支援を目的に,公共施設・インフラ統合評価システム「パブリック・アセット・シミュレーター(Public Asset Simulator:PAS)」を㈱ピリカと共同で開発した。PASは,公共サービスの基盤となる道路インフラのネットワーク分析をベースに公共資産の価値を評価するもので,個別施設の利用度・劣化度の評価に留まらず,アクセス方法等も含めた利用者視点に近い資産評価が可能となる。
③建物維持管理支援システム「s-BMマスター」を開発
建物竣工後の維持管理業務の効率化を目的とした建物維持管理支援システム「s-BMマスター」を㈱シミズ・ビルライフケアと共同で開発した。s-BMマスターは,設備機器台帳をベースに竣工図書や修繕・改修記録,維持保全計画等の電子データを連動させ,ビル管理業務に必要な建物情報を一元化したシステムであり,不具合発生時の迅速な初期対応などに効果を発揮する。
④隠ぺい空間を手軽にくまなく撮影できるカメラ架台を開発
天井裏や床下などの隠ぺい空間を手軽にくまなく撮影できる照明付き全方位撮影カメラ架台「PanoShot R」を㈱和興計測,㈲岩手電機製作所,㈲津田山製作所と共同で開発し,販売を開始した。自撮り棒に着脱可能な照明付きの円筒形架台で,全方位撮影カメラ「RICOH THETA(㈱リコー製)」をセットして使用する。宅建業法改正に伴う診断需要に対応する検査支援装置として,大きな潜在需要が想定される。
⑤健康で快適なオフィス環境の普及に向けて,アライアンスに参画
健康・快適性の観点から建物・室内環境を評価する「WELL認証(WELL Certifications)」の取得推進に向けたグローバル・コーポレート・アライアンスに参画した。WELL認証制度は米国DELOS社が創設した,健康・快適性に焦点を当てた世界初の建物・室内環境評価システムであり,2014年の認証開始以降,米国を中心に認証登録件数が急拡大している。日本においても,従業員の健康保持・増進に企業が主体的に関与する健康経営が推進される中,今後の普及が見込まれる。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00053] S100DFEZ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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