シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DD1L

有価証券報告書抜粋 株式会社大林組 研究開発活動 (2018年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー株式の総数等

(建設事業)
当社グループは、社会及び顧客の多様なニーズに応えるため、環境保全、エネルギー対策等の社会に貢献する技術や、生産性向上、品質確保、コストダウン等に資する工法や技術の開発を行うなど、主に建設事業に関して多岐にわたる研究開発活動を実施している。
また、研究開発活動の幅を広げ、効率化を図るため、国内外の大学、公的研究機関、異業種企業との技術交流、共同開発も積極的に推進している。
当社グループの当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は約106億円であり、主な研究開発成果は次のとおりである。
なお、当社は研究開発活動を国内建築、海外建築、国内土木及び海外土木の各セグメントには区分していない。

(1) 当社
① アクアジャスター®を搭載した水中インフラ点検ロボット「ディアグ®」を開発
水中インフラの点検時に無人潜水機を静止させて鮮明な映像を撮影できるロボット「ディアグ®」を開発した。
地上や船上からの遠隔操作が可能であり、水流による機体の揺れを抑え、ほぼ静止した状態で対象物を撮影できる。潜水士による点検では水深約40mが限界で作業時間も限られていたが、「ディアグ®」は100mまで潜水し長時間点検を行うことができる。国土交通省による公募「次世代社会インフラ用ロボット技術・ロボットシステム」に採択され、実証実験を重ねた結果、最高ランクの評価を獲得した。

② 大型風車をリフトアップで組み立てる装置「ウインドリフト®」を開発
風力発電用の大型風車の建設工事において、超大型クレーンを使わずにリフトアップで組み立てる装置「ウインドリフト®」を㈱巴技研と共同で開発した。
従来、発電容量3メガワットクラスの風車の建設は、ハブ(風車の中心部)やブレード(風車の羽)部材の組み立てなどに1,200トン級の超大型クレーンが必要であった。「ウインドリフト®」は、部材をジャッキアップ式の装置で建て起こしながらリフトアップするため、施工スペースを縮減でき、風による施工への影響も低減できる。当社グループ最初の風力発電事業、三種浜田風力発電所(秋田県三種町)の風車建設において本装置を使用した結果、約10%のコスト削減を実現した。

③ 山岳トンネル工事の切羽(掘削面)評価にディープラーニングを適用
山岳トンネルの切羽を評価する際に、AI技術の一つであるディープラーニング(システムがデータの特徴を学習して事象の認識や分類を行う「機械学習」の技術)を適用した。
山岳トンネル工事の標準工法においては、事前の地質調査に基づいて主要な支保工の規模を計画し、工事中も切羽の強度や割目間隔などを評価のうえ随時計画を見直している。AI技術であるディープラーニングを使うことで、地質学の専門家と同等の評価が可能になる。切羽の画像と専門家の評価結果を機械学習させ、地質状況を細部まで高精度に評価することで、技術者不足の問題を解決し、工事の安全性と経済性を向上させる。

④ 「5G」、4K3Dモニターを活用した建設機械の遠隔施工に成功
次世代移動通信システム「5G」と4K3Dモニターを活用した建設機械による遠隔施工(以下「本実証試験」)をKDDI㈱及び日本電気㈱と共同で開発し、国内で初成功させた。
災害復旧などの危険作業においては、オペレーターが建設機械に搭乗せず、離れた場所から映像を頼りに操作する無人運転が求められる。本実証試験では、「5G」の特長である高速・大容量通信を建設機械の遠隔操作に応用し、既存のモバイル通信では困難な高精細映像の伝送を実現することで、遠隔操作の作業効率を従来に比べ15%~25%改善した。本実証試験は、総務省が新技術の早期実現化を図るために行う技術的検討の一つとして行われた。

⑤ 最適な建物管理を実現するビルマネジメントシステムを開発
IoT・AI技術の活用により建物利用者の快適性・利便性を高め、ウェルネスの観点からも様々なサービスを提供するビルマネジメントシステムの開発を進めている。
実証段階にある本システムは、IoT技術を用いて建物内外の多様な情報(湿度・照度・映像等)や建物利用者一人ひとりの快適感(温熱・光環境の好み等)の情報をクラウドシステムに蓄積し、AIで分析することにより、快適、健康、安全・安心、利便性、省エネルギーなどの要求に対する最適な建物制御を行う。建物利用者が長く使うほど最適な環境に近づける学習制御も実現する。また、エネルギー消費量や運転効率など複数のデータを多面的に解析することにより、設備機器のメンテナンスや更新時期を予測することもできる。

⑥ 木造技術「オメガウッド・カラムウォール®」を開発
汎用木材を活用して高剛性・高耐力の柱を造る「オメガウッド・カラムウォール®」を開発した。
国内で大量生産される汎用木材(断面幅450㎜、厚さ90㎜程度の単板積層材)を接合金物やつづり材等で幅900㎜程度、厚さ180㎜以上に一体化し、中高層建築物の主架構(柱)とする。一般的な耐震壁付き軸組工法の場合よりも耐震壁を少なくでき、開口部面積を1.5倍程度まで拡大できる。また、一定条件の下、準耐火構造及び2時間までの耐火構造とすることが可能なため、耐火性能が要求される事務所、商業施設、医療福祉・教育施設など幅広い用途の中高層建築物を木造で建設できる。

⑦ CO2フリー水素を製造する水素エネルギーシステムを構築
再生可能エネルギーでCO2フリー水素を製造する水素エネルギーシステムを構築した。
当社技術研究所に設置されている再生可能エネルギー発電設備(太陽光、風力)を活用し、水の電気分解により製造した水素を気体の状態で貯蔵のうえ、需要に応じて酸素と反応させて発電する。製造から利用までの各段階で実証することで、クリーンで効率的な水素エネルギーシステムの最適化を目指す。水電解装置と蓄電システムの併用により、天候の影響を受けない安定的な電力供給や停電時の自立運転が可能になる。本実証では、水電解装置と蓄電池容量の最適な組み合わせや各設備の制御手法などを検証する。

⑧ 鉄骨柱・梁の溶接作業のすべてを自動化する「現場ロボット溶接工法」を開発
鉄骨造建築物における柱・梁の現場溶接作業をすべて自動化することで、省力化と高品質化を実現する「現場ロボット溶接工法」を開発した。
鉄骨造建築物の現場溶接作業には建設技能者の高度な技能が求められるなか、溶接の難易度が高い梁下フランジ、梁ウェブ、角形鋼管柱の溶接においてもロボットによる自動化を実現した。1人のオペレーターがロボットを2台同時に稼働させた場合、単位時間当たりの作業効率は溶接技能者の1.5倍であるため、省力化により技能労働者不足の解決に寄与する。また、ロボットの特長である正確な施工再現性により、高い溶接品質を安定的に確保できる。

(2) 大林道路㈱
「全天候型高耐久常温アスファルト合材」の開発
水と反応して硬化する性質を持つ「全天候型高耐久常温アスファルト合材」を開発した。
アスファルト舗装及びコンクリート舗装の劣化に伴って生じるポットホールや段差等の補修において、雨天時及び水溜り箇所での施工が可能となる。また、従来の揮発硬化性の常温アスファルト合材と比べて耐久性が高く、硬化速度が速いため、施工後は直ちに交通開放することが可能である。

(3) ㈱内外テクノス
金属箔を用いた不燃化木材ボードの開発
天然木化粧単板と金属箔を木質材料の上に貼り合わせることで、難燃薬剤を使用しない不燃化技術を当社と共同開発した。
従来の不燃化技術は難燃薬剤を注入するため、使用できる天然木化粧単板の樹種が限定されるうえ、薬剤に起因して白華が発生しやすく、納期に時間を要するとともに高コストであった。
今回開発した不燃化木材ボードは難燃薬剤を使用しないため、広葉樹を含む幅広い樹種を採用できる。また、ボード中間層に金属箔を用いることで、高い不燃性の確保及び燃焼時に下地木質材料から発生するガスの抑制が可能となる。今後は合板やCLT(直交集成板)を含む様々な木質材料の不燃化を図り、コストダウンや納期短縮を目指す。

(不動産事業及びその他)
研究開発活動は特段行っていない。

経営上の重要な契約等株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00055] S100DD1L)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。