有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D9OV
株式会社エス・エム・エス 事業等のリスク (2018年3月期)
事業等のリスクについては、当社グループの事業展開上、リスク要因となり得る主な事項を記載しています。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項でも、投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から記載しています。なお、本項における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づいて判断したものです。
(内部管理体制・組織体制に関するリスク)
① コンプライアンスについて
当社グループは、法令その他諸規則、社会規範を遵守すべく、「ビジネスガイドライン」を制定し、役職員に対してその周知、徹底を図っています。当該ガイドラインの中では、個人情報保護法、独占禁止法、景品表示法、金融商品取引法、職業安定法等当社グループの事業に関連の深い法令の遵守、反社会的勢力との関係遮断、不正行為の防止等が記載されています。また、入社時及び定期的に開催される全役職員を対象とした研修を通じて、継続的にコンプライアンス体制の強化に取り組んでいます。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分なコンプライアンス体制の構築が追いつかず、法令違反等が生じた場合、ユーザ及び取引先等の信頼失墜を招く、もしくは訴訟を提起されるという事態が発生し、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
② 人材の採用、育成及び欠員の発生について
当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場は今後も拡大が見込まれ、膨大な事業機会が生まれると認識しています。当社グループのミッションに掲げる高齢社会に適した情報インフラを構築していくためには、その機会をいち早く捉え様々なサービスを数多く生み出し続ける必要があり、社会からの要請を真摯に受けとめ主体的に変化対応できる人材の採用及び育成が非常に重要です。そのため、当社グループでは、積極的な採用活動、最適な人材マネジメントの整備及び研修体制の構築等に取り組んでいます。しかしながら、今後人材の採用や育成が計画通り進捗しない場合や離職及び育児介護休暇の取得等により多くの欠員が生じた場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
(法務に関するリスク)
③ 情報セキュリティについて
当社グループは、展開する各サービスの運営過程において、個人情報を含む顧客情報やその他の機密情報を取り扱っています。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、情報の取り扱いに関する社員教育、セキュリティシステムの改善、情報へのアクセス管理等、内部管理体制の強化に継続して取り組んでいます。しかしながら、当社グループや委託先の関係者の故意・過失、または悪意を持った第三者の攻撃、その他想定外の事態の発生により、これらの情報が流出または消失する可能性があります。そのような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜、競争力の低下、損害賠償やセキュリティ環境改善のために多額の費用負担等が発生し、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 人材紹介に関する法的規制について
当社グループは、有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可を受けています。当社グループの主要な事業活動の継続には有料職業紹介事業の許可が必要であるため、何らかの理由により許可の取消があった場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。なお、許可が取消となる事由は職業安定法第32条の9において定められておりますが、当連結会計年度末時点において当社グループが認識している限りでは、当社グループにはこれら許可取消の事由に該当する事実はありません。当社グループが保有している主な有料職業紹介事業許可の許可番号及びその取得年月等は以下のとおりです。
また、当社グループは、ケアマネジャーや看護師をはじめとした有資格者を対象としたサービスを提供しているため、今後これらの資格を規定する介護保険法や保健師助産師看護師法等が改定された場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 海外における法的規制について
当社グループは、2015年10月に買収したMIMSグループをはじめとして、アジアを中心に海外事業を展開しています。海外の子会社については、現地法上の規制を受け、将来において法的規制が強化されたり、現在予期しない法的規制等が設けられることがあります。当社グループは、事前に現地法律事務所への相談を行う等、これらの関連法制度の定めに従って事業を展開するよう努めておりますが、関連法令等を遵守できなかった場合、規制・命令により業務改善や業務停止の処分を受ける等、事業活動が制限される可能性があります。
⑥ 訴訟について
これまで、当社グループに対して、業績に重要な影響を与える訴訟等は提起されていません。また、現時点においても、業績に重要な影響を与える訴訟等が提起される見通しはありません。しかしながら、業績に大きな影響を与える訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が提起され、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
(財務に関するリスク)
⑦ のれん及び無形資産の減損について
当社グループは、2015年10月に、アジア・オセアニア地域で医薬情報サービス事業を展開するMIMSグループを買収するため、同グループの持株会社であるMedica Asia (Holdco) Limitedの株式の60%を取得しました。この買収に伴い、のれん及び無形資産である顧客関係資産と商標権を計上しており、今後、同グループの収益性が著しく低下し減損損失の計上が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 株式価値の希薄化について
当社グループは、ストックオプション制度を採用しており、当連結会計年度末現在、同ストックオプションによる潜在株式は658,400株であり、潜在株式も含めた株式総数の1.49%に相当します。これらは、当社グループの業績・業容拡大のための手段の1つとして実施しており、必ずしも既存株主の利害と相反するものではないと考えています。しかしながら、新株予約権の行使が行われた場合には、当社株式の1株当たりの価値は希薄化いたします。
⑨ 為替の影響について
当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債は、日本円換算した上で連結財務諸表を作成しており、換算時の為替レートによる為替変動の影響があります。想定を超えた急激な為替レートの変動が発生した場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
(事業に関するリスク)
⑩ 競合について
当社グループは「高齢社会に適した情報インフラを構築することで価値を創造し社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げています。人材紹介等、個別の事業においては競合他社が存在していますが、当社グループのように高齢社会全体を事業領域として捉えて事業を展開している競合他社は存在していないと認識しています。これまで当社グループは高齢社会に関連する市場に特化し、従事者及び事業者を囲い込みながら事業を展開することで多くの事業において競合他社より圧倒的に有利な地位を築いてきました。しかしながら、高齢者数の増加を背景に高齢社会の情報インフラに関連する市場には膨大な事業機会が生まれ、個別の事業に対し新たに参入する企業が増加することが考えられます。また、個別の事業において競合他社がより優れたビジネスモデルの事業を展開した場合や、過度に集中的な投資を行い市場参入してきた場合等には、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑪ 新規事業の立上げについて
当社グループは、高齢社会の情報インフラを産業として形成していくため、事業機会を早期に捉えてサービスを創出し、政策動向や市場ニーズに即したビジネスモデルの構築を推進しています。新規事業を開始するに当たっては、相応の先行投資を必要とする場合や、事業固有のリスク要因が発生する場合があります。事業を取り巻く環境の変化や市場の拡大スピード等により、当初想定していた成果が得られない可能性があります。また、事業の撤退等においては、当該事業用資産の処分や償却を行うことにより損失が生じ、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
⑫ M&Aや業務提携について
当社グループは、自社で行う事業開発に加えて、M&Aおよび他社との業務提携を通じて、新規事業の展開を推進しています。M&A・業務提携にあたっては、当社グループ戦略との整合性やシナジーを勘案して対象企業の選定を行い、当該企業の財務内容、契約関係、事業の状況等についてデューデリジェンスを実施した上で、経営会議・取締役会において細心の注意を払って判断を行っています。しかしながら、これらのM&Aや業務提携が期待通りの効果を生まず戦略目的が達成できない場合や、投資後に未認識の債務が判明した場合等には、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
⑬ システム障害について
当社グループは、介護事業者向け経営支援サービス・求人情報サイト・看護師向けコミュニティサイト等、インターネット通信網を利用した業務システムやウェブサイトを主なサービス提供手段としており、サービスの信頼性及び取引の安全性の観点から、当社グループの事業用ITインフラは高可用性、耐障害性を備えた設計としています。また、管理を強化するため、情報システム開発及び運用経験の豊富な人材の採用を積極的に実施しています。加えて、介護事業者向け経営支援サービスにおける介護保険請求システムについては、1万を超える介護事業所で利用されており、毎月の保険請求に関わる重要なデータを取り扱うことから、データ保管のクラウド化を実施するなど、有事の際にもデータを利用できるよう対処しています。しかしながら、このような体制による管理にもかかわらず、自然災害や事故等が起こった場合、当社グループ役職員の操作過誤が生じた場合、不正アクセスによる破壊または改ざん等の行為が生じた場合等には、当社グループのITシステムの機能低下、誤作動や故障等の深刻な事態を招く可能性があります。これらの事態が生じた場合には、当社グループはサービス提供及び営業取引に深刻な影響を受け、また介護保険請求不備に対する補償が必要となる等、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑭ 介護及び医療の業界における労働市場について
介護分野における労働市場においては、介護事業者が実施するサービスにより、ケアマネジャー等の有資格者を一定数従事させることが介護保険法等で義務付けられています。特に介護職等については人材不足が加速しており、事業者が事業を継続するに当たっては、有資格者を確保することが重要な経営課題となっています。また、医療分野における労働市場においても、かねてより看護師等の慢性的な人材不足の状況が続いています。
このような状況下において、介護及び医療の分野における事業者による従事者の採用需要は、今後も継続的に発生する状況であると当社グループでは考えています。しかしながら、今後、介護及び医療の分野における規制緩和等により事業者による従事者の採用需要が低下した場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑮ 発信した情報の知的財産権やレピュテーションについて
当社グループは、インターネットや紙媒体により様々な情報発信を行っております。当社グループは、これらの情報発信を行うに当たって、著作権や商標権等の知的財産権を侵害してないことや作成方法及び内容が社会的に妥当であることについて、顧問法律事務所の助言を含めた社内外のチェックにより細心の注意を払っています。しかしながら、当社グループが他者の知的財産権を侵害するような事態や当社グループが発信した情報の作成方法又は内容の妥当性について社会的批判を受けるような事態が発生した場合には、損害賠償請求等を受けたり、当社グループの社会的信用の失墜や競争力の低下により、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
⑯ コミュニティサービスの健全性について
当社グループのコミュニティサービスは、掲示板等において、多数の個人会員が会員間で独自にコミュニケーションをとることが可能です。当社グループは、健全なコミュニティを育成するため、適切な利用を促す目的で利用規約を定めています。また、会員の不適切な利用を確認した場合には投稿削除等の措置を講じています。しかしながら、今後急速な会員数の拡大等の結果として、当社グループが会員によるサイト内の行為を完全に把握することが困難となり、会員の不適切な行為に起因するトラブルが生じた場合には、当社グループが法的責任を問われる可能性があります。また、法的責任を問われない場合においても、ブランドイメージの悪化等により当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑰ 海外展開について
当社グループでは、海外を圧倒的に大きな市場であると認識し、その機会を捉えるため、早期にサービスを展開していく必要があると考えています。その一環として2015年10月にアジア・オセアニアの13の国と地域に展開するMIMSグループを買収いたしました。このような海外での事業展開においては、政治的要因(法制度や介護・医療分野への規制、政情不安等)、経済的要因(為替、景気等)、文化的要因(文化、商習慣等)及び社会環境において予測し得ない要因等により、日本国内とは全く異なる環境で事業を推進していくことに伴う様々な潜在的リスクが存在しています。海外事業展開にあたっては、シンガポールに統括拠点をおき、日本本社と連携しながら、各国のカントリーリスクに留意した事業推進を行っています。しかしながら、当社グループがこのようなリスクに対処できない場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
(内部管理体制・組織体制に関するリスク)
① コンプライアンスについて
当社グループは、法令その他諸規則、社会規範を遵守すべく、「ビジネスガイドライン」を制定し、役職員に対してその周知、徹底を図っています。当該ガイドラインの中では、個人情報保護法、独占禁止法、景品表示法、金融商品取引法、職業安定法等当社グループの事業に関連の深い法令の遵守、反社会的勢力との関係遮断、不正行為の防止等が記載されています。また、入社時及び定期的に開催される全役職員を対象とした研修を通じて、継続的にコンプライアンス体制の強化に取り組んでいます。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分なコンプライアンス体制の構築が追いつかず、法令違反等が生じた場合、ユーザ及び取引先等の信頼失墜を招く、もしくは訴訟を提起されるという事態が発生し、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
② 人材の採用、育成及び欠員の発生について
当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場は今後も拡大が見込まれ、膨大な事業機会が生まれると認識しています。当社グループのミッションに掲げる高齢社会に適した情報インフラを構築していくためには、その機会をいち早く捉え様々なサービスを数多く生み出し続ける必要があり、社会からの要請を真摯に受けとめ主体的に変化対応できる人材の採用及び育成が非常に重要です。そのため、当社グループでは、積極的な採用活動、最適な人材マネジメントの整備及び研修体制の構築等に取り組んでいます。しかしながら、今後人材の採用や育成が計画通り進捗しない場合や離職及び育児介護休暇の取得等により多くの欠員が生じた場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
(法務に関するリスク)
③ 情報セキュリティについて
当社グループは、展開する各サービスの運営過程において、個人情報を含む顧客情報やその他の機密情報を取り扱っています。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、情報の取り扱いに関する社員教育、セキュリティシステムの改善、情報へのアクセス管理等、内部管理体制の強化に継続して取り組んでいます。しかしながら、当社グループや委託先の関係者の故意・過失、または悪意を持った第三者の攻撃、その他想定外の事態の発生により、これらの情報が流出または消失する可能性があります。そのような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜、競争力の低下、損害賠償やセキュリティ環境改善のために多額の費用負担等が発生し、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 人材紹介に関する法的規制について
当社グループは、有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可を受けています。当社グループの主要な事業活動の継続には有料職業紹介事業の許可が必要であるため、何らかの理由により許可の取消があった場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。なお、許可が取消となる事由は職業安定法第32条の9において定められておりますが、当連結会計年度末時点において当社グループが認識している限りでは、当社グループにはこれら許可取消の事由に該当する事実はありません。当社グループが保有している主な有料職業紹介事業許可の許可番号及びその取得年月等は以下のとおりです。
所轄官庁等 | 取得者名 | 許可番号 | 取得年月 | 有効期限 |
厚生労働省 | 株式会社エス・エム・エス | 13-ユ-190019 | 2003年7月1日 | 2021年6月30日 |
厚生労働省 | 株式会社エス・エム・エスキャリア | 13-ユ-306922 | 2015年1月5日 | 2023年1月4日 |
また、当社グループは、ケアマネジャーや看護師をはじめとした有資格者を対象としたサービスを提供しているため、今後これらの資格を規定する介護保険法や保健師助産師看護師法等が改定された場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 海外における法的規制について
当社グループは、2015年10月に買収したMIMSグループをはじめとして、アジアを中心に海外事業を展開しています。海外の子会社については、現地法上の規制を受け、将来において法的規制が強化されたり、現在予期しない法的規制等が設けられることがあります。当社グループは、事前に現地法律事務所への相談を行う等、これらの関連法制度の定めに従って事業を展開するよう努めておりますが、関連法令等を遵守できなかった場合、規制・命令により業務改善や業務停止の処分を受ける等、事業活動が制限される可能性があります。
⑥ 訴訟について
これまで、当社グループに対して、業績に重要な影響を与える訴訟等は提起されていません。また、現時点においても、業績に重要な影響を与える訴訟等が提起される見通しはありません。しかしながら、業績に大きな影響を与える訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が提起され、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
(財務に関するリスク)
⑦ のれん及び無形資産の減損について
当社グループは、2015年10月に、アジア・オセアニア地域で医薬情報サービス事業を展開するMIMSグループを買収するため、同グループの持株会社であるMedica Asia (Holdco) Limitedの株式の60%を取得しました。この買収に伴い、のれん及び無形資産である顧客関係資産と商標権を計上しており、今後、同グループの収益性が著しく低下し減損損失の計上が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 株式価値の希薄化について
当社グループは、ストックオプション制度を採用しており、当連結会計年度末現在、同ストックオプションによる潜在株式は658,400株であり、潜在株式も含めた株式総数の1.49%に相当します。これらは、当社グループの業績・業容拡大のための手段の1つとして実施しており、必ずしも既存株主の利害と相反するものではないと考えています。しかしながら、新株予約権の行使が行われた場合には、当社株式の1株当たりの価値は希薄化いたします。
⑨ 為替の影響について
当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債は、日本円換算した上で連結財務諸表を作成しており、換算時の為替レートによる為替変動の影響があります。想定を超えた急激な為替レートの変動が発生した場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
(事業に関するリスク)
⑩ 競合について
当社グループは「高齢社会に適した情報インフラを構築することで価値を創造し社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げています。人材紹介等、個別の事業においては競合他社が存在していますが、当社グループのように高齢社会全体を事業領域として捉えて事業を展開している競合他社は存在していないと認識しています。これまで当社グループは高齢社会に関連する市場に特化し、従事者及び事業者を囲い込みながら事業を展開することで多くの事業において競合他社より圧倒的に有利な地位を築いてきました。しかしながら、高齢者数の増加を背景に高齢社会の情報インフラに関連する市場には膨大な事業機会が生まれ、個別の事業に対し新たに参入する企業が増加することが考えられます。また、個別の事業において競合他社がより優れたビジネスモデルの事業を展開した場合や、過度に集中的な投資を行い市場参入してきた場合等には、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑪ 新規事業の立上げについて
当社グループは、高齢社会の情報インフラを産業として形成していくため、事業機会を早期に捉えてサービスを創出し、政策動向や市場ニーズに即したビジネスモデルの構築を推進しています。新規事業を開始するに当たっては、相応の先行投資を必要とする場合や、事業固有のリスク要因が発生する場合があります。事業を取り巻く環境の変化や市場の拡大スピード等により、当初想定していた成果が得られない可能性があります。また、事業の撤退等においては、当該事業用資産の処分や償却を行うことにより損失が生じ、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
⑫ M&Aや業務提携について
当社グループは、自社で行う事業開発に加えて、M&Aおよび他社との業務提携を通じて、新規事業の展開を推進しています。M&A・業務提携にあたっては、当社グループ戦略との整合性やシナジーを勘案して対象企業の選定を行い、当該企業の財務内容、契約関係、事業の状況等についてデューデリジェンスを実施した上で、経営会議・取締役会において細心の注意を払って判断を行っています。しかしながら、これらのM&Aや業務提携が期待通りの効果を生まず戦略目的が達成できない場合や、投資後に未認識の債務が判明した場合等には、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
⑬ システム障害について
当社グループは、介護事業者向け経営支援サービス・求人情報サイト・看護師向けコミュニティサイト等、インターネット通信網を利用した業務システムやウェブサイトを主なサービス提供手段としており、サービスの信頼性及び取引の安全性の観点から、当社グループの事業用ITインフラは高可用性、耐障害性を備えた設計としています。また、管理を強化するため、情報システム開発及び運用経験の豊富な人材の採用を積極的に実施しています。加えて、介護事業者向け経営支援サービスにおける介護保険請求システムについては、1万を超える介護事業所で利用されており、毎月の保険請求に関わる重要なデータを取り扱うことから、データ保管のクラウド化を実施するなど、有事の際にもデータを利用できるよう対処しています。しかしながら、このような体制による管理にもかかわらず、自然災害や事故等が起こった場合、当社グループ役職員の操作過誤が生じた場合、不正アクセスによる破壊または改ざん等の行為が生じた場合等には、当社グループのITシステムの機能低下、誤作動や故障等の深刻な事態を招く可能性があります。これらの事態が生じた場合には、当社グループはサービス提供及び営業取引に深刻な影響を受け、また介護保険請求不備に対する補償が必要となる等、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑭ 介護及び医療の業界における労働市場について
介護分野における労働市場においては、介護事業者が実施するサービスにより、ケアマネジャー等の有資格者を一定数従事させることが介護保険法等で義務付けられています。特に介護職等については人材不足が加速しており、事業者が事業を継続するに当たっては、有資格者を確保することが重要な経営課題となっています。また、医療分野における労働市場においても、かねてより看護師等の慢性的な人材不足の状況が続いています。
このような状況下において、介護及び医療の分野における事業者による従事者の採用需要は、今後も継続的に発生する状況であると当社グループでは考えています。しかしながら、今後、介護及び医療の分野における規制緩和等により事業者による従事者の採用需要が低下した場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑮ 発信した情報の知的財産権やレピュテーションについて
当社グループは、インターネットや紙媒体により様々な情報発信を行っております。当社グループは、これらの情報発信を行うに当たって、著作権や商標権等の知的財産権を侵害してないことや作成方法及び内容が社会的に妥当であることについて、顧問法律事務所の助言を含めた社内外のチェックにより細心の注意を払っています。しかしながら、当社グループが他者の知的財産権を侵害するような事態や当社グループが発信した情報の作成方法又は内容の妥当性について社会的批判を受けるような事態が発生した場合には、損害賠償請求等を受けたり、当社グループの社会的信用の失墜や競争力の低下により、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
⑯ コミュニティサービスの健全性について
当社グループのコミュニティサービスは、掲示板等において、多数の個人会員が会員間で独自にコミュニケーションをとることが可能です。当社グループは、健全なコミュニティを育成するため、適切な利用を促す目的で利用規約を定めています。また、会員の不適切な利用を確認した場合には投稿削除等の措置を講じています。しかしながら、今後急速な会員数の拡大等の結果として、当社グループが会員によるサイト内の行為を完全に把握することが困難となり、会員の不適切な行為に起因するトラブルが生じた場合には、当社グループが法的責任を問われる可能性があります。また、法的責任を問われない場合においても、ブランドイメージの悪化等により当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑰ 海外展開について
当社グループでは、海外を圧倒的に大きな市場であると認識し、その機会を捉えるため、早期にサービスを展開していく必要があると考えています。その一環として2015年10月にアジア・オセアニアの13の国と地域に展開するMIMSグループを買収いたしました。このような海外での事業展開においては、政治的要因(法制度や介護・医療分野への規制、政情不安等)、経済的要因(為替、景気等)、文化的要因(文化、商習慣等)及び社会環境において予測し得ない要因等により、日本国内とは全く異なる環境で事業を推進していくことに伴う様々な潜在的リスクが存在しています。海外事業展開にあたっては、シンガポールに統括拠点をおき、日本本社と連携しながら、各国のカントリーリスクに留意した事業推進を行っています。しかしながら、当社グループがこのようなリスクに対処できない場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
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