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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DE0B

有価証券報告書抜粋 チッソ株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

「社会の未来をかえる新しい価値を発見し、社内外の技術を活用して価値創造のビジネスモデルを継続的に提案する。」を研究開発方針に掲げ、事業化及び事業推進に向けた研究開発を推進しています。当連結会計年度末における研究開発要員はグル-プ全体で350名、研究開発費は約77億円でした。
セグメントごとの研究開発の概要は以下の通りです。

(1)機能材料事業
機能材料事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)液晶化合物・組成物の研究開発
b)液晶ディスプレイ関連材料の研究開発
c)液晶材料の他の用途開発
液晶材料においては、液晶ディスプレイの用途の多様化、大型化に伴う使用数量の増加に対応するために、全方式の液晶組成物を遅滞なく提供する事を重点に開発を進めてきました。
特に大型化の進む高精細ディスプレイ対応のための高速応答、高輝度表示を達成する材料の開発に注力しました。一方、近年大きな技術的転換期を迎えている車載用途の材料をターゲットとして、広い動作温度範囲、低温での高速応答を特徴とする材料の開発を進めており、特にカーナビゲーションシステムでは大きなシェアを獲得することに成功しました。更に、今後のディスプレイ価格低下に対応するため、プロセス短縮を可能とした新規材料開発について成果が得られ、国内外の学術会議で紹介しています。
2017年度上期に稼働した台湾のディスプレイ技術開発センター(DTC)は、顧客からの技術相談や簡単な素子テスト等に対応する他、自社オリジナルのセル構造の発明・特許出願、新規用途のテストセルの作成を行なうなど、その機能を発揮しています。
光配向膜材料は、特性の改善が進み、プロセス適合性が良好な材料の開発を達成しつつあります。また高感度、高透過率、高安定性の材料系を新規開発し、更なる高機能特性を有する材料を提供出来る体制の構築を進めています。
オーバーコート材料は、当社材料の特徴である高バリア性能、高耐熱性、高平坦性に高い評価をいただいています。
重合性液晶材料(PLC)は顧客評価で小型ディスプレイでの表示特性の顕著な改善が確認されており、更なるステージアップの段階を向かえています。また最近では大型ディスプレイテーマへの適用を検討する顧客もあり、大型製品への展開の可能性も広がっています。
液晶材料は、他の材料に無い、異方性を持つ材料であることから、ディスプレイ以外の用途にも使用範囲が広がっています。最近では液晶材料の光シャッター効果を活用した調光窓や通信等の用途への応用について検討を行っています。調光材料等については、一部製品として実用化されており、顧客からの問い合わせが拡大しています。今後の高度通信環境要求に対してはビームスプリッターやアンテナ等の用途も期待されています。

(2)加工品事業
加工品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能複合繊維の開発及び不織布の開発
b)肥効調節型肥料の開発
繊維・不織布関連では高機能複合繊維の開発とスルーエア不織布、メルトブローン不織布、エレクトロスピニング法を用いたナノ繊維不織布やこれらの不織布を用いた複合製品の開発及び生産技術開発を推進し、衛生材料分野、産業資材分野等において新製品の提案に取り組んでいます。
肥効調節型肥料は、新機能を付与した被覆肥料の拡販に注力しています。

(3)化学品事業
化学品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能有機化学品の研究開発
b)シリコン化合物の開発及び生産技術開発
c)ライフケミカル製品の開発
有機化学品では社内コア技術を活用し、電子情報材料をターゲットとした機能性化学品のユーザー評価が進んでいます。
シリコン化合物では高機能新規シラン化合物や樹脂変性用の反応性シリコーンの開発を行っています。シリコン系LED用封止材は採用が進むと共に、新用途材料のユーザー評価が進んでいます。
ライフケミカル製品においては、医薬品原料を精製するためのクロマトグラフィー充填剤(商品名:セルファイン)を展開しています。また体外用診断薬では、新たに人用の体外診断用医薬品(白癬菌抗原キット)の承認を受け、海外での販売を開始しました。微生物検査用のシート培地は、新たに海外大手の化学会社と契約を結び、海外での営業基盤の強化を行いました。

(4)新規分野
電子情報材料開発室、精密加工品開発室では以下の研究開発に取り組んでいます。
a)電子情報材料の開発
b)精密加工材料の開発
電子情報材料開発室では、有機EL材料とプリンテッド・エレクトロニクス材料の開発を継続しています。有機EL材料では、継続的なユーザー採用及び事業化を目的として、新規構造の発光材料の開発に注力し、大手ユーザーへのワークを行ってきました。プリンテッド・エレクトロニクス材料は引き続き絶縁材料として、2017年度モデルのスマートフォンに採用、量産されています。この他、電子部品、半導体用途ではインクジェット装置メーカーとの協業により市場開拓を進め、大手ユーザーとの開発テーマにも注力して取り組んでいます。
精密加工品開発室では各種機能性フィルム、放熱材料及びLIB用セパレータの市場開発と販売を継続しています。機能性フィルムの主力商品であるペイント・プロテクションフィルムは、米国、中国及び東南アジアにおいて、塗装面の保護と汚れ防止の機能が認められ、高級乗用車を対象に引き合いが活発となっています。今後も、重点的にこれらの地域での販売活動を強化していきます。その他、スマホ向け防眩、防指紋の光学フィルム、自動車内装部品向けの加飾成型用フィルム、賃貸住宅向け床材用保護フィルムなどの用途開発を行っています。放熱材料は、一部材で複数の熱特性機能を所有する多機能熱制御材料として、動画撮影機能付カメラに採用されました。更に、本機能を必要とする小型デバイスへの展開を主体に、国内外への用途開発を継続しています。独自の多孔化技術により、低い膜抵抗性と高温での安定性を特徴としたLIB用セパレータは、高機能LIBを必要とするハイエンド用途への展開に注力しています。

(5)コーポレートテーマ
電子情報材料分野、エネルギー・環境分野をターゲットとした新技術、新商品の開発を推進しています。精密フィルター材料では、特異な表面微細構造と狭い孔径分布を有する精密濾過膜を開発し、その構造に由来する高い通気性と通水性は顧客の高い評価を得ています。二次電池負極材は、シリコン系材料において、ユーザーとともに市場要求特性に応じるため材料の改善を進めています。低環境負荷で高栄養作物の栽培を実現する新農業システムの開発は、大型栽培施設において栽培技術の確立を行っています。


(6)研究開発支援部門
事業開発推進室、知的財産室及び市原研究所、水俣研究所の分析・基盤グループと共に以下の研究開発支援を推進しています。
a)事業開発支援
b)知的財産支援
c)全社研究開発支援としての分析・基盤研究
事業開発推進室では、開発テーマの早期事業化と既存テーマの利益最大化を支援しています。知的財産支援では、2017年度に169件の国内新規特許を出願しました。研究開発支援では、当社グループのコア事業である、液晶ディスプレイ関連材料及び有機EL等に対して高度な分析・解析技術を使って研究開発推進に貢献しています。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00753] S100DE0B)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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