有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DBV7
三菱瓦斯化学株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
「2021年におけるありたい姿」に向けた中期経営計画『MGC Advance2017』の最終年度である2017年度(第91期)は、引き続きグループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」を道標として、「中核事業を中心とした既存事業の収益力強化」と「新規事業の創出と育成」の実現に向けて、研究開発活動に精力的に取り組みました。
カンパニーの各研究開発部門、コーポレートの研究開発部門である新規事業開発部及びコーポレートの支援部門である研究推進部がシナジー効果を発揮する体制で、既存事業の収益力強化と新規事業の創出を推進しました。
新規事業開発部は、投資組合への参画、ベンチャー企業との連携、および公的研究機関との共同研究など、社外との連携による研究開発活動によって新規事業領域での事業創出を加速しております。また、自ら生み出した研究開発テーマの事業化を推進し、短距離光配線事業及び工場生産野菜事業への参入を発表しました。
子会社の研究開発部門も含めた当社グループの研究開発スタッフは、グループ全体で884名であり、総従業員数の約11%にあたります。また研究費の総額は18,987百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究内容、研究成果、及び研究開発費は次のとおりであります。
[天然ガス系化学品事業]
メタノール系;原料調達から誘導品まで展開する当社メタノール事業のコアとなる合成触媒開発、製造技術改善を継続しており、パイロット装置を用いて最先端技術の確立を進めております。またメタノール事業の裾野を更に広げるため、メタノール改質水素製造プロセスの市場展開、メタノール燃料電池の技術開発・市場開拓を推進しております。
有機化学品系;メチルアミンや特殊ポリオール製品群の競争力強化を図ると共に、MMA系製品では各種誘導品の増強技術確立や製造法改善、並びに独自性のある新規誘導品の開発を行っております。また、高耐熱特殊ポリエステル、高透明光学用途樹脂などの樹脂製品、さらに高機能の熱硬化性樹脂原料となるシアネートモノマーの新規開発、市場展開を進めております。
ライフサイエンス系;これまでに蓄積した培養技術・発酵技術を活用し新規製品群を開発しています。現在、高齢化社会のニーズに即したブレインフードとして期待される補酵素ピロロキノリンキノン(PQQ)や酵母栄養成分(ビタミン、アミノ酸、ミネラルなど)を豊富に含むS-アデノシルメチオニン(SAMe)含有乾燥酵母を販売している他、さまざまな食品素材の開発を行っております。
また、抗体医薬事業ではMGCファーマ株式会社において、プロセス開発受託サービス、およびサンプル製造受託サービスを展開するとともに、抗体医薬品の国内製造を行う合弁会社の工場を当期中に完成させ、稼働準備を進めております。
当該事業に係る研究開発費は3,618百万円であります。
[芳香族化学品事業]
混合キシレンの分離・異性化によって製造する各キシレン異性体、及びその誘導品を中心とする事業展開を行っております。汎用製品群はプロセスコストダウン、品質改善による差別化を継続する一方、当社固有の特殊化学製品群は、既存装置の増産や新装置のプロセス検討などに加え、より川下分野への展開と、より確度の高い新規製品の研究開発を重点的に進めております。事業のベースとなる汎用製品群と収益率の高い特殊化学製品群をバランスよく展開することで、安定的かつ持続的成長可能な事業構造の構築を目指しております。
既存特殊化学品事業を構成するメタキシレンジアミン、MXナイロン系製品、及び芳香族アルデヒドは、コスト競争力強化のための技術開発を継続すると同時に、ユーザーの幅広い性能・品質要求に応える品揃えの拡大を進めております。メタキシレンジアミンのエポキシ樹脂硬化剤用途では、従来の欧米市場に加えアジアでの需要が伸びており、生産技術改善による増産の検討を進めております。MXナイロン系製品では、植物由来ポリアミドの他、新規ジアミンを使用したポリアミドの開発を継続しており、自動車・電子部品向けからフィルム・繊維への加工、更に樹脂のバリア性改質など幅広い用途で拡販を図っております。また芳香族アルデヒドは、新規の香料や高機能樹脂添加剤向けの開発を進めており、それぞれ事業基盤の強化に努めています。
本事業ではさらに、独自の強酸技術、酸化・還元技術等を駆使し、新規の高付加価値製品の開発を進めています。芳香族ポリカルボン酸を核水添して得られるシクロヘキサンポリカルボン酸誘導体は、樹脂原料や特殊硬化剤原料として内製化へ向けた検討が進んでおります。これらの高付加価値製品と高度な重合技術から生まれた透明ポリイミドワニス及びフィルムは、フレキシブルディスプレイ・タッチパネル・光学フィルム・センサー関連・OLED照明等、今後の伸張が期待される用途に対して検討を広く実施し、高い評価を得るとともに一部事業化を達成しています。その他にも半導体関連材料原体や熱可塑性ポリイミドなどの新規案件についても事業化を急いでおります。
当該事業に係る研究開発費は5,302百万円であります。
[機能化学品事業]
無機化学品事業;過酸化水素とその誘導体については、高付加価値化のための研究開発及び生産技術改善を継続的に進めており、新グレードの市場導入及び実プラントへの適用を実施しています。超純過酸化水素を中心とした半導体・液晶ディスプレイ・プリント配線分野では、当社の高い技術開発力を活かした最先端のハイブリッドケミカルズの開発に注力し、新規薬液・プロセス開発で採用実績を広げております。また、海外各拠点での開発体制の整備・拡充や能力増強を継続して進めており、顧客要望への対応力強化に努めています。眼鏡用レンズモノマーについては、超高屈折率材料や機能向上材料など、ユーザーニーズに対応した製品開発を進めると共に、培った光学関連の知見を活かした新規光学材料の開発に取り組んでいます。
合成樹脂事業;ポリカーボネート樹脂については、品質向上のための技術開発や新規光学フィルム向け素材を中心に高流動グレード、アロイ向けグレードの素材開発を進めています。光学用特殊ポリカーボネートは、スマートフォン向け小型レンズの他に車載やセキュリティカメラ用途への採用が広がっており、今後も高屈折率・低複屈折化技術で世界をリードできる新規グレードの開発を進めます。機能性シート・フィルム分野では、精密加工技術と特殊材料を組み合わせた要素技術を活用し、タッチパネル、筺体加飾、セキュリティカード、偏光・調光などの用途で差異化されたグレード開発を行っています。また、ポリアセタール樹脂については、製品品質の向上検討、特殊グレードの新規市場開発を中心に進めています。
当該事業に係る研究開発費は4,632百万円であります。
[特殊機能材事業]
電子材料分野では、反りが生じ難いことを特徴とした半導体パッケージ用材料、及び、高速通信や高速処理には高周波特性に優れた材料の開発を進め、拡販と量産の準備をしています。また、製品への薄葉化への試みも続ける一方、薄葉化に因り顕在化した性能低下を改善した製品の開発にも取り組んでいます。今後も、これら次世代材の開発を進めつつ、市場要求の変化に対応した製品の研究開発を効率良く推進します。
脱酸素剤分野では、事業基盤製品である小袋状エ-ジレス製品にて、コスト競争力向上を目的とした製品の開発を終え、量産を準備しています。また、既存の脱酸素剤製法のブラッシュアップによっても差異化に取り組んでいます。
新規分野としては、電子材料事業や脱酸素剤事業の周辺材料、及び両事業の技術を他の市場に展開した製品の開発を精力的に進めています。
当該事業に係る研究開発費は5,434百万円であります。
カンパニーの各研究開発部門、コーポレートの研究開発部門である新規事業開発部及びコーポレートの支援部門である研究推進部がシナジー効果を発揮する体制で、既存事業の収益力強化と新規事業の創出を推進しました。
新規事業開発部は、投資組合への参画、ベンチャー企業との連携、および公的研究機関との共同研究など、社外との連携による研究開発活動によって新規事業領域での事業創出を加速しております。また、自ら生み出した研究開発テーマの事業化を推進し、短距離光配線事業及び工場生産野菜事業への参入を発表しました。
子会社の研究開発部門も含めた当社グループの研究開発スタッフは、グループ全体で884名であり、総従業員数の約11%にあたります。また研究費の総額は18,987百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究内容、研究成果、及び研究開発費は次のとおりであります。
[天然ガス系化学品事業]
メタノール系;原料調達から誘導品まで展開する当社メタノール事業のコアとなる合成触媒開発、製造技術改善を継続しており、パイロット装置を用いて最先端技術の確立を進めております。またメタノール事業の裾野を更に広げるため、メタノール改質水素製造プロセスの市場展開、メタノール燃料電池の技術開発・市場開拓を推進しております。
有機化学品系;メチルアミンや特殊ポリオール製品群の競争力強化を図ると共に、MMA系製品では各種誘導品の増強技術確立や製造法改善、並びに独自性のある新規誘導品の開発を行っております。また、高耐熱特殊ポリエステル、高透明光学用途樹脂などの樹脂製品、さらに高機能の熱硬化性樹脂原料となるシアネートモノマーの新規開発、市場展開を進めております。
ライフサイエンス系;これまでに蓄積した培養技術・発酵技術を活用し新規製品群を開発しています。現在、高齢化社会のニーズに即したブレインフードとして期待される補酵素ピロロキノリンキノン(PQQ)や酵母栄養成分(ビタミン、アミノ酸、ミネラルなど)を豊富に含むS-アデノシルメチオニン(SAMe)含有乾燥酵母を販売している他、さまざまな食品素材の開発を行っております。
また、抗体医薬事業ではMGCファーマ株式会社において、プロセス開発受託サービス、およびサンプル製造受託サービスを展開するとともに、抗体医薬品の国内製造を行う合弁会社の工場を当期中に完成させ、稼働準備を進めております。
当該事業に係る研究開発費は3,618百万円であります。
[芳香族化学品事業]
混合キシレンの分離・異性化によって製造する各キシレン異性体、及びその誘導品を中心とする事業展開を行っております。汎用製品群はプロセスコストダウン、品質改善による差別化を継続する一方、当社固有の特殊化学製品群は、既存装置の増産や新装置のプロセス検討などに加え、より川下分野への展開と、より確度の高い新規製品の研究開発を重点的に進めております。事業のベースとなる汎用製品群と収益率の高い特殊化学製品群をバランスよく展開することで、安定的かつ持続的成長可能な事業構造の構築を目指しております。
既存特殊化学品事業を構成するメタキシレンジアミン、MXナイロン系製品、及び芳香族アルデヒドは、コスト競争力強化のための技術開発を継続すると同時に、ユーザーの幅広い性能・品質要求に応える品揃えの拡大を進めております。メタキシレンジアミンのエポキシ樹脂硬化剤用途では、従来の欧米市場に加えアジアでの需要が伸びており、生産技術改善による増産の検討を進めております。MXナイロン系製品では、植物由来ポリアミドの他、新規ジアミンを使用したポリアミドの開発を継続しており、自動車・電子部品向けからフィルム・繊維への加工、更に樹脂のバリア性改質など幅広い用途で拡販を図っております。また芳香族アルデヒドは、新規の香料や高機能樹脂添加剤向けの開発を進めており、それぞれ事業基盤の強化に努めています。
本事業ではさらに、独自の強酸技術、酸化・還元技術等を駆使し、新規の高付加価値製品の開発を進めています。芳香族ポリカルボン酸を核水添して得られるシクロヘキサンポリカルボン酸誘導体は、樹脂原料や特殊硬化剤原料として内製化へ向けた検討が進んでおります。これらの高付加価値製品と高度な重合技術から生まれた透明ポリイミドワニス及びフィルムは、フレキシブルディスプレイ・タッチパネル・光学フィルム・センサー関連・OLED照明等、今後の伸張が期待される用途に対して検討を広く実施し、高い評価を得るとともに一部事業化を達成しています。その他にも半導体関連材料原体や熱可塑性ポリイミドなどの新規案件についても事業化を急いでおります。
当該事業に係る研究開発費は5,302百万円であります。
[機能化学品事業]
無機化学品事業;過酸化水素とその誘導体については、高付加価値化のための研究開発及び生産技術改善を継続的に進めており、新グレードの市場導入及び実プラントへの適用を実施しています。超純過酸化水素を中心とした半導体・液晶ディスプレイ・プリント配線分野では、当社の高い技術開発力を活かした最先端のハイブリッドケミカルズの開発に注力し、新規薬液・プロセス開発で採用実績を広げております。また、海外各拠点での開発体制の整備・拡充や能力増強を継続して進めており、顧客要望への対応力強化に努めています。眼鏡用レンズモノマーについては、超高屈折率材料や機能向上材料など、ユーザーニーズに対応した製品開発を進めると共に、培った光学関連の知見を活かした新規光学材料の開発に取り組んでいます。
合成樹脂事業;ポリカーボネート樹脂については、品質向上のための技術開発や新規光学フィルム向け素材を中心に高流動グレード、アロイ向けグレードの素材開発を進めています。光学用特殊ポリカーボネートは、スマートフォン向け小型レンズの他に車載やセキュリティカメラ用途への採用が広がっており、今後も高屈折率・低複屈折化技術で世界をリードできる新規グレードの開発を進めます。機能性シート・フィルム分野では、精密加工技術と特殊材料を組み合わせた要素技術を活用し、タッチパネル、筺体加飾、セキュリティカード、偏光・調光などの用途で差異化されたグレード開発を行っています。また、ポリアセタール樹脂については、製品品質の向上検討、特殊グレードの新規市場開発を中心に進めています。
当該事業に係る研究開発費は4,632百万円であります。
[特殊機能材事業]
電子材料分野では、反りが生じ難いことを特徴とした半導体パッケージ用材料、及び、高速通信や高速処理には高周波特性に優れた材料の開発を進め、拡販と量産の準備をしています。また、製品への薄葉化への試みも続ける一方、薄葉化に因り顕在化した性能低下を改善した製品の開発にも取り組んでいます。今後も、これら次世代材の開発を進めつつ、市場要求の変化に対応した製品の研究開発を効率良く推進します。
脱酸素剤分野では、事業基盤製品である小袋状エ-ジレス製品にて、コスト競争力向上を目的とした製品の開発を終え、量産を準備しています。また、既存の脱酸素剤製法のブラッシュアップによっても差異化に取り組んでいます。
新規分野としては、電子材料事業や脱酸素剤事業の周辺材料、及び両事業の技術を他の市場に展開した製品の開発を精力的に進めています。
当該事業に係る研究開発費は5,434百万円であります。
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